JPS6316073Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気テープカセツトに関し、特に、カ
セツト内の磁気テープを外方に引出す開口部を、
その保存時に閉塞するガードパネルを備えたビデ
オ系磁気テープカセツトに関する。

従来、ビデオ系磁気テープカセツト（以下、単
に「カセツト」と云う）は、カセツト使用時にお
いて、カセツトを磁気記録再生装置にローデイン
グすることによりその装置に設けられた機構によ
つて、カセツト本体の前方に設けたテープ引出し
用の開口部から磁気テープを露出して記録再生等
を行う構成となつている。カセツト保存時におい
て、前記開口部はテープ保護及びカセツト内にゴ
ミ等が侵入するのを防止するために、常時閉方向
に付勢されたガードパネルにより閉塞される。

前記ガードパネルは、その形状が一般に前記開
口部の前方を覆う前方壁と、該前方壁に対し直角
に延びた側壁を両端に備えた略コ字状をなしてお
り、これら側壁がカセツト側壁に軸支され回転動
作をして前記開口部を開閉可能にし且つロツク部
材により閉塞位置に係止される。

特に、近年開発されて機動性に富み、戸外での
使用が可能なポータブル型ビデオシステムに使用
される小型カセツトに至つては、その使用用途か
ら従来の据置型ビデオシステム以上にテープ面に
塵埃の付着する機会が増えるため、その画像への
影響が大きな問題となつている。

本考案は前記問題に鑑み、カセツト保存時に前
記開口部を確実に閉塞し得るガードパネルを備え
たカセツトを提供することを目的とするものであ
る。

本考案のかかる目的は、磁気テープを内蔵する
本体の前面開口部を該本体に揺動自在に支持され
て閉塞可能とするガードパネルを有する磁気テー
プカセツトにおいて、前記ガードパネルが前記開
口部を閉塞する外蓋と、前記開口部の両端にテー
プ引出し孔を形成した壁面に設けられる開閉案内
溝に沿つてスライドする案内部材及び前記案内溝
に並設された係止溝に対応する係止突起を有し且
つ前記外蓋に軸支されて外蓋と連動する内蓋とか
ら成り、前記係止突起が前記ガードパネルの閉塞
位置において前記係止溝の終端部の溝側壁に係合
することにより案内突起により作動閉塞した外蓋
と内蓋とを係止突起により、前記内蓋を閉塞位置
に確実に保持することを特徴とする磁気テープカ
セツトにより達成される。

以下、添付した図面に基づき、本考案によるカ
セツトの一実施態様について詳述する。

第１図は本考案カセツトのガードパネルの一実
施態様を示す分解斜視図である。

第１図において、カセツト１は磁気テープＴを
前方の開口部２の左右両端に設けたテープ引出し
孔３から引出し且つテープ引出し孔３間に装架し
た状態にして収納しており、前記開口部２を覆う
ガードパネル４は略コ字形状の外蓋５と、横断面
が略Ｔ形状の内蓋６との組み合せによる二重構造
からなり、前記カセツトの側面により軸支されて
回動可能に取り付けられると共にばね部材（図示
せず）によつて常時閉方向に付勢されている。

すなわち、前記外蓋５は前記磁気テープＴをそ
の磁性面側から覆うように設けた前方壁７と、該
前方壁７に対して両端に直角に延びる側壁８とか
らなる。

前記側壁８の内側には夫々突出した支軸９が設
けられており、前記支軸９が前記テープ引出し孔
３を形成するカセツトの外方側壁１０に夫々透設
した円孔１１に嵌合して前記外蓋５を揺動可能に
取り付けている。前記円孔１１は上下ハーフの合
体面を中心に各ハーフの側壁を半円状に切欠いた
ものから画成されたものである。

前記内蓋６は前記開口部２の上方を覆う上壁１
２と、前記外蓋５の前方壁７の方向に傾斜して前
記磁気テープＴをそのベース面側から覆う側壁１
３とからなり、その横断面が略Ｔ形状をなしてい
る。また、前記脚壁１３は前記前方壁７と対向す
る面の両端中段に夫々短軸１４を備え、その短軸
１４を備えた面の裏面下方両端部に案内突起１５
及び該案内突起１５の片方に並設した係止突起２
１を備えている。

前記内蓋６は前記短軸１４を前記外蓋５の前方
壁７の内側に突設した一対のリブ１６に支持さ
れ、且つ前記案内突起１５が前記テープ引出し孔
３を形成するカセツト内方の壁面１７に設けた開
閉案内溝１８に遊嵌され、前記外蓋５に連動して
摺動案内されると共に、前記係止突起２１が前記
案内溝１８の片方に並んで設けた係止溝１９に対
応して移動可能になされている。

前記案内溝１８はその幅を前記案内突起１５の
太さに比べて充分大きくとられており、前記内蓋
６の開閉時の動きを滑らかにするように構成され
ている。

前記係止溝１９は前記ガードパネル４の閉塞位
置において、その終端部の溝側壁２０が前記係止
突起２１に略半円状に周接・係合し、前記内蓋６
のガタをなくすように構成されている。

以上の如く構成した前記ガードパネル４の作動
を第２図及び第３図を参照して説明する。

第２図は前記ガードパネル４の作動を示すため
の前記開口部２における概略側面図であり、第３
図は前記各溝１８，１９と前記各突起１５，２１
を示す拡大斜視図である。

前記カセツト１が記録再生装置に装填された
時、第２図に示す如く、外蓋５は前記側壁８に設
けた支軸９を回動中心として前記カセツト１本体
の上方（矢印Ａ方向）へ略90度開かれる。この作
動に伴い、前記内蓋６は前記リブ１６に支持され
て上方に持ち上げられ、且つ前記案内突起１５を
前記案内溝１８に案内されつつ前記脚部１３の先
端１３ａと前記前方壁７の先端部７ａとの間隔を
広げながら移動して一点鎖線で示す位置となり、
前記カセツト１の開口部２が開かれて該開口部２
を横切るように装架された前記磁気テープＴを開
放する。

この時、前記係止突起２１は前記係止溝１９内
をフリーな状態で上方に移動する。

前記カセツト１を記録再生装置から取り出した
とき、前記ガードパネル４は前記外蓋５をばね部
（図示せず）により閉塞方向（第２図の矢印Ｂ方
向）に常時付勢されているので、前記外蓋５と前
記内蓋６とが閉方向へ連動して、前記開口部２に
装架された磁気テープＴを前記各蓋５，６で包み
込むと共に開口部２を自動的に閉じる。

この時、前記外蓋５はロツク部材（図示せず）
によりその閉塞位置に係止される。又、前記内蓋
６は前記案内突起１５が前記案内溝１８に沿つて
開放時とは逆に案内されて、前記係止突起２１を
前記係止溝１９の終端部の溝側壁２０に係合す
る。前記溝側壁２０が前記係止突起２１が水平方
向に動かないように係合することにより、前記内
蓋６は遊びの無い状態で位置決めされその閉塞位
置に保持される。

以上述べたように本考案カセツトによれば、前
記カセツト１の保存時において、前記内蓋６は前
記係止突起２１が前記溝側壁２０に係合して閉塞
位置に保持され、前記外蓋５は従来のロツク部材
により係止されるので、前記ガードパネル４は前
記テープ引出し孔３間に装架された磁気テープＴ
を完全に包み込んだ状態で確実な閉止が可能とな
り、従来のガードパネルに比べてその防塵効果を
高めることができる。

なお、本実施態様は前記ガードパネル４の閉塞
時に前記内蓋６がその脚壁１３の一方端を保持さ
れることにより内蓋６の閉止を可能としたが、脚
壁１３の両端を保持するように構成してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施態様を示す斜視図、第
２図は本実施態様のカセツト開口部におけるガー
ドパネルの作動を示すための概略側面図、第３図
は本考案の要部拡大斜視図である。 １……カセツト、２……前方開口部、３……テ
ープ引出し孔、４……ガードパネル、５……外
蓋、６……内蓋、７……前方壁、８……側壁、９
……支軸、１０……外方側壁、１１……円孔、１
２……上壁、１３……脚壁、１４……短軸、１５
……案内突起、１６……リブ、１７……カセツト
内方の壁面、１８……開閉案内溝、１９……係止
溝、２０……終端部の溝側壁、２１……係止突
起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープを内蔵する本体の前面開口部を該本
   体に揺動自在に支持されて閉塞可能とするガード
   パネルを有する磁気テープカセツトにおいて、前
   記ガードパネルが前記開口部を閉塞する外蓋と、
   前記開口部の両端にテープ引出し孔を形成した壁
   面に設けられる開閉案内溝に沿つてスライドする
   案内突起及び前記案内溝に並設された係止溝に対
   応する係止突起を有し且つ前記外蓋に軸支されて
   外蓋と連動する内蓋とから成り、前記係止突起が
   前記ガードパネルの閉塞位置において前記係止溝
   の終端部の溝側壁に係合することにより、前記内
   蓋を閉塞位置に保持することを特徴とする磁気テ
   ープカセツト。