JPS63157707A - 耐摩耗性複合ロ−ル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野］ 本発明は、耐摩耗性材料を粉体肉盛溶接した複合ロール
に係り、特にすぐれた耐摩耗性を有する圧延用ロールに
関するものである。

「従来の技術」 従来から耐摩耗圧延ロールとしては高合金化した鋳鉄ロ
ール、超硬合金！ＩＪ［］−ル等がある。

近年、高速、高圧、長時間使用等の高能率圧延を目的に
して特にｉ４ｓ耗性のすぐれたロールが要求されるよう
になってきた。しかし、鋳鉄系材料を用いたロールでは
耐摩耗性を向上させるために硬さを高めると靭性が低下
して使用に耐えないという欠点があるため、耐摩耗性の
向上には限界が・あって十分なものとはいえない。

また、鋳鉄系から離れた焼結超硬合金製ロールもあるが
、これは耐摩耗性にはすぐれているが、コストが高く、
圧延ロールのような比較的大寸法のロールには不適当で
ある。

そこで、耐摩耗性にすぐれた圧延ロールとして、Ｇｏ基
合金と炭化系金属（例えばＷＣ）粉からなる粉体をプラ
ズマ溶接により肉盛溶接した耐摩耗性ロールが特開昭６
１−４６３０７号公報にて開示されている。このＣＯＩ
肉盛合金の詳細については記載されてていないが、概略
３５〜５Ｑｖｏ１％のＣＯと３０〜５Ｑｖｏ１％の炭化
系金属とＮｉ１またはＣｒとＮｉ、またはＱｒとＶとで
構成されたものである。そして、１　＋ｔａ＋の厚みに
粉体肉盛溶接した実施例が記載されている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかし、実際に粉体肉盛溶接する場合には高度な肉盛条
件の制御技術を必要とし、母材との疑固収縮ｍの相違に
よって肉盛層に割れが発生しやすい。特に、耐摩耗性を
向上させるために炭化物からなる硬質粒子を分散含有す
る材質を粉体肉盛溶接する場合、材質が脆弱であるため
割れ発生はいっそう起りやすくなる。

本発明の目的はこのような欠点を排除し、肉盛溶接施工
時に割れが生じないで蛙全に製造できる耐摩耗性にすぐ
れた圧延ロールを提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、重量比でＣｒ５．Ｏ〜２０．０％、Ｂ１．Ｏ
〜５．０％、Ｆｅ１Ｏ，０％以下、３ｉ０．５〜５．０
％、Ｃ１，５％以下、残部が実質的にＮ１よりなる合金
の粉末に、周期律表の第■Ａ、ＶＡ、ＶＩＡ族元素の炭
化物の１種または２種以上からなる粒径が１０〜３００
μｍの硬質粒子を体積比で１０〜５０％混合し、オース
テティ１〜系ステンレス鋼のロール母材の上に粉体肉盛
溶接することにより、耐摩耗性にすぐれ、しがも粉体肉
盛溶接施工時に割れの発生しない複合ロールを得ようと
づるものである。

本発明における肉盛層を形成する合金の成分の限定理由
は以下のとおりである。

Ｃｒ：Ｎｉ基地中に同容して基地の硬さの向上に有効で
あり、またＣと結合して炭化物を形成して耐摩耗性を高
める。しかし、５．０％未満では耐摩耗性及び耐食性が
不十分であり、２０．０％を超えると脆性を増ずので、
その含有量は５．０〜２０．０％である。好ましい範囲
は１０．０〜１８．０％である。

Ｂ　：組織中に高硬度の硼化物を析出させるので合金の
硬さを高め、また耐摩耗性を向上させるのに効果があり
、さらに溶融点を下げる効果がある。しかし、１％未満
では十分な硬さが得られず、溶融点も高く、肉盛後の肉
盛層の収縮代が大きくなるため肉盛層の引張応力が大き
くなって割れやすくなる等の問題がある。また５、０％
を超えると合金は脆くなり、肉盛層に割れを生じやすく
なる。従って、Ｂの範囲は１．０〜５．０％である。好
ましい範囲は２．４〜４．０％である。

Ｆｅ：基地の靭性向上に有効であるが、１０゜０％を超
えると基地の硬さを低下させ、また耐食性も低下させる
。従ってその上限は１０゜０％である。好ましい範囲は
３〜６％である。

Ｓｉ二基地の高硬度化に有効で、また脱酸元素としても
必要である。しかし０．５％未満の未満の硬さが得られ
ず、また、５．０％を超えると靭性を悪化させるので、
その範囲は０．５〜５．０％である。好ましい範囲は２
．０〜４．０％である。

Ｃ：Ｎｉに同容して強度を高めると共に、合金元素と結
合して炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる。しかし
、１．５０％を超えると靭性を低下させるので、１．５
０％以下の添加量である。好ましい添加量は０．４〜１
．０％である。

Ｎｉ：基地を構成する主要元素である。また、Ｂと結合
して硼化物を析出して、基地の硬さを高めると共に、硼
化物を分散させて耐摩耗性を高める。Ｎｉは実質的に上
記添加元素以外の残部を占める。

本発明では耐摩耗性を向上させるために周期律表の第１
ＶＡ、ＶＡ、ＶＩＡ族元素の炭化物の１種または２種以
上からなる硬質粒子を合金中に分散させる。好ましい炭
化物はＷＣ，ＮｂＣ，ＴｉＣ及びＶＣである。硬質粒子
の門は肉盛層の１０〜５０体積％を占める。硬質粒子１
０体積未満だと所期の耐摩耗性向上効果が得られず、５
０体積％を超えると肉盛層に割れが生じやすくなる。

また、硬質粒子の粒径は１０〜３００μｍである。粒径
が３００μｍを超えると肉盛層に割れが生じやす（，１
０μｍ未満では肉盛中に基地合金中への同容が過度に進
行する。また、これらの粒子は母合金との比重の相違が
大きいので、粉体肉盛溶接中における粒子の偏在を防止
するために、粒径が１０〜１００μｍの範囲にあるのが
好ましい。

このようにして得られる耐摩耗性合金の肉盛層は溶接に
より形成されるので、拡散層を介して母材と強固に結合
し、耐剥離性が大きい。

次に、本発明ロールの母材について述べる。本発明の肉
盛層は脆くて割れが発生しやすい材質である。母材に粉
体肉盛溶接された後は、肉盛層は母材に比べて高温状態
から冷却されるので冷却にともなう収縮量が母材よりも
大きくなってを引張応力による割れが発生しやすい。こ
の傾向は硬質粒子の混合ｍが増大するほど顕著になる。

そこで、熱膨張（収縮）係数が大きいオーステナイト系
ステレンス鋼を肉盛用母材として使用するのが、肉盛層
のクラック防止の観点から有利である。すなわち、母材
は熱膨張（収縮）係数が大きいため、肉盛後は大きく収
縮して肉盛層の収縮量に追従し得るものとなる。さらに
、冷却時には変態が起らず、オーステナイト状態のまま
であるので塑性変形能もｎい。ただし、硬さが低すぎる
と母材として必要とされる強さが不足するので、硬さは
ＨＢ１２１以上程度は必要である。

［作　用］ 耐摩耗性ｔ４質をロール母材に粉体肉盛溶接するに際し
て、母材の材質としてオーステナイト系ステンレス鋼を
用いるので、熱膨張（収縮）係数が大きいために肉盛層
の肉盛後の収縮♂の相違が小さくなり、さらに冷却途中
においてオーステナイト状態のままであり、塑性変形が
起りやすいため肉盛層の収縮に追従しやすくなる。この
ため肉盛層の割れ発生が防止される。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本発明の実施例に係る耐摩耗性材質を粉体肉盛
溶接した複合リングロールの軸方向断面図である。同図
のロールの寸法は外径３３０　ｍｍ。

内径１９０ｍｍ、長さ９５ｍｍである。そして、オース
テナイト系ステンレス鋼（ＳＵＳ３０４）からなるロー
ル母材２の表面に耐摩耗性にすぐれた肉盛材１を１層当
り２．０〜２．５ｍｎ＋の厚みで２８１Ｉ１１の厚みに
多層粉体肉盛溶接層したものである。

このようにして得た実施例Ｎ　ｏ、　１〜Ｎ　０．４０
−ルの成分、硬質粒子混合量、硬さを第１表に示す。

なお、これらのロールはいずれも割れの発生が認められ
なかった。

第１表 ［発明の効果Ｊ 以上説明したように、本発明の耐摩耗性複合ロールは粉
体肉盛溶接法によりすぐれた耐摩耗性を有するロールの
製造供給を可能とするものであり、ロールの使用時のズ
テ命が向上でき、その工業的価値は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る耐摩耗性合金ロールの軸
方向断面図である。 １・・・肉盛材、２・・・中間材。 特許出願人　　日立金属株式会社 第１図 手　　　続　　　補　　　正　　　書 昭和６２年２月２日

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 母材をオーステナイト系ステンレスとし、その上に重量
   比でＣｒ５．０〜２０．０％、Ｂ１．０〜５．０％、Ｆ
   ｅ１０．０％以下、Ｓｉ０．５〜５．０％、Ｃ１．５％
   以下、残部実質的にＮｉよりなる合金の粉末に、周期律
   表の第IVＡ、ＶＡ、VIＡ族元素の炭化物の１種または２
   種以上からなる粒径が１０〜３００μｍの硬質粒子を体
   積比で１０〜５０％混合し、母材の上に粉体肉盛溶接し
   てなることを特徴とする耐摩耗性複合ロール。