JPS6314832Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ヒトの各所の疼痛、神経痛、運動障
害、腰痛、跛行、仮性近視などの原因不明の障害
を取除くのに著効を奏する、ヒトの股関節脱臼と
か股関節亜脱臼といつた股関節部組織の異常を匡
正すべき手段としてのヒトの股関節部周りを緊縛
できるバンドを有する下半身用下着であつてしか
もその下着自体及びバンドの着脱操作が容易であ
りかつ下着自体の見映えも悪くないという使用し
易い下半身用健康下着に関する。

従来の技術 最近は、姿勢が悪いとか背柱に異常彎曲を示す
子供が増えたり、また子供、大人を通じて運動や
歩行に原因不明の痛みを感じたり、また仮性近視
とか腰痛、血行障害、生理痛などを訴える者が増
えてきているが、そのような障害も股関節部の脱
臼、亜脱臼その他の組織的な歪を是正することに
よつて顕著に治療効果を挙げ得る場合の少くない
ことが注目されている。そして、その股関節部の
組織的な歪を匡正するための有効な方法としてゴ
ムチユーブで股関節部のある位置の腰と下腹部の
周りを数回緊縛したうえで体操をするなどの方法
がある。しかしゴムチユーブのようなものを腰周
りに巻付けた侭では外出したり日常の行動をする
のに工合が悪くて常時着用し、使用するのには困
難を伴う。ところが股関節亜脱臼などの股関節部
の組織異常の匡正には長期間を要するのが普通で
あることから、できれば常時の着用、使用に不便
を感じることのないものであつてしかもゴムチユ
ーブのように股関節部のある位置の腰周りを確実
に緊縛できる手段の出現することが望ましいので
ある。

そこで考案者は先に（実願昭59−112067号明細
書参照）、不断の使用に不便を感じることのない
股関節部周りの緊縛手段としてパンツなどに股関
節のある位置の腰部及び下腹部を緊縛できるバン
ドを一体的に組合せてなる下半身用下着を開発
し、おつくうがることなく手軽に、或いは長期間
継続して股関節部の異常を治療し得るものを提供
して多大の効果を挙げている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながらそのようなバンドをパンツなどに
一体的に組合わせるようにした下半身用下着にお
いても、バンドの基部をパンツなどの後側部に固
定する一方で相互係着具のある先端部をフリーの
状態にしたものでは、そのパンツなどを身につけ
ようとしてパンツを拡げるように両手で持つとき
に、フリーの状態にあるバンドの先端部が垂れ下
り、それがパンツなどを変形させるためにパンツ
などをはくのに手間がかかつたり、パンツなどを
身につけた後でバンドの先端部を相互係着させ、
股関節部位置の腰周りを緊縛しようとするときに
垂れ下つたバンドの先端部を把む操作が特に下着
の上に外衣を着用している場合などには仲々むず
かしいという困難が発生するようになる。また、
パンツなどの上をバンドが横切るかたちとなるも
のでは下着という外観をさほど飾る必要のないも
のではあつても余りにも見映えが良くないという
欠点もあつた。

問題点を解決するための手段 本考案はそのような困難とか欠点を無くした、
股関節部位置の腰周りを緊縛できるバンド付きの
下半身用下着を得るためになされたものであり、
下半身用下着本体１のヒトの股関節部のある位置
の腰部及び下腹部を取巻くべき部分を、ヒトの下
腹部に当るべき部分の上縁が開閉自在となつた袋
状の二重層２に形成すると共に、弾力又は／及び
張力を介してヒトの股関節部のある位置の腰部及
び下腹部の周りを緊縛し得るバンド３を、その基
部を下半身用下着本体１のヒトの腰部に当るべき
部分に固定しつつ、該二重層２内に収納してなる
下半身用下着である。

作 用 このような構造とされた下半身用下着は、それ
を身につけようとするときにバンド３が袋状の二
重層２中に収納されているためにバンド３の先端
部が垂れ下ることがなくまたバンドの先端部の重
みが下着の形状を変形させることもないので、普
通の下着の場合と何ら変るところはなく自在に身
につけることができる。そして、その下着を身に
つけたうえでバンド３の先端部を相互に係止させ
て股関節部位置の腰部及び下腹部の周りをそのバ
ンドで緊縛しようとするときには、その袋状二重
層２の開閉自在とされた下腹部に当る部分の上縁
経由で手をその二重層２内へ差入れることによつ
てバンド３の先端部を把むことが容易にできるの
で、非常に簡単に、たとえ外衣を着ている状態で
あつても、バンド３の先端部の相互係着による股
関節部位置の腰周りの緊縛操作ができるようにな
る。

また、必要に応じてそのバンドによる腰周りの
緊縛操作を中止したいときには、バンド先端部の
相互係着を離脱したうえでバンド３をその袋状の
二重層２中に再度収納、静置させておけば、バン
ドの先端部がブラブラと垂れ下つた状態となつて
日常動作の邪魔になつたり見苦しい恰好となるこ
ともないので、その下着を身につけた状態ででも
自在にその緊縛操作だけを中止できるようにな
る。

更に、この下着全体の外観はバンド３が袋状の
二重層２の内部に収納されて外部からそのバンド
の存在が判り難く、従つて普通の下着と殆んど変
りのないものとなつて、見映えが悪くなる懸念が
皆無である。殊にその二重層２の外層を下着本体
１の生地と同じものを用いるようにする場合に
は、外部からは二重層２の外縁線の存在だけが目
につき易い点となるに過ぎないという利点があ
る。

また、その袋状の二重層２は貴重品の収納箇所
としても便宜に利用できるものである。

実施例 １ 第１図、第２図、第３図、第４図及び第５図に
示すものは、女性の下半身用下着としての、伸縮
性のある生地で作られたシヨーツを下半身用下着
本体１とし、それをヒトが着用したときにそのヒ
トの股関節部のある位置の腰部及び下腹部を取巻
くようになる部分上を下着本体１と同一生地で周
縁部（但しヒトの下腹部に当るべき部分の上縁を
除く）を縫着４しつつ被覆することによつて、そ
の腰部及び下腹部を取巻くべき部分を、ヒトの下
腹部に当るべき部分の上縁だけが開閉自在となつ
た袋状の二重層２に形成する一方で、マジツクテ
ープ、フツクなどのフアスナー具を備えて相互の
係着及び離脱が自在となる先端部を有すると共に
ほぼ全体がゴム糸などの弾性糸を使用しつつ織成
されて弾性による伸縮性を豊かに有する左側及び
右側の各バンド３の基部を下着本体１のヒトの腰
部に当るべき部分に夫々縫着して固定しつつ、各
バンド３を夫々袋状の二重層２の左側内及び右側
内に収納することによつて、両手をその二重層２
内へ差入れて各バンド３の先端部を握り、強く引
寄せつつ第１図に鎖線で示すように相互に係着さ
せればその左右のバンドでヒトの股関節部のある
位置の腰部及び下腹部の周りを正確に緊縛でき、
股関節部の組織異常を便宜に治療できるようにし
たものである。

なお、第２図に点線で示され、左右各バンド３
間のヒトの腰部中央に当るべき部分にある部材
は、下着本体１の裏面に縫着されると共に左右の
各バンド３間に橋架け状に縫着された、そのバン
ドと同様の弾性材からなる連結バンド材５であ
り、バンド３で腰部及び下腹部周りを緊縛したと
き下着本体１生地がその部分で左右に引裂かれる
のを防止するための下着本体生地の補強材の役目
も果している。

また、第４図及び第５図は夫々、第１図のＡ部
及びＢ部の詳細を縦断面で示したものである。

なおまたバンド３は、前述したように弾性材を
用いて弾力によつて腰周りを緊縛するようにする
代りに、弾性のないバンド材を用いて強い引つ張
り力だけで又は弾性プラス引つ張り力で腰周りを
緊縛できる洋服のベルトのような構造としてもよ
いものである。

実施例 ２ 第６図及び第７図に示すものは、男性用の本考
案に係る健康下着を示し、バンド付き下着では通
常、バンド３でヒトの股関節部のある位置の腰部
及び下腹部を緊縛しつつ日常の行動をするときに
バンド３が自然に腰部の上方部へとずれ上りがち
となるために下着の股下部で男性の陰部が圧迫さ
れて苦しくなつてくるのを避ける目的から、その
下着本体の股下部の構造を、下着本体が上方へ移
動するのを防止すべき足輪６となる部分を残して
男性の陰部に当るべき部分の生地を切欠いた、若
しくは鎖線で示すようにその部分の生地を大きく
下方へ膨出させた、かたちにしたブリーフパンツ
様のものを下半身用下着本体１に用いている。そ
して、この実施例の場合には、バンド３として前
述のものとは異つて一本ものを用い、その基部と
なる中央部を下着本体１のヒトの腰部中央部に当
るべき部分に縫着して固定するようになつてい
る。また、袋状の二重層２もそのバンド３の全部
を内部に収納できるように下着本体１の、ヒトの
股関節部のある位置の腰部及び下腹部の全周に亘
つて形成して、そのバンド３の存在が外部からは
前述のもの同様に外部からは判り難いようにして
いる。

考案の効果 以上に述べたところからも明らかなように本考
案は次のような顕著な効果を奏する。

イ 下着を手に持つた状態でバンドが下方へ長く
垂れ下ることがないので、下着の着用に不便を
感じることはない。

ロ バンドが手の届き易い二重層内に収納されて
いるので、バンドでの腰周りの緊縛操作及びそ
の中止操作が外衣を着ている状態であつても随
意に容易にできるようになる。

ハ バンドによる腰周りの緊縛操作を中止すると
きにはそのバンドを袋状の二重層内に簡便に収
納できるので、バンドの存在を気にする必要が
全くなくなる。

ニ バンドが二重層内に収納されて外部からは判
り難いので、下着自体の外観も悪くならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の正面図、第２図はそ
の実施例の背面図、第３図はその実施例の中央縦
断側面図、第４図は第１図Ａ部の縦断側面図、第
５図は第１図Ｂ部の縦断側面図、第６図は本考案
の他の実施例の正面図、第７図はその実施例の背
面図。 １……下半身用下着本体、２……二重層、３…
…バンド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下半身用下着本体１のヒトの股関節部のある位
   置の腰部及び下腹部を取巻くべき部分を、ヒトの
   下腹部に当るべき部分の上縁が開閉自在となつた
   袋状の二重層２に形成すると共に、弾力又は／及
   び張力を介してヒトの股関節部のある位置の腰部
   及び下腹部の周りを緊縛し得るバンド３を、その
   基部を下半身用下着本体１のヒトの腰部に当るべ
   き部分に固定しつつ、該二重層２内に収納したこ
   とを特徴とする下半身用下着。