JPS6313682B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は胛部表面に凹凸模様を形成してなる防
寒長靴の製造法に関する。

従来、裏付のゴム長靴を得るには、靴型に靴下
状に形成した裏布を被装し、未加硫ゴム生地から
なる表ゴム片を貼着し、更に必要部位に所要の部
品を貼着し確実に接着させるために、押えロール
等で直接上記表ゴム片の上面を押圧する方法、或
いは、エアバツグ等で押圧する方法等で行われて
いる。上記の方法では、未加硫ゴム生地からなる
表ゴムの表面に直接圧力をかけるので、均等な圧
力で押圧することは不可能であり、最も大切な表
ゴム表面が変形され、外観が悪くなり製品として
の品質の低下を招き、更には、手ロール掛けによ
る作業では、殊に作業者の手部の過労による腱し
よう炎等の障害が増している。従つて防寒用長靴
として、裏布と表ゴムの間に防寒用シートを挿着
するものであれば、増々前記の如く表ゴム表面の
変形、外観の低下を免れることはできず更には、
各部品の接着不良、作業者の過労による障害が増
加する欠点を有していた。

本発明は靴型に被装した表ゴムと裏布との間に
防寒用の模様付きシートを挿入した後、上記表ゴ
ム内部を真空にすることにより表ゴム表面に加わ
る大気圧によつて、表ゴム表面に凹凸模様を形成
するとともに表ゴムと裏布とを接着する防寒長靴
の製造法を提供することを目的とする。

本発明は、靴型に靴下状の裏布を被装し、次ぎ
に長靴体を展開した形状の表ゴムを被装して、こ
の表ゴムの内部と外部とを遮断し、表ゴム内部を
真空にして上記表ゴムに加わる大気圧により表ゴ
ムと裏布とを接着した後靴底を貼着し以後常法に
より完成品を得る長靴の製造法において、適宜胛
形に倣う形状に裁断し且つ型押しにより或いは縫
製により凹凸状の模様を形成した模様付きシート
を上記表ゴムと裏布との間に装着して表ゴムに模
様付きシートの凹凸の模様に倣う凹凸模様を押圧
形成するとともに表ゴムと裏布或いは上記模様付
きシートを介して表ゴムと裏布とを均等に確実に
接着しうることを特徴とする防寒長靴の製造法で
ある。

本発明の実施例を図面により説明する。

先ず、靴型１に靴下状に形成した裏布２を被装
する。次にこの裏布２の外面に接着剤を塗布し、
裏布２の胛部相当部の適宜個所に貼着しうる大き
さ或いは胴部を囲繞しうる大きさに裁断され、且
つ型押しにより或いは縫製により所望の凹凸状の
模様を形成した胴芯即ち模様付きシート３をその
表裏両面に接着剤を塗布した後上記裏布２外面に
貼着し、更に、長靴体を展開した形状に裁断して
形成された未加硫ゴムの表ゴム４をその裏面に接
着剤を塗布した後上記裏布２若しくは模様付きシ
ート３外面に貼着する。

しかる後、上記靴型１に順次裏布２、模様付き
シート３、表ゴム４を被装した長靴体の履口部を
真空吸引装置に嵌入する。

真空吸引装置は、基板５の上面に靴型１の履口
内周を嵌入できる堰堤状の凸起を有し、また靴型
１の履口外周を囲みうるチユーブ状のエアバツグ
６を囲繞固定する保持壁７を有し、基板５の中央
には靴型１内部と真空ポンプ（図示せず）とを連
結する連通管８を有し、保持壁７にはエアバツグ
６内部とコンプレツサー（図示せず）とを連結す
る連通管９を有している。従つて、コンプレツサ
ーより圧縮空気を連通管９を介して、エアバツグ
６に送気しエアバツグ６の膨張力によつて長靴体
の履口部を押圧し、長靴体内部と外気とを遮断す
るとともに、長靴体内部の空気を連通管８を介し
て真空ポンプにより吸引し、真空圧が上昇するに
つれて長靴体の外面には大気圧がかかり、その大
気圧によつて表ゴム４、模様付きシート３裏布２
は靴型１外面に押圧され、各部品同志は均一圧力
にて確実に接着され、且つ、表ゴム４には、模様
付きシート３の凹凸模様に倣う凹凸模様が形成さ
れる。

模様付け並びに接着が完了した後は、エアバツ
グ６への圧縮空気の送気を止め、且つ、長靴体か
らの吸引を止め、エアバツグ６内の圧縮空気をエ
アバツグに設けた排出口１０より排出して、エア
バツグ６による長靴体の圧縮を解き、靴型１に被
装した長靴体を真空吸引装置から取り出す。次ぎ
に常法により本底を接着した後加硫缶等にて加硫
成形し、加硫成形後は長靴体を靴型１より取り外
して、その履口部の処理をして完成した防寒長靴
を得る。以後は上記の操作を繰り返えす。

本実施例に使用する靴下状に形成された裏布２
は天然或いは合成繊維の編布或いは織布で伸縮性
のあるものであればよいが、内面がボア状の防寒
メリヤスがより有益である。模様付きシート３
は、発泡ポリウレタンのシートの両面に伸縮性の
あるメリヤス等を貼合わせて、所望形状に裁断し
た後縫製して縫目凹凸模様を形成するもの或い
は、発泡ポリウレタンのシートの両面に、合成繊
維のメリヤスを貼合わせて所望形状に裁断し且つ
加熱型押しして凹凸状の模様を形成するもの、又
は、発泡ポリウレタンのシートのみを所望形状に
裁断し且つ加熱型押しして凹凸状の模様を形成す
るもの、又は縫製して縫目凹凸模様を形成するも
の等である。

上記模様付きシート３のうち、発泡ポリウレタ
ンのシートの両面に合成繊維のメリヤスを貼合わ
せたもの、及び発泡ポリウレタンのシートのみか
らなるものは、裁断後或いは裁断と同時に加熱型
押しして凹凸状の模様を形成することができるの
でその全表面は滑らかとなり、殊に、その外周縁
は薄く形成できて、模様付きシート３を挿入して
いる部分と挿入していない部分との境目は表ゴム
面の段差が小さくなつて滑らかな曲線をなし、外
観は優美であり、接着も確実である。

また、模様付きシート３の表面に接着剤を塗布
するには一面にハケ等にて塗布するよりも、高速
エア吹出しのスプレーガンにより蜘蛛の巣状に塗
布するがよい。このように塗布すれば、表ゴム４
や裏布２との接着には何等支障をきたすことな
く、胛部は柔軟にしてソフト感を与えられ屈曲容
易であり、殊に表ゴム４裏面との間に空気層が形
成され且つ表ゴムとの接着面積が小さいので熱伝
導による熱の放出も著しく減少され、保温性に優
れたものとなる。

また靴下状の裏布全面に発泡ポリウレタンシー
トを貼付した状態でも、所望の凹凸状模様を施し
て同様の工程を得て製品となすこともできる。

本発明は、上記の如く靴型１に靴下状の裏布
２、凹凸模様を形成した模様付きシート３、長靴
体を展開した形状の未加硫ゴムシートからなる表
ゴム４を被装した後、真空吸引装置により長靴体
内部を真空にするのみで、極めて損傷し易い未加
硫ゴムからなる表ゴム４の表面を手ロール等の器
具によつて直接押圧することなく、最も自然な大
気圧によつて未加硫ゴムからなる表ゴム４の全表
面を均一に押圧することができて、表ゴム４に模
様付きシート３の凹凸模様に良く倣う凹凸模様を
形成することができるとともに、各部品間の接着
は均質で確実になすことができ、その製造も短時
間にでき、しかも手間を要せず、極めて能率的で
廉価であり、外観は変形したところもなく滑らか
で優美であり、防寒長靴としての防寒効果を発揮
しうるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示す説明図である。 １……靴型、２……裏布、３……模様付きシー
ト、４……表ゴム、５……基板、６……エアバツ
グ、７……保持壁、８……連通管、９……連通
管、１０……排出口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 靴型に裏布を被装し次に表ゴムを被装して表
   ゴムの不通気性によつて内部と外部とを遮断し、
   表ゴムの内部を真空にして表ゴムに加わる大気圧
   により表ゴムと裏布とを接着した後、靴底を貼着
   し以後、常法により完成品を得る長靴の製造法に
   おいて、適宜胛形に倣う形状に裁断し且つ型押し
   により或いは縫製により凹凸状の模様を形成した
   模様付きシートを表ゴムと裏布との間に装着して
   表ゴムに模様付きシートの凹凸模様に倣う凹凸模
   様を形成することを特徴とする防寒長靴の製造
   法。