JPS6313456Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は各種器具、型などの内容積を検査す
る流量計を用いた容量検査装置に関する。

一般に各種の器具、型などの内容積を測定検査
する場合には、充填した計測液を別の試験装置に
移し変えて行つているのが現状である。たとえば
計量法第181条の２で定める「特殊容器」の製造
業者は、その金型の内容積を検査することが施行
規則第90条の管理規定で義務づけられているが、
その金型は20Kg〜60Kgもあるため、重量計量から
は容量検出が非常に困難であつた。したがつて、
上述の方法により金型から移し変えられた容積を
測定しているのが通例である。

このように移し変えて容積を測定検査するとき
は、移し変えの際の容積誤差、あるいは手順の面
倒、または作業の非能率など幾多の不都合があつ
た。

この考案は、叙上の点に着目して成されたもの
で、従来の計測液の移し変え手段をなくし、直接
被測定容器または被測定金型内に計測流体たとえ
ば水を流量計で計測しながら充填して所望の充填
量を充填操作だけによつて簡単に計測できるよう
にした流量計を用いた容量検査装置を提供するに
ある。

しかしながら、計測流体の充填操作は急激な大
流量充填を行うと液面の波立ち現象がはげしくな
り、満液時の液面検出が不正確となり測定精度に
誤差を生ずる不都合がある。また、計測流体の充
填操作を、緩やかな小流量充填とすると液面の波
立ち現象がなくなり、満液時の検出が正確とな
り、測定精度を向上できる利点があるがいちじる
しく時間がかかり非能率である。

この考案の他の目的とする処は、叙上の点に着
目して成されたもので、計測液体の充填操作を全
容積量以下で、全容積量より少ないほとんど全容
積量に近い状態までは大流量充填によつて急速に
行わせ残りの小容量を液面が波立ち現象を伴わな
い小流量充填で行うようにした二段閉止流量制御
を特徴とする流量計を用いた容量検査装置を提供
することにある。

この考案のさらに他の目的とする処は、液面検
出機構により、被測定容器または被測定金型の所
望の被検出液面に、充填される計測液が緩やかに
静的に達したことを検出してその時の瞬間の流量
計の計測値を保持した状態で表示できるようにし
た流量計を用いた容量検査装置を提供するにあ
る。

以下に、この考案の一実施例を図面と共に説明
する。

この実施例は計量法第181条の２に規定した
「特殊容器」に該当する飲料用瓶などの金型１の
容量を検査する場合を示すものである。

２は金型１で形成される被計測内容積、３はこ
の金型１の被計測内容積２に通ずる計測用液体、
たとえば水の送給管、４，５はその途中に形成さ
れる分岐管で、それぞれの分岐管４，５には電磁
弁６，７と流量調節弁８，９が介装してあり、大
流量をもつて流れる流量調節弁８と微小流量をも
つて流れる流量調節弁９とで構成される。１０は
分岐管４，５の上流で送給管３の上流に設けた流
量計、１１は送給管３に水を供給する水タンク、
１２は金型１の全容量を検知する水位検知体で、
制御機構１３と導線１４で連結すると共に金型１
にアースさせた導線１４′と前記制御機構１３が
連結してある。なお、電磁弁６，７を開閉するた
めの操作信号は制御機構１３より与えられる。

したがつて、水面が水位検知体１２と接触する
と導通した時、制御機構１３の流量計測値を保持
状態で表示することができるようになつている。

なお、前記制御機構１３には、流量計１０の計
測量を表示するカウンター１５、スタートスイツ
チ釦１６、および表示ランプ１７、ならびにリセ
ツト釦１８を具備している。

また、送給管３のノズル３ａには図示していな
いがフイルターなどの絞りを設け、ノズル３ａよ
り送給管３の先端に貯溜する水分が必要以上に流
下するのを防ぐと共に流量計測に先立ち、ノズル
３ａ部分の滴下によつて不足する容積に相当した
水をあらかじめ、微量だけ送給して補い、流量計
１０よりノズル３ａの先端に至るまで送給管３を
満水状態に保持せしめる制御確認回路１９を前記
制御機構１３に附設してある。２０は主弁であ
る。

叙上の構成に基づいてこの考案の作用を説明す
る。

まず、スタートスイツチ釦１６を押し、電磁弁
６，７を開く。もちろんこの状態では主弁２０は
開いているので水タンク１１内の水は送給管３、
分岐管４，５を経てノズル３ａに達し一部は下方
に流出する。送給管３内の流量計１０以降の水分
が満水状態であることを制御確認回路１９で確認
した後、一旦スイツチ釦１６を切り、カウンター
１５を零合わせして再びスタートスイツチ釦１６
を入れる。

この場合、送給管３のノズル３ａは飲料用瓶の
金型１内に臨まれている。

したがつて、水は両電磁弁６，７が開かれてい
るので大容量の水が金型１内に急速に充填され
る。

そして、予め制御機構１３において設定して置
いた全容積量以下で、全容積量より少ないほとん
ど全容積量に近い設定値にその充填量が達すると
大流量の流量調節弁８の電磁弁６が閉じ、もつぱ
ら微少流量の流量調節弁９の電磁弁７のみが開い
た状態を維持するので、微少流量がノズル３ａよ
り金型１内に流下し、今まで大流量が流下してい
たために起つていた水面の波立ち現象がなくなり
きわめて緩やかな静止水面となつて水面が上昇す
る。

この静止水面が、所望の設定された水位に達す
ると水位検知体１２がこれを検知し、制御機構１
３に伝えて、流量計１０の計測した容量すなわち
計測値をカウンター１５に表示してその計測値を
保持すると共に電磁弁７を閉じる。

したがつて、電磁弁７の作動遅れ時間のため水
位検知体１２の検出水位以上に水が流入しても最
早流量をカウントしないので、流量の行過ぎによ
る測定誤差という不都合は回避できる。

なお、この考案において、制御機構１３と流量
計測に伴う電気回路は、第３図のブロツクダイヤ
グラムに示すとおりである。

また送給管３に分岐管４，５を設けて二つの異
なる流量調節弁８，９の電磁弁６，７が介装して
あるが、このような分岐管４，５を設けることな
く一個の流量調節可能の電磁弁だけで大流量と小
流量との二段閉止操作を行える弁構造のものであ
るならば、前記実施例と同様に実施例できること
は勿論である。（図示せず） この考案によれば、水などの計測液を第２図に
示すように計量開始から予じめ設定された流量値
（全容積量より少ない値）に達するまでは大流量
で流し、爾後計測液を微少流量で流がして液面の
波立ち現象を静めながら液面を平静面として上昇
させるようにしたので液面検出機構による全容積
値の正確な検出が行われ、しかも直ちに計測値が
固定した状態で表示され、被測定容器または被測
定金型の容積測定が正確にしかも頗る能率的にな
し得る効果を有する。

また、この考案によれば、注入した計測液体の
試験装置への移し変えなどの手間が省けるので、
これまた頗る能率的であるなどの効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す流量計を用
いた容量検査装置の説明図、第２図は同上の計測
流体の流量変化を示すグラフ、第３図は電気ブロ
ツク図である。 １……金型、２……被計測容積、３……送給
管、４，５……分岐管、６，７……電磁弁、８…
…大流量の流量調節弁、９……微少流量の流量調
節弁、１０……流量計、１２……水位検知体、１
３……制御機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体を送給する送給管に設けられた流量計と、
   前記送給管に設けられた開閉弁と、前記送給管の
   流出端に設けられたノズルと、該ノズルより液体
   を流下して充填する被計測容器に取り付けられる
   全容積充填量を検知する液面検出機構と、前記流
   量計からノズル先端に至るまでの送給管内を満水
   状態に保持せしめる制御確認回路と、前記開閉弁
   を充填開始後前記全容積充填量より僅かに少ない
   設定量に達するまでは大流量で、該設定量に達し
   た後は微小流量で充填するようにした流量調節機
   構と、前記液面検出機構により被計測容器の全容
   積量を検知したとき、前記流量計の計測値を保持
   して表示する制御機構とより成ることを特徴とす
   る容量検査装置。