JPS6313397Y2 - - Google Patents

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JPS6313397Y2
JPS6313397Y2 JP8868983U JP8868983U JPS6313397Y2 JP S6313397 Y2 JPS6313397 Y2 JP S6313397Y2 JP 8868983 U JP8868983 U JP 8868983U JP 8868983 U JP8868983 U JP 8868983U JP S6313397 Y2 JPS6313397 Y2 JP S6313397Y2
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JP
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rotor housing
rotor
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engine
apex seal
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JP8868983U
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、ロータリピストンエンジンのロータ
ハウジングに関し、特に潤滑性向上のためにトロ
コイド形状の内周面にポーラスクロムメツキが施
されたものの改良に関する。
(従来技術) 周知のように、ロータリピストンエンジンは、
トロコイド形状のロータハウジング内周面をロー
タがその頂部に装着されたアペツクスシールを摺
接させながら遊星回転運動するものであり、ロー
タハウジング内周面およびアペツクスシールは摩
擦による機械的負荷の他、エンジンの爆発燃焼に
よる熱衝撃や熱膨張等の熱的負荷も直接受ける過
酷な条件下におかれる。このため、単に耐摩耗性
向上のためにロータハウジング内周面に硬質クロ
ムメツキを施したものでは、その表面にアペツク
スシールの溶着によるチヤターマークと称される
異常摩耗等が発生するという問題があつた。
そこで、従来、このような問題を解決するため
に、電気化学的方法(電解エツチング法等)ある
いは機械的方法等により上記クロムメツキ表面に
チヤンネル状やピンポイント状の潤滑油保持用凹
所(ポーラス)を形成し、潤滑性を高めるという
方法が一般に採られている(例えば特開昭54−
130714号公報等参照)。
そして、上記の方法を採用する場合、潤滑性を
高めるという見地からはポロシテイー率(クロム
メツキ表面の全面積に対して凹所の面積が占める
割合)をできるだけ大きくすることが望ましい。
しかし、徒らにポロシテイー率を大きくし過ぎる
と、摺動面であるクロムメツキのプラト一部分の
面積が少なくなつて、アペツクスシール摺動時該
アペツクスシールに作用する面圧が高くなるた
め、アペツクスシールの摩耗量が増大するという
相反する問題がある。そのため、従来はポロシテ
イー率は10〜60%の範囲に設定されていた。
ところが、近年、ロータリピストンエンジンに
おいて、過給機等の採用によつて高出力化が図ら
れ、それに伴つて上述の如き機械的負荷および熱
的負荷が著しく増大している。そのため、ポロシ
テイー率を上記の値(10〜60%)に設定したもの
では、潤滑性が不十分となつて、異常摩耗等の発
生を確実に防止できなくなつている。特に、ロー
タハウジングの点火プラグ開口周辺部およびロー
タ上死点位置における燃焼室のトレーリング側部
分は熱的負荷を強く受け、良好な潤滑性の確保が
困難であるため、アペツクスシールの溶着が発生
し易く、摩耗促進の起点となつている。
(考案の目的) 本考案の目的は、上記の如くロータリピストン
エンジンの高出力化に伴う機械的および熱的負荷
の増大に対処すべく、アペツクスシールに作用す
る面圧の増大を招かずに、ロータハウジング内周
面の潤滑性を効果的に高めて、アペツクスシール
の溶着による異常摩耗等の発生を抑制せんとする
ものである。
(考案の構成) 上記目的を達成するため、本考案の構成は、上
述の如くポーラスクロムメツキされたトロコイド
形状の内周面を有するロータリピストンエンジン
のロータハウジングにおいて、その内周面の熱的
負荷を強く受ける箇所に対し、最小限の面積・形
状に限定した上、局部的にポロシテイー率を高め
る処理を施したものである。すなわち、上記ロー
タハウジングの内周面における潤滑油保持用凹所
の面積を、ロータハウジングの点火プラグ開口周
辺部からロータ上死点位置における燃焼作動室の
トレーリング側との間であつてかつトレーリング
側になるに従つて次第にハウジングの幅方向の幅
が広くなるようにした範囲において他所よりも多
くなるように設定したものである。
このことにより、本考案では、ロータハウジン
グ内周面の熱的負荷を強く受ける箇所の潤滑性を
ポロシテイー率の増大によつて高めることによ
り、アペツクスシールの溶着による異常摩耗の発
生を抑制するとともに、ポロシテイー率の増大箇
所を極めて狭い範囲に限定することによつてアペ
ツクスシールに大きな面圧が作用するのを防止す
るようにしたものである。
(考案の効果) したがつて、本考案によれば、アペツクスシー
ルの面圧増大を招くことなく、該アペツクスシー
ルの溶着による異常摩耗の発生を有効に抑制する
ことができるので、エンジンの高出力化に対応し
てその耐久寿命の延長化を図ることができるもの
である。
(実施例) 以下、本考案の技術的手段の具体例としての実
施例を図面に基づいて説明する。
第1図はロータリピストンエンジンの概略構造
を示し、1は、トロコイド形状の内周面2aを有
するロータハウジング2とその両側に配設された
サイドハウジング3,3とによつて形成されたケ
ーシング、4は該ケーシング1内を偏心軸5に支
承されて遊星回転運動するロータであつて、該ロ
ータ4の回転によりケーシング1内を3つの作動
室6,6,6に画成しながら吸入、圧縮、爆発
(燃焼)、膨張、排出の各行程を順次行うようにし
ている。また、7はサイドハウジング3に開口し
た吸気ポートで、吸気通路(図示せず)からの吸
気を該吸気ポート7を介して吸入作動室6に供給
するものである。8はロータハウジング2に開口
した排気ポートで、排出作動室6からの排気ガス
を該排気ポート8を介して排気通路(図示せず)
へ排出するものである。尚、9はロータ4の各頂
部に装着されたアペツクスシール、10および1
1はリーデイング側およびトレーリング側点火プ
ラグであつて、該点火プラグ10,11はそれぞ
れロータハウジング2に対して該ロータハウジン
グ2に形成した開口12,13を介して燃焼作動
室6に臨むように装着されている。
上記ロータハウジング2の内周面2aは、その
全面に亘つて硬質クロムメツキ処理が施されてい
るとともに、その硬質クロムメツキ表面には、従
来と同様に電気化学的方法あるいは機械的方法等
によりチヤンネル状やピンポイント状の潤滑油保
持用凹所(図示せず)が形成されており、該凹所
の面積比率たるポロシテイー率は硬質クロムメツ
キ全表面に亘りほぼ均一で約60%の値に設定され
ている。
そして、本考案の第1実施例に係るロータハウ
ジングにおいては、上記の如く硬質クロムメツキ
全表面に潤滑油保持用凹所を均一に形成する処理
を施した後、第2図に斜線で示すようなロータハ
ウジング2のトレーリング側点火プラグ11の開
口13周辺部からロータ上死点位置TDC(圧縮行
程における作動室6の容積が最小となるときに該
圧縮作動室6のトレーリング側のアペツクスシー
ル9が当接するロータハウジング2位置)におけ
る燃焼作動室6のトレーリング側との間であつて
かつトレーリング側になるに従つて次第にロータ
ハウジング2の幅方向の幅が広くなるようにした
三角形状の範囲に対してのみ、さらにシヨツトブ
ラストやフオトエツチング等の方法により凹所を
形成する処理が施され、その範囲でのポロシテイ
ー率は他所のそれ(略60%)よりも大きく70〜80
%の範囲に設定されている。
また、本考案の第2実施例に係るロータハウジ
ングにおいては、硬質クロムメツキ全表面に潤滑
油保持用凹所を均一に形成する処理を施した後、
第3図に斜線で示すようなロータハウジング2の
リーデイング側点火プラグ10の開口12周辺部
からロータ上死点位置TDCにおける燃焼作動室
6のトレーリング側との間であつてかつトレーリ
ング側になるに従つて次第にロータハウジング2
の幅方向の幅が広くなるようにした三角形状の範
囲に対してのみ、上記第1実施例と同様の処理が
施され、その範囲でのポロシテイー率は70〜80%
の範囲に設定されている。
次に、上記各実施例の作用効果を、その実施例
に係るエンジンに対し従来例または比較例として
の6種類のエンジンと共にベンチテストを行つた
結果に基づいて説明する。
ここで、従来例としてのエンジンは、ロータハ
ウジング内周面2aにおける硬質クロムメツキ表
面のポロシテイー率を60%のままにし、そのポロ
シテイー率を増大する処理を全く施さなかつたも
のである(第4図aに相当)。比較例1としての
エンジンは、硬質クロムメツキ表面のポロシテイ
ー率を60%から70〜80%に増大する処理をロータ
ハウジング内周面2a全体に亘つて施したものて
ある(第4図bに相当)。また、比較例2として
のエンジンはロータハウジング2の上死点位置
TDCにおける燃焼作動室のトレーリング側部分
に対してのみに、比較例3としてのエンジンは各
点火プラグ10,11の開口12,13周辺部に
対してのみに、また比較例4としてのエンジンは
リーデイング側点火プラグ10の開口12周辺部
からロータ上死点位置TDCにおける燃焼作動室
のトレーリング側との間で点火プラグ10,11
の開口12,13を挾んだだけの狭い帯状の範囲
に対してのみに、さらに比較例5としてのエンジ
ンはリーデイング側点火プラグ10の開口12周
辺部からロータ上死点位置TDCにおける燃焼作
動室のトレーリング側との間に対してのみにそれ
ぞれ硬質クロムメツキ表面のポロシテイー率を60
%から70〜80%に増大する処理を施したものであ
る(第4図c〜fに各々相当)。
また、ベンチテスト条件は、回転数1500rpmの
無負荷運転を20秒間行つた後、アクセル全開・全
負荷状態で回転数を7000rpmまで上げ、この回転
数を1.25分間維持した後、アクセル全閉・無負荷
として回転数を1500rpmまで下げる行程を1サイ
クルとし、これを6000サイクル行つた後、エンジ
ンを分解し、ロータハウジング内周面2aにおけ
るアペツクスシール9の溶着箇所を検査するとと
もに、アペツクスシール9の高さ摩耗量を該アペ
ツクスシール9の中央部および両端部にて各々測
定した。
そして、アペツクスシール9の溶着箇所を検査
した結果は、それぞれ第4図a〜hに点を散点状
にプロツトした領域で表わしている。また、アペ
ツクスシール9の高さ摩耗量の測定結果は第5図
に示している。
このベンチテストの結果からも判るように、本
考案の実施例においては、ロータハウジング内周
面2aにアペツクスシールが溶着することがほと
んどなく、また該アペツクスシール9の摩耗量を
従来例に比べ約半分以下に低減することができ
る。この結果、エンジンの高出力化に伴つて熱的
負荷等が増大するものにあつて、その耐久寿命を
大巾に延長することができ、エンジンの高出力化
に十分に対応することがきる。
本考案の実施例において上述の如く効果を奏す
ることができるのは次のような理由によるものと
考えられる。すなわち、 ロータハウジング内周面2aのうち特に熱的
負荷を強く受ける部分、つまりロータ上死点位
置TDCにおける燃焼作動室のトレーリング側
部分および点火プラグ10,11の開口12,
13周辺部は、そのほとんど全範囲に亘つて硬
質クロムメツキ表面の潤滑油保持用凹所の面積
比率たるポロシテイー率が70〜80%にも高くな
つていて、潤滑性が極めて良好であるため、ア
ペツクスシールの溶着を防止でき、摩耗促進の
起点とならないこと(比較例2〜4と比較対
照)。
上記の如きポロシテイー率の高い部分がロー
タハウジング内周面2aの極めて狭い範囲に限
られているため、アペツクスシール9の摺動時
ロータハウジング内周面2aからアペツクスシ
ール9に作用する面圧が従来例の場合とほとん
ど変わらず、面圧増大によるアペツクスシール
9の摩耗増大を防止できること(比較例1・5
と比較対照)。
に依る。
尚、上記各実施例では、ロータハウジング2の
点火プラグ10,11の開口12,13周辺部か
らロータ上死点位置TDCにおける燃焼作動室の
トリレーリング側との間であつてかつトレーリン
グ側になるに従つて次第にロータハウジング2の
幅方向の幅が広くなるようにした範囲でのポロシ
テイー率を70〜80%に設定し、他所でのポロシテ
イー率を60%に設定したが、本考案は、この値の
ポロシテイー率に限定されることはなく、エンジ
ンの負荷条件等に応じてポロシテイー率を適宜変
更選択してもよいのは勿論である。要は、上述の
如き範囲でのポロシテイー率つまり潤滑油保持用
凹所の面積を他所よりも多くすればよいのであ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示すもので、第1図は
ロータリピストンエンジンの概略構造を示す縦断
側面図、第2図および第3図は各々第1および第
2実施例においてロータハウジング内周面のポロ
シテイー率を高める処理を施す箇所を示した図で
あり、第4図a〜hはそれぞれ種々の例について
ベンチテスト後ロータハウジング内周面における
アペツクスシールの溶着箇所を示した図であり、
第5図は同ベンチテスト後アペツクスシールの高
さ摩耗量の測定結果を示した図である。 1……ケーシング、2……ロータハウジング、
2a……内周面、3………サイドハウジング、4
……ロータ、6……作動室、9……アペツクスシ
ール、10,11……点火プラグ、12,13…
…開口。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. ポーラスクロムメツキされたトロコイド形状の
    内周面を有するロータリピストンエンジンのロー
    タハウジングであつて、該ロータハウジングの内
    周面における潤滑油保持用凹所の面積は、ロータ
    ハウジングの点火プラグ開口周辺部からロータ上
    死点位置における燃焼作動室のトレーリング側と
    の間であつてかつトレーリング側になるに従つて
    次第にロータハウジングの幅方向の幅が広くなる
    ようにした範囲において他所よりも多くなるよう
    に設定されていることを特徴とするロータリピス
    トンエンジンのロータハウジング。
JP8868983U 1983-06-09 1983-06-09 ロ−タリピストンエンジンのロ−タハウジング Granted JPS59192633U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8868983U JPS59192633U (ja) 1983-06-09 1983-06-09 ロ−タリピストンエンジンのロ−タハウジング

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8868983U JPS59192633U (ja) 1983-06-09 1983-06-09 ロ−タリピストンエンジンのロ−タハウジング

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Publication Number Publication Date
JPS59192633U JPS59192633U (ja) 1984-12-21
JPS6313397Y2 true JPS6313397Y2 (ja) 1988-04-15

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ID=30218597

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JP8868983U Granted JPS59192633U (ja) 1983-06-09 1983-06-09 ロ−タリピストンエンジンのロ−タハウジング

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