JPS6313327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車を収納できる油圧式二段駐車装
置に関するものである。

一般に二段式駐車装置には、油圧を利用して昇
降させるものや、エンドレスチエーンあるいはロ
ープを巻いて昇降させるものなどが存在するが、
このうち油圧利用の昇降装置については普通プラ
ンジヤを収納するシリンダを地中に埋め込まなけ
ればならず、又自動車を載せる昇降台を昇降中水
平に保つための複雑な機構を装備する必要があつ
た。

本考案は上記の点に鑑みなされたもので、車の
出入りの障害になるような柱がなく、かつシリン
ダを地中に埋設する必要もない、簡単な構造の二
段式駐車装置を提供することを目的とする。

第１図及び第２図は本考案による二段式駐車装
置の一実施例を示す正面図であり、第１図は昇降
台１０が下限位置にある場合、第２図は昇降台１
０が上限位置にある場合を示す。又、第３図は第
１図の右側面図である。昇降台１０は夫々中央部
分がピン１１により互いに回動自在に係合されリ
ンク１２，１３を介し底盤１４に昇降自在に設け
られている。即ち、リンク１２の一端１２ａは底
盤１４に枢着され、他端１２ｂは昇降台１０設け
られた長孔１５に摺動自在に嵌合され、一方リン
ク１３は一端１３ａが昇降台１０の側面に枢着さ
れ、他端１３ｂが底盤１４に設けられた長孔１６
に摺動自在に嵌合されており、パンタグラフ状の
リンク装置を構成するリンク１２，１３のピン１
１による係合部分にはレバー１７の一端が枢着さ
れ、一方シリンダ１８に収納されるプランジヤ１
９の先端にはレバー１７の他端が回動自在に枢着
され、シリンダ１８はレバー１７とプランジヤ１
９との連結点の角度が鋭角を構成するように底盤
１４の適当な位置に枢設され、昇降台１０は油圧
装置によりレバー１７及びリンク１２，１３を介
して駆動される。又、ガイドレール２０は底盤１
４の後端両側に垂設され、昇降台１０は後端がこ
のガイドレール２０に案内されて昇降する。

以下本考案装置の動作について図面を用いて説
明する。

〔下限位置から上限位置に上昇する場合〕

油圧ポンプ（図示しない）によりシリンダ１８
に油が送り込まれると、プランジヤ１９が第１図
で示す位置より順次上昇してゆくが、まずレバー
１７を介してリンク１２のピン１１による係合部
分には一端１２ａを支点として常時昇降台１０の
自重及び車体重量によつて与えられている反時計
方向の回転モーメントに打勝つて時計方向の回転
モーメントが与えられるため、リンク１２は一端
１２ａを支点として時計方向に回転し始め、ピン
１１による係合部分も同様に回転し始める。一
方、リンク１３にはピン１１による係合部分並び
に支点１３ａを介して常時昇降台１０の自重及び
車体重量により時計方向の回転モーメントが与え
られているが、ピン１１による係合部分がリンク
１２の一端１２ａを支点として時計方向に回転し
ながら上昇するため、リンク１２の他端１２ｂは
長孔１５、リンク１３の他端１３ｂは長孔１６を
摺動しながら移動し、昇降台１０は後端がガイド
レール２０に案内されて円滑に上昇して、第２図
で示す上限位置まで上昇すると油圧ポンプの作動
停止により停止する。

この昇降台１０の動きについて第４図を用いて
以下詳細に説明する。

今仮に同じ長さｌの二等辺三角形が第４図のよ
うに２ケ隣接した状態の図形を考え、それぞれの
底辺の角度をα及びβとすると、残りの角度はそ
れぞれ2β及び2αとなる。そこで、線分AQは直線
であるため2α＋2β＝180゜となりα＋β＝90゜、即
ちＡ点とＯ点を結ぶ直線OAはＢ点がＯ点を中心
として回転しＱ点が水平方向にどのように摺動し
ようとも、底盤１４とは直角となり、Ａ点は常に
Ｏ点を通る垂直線上を移動することがわかる。次
に直線OBの延長線上Ｂ点から距離ｌ離れたＰ点
はＡ点との関連で直線APが底盤１４と常に平行
になるように移動するので、直線OBの延長線上
Ｐ点よりも離れたＲ点とＡ点とを結ぶ直線は水平
状態よりも傾いた（Ｒ点の方がＡ点よりも高い）
状態で変化する。しかし、実際にはリンク１２の
他端１２ｂ側は下方に折れ曲がつているので、下
限位置では昇降台は前下り、上限位置では前上り
の状態に変化する。

〔上限位置から下限位置に下降する場合〕

周知の油圧回路の制御弁の開閉制御によりシリ
ンダ１８内の油がオイルタンクに戻されると、プ
ランジヤ１９が第２図で示す位置より順次下降し
てゆくにつれ、リンク１２はレバー１７を介して
プランジヤ１９の動きに拘束されながら昇降台１
０の自重及び車体重量によつて与えられる回転モ
ーメントにより、一端１２ａを支点として反時計
方向に回転し始める。一方リンク１３にはピン１
１による係合部分並びに支点１３ａを介して常時
昇降台１０の自重及び車体重量により時計方向の
回転モーメントが与えられているため、リンク１
２の他端１２ｂは長孔１５、リンク１３の他端１
３ｂは長孔１６を摺動しながら移動し、昇降台１
０は後端がガイドレール２０に案内されて円滑に
下降して、第１図で示す下限位置まで下降すると
制御弁の閉路により停止する。

以上説明したように、本考案装置は二つのリン
ク１２，１３により構成されるリンク装置の係合
部分をレバーを介して油圧装置で駆動させる機構
のため、プランジヤ１９の長さは昇降台１０の昇
降行程の略半分で済むだけでなく、プランジヤ１
９を収納するシリンダ１８を地中に埋め込む必要
もない。又、リンク１２のピン１１と一端１２ａ
の長さ及びリンク１３のピン１１と一端１３ａ並
びに他端１３ｂの長さをそれぞれ等しくすれば、
ガイドレール２０に対し余分な力を及ぼすことな
く昇降台１０を円滑に、かつ略水平状態を保ちな
がら昇降させることができるため、車の出入りの
障害になるような柱を設けなくてもよい簡単な構
造の駐車装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案による二段式駐車装
置の一実施例を示す正面図、第３図は第１図の右
側面図、第４図は本考案装置の動作説明図であ
る。 １０……昇降台、１１……ピン、１２，１３…
…リンク、１７……レバー、１８……シリンダ、
１９……プランジヤ、２０……ガイドレール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中央部分が互いに回動自在に係合された第一
   のリンク及び第二のリンクを備え、前記第一の
   リンクの一端は底盤に回動自在に枢着され、前
   記第二のリンクの一端は昇降台に回動自在に枢
   着され、前記第一のリンクの他端は前記昇降台
   に摺動自在に嵌合され、前記第二のリンクの他
   端は前記底盤に摺動自在に嵌合されたリンク装
   置により前記昇降台を昇降させるものにおい
   て、 前記リンク装置の前記中央部分が、レバーを介
   して前記底盤に枢設された油圧装置のプランジ
   ヤに枢着され、前記レバーと前記プランジヤと
   の連結点の角度が鋭角を構成するように配設し
   たことを特徴とする油圧式二段駐車装置。 (2) 前記第一のリンク及び前記第二のリンクの係
   合点と、前記第二のリンクの前記一端及び前記
   他端並びに前記第一のリンクの前記一端の距離
   を等しくしたことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の油圧式二段駐車装置。 (3) 前記第一のリンク及び前記第二のリンクの係
   合点と前記第一のリンクの他端との距離は、前
   記第一のリンク及び前記第二のリンクの係合点
   と前記第一のリンクの一端との距離よりも長
   く、かつ前記第一のリンクの他端は若干下方に
   折れ曲がつていることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項及び第２項記載の油圧式二
   段駐車装置。