JPS63123459A - 塗装ガン用洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は塗装ガン用洗浄装置に関し、−層詳細には、洗
浄槽内に複数の洗浄用ノズル部材を配設すると共に、夫
々のノズル部材から塗装ガンの形状に対応してリング状
、矩形状あるいは円形状等の種々の異なる噴射パターン
で洗浄用溶剤を噴射し、前記塗装ガンの屈曲部等に効果
的に溶剤を供給することにより塗装ガンの洗浄を効率よ
く行い、しかも使用される溶剤を可及的に少なくするこ
とを可能にした塗装ガン用洗浄装置に関する。

一般に、自動車産業において、自動車車体の外板部を塗
装するために塗装装置が採用されており、この場合、前
記塗装装置はライン生産工程に対応すべく自動化される
に至っている。通常、前記自動塗装装置は複数個の塗装
ガンを有すると共に、塗装されるべき自動車車体とこの
塗装装置とを相対的に移動させながら前記複数個の塗装
ガンから所定の塗料を噴射して前記自動車車体に自動的
に塗装を施すよう構成している。

ところで、自動車車体に対し塗装作業を継続して行って
いくと、夫々の塗装ガンから噴射される塗料が前記塗装
ガンの先端、すなわち、ノズル部に付着する場合が多い
。前記ノズル部に塗料が付着すると、その塗料が固化し
てノズル部を閉塞してしまい、新たに塗装作業を行う際
に塗料を噴射することが不可能となる虞が生ずる。

そこで、従来から、塗装作業の開始前および塗装作業の
終了後に作業者が、例えば、シンナー等の溶剤を付着し
た刷毛で夫々のノズル部を清掃し、さらに布等で前記ノ
ズル部に付着している溶剤を拭き取ることにより前記塗
装ガンの洗浄作業を行っている。

然しなから、前記のように、塗装ガンの洗浄作業を作業
者の人手により行うため、特に、前述した自動塗装装置
のように多数個の塗装ガンを装着するものにあっては、
前記塗装ガンの洗浄作業に相当な時間を要すると共に、
作業者に相当な負担を強いるという不都合が露呈してい
る。

このため、塗装ガンの洗浄作業を自動的に行うべ（種々
の洗浄装置が採用されている。この場合、前記洗浄装置
は複数の洗浄用ノズルを含み、前記ノズルから溶剤、例
えば、シンナーを塗装ガンに指向して噴射し前記噴射力
とシンナーの溶解作用を介して前記塗装ガンのノズル部
に付着している塗料を除去するよう構成している。

ところが、前記塗装ガンでは、一般的に、ボディに対し
外方に突出する塗料噴射用ノズル部を設けている。従っ
て、塗装作業時において、特に、前記ノズル部とボディ
との境界部分、およびノズル部の塗料噴射用孔部近傍に
比較的多量の塗料が付着残存し易い、このように、部分
的に塗料の付着量が異なる塗装ガンに対し従来の洗浄装
置で洗浄作業を行おうとすれば、前述したノズル部とボ
ディとの境界部分並びにノズル部の塗料噴射用孔部近傍
に付着する塗料を完全に除去するために相当量の溶剤を
塗装ガンに指向して噴射しなければならない。しかも、
その際、塗料の付着が比較的少ないボディ等にも相当量
の溶剤が噴射されることになり、経済的ではないという
不都合が露呈する。

さらにまた、前記ノズル部とボディとの境界部分等はそ
の形状が複雑なものとなっており、従って、塗装ガンの
洗浄作業にかなりの時間を要するという欠点が指摘され
る。

本発明は前記の不都合を克服するためになされたもので
あって、洗浄槽内に複数の洗浄用ノズルを配設すると共
に、前記洗浄槽内に臨入する洗浄ガンの形状に対応して
前記ノズルから種々の異なる噴射パターンで洗浄用溶剤
を噴射して前記塗装ガンの塗料が多量に付着し易い部分
、あるいは形状の複雑な部分に集中して溶剤を供給する
ことにより、前記塗装ガンの洗浄作業の効率化を容易に
達成し、しかも洗浄作業に使用される溶剤を可及的に少
なくして経済的に塗装ガンの洗浄作業を行うことを可能
にした塗装ガン用洗浄装置を提供することを目的とする
。

前記の目的を達成するために、本発明は洗浄槽内に夫々
洗浄用流体の噴射パターンが異なるノズルを有する洗浄
用ガンを複数個配設し、前記洗浄槽内に臨入した洗浄さ
れるべき塗装ガンの形状または塗装ガンの洗浄部位に応
じて前記複数個の洗浄用ガンを選択的に付勢して前記塗
装ガンの洗浄を行うよう構成することを特徴とする。

次に、本発明に係る塗装ガン用洗浄装置について好適な
実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説
明する。

第１図において、参照符号１０は自動車の塗装ラインを
示し、この塗装ライン１０は作業工程に応じて第１のス
テージ１０ａ、第２のステージ１０ｂ１第３のステージ
１０ｃおよび第４のステージ１０ｄに区分される。この
場合、本発明に係る洗浄装置１２は第３ステージ１０ｃ
に配置される。

第１ステージ１０ａでは車体１４のエンジンルームおよ
びトランクルームの塗装が行われる。すなわち、第１ス
テージ１０ａの両側部にはレール部１６ａ、１６ｂが配
設され、これらのレール部１６ａ、１６ｂに塗装ロボッ
ト１８ａ乃至１８ｄが移動自在に配置される。また、第
１ステージ１０ａにはボンネット開閉機構２０およびト
ランク開閉機構２２が配設される。なお、第１ステージ
１０ａから第４ステージ１０ｄに至る塗装ライン１０の
中央部には車体搬送機構２４が設けられる。

第２ステージ１０ｂでは車体１４のドアの内面部等の塗
装が行われる。この場合、第２ステージ１０ｂの両側部
にはレール部２５ａ、２６ｂが配設され、これらのレー
ル部２６ａ、２６ｂに塗装ロボット２８ａ、２８ｂが移
動自在に配置される。また、車体搬送機構２４とレール
部２６　ａ　、　’２６　ｂとの間にはさらにレール部
３０ａ、３０ｂが配設され、これらのレール部３Ｑａ、
３０ｂにはドア開閉機構３２ａ１３２ｂが移動自在に配
置される。

次に、本発明に係る洗浄装置１２が設けられる第３ステ
ージ１０ｃではこれに配設される塗装装置３４を介して
車体１４のボンネット、トランクカバー、ルーフおよび
ドアを含む外板部の塗装が行われる。そして、第４ステ
ージ１０ｄでは塗装の終了した車体１４の乾燥処理が行
われる。なお、第１ステージ１０ａ乃至第３ステージ１
０ｃでは塗料に静電気が印加されて被塗装物である車体
１４に対して静電塗装が行われるものとする。

そこで、第１図および第２図において、塗装装置３４は
車体搬送機構２４の両側部に平行に配設されるレール部
３５ａ、３５ｂと、前記レール部３５ａに沿って走行す
る工部塗装機構３６および左側部塗装機構３８と、前記
レール部３５ｂに沿って走行する右側部塗装機構４０と
から基本的に構成される。

前記上部塗装機構３６はケーシング４２を含み、前記ケ
ーシング４２に対して旋回アーム４４が支持されている
。この場合、旋回アーム４４は鉛直方向に変位自在に構
成されると共に、旋回軸４６を中心にして回動可能であ
る。さらに、旋回アーム４４の端部に水平ガンアーム４
８が保持されており、この水平ガンアーム４８は前記旋
回アーム４４内に設けられる□図示しないシリンダに係
合して水平方向に変位自在となる。水平ガンアーム４８
には所定間隔離間してガン支持バー５０ａ乃至５０ｄが
前記水平ガンアーム４８に対して垂直となるように保持
される。そして、ガン支持バー５０ａ乃至５０ｄの下端
部に塗装ガン５２ａ乃至５２ｄが互いに所定間隔離間し
た状態で係着される。なお、塗装ガン５２ａ乃至５２ｄ
の先端側にノズル部５４ａ乃至５４ｄが設けられている
。

左側部塗装機構３８および右側部塗装機構４０は車体１
４の左側部および右側部の塗装を行うものであり、基本
的には同一に構成される。そこで、左側部塗装機構３８
について以下詳細に説明し、右側部塗装機構４０の詳細
な説明は省略する。

すなわち、左側部塗装機構３８はケーシング５６を含み
、前記ケーシング５６内に設けられる図示しないアクチ
ュエータの作用下にガンアーム５８が鉛直方向並びに水
平方向に変位自在で且つ車体１４の側面と後述する側部
塗装ガン用洗浄機構との間で揺動可能に構成される。ガ
ンアーム５８には塗装ガン６０ａ乃至６０ｄが所定距離
離間した状態で取着され、この場合、前記塗装ガン６０
ａ、６０ｂおよび６０ｄは夫々揺動自在に構成される。

なお、塗装ガン６０ｃはその先端部を水平方向に指向し
て固定されている。

次いで、本発明に係る洗浄装置１２について以下詳細に
説明する。

第１図および第３図に示すように、当該洗浄装置１２は
、基本的には、塗装ガン５２ａ乃至５２ｄの洗浄を行う
上部塗装ガン用洗浄機構６２と、左側部塗装機構３８並
びに右側部塗装機構４０を構成する夫々の塗装ガン６０
ａ乃至６０ｄの洗浄を行う側部塗装ガン用洗浄機構６４
．６６とを含む。

第３図において、前記上部塗装ガン用洗浄機構６２は基
台６８を含み、前記基台６日に本体部７０が昇降自在並
びに回動自在に設けられる。本体部７０の上部には支持
用棒体７２ａ、７２ｂの一端部が係着されており、前記
棒体７２ａ、７２ｂは平行して水平方向に延在している
。そして、棒体７２ａ１７２ｂに洗浄槽７４ａ乃至７４
ｄが支持され、前記洗浄槽７４ａ乃至７４ｄは上部塗装
機構３６の塗装ガン５２ａ乃至５２ｄに対応して夫々の
離間間隔を選択してお（。この場合、洗浄槽７４ａ乃至
７４ｄは夫々同様に構成されるものであり、前記洗浄槽
７４ａについて以下詳細に説明し、他の洗浄槽７４ｂ乃
至７４ｄの詳細な説明は省略する。

すなわち、第４図に示すように、洗浄槽７４ａを構成す
るベースプレート７６には夫々の棒体７２ａ、７２ｂに
係合し前記洗浄槽７４ａをこれらの棒体７２ａ、７２ｂ
に懸吊させるための支持部材７８ａ乃至７８ｄを設けて
いる。ベースプレート７６の中央部には比較的大径な円
形状開口部８０が形成されると共に、このベースプレー
ト７６に前記開口部８０の両側に位置して孔部３４ａ、
８４ｂが穿設される。

そこで、ベースプレート７６には前記開口部８０に臨む
可撓性カバ一部材８６ａ、８６ｂが固着される。前記可
撓性カバ一部材８６ａ、８６ｂは同一形状に構成されて
おり、夫々の中央部に塗装ガン５２ａ乃至５２ｄのノズ
ル部５４ａ乃至５４ｄの直径より小径な孔部８８ａ、８
８ｂを形成し、夫々の孔部８８ａ、８８ｂの中心から半
径方向外方に指向して所定間隔離間する図示しない複数
本のスリットを形成しておく、そして、夫々のスリット
が重なり合わないように前記可撓性カバ一部材８６ａ、
８６ｂを重畳してベースプレート７６に固着する。

さらに、ベースプレート７６の支持部材７８ａ乃至７８
ｄを設けた面部に開口部８０を囲繞するように等間隔離
間して複数の支持バー９０を立設し、前記夫々の支持バ
ー９０にはエアプロー用ノズル部材９２を装着する。こ
の場合、夫々のノズル部材９２の先端は開口部８０の中
心線上に指向し且つ前記開口部８０側に傾斜している。

一方、ベースプレート７６の前記ノズル部材９２を設け
た面部とは反対側の面部には、第５図に示すように、開
口部８０を囲繞するように等間隔離間して支持バー９４
ａ乃至９４ｄの一端部が固着され、前記支持バー９４ａ
乃至９４ｄの他端部に洗浄ガン９６ａ乃至９６ｄが装着
される。その際、前記洗浄ガン９６ａ乃至９６ｄのノズ
ル先端部９８ａ乃至９８ｄはベースプレート７６側に指
向して傾斜すると共に開口部８０の中心線上に指向して
いる。

また、支持バー９４ｃと９４ｄとの間に支持バー１００
が設けられ、この支持バー１００の端部には支持バー１
０２がこれと直交する方向に係着され、この支持バー１
０２に洗浄ガン１０４が装着される。

そして、前記洗浄ガン１０４のノズル先端部１０８は開
口部８０の中心線上に指向している。

そこで、前記洗浄ガン９６ａ乃至９６ｄおよび１０４か
ら噴射される洗浄用流体の噴射パターンを塗装ガン５２
ａのノズル部５４ａの形状に対応して選択する。この噴
射パターンを第６図に示す。

第６図ａ１乃至ｄ、において、参照符号ＳＬ至Ｓ４は洗
浄ガンを示し、前記洗浄ガンＳＩ乃至Ｓ４から噴射され
る洗浄用流体の噴射パターンＰ１乃至Ｐ、は夫々所定の
形状を有している（第６図ａ！乃至ｄ！参照）、すなわ
ち、図から容易に諒解されるように、噴射パターンＰ１
はドーナツ状を呈しており、噴射パターンＰ８とＰ４と
は夫々円形状で且つ夫々の直径を異にしている。その際
、例えば、洗浄ガンＳ２から噴射される洗浄用流体の噴
射角度θ１を１０°から３０″′の範囲に選択し、洗浄
ガンＳ４から噴射される洗浄用流体の噴射角度θ８を３
０°から６０″の間に設定しておく、このため、洗浄ガ
ンＳ２から噴射される洗浄用流体は洗浄ガンＳ４から噴
射されるものに比べ集中して且つ激しく被洗浄物に供給
されることになる。従って、洗浄ガンＳＺを被洗浄物の
比較的汚れの程度の大きな部位に採用すればよく、一方
、洗浄ガンＳ、は相当に広い部分に亘り洗浄用流体を噴
射することが可能となるため、比較的汚れの少ない部分
に用いることが出来る。さらにまた、洗浄ガンＳ、から
は洗浄用流体がスリット状の噴射パターンＰ、として噴
射され、この結果、線状に汚れ易い部分に採用すれば好
適である。

この場合、前述した洗浄ガンＳ、乃至Ｓ４を構成するス
プレーノズルは一般に市販されているものの中から選択
すればよくこれを第７図ａ乃至ｄに例示する。なお、こ
の種のスプレーノズルは、例えば、スプレーイングシス
テムズー　ジャパン側から販売されている。この市販さ
れているスプレーノズルについて以下に概略的に説明す
る。

すなわち、洗浄ガンＳｌとしてはワールジェット・ノズ
ルＢ９３６０−１／４　Ａ　Ａ　−Ｐ　Ｐタイプのスプ
レーノズル１０９ａを採用する。前記スプレーノズル１
０９ａはボディ１１０ａとこのボディ１１Ｑａに着脱自
在なキャンプ１１０ｂとからなり、前記ボディ１１０ａ
に前記キャップ１１０ｂのノズル部１１１と同軸的にセ
ンターポスト１１０ｃが形成されている。これによって
、第６図ａ！、第７図ａの噴射パターンＰ、が得られる
。

一方、洗浄ガンＳ２としてフルジェット・ノズルＧ、Ｃ
Ｇ、Ｈ，ＨＨタイプの中、例えば、Ｇタイプのスプレー
ノズル１０９ｂを使用する。前記スプレーノズル１０９
ｂはその内部に取り外し自在な内部羽根１１２が配設さ
れている。これによって、第６図ｂｔ、第７図すに示す
噴射パターンＰ２が得られる。また、洗浄ガンＳ、と３
４としては夫々ビージェット・ノズルＨ−Ｕタイプのス
プレーノズル１０９Ｃとフルジェット・ノズルＧＡタイ
プのスプレーノズル１０９ｄを用いている。これらによ
って、第６図ａｔ、第７図Ｃおよび第６図ｄ、、第７図
ｄの噴射パターンＰ１、Ｐ４が得られる。

このように、夫々所定の噴射パターンＰ１乃至Ｐ４を形
成する洗浄ガンＳＩ乃至Ｓ、において、洗浄ガン９６ａ
と９６Ｃに小径な円形状の噴射パターンＰｇを形成する
洗浄ガンＳｔを採用し、洗浄ガン９６ｂと９６ｄにスリ
ット状の噴射パターンＰ３を形成する洗浄ガンＰ、を使
用すると共に、洗浄ガン１０４にドーナツ状噴射パター
ンＰ１を形成する洗浄ガンＳＩを採用しておく。

なお、塗装ガン５２ａの形状が異なれば、洗浄ガン９６
ａ乃至９６ｄおよび１０４から噴射される洗浄用流体の
噴射パターンは前記新たな塗装ガン５２ａに対応して前
述した噴射パターンＰ、乃至Ｐ４の中から任意に選択す
ればよく、また、前記洗浄ガン９６ａ乃至９６ｄおよび
１０４の位置を変更することが出来る。

次いで、第４図および第５図に示すように、洗浄ガン９
６ａ乃至９６ｄおよび１０４の図示しない一方のポート
に第１の管路１１６および１１８ａ乃至１１８ｄの一端
を接続し、前記第１管路１１６および１１８ａ乃至１１
８ｄの他端に管路１２０を連結してこの管路１２０をベ
ースプレート７６の孔部８４ｂに挿通して後、図示しな
い溶剤供給源に接続する。また、洗浄ガン９６ａ乃至９
６ｄおよび１０４の図示しない他方のボートに第２の管
路１２２および１２４ａ乃至１２４ｄを接続すると共に
、前記第２管路１２２および１２４ａ乃至１２４ｄを一
体的に管路１２６に連結し、この管路１２６を孔部８４
ａから外部に露呈させて図示しない空気供給源に接続し
ておく。

さらに、ベースプレート７６にケーシング１２８が、例
えば、ボルトを介して着脱自在に装着される。そして、
ケーシング１２８内に洗浄作業用室１３６が画成され、
前記室１３６はこのケーシング１２Ｂの端部で小径とな
る廃液およびミスト用取出口１３８に連通している。

このように構成される洗浄槽７４ａ乃至７４ｄの取出口
１３８に管路１４０が一体的に接続され、前記管路１４
０は本体部７０に係着されてこの本体部７０と一体的に
昇降並びに回動するよう構成されている。また、前記管
路１４０には可撓性管路１４２の一端部が接続され、前
記管路１４２の他端部は分離槽１４４に接続される。前
記分離槽１４４はその上部側にミスト用管路１４６を設
けると共に、その下部側に廃液用管路１４８を配設して
前記管路１４８を、例えば、ポンプ１５０に接続し、さ
らに図示しない廃液処理部へと接続しておく。

一方、側部塗装ガン用洗浄機構６４と６６とは同様に構
成され、前記洗浄機構６４について以下詳細に説明し、
他の洗浄機構６６の詳細な説明は省略する。

すなわち、洗浄機構６４はベース１５２を含み、前記ベ
ース１５２に支柱１５４が立設される。前記支柱１５４
には夫々所定の高さ位置に水平方向に延在する保持部材
１５６ａ乃至１５６ｄが設けられ、前記保持部材１５６
ａ乃至１５６ｄを介して洗浄槽１５８ａ乃至１５８ｄが
左側部塗装機構３８を構成する塗装ガン６０ａ乃至６０
ｄに対応して装着される。前記洗浄槽１５８ｂと１５８
ｄとは保持部材１５６ｂ、　１５６ｄに固定されており
、他の洗浄槽１５８ａと１５８Ｃとは水平方向に変位自
在に構成される。すなわち、支柱１５４に水平方向に指
向して洗浄槽シフト用シリンダ１６０ａ、　１６０ｂが
所定間隔離間して係着され、前記シリンダ１６０ａ、１
６０ｂから水平方向に延在するシリンダロフト１６２ａ
、　１６２ｂに前記洗浄槽１５８ａ。

１５８ｃが係着されている。

そこで、洗浄槽１５８ａ乃至１５８ｄは前述した洗浄槽
７４ａと略同様に構成されるものであり、この場合、前
記洗浄槽１５８ａ乃至１５８ｄを構成するケーシング１
６４の上部側に支持部材１ｇ６ａ乃至１６６ｄを設け、
この支持部材１６６ａ乃至１６６ｄを介して保持部材１
５６ｂ、１５６ｄおよびシリンダロフト１６２ａ、１６
２ｂに懸吊されている。なお、洗浄槽１５８ａ乃至１５
８ｄの内部構成は前述した洗浄槽７４ａと同様に構成さ
れるため、その詳細な説明は省略する。

さらに、洗浄槽１５８ａ乃至１５８ｄを構成するケーシ
ング１６４の下部には廃液並びにミスト回収用管路１６
８が接続されており、夫々の管路１６８は管路１７０を
介して分離槽１７２に接続され、前述した分離槽１４４
と同様に、この分離槽１７２にミスト用管路１７４と廃
液用管路１７６とが接続される。

本発明に係る洗浄装置は基本的には以上のように構成さ
れるものであり、次にその作用並びに効果について説明
する。

先ず、車体搬送機構２４によって第１ステージ１０ａに
搬送された車体１４はボンネット開閉機構２０によりボ
ンネットが開かれると共にトランク開閉機構２２により
トランクカバーが開かれ、レール部１５ａ、１６ｂに沿
って走行する塗装ロボット１８ａ乃至１８ｄによってエ
ンジンルームおよびトランクルームの塗装が行われる０
次いで、ボンネット開閉機構２０およびトランク開閉機
構２２によりボンネットおよびトランクカバーが閉塞さ
れた車体１４は車体搬送機構２４によって第２ステージ
１０ｂに搬送される。

第２ステージ１０ｂでは車体１４のドアがドア開閉機構
３２ａ、３２ｂによって開かれ、前記ドアの内面部がレ
ール部２５ａ、２６ｂに沿って走行する塗装ロボット２
８ａ、２８ｂにより塗装される０次いで、ドア開閉機構
３２３．３２ｂによってドアが閉塞された車体１４は車
体搬送機構２４により第３ステージ１０ｃまで搬送され
る。

そこで、予め、上部塗装機構３６に装着された塗装ガン
５２ａ乃至５２ｄを車体１４のフロントパネルに指向し
た状態で配置すると共に、２つの側部塗装機構３８．４
０に装着された塗装ガン６０ａ乃至６０ｄを車体１４の
側部形状に対応して位置決めしておく。そして、上部塗
装機構３６をレール部３５ａに沿って矢印Ｃ方向に移動
させると共に、旋回アーム４４を鉛直方向に変位させ且
つ旋回軸４６を中心に回動動作させながら塗装ガン５２
ａ乃至５２ｄから塗料を噴射して車体１４の上部に縞目
状の塗装を行う。

一方、上部塗装機構３６から所定距離離間して夫々の側
部塗装機構３８．４０をレール部３５ａ、３５ｂに沿っ
て変位させると共に、ガンアーム５８を水平方向に変位
させながら夫々の塗装ガン６０ａ乃至６０ｄから塗料を
噴射し、車体１４の側面部に縞目状の塗装を施す。

次いで、ガンアーム５８を鉛直方向に所定量変位させる
と共に、塗装ガン６０ａ乃至６０ｄの角度位置を設定し
て後、側部塗装機構３８．４０をレール部３５ａ、３５
ｂに沿って前記とは反対方向に変位させる。その際、塗
装ガン６０ａ乃至６０ｄから噴射される塗料は車体１４
の側部における被塗装部に噴射され、前記車体１４の側
部全面に亘り塗装が行われる。

また、上部塗装機構３６において、水平ガンアーム４８
を水平方向に所定量変位させ、前記上部塗装機構３６を
レール部３５ａに沿って前記とは逆方向に変位させなが
ら塗装ガン５２ａ乃至５２ｄを介して車体１４の上部の
被塗装部に塗料を噴射し、前記車体１４の外板全面に亘
って塗装作業を完了する。

このように、塗装作業を終了した車体１４は車体搬送機
構２４を介して第４ステージ１０ｄに搬送されて後、乾
燥処理が行われる。

そこで、塗装ライン１０における車体１４の塗装作業を
終了して後、あるいは前記車体の１４の塗装作業を開始
する前に、本発明に係る洗浄装置１２を介して夫々の塗
装ガン５２ａ乃至５２ｄ並びに６０ａ乃至６０ｄの洗浄
作業を行う。

すなわち、当該洗浄装置１２を構成する上部塗装ガン用
洗浄機構６２は前述した車体１４の塗装作業時には、第
１図に示すように、レール部３５ｂに平行するようにし
て配置しており、前記車体１４の塗装作業時に前記洗浄
機構６２が干渉することを回避している。そして、塗装
ガン５２ａ乃至５２ｄの洗浄作業を行う際には、本体部
７０を鉛直方向上方に変位させて後、図示しない回転駆
動源の駆動作用下に前記本体部７０を矢印方向に回動変
位させて棒体７２ａ、７２ｂを水平ガンアーム４８と平
行に位置決めし、これによって、夫々の洗浄槽７４ａ乃
至７４ｄを所定の洗浄位置へと移動させる（第１図およ
び第３図参照）。

次に、旋回アーム４４を鉛直方向下方に変位させて塗装
ガン５２ａ乃至５２ｄのノズル部５４ａ乃至５４ｄを洗
浄槽７４ａ乃至７４ｄ内に臨ませる。この場合、第４図
に示すように、塗装ガン５２ａのノズル部５４ａは洗浄
槽７４ａを構成するベースプレート７６に係着されてい
る可撓性カバ一部材８６ａ５８６ｂの孔部３８ａ、８８
ｂ内に進入する。その際、前記孔部８８ａ、８８ｂがノ
ズル部５４ａの直径より小さく形成されると共に、前記
孔部８８ａ、８８ｂに連通する図示しないスリットが互
いに重なり合わないようにして配設されているため、前
記ノズル部５４ａを介してケーシング１２８内の室１３
６の上部側を完全に閉塞することが出来る。

さらに、図示しない溶剤供給源から管路１２０にシンナ
ー等の溶剤を供給すると共に、図示しない圧縮空気供給
源より管路１２６に圧縮空気を送給する。このため、前
記溶剤は管路１２０を介して管路１１６および１１８ａ
乃至１１８ｄから洗浄ガン９６ａ乃至９６ｄおよび１０
４の図示しない一方のポートに供給され、前記圧縮空気
は管路１２２および１２４ａ乃至１２４ｄから前記洗浄
ガン９６ａ乃至９６ｄおよび１０４の図示しない他方の
ボートに供給される。従って、前記洗浄ガン９６ａ乃至
９６ｄおよび１０４の夫々のノズル先端部９８ａ乃至９
８ｄおよび１０８からはシンナー等の溶剤と圧縮空気と
の混合流体が第６図ａｇ乃至ｄ２および第７図ａ乃至ｄ
に示すような噴射パターンで噴射され、塗装ガン５２ａ
のノズル部５４ａの洗浄作業が達成されることになる。

そして、この場合、室１３６の上部、すなわち、ノズル
部５４ａが臨入する端部を可撓性カバ一部材８６ａ、８
６ｂで閉塞するため、洗浄ガン９６ａ乃至９６ｄおよび
１０４から噴射される混合流体は外部に導出することが
な（、特に、シンナーを大量に含有するミストが作業場
内に侵入して作業者の健康に悪影響を及ぼすという不都
合を回避することが可能となる。

このように、塗装ガン５２ａのノズル部５４ａの洗浄を
行うと、洗浄ガン９６ａ乃至９６ｄおよび１０４から噴
射される流体を含有する塗料、すなわち、廃液並びにミ
ストはケーシング１２８の下部に設けられる取出口１３
８を介して管路１４０および管路１４２から分離槽１４
４に導出される。前記分離槽１４４では、ミストは管路
１４６を介して図示しないミスト用処理部へと送給され
、一方、廃液は管路１４８を介してポンプ１５０の作用
下に廃液処理部（図示せず）へと送り出されることにな
る。従って、作業場内には廃液やミストが流出すること
がなく、作業場内の環境を良好に確保することが出来る
という利点が得られる。

次いで、旋回アーム４４を上昇させて塗装ガン５２ａを
洗浄槽７４ａから離脱させる（第４図二点鎖線参照）。

さらに、図示しない管路を介してノズル部材９２からノ
ズル部５４ａに圧縮空気を噴射すれば、このノズル部５
４ａに付着する溶剤を飛散しあるいは薫発し、前記ノズ
ル部５４ａの洗浄作業が終了する。

以上、塗装ガン５２ａの洗浄作業工程について詳細に説
明したが、他の塗装ガン５２ｂ乃至５２ｄにおいても同
様に行われることは容易に諒解されよう、一方、両測部
塗装機構３８．４０を構成する塗装ガン６０ａ乃至６０
ｄの塗装作業について以下詳細に説明する。

すなわち、側部塗装ガン用洗浄機構６４において、シリ
ンダ１６０ａ、　１６０ｂの駆動作用下にシリンダロッ
ド１６２ａ、１６２ｂを水平方向に指向して変位させ、
これに保持されている洗浄槽１５８ａ、　１５８ｃを塗
装ガン６０ａ、６０ｃの位置に対応して位置決めしてお
く。一方、塗装ガン６０ａ、６０ｂおよび６０ｄを揺動
変位させ、夫々の先端部を水平方向に指向して位置決め
する（第２図二点鎖線参照）。

さらに、ガンアーム５８を車体１４の側部から側部塗装
ガン用洗浄機構６４側へと揺動変位させ、塗装ガン６０
ａ乃至６０ｄを夫々の洗浄槽１５８ａ乃至１５８ｄに対
面させる。

そこで、左側部塗装機構３８をレール部３５ａに沿って
前記洗浄機構６４側へと変位させると、夫々の塗装ガン
６０ａ乃至６０ｄは前記洗浄槽１５８ａ乃至１５８ｄ内
にその先端部を臨入させる。次に、前述した洗浄槽７４
ａと同様に、夫々の洗浄槽１５８ａ乃至１５８ｄ内に臨
入している塗装ガン６０ａ乃至６０ｄのノズル部を洗浄
すればよい。

なお、右側部塗装機構４０を構成する夫々の塗装ガン６
０ａ乃至６０ｄは、同様に、側部塗装ガン用洗浄機構６
６を介して自動的に洗浄作業が行われることにな°る。

この場合、本発明によれば、夫々の洗浄ガン９６ａ乃至
９６ｄおよび１０４から噴射される溶剤と圧縮空気の混
合流体が夫々所定の噴射パターンで塗装ガン５２ａのノ
ズル部５４ａに噴射されるため、前記ノズル部５４ａを
短時間に且つ少量の溶剤を介して効果的に洗浄すること
が出来る。

すなわち、第４図に示すように、ノズル部５４ａは所定
の塗料を噴射する前面部が比較的汚れ易く、従って、こ
のノズル部５４ａの汚れの激しい部分に対応して、例え
ば、洗浄ガン９６ｂと９６ｄにスリット状の噴射パター
ンＰ、を形成する洗浄ガンＳ３を使用すると共に、洗浄
ガン９６ａと９６ｃに小径な円形状の噴射パターンＰｇ
を形成する洗浄ガンＳ２を採用している。また、前記ノ
ズル部５４ａの中心線上から洗浄用流体を噴射する洗浄
ガン１０４としてドーナツ状の噴射パターンＰ、を形成
する洗浄ガンＳ、を用いている。このように、比較的汚
れ易い部分にはその部分の形状に対応する噴射パターン
で洗浄用流体を噴射することにより、ノズル部５４ａを
極めて効果的に洗浄することが出来る０例えば、洗浄ガ
ン９６ａ乃至９６ｄおよび１０４に小径な円形状の噴射
パターンｐｇを形成する洗浄ガンＳｔだけを採用すれば
、洗浄される部分が相当に狭小となり、前記ノズル部５
４ａの洗浄作業に長時間を要すると共に、比較的汚れの
少ない部分にも相当量の洗浄用流体を噴射することにな
り、シンナー等の使用量が増大してしまう。

然しなから、本発明では、前述したように、洗浄される
部分の形状に対応して噴射パターンＰ１乃至Ｐ４の中、
少なくとも２種類以上の噴射パターンＰ＋　とＰ２とＰ
、を選択することにより、極めて効率よくノズル部５４
ａを洗浄することが出来、しかも不必要な部分にシンナ
ー等の溶剤を供給することがな（前記洗浄作業に使用さ
れる溶剤を可及的に低減することが可能となるという効
果が得られる。

以上のように、本発明によれば、洗浄槽内に塗装ガンを
臨入させ、前記洗浄槽内に配設されている複数の洗浄用
ガンから洗浄用流体を噴射する際、前記臨入する塗装ガ
ンにおいて比較的汚れ易い部分に集中的に洗浄用流体を
噴射するよう夫々の洗浄ガンの噴射パターンを選択して
いる。このため、塗装ガンの形状に対応し汚れの激しい
部分に効果的に洗浄用流体を噴射して前記塗装ガンを効
率よく且つ短時間に洗浄することが出来る。しかも、汚
れの少ない部分にシンナー等の溶剤を多量に噴射するこ
とがなく、結果的に洗浄作業に使用される溶剤を可及的
に減少することが可能となる利点が得られる。特に、自
動塗装装置のように多数の塗装ガンを有するものにあっ
ては、前記塗装ガンの洗浄作業を極めて短時間に遂行す
ることが出来ると共に、比較的少量の溶剤で前記洗浄作
業を行うことが可能となり、経済的な洗浄作業が達成さ
れるという効果が挙げられる。

以上、本発明について好適な実施例を挙げて説明したが
、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設
計の変更が可能なことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る洗浄装置を組み込む塗装ラインシ
ステムの概略構成図、 第２図は本発明に係る洗浄装置により洗浄される塗装装
置の側面図、 第３図は本発明に係る洗浄装置の配置状態を示す一部省
略側面図、 第４図は本発明に係る洗浄装置を構成する洗浄槽の縦断
面図、 第５図は第４図のＩＶ−ＩＶ線断面図、第６図は本発明
に係る洗浄装置に使用される洗浄ガンとその噴射パター
ンを示す説明図、第７図は第６図に示す洗浄ガンに採用
される市販のスプレーノズルの説明図である。 １０・・・塗装ライン　　　　１２・・・洗浄装置１４
・・・車体　　　　　　　３４・・・塗装装置３６・・
・上部塗装機構　　　３８．４０・・・側部塗装機構６
２．６４．６６・・・洗浄機構　７０・・・本体部７４
２〜７４ｄ・・・洗浄槽　　９６３〜９６ｄ・・・洗浄
ガン９８ａ〜９８ｄ・・・ノズル先端部 １０４・・・洗浄ガン　　　　１０８・・・ノズル先端
部１２８・・・ケーシング　　　Ｓ　Ｉ−Ｓ　ａ・・・
洗浄ガンＰ、〜Ｐ４・・・噴射パターン ＦＩＧ、７

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）洗浄槽内に夫々洗浄用流体の噴射パターンが異な
   るノズルを有する洗浄用ガンを複数個配設し、前記洗浄
   槽内に臨入した洗浄されるべき塗装ガンの形状または塗
   装ガンの洗浄部位に応じて前記複数個の洗浄用ガンを選
   択的に付勢して前記塗装ガンの洗浄を行うよう構成する
   ことを特徴とする塗装ガン用洗浄装置。
2. （２）特許請求の範囲第１項記載の装置において複数個
   のノズルから噴射される洗浄用流体の噴射パターンは少
   なくとも円形状、リング状およびスリット状のいずれか
   である塗装ガン用洗浄装置。
3. （３）特許請求の範囲第１項または第２項記載の装置に
   おいて、洗浄用流体は空気とシンナーとの混合体である
   塗装ガン用洗浄装置。