JPS6311930Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は額帯式又は手持式等の携帯型の双眼検
眼鏡に関するものであり、その目的とするところ
は、従来の直像鏡に比較して、明るい視野のもと
で拡大された眼底像が観察できる公知の双眼検眼
鏡と同じ観察方法で双眼直像鏡としても用いるこ
とが出来る様切り替え装置を内蔵したことにより
被検者眼より離れた位置で倒立像及び直立像の切
り替え観察ができる携帯型の双眼検眼鏡を提供す
るにある。

従来、医師等が被検者眼の眼底像を観察する場
合、携帯型の倒像鏡又は直像鏡等の検眼鏡が多く
用いられているが、倒像鏡を用いた場合、直像鏡
に比較して明るい視野のもとで拡大された眼底像
を観察できるが、被検者眼と検眼鏡の間にルーペ
を用いるため観察像の上下左右が逆の状態で観察
され不便であつた。

また、従来の直像鏡では検者が被検者に極めて
接近して眼底像の観察を行うため被検者に精神的
な苦痛を与えることもあり、又、倒像鏡に比較し
て視野が暗く観察像が小さい欠点があつた。

本考案者等は、前記した欠点を解消し、従来よ
りの習慣で倒立像の観察を好む検者には倒像鏡と
して、又、直立像の観察を好む検者には直像鏡と
しての両機能を具備した双眼検眼鏡を得るべく
種々研究を重ねた結果、眼底像を拡大観察する双
眼検眼鏡に於いて、観察像を倒立像又は直立像に
切り替えるため、観察光路内に、水平摺動する摺
動プリズムを設けることにより被検者眼より離れ
た位置で倒立像及び直立像の切り替え観察ができ
る携帯型の双眼検眼鏡が得られることを知見して
本考案に到達した。

すなわち、本考案は、観察像を倒立像又は直立
像に切り替えるため、観察光路内に水平摺動自在
な摺動プリズムを配置して成る眼底像を拡大観察
する双眼検眼鏡に於いて、該摺動プリズムを、第
１固定プリズムに対して当接又は非当接位置にな
るように水平摺動するように設け、倒立像観察時
観察光路に於いてルーペにより結像した被検者眼
の眼底像が順次、摺動プリズム、瞳孔距離調整プ
リズム、接眼レンズを経て検眼者にて観察し得る
ように構成し、一方、直立像観察時は、観察光路
に於いて、ルーペにより結像した被検者眼の眼底
像が順次、第２固定プリズム、第１固定プリズ
ム、摺動プリズム、瞳孔距離調整プリズム、接眼
レンズを経て拡大直立像として観察し得るように
構成して成ることを特徴とする双眼検眼鏡に関す
るものである。

以下、図面に基づき本考案の構成を説明する。
図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は双
眼検眼鏡全体の斜視図であり、ヘツドバンド１に
ホルダー２を介してランプハウジング３及び鏡体
４を取付けた状態を示している。

第２図及び第３図は要部を例示する部分平面図
であり、第２図は倒立像観察時における摺動プリ
ズム１２の位置、第３図は直立像観察時に於ける
摺動プリズム１２の位置関係を示している。

第４図は倒立像観察時に於ける光学系図、第５
図は直立像観察時に於ける光学系図である。

ランプハウジング３内の光源より被検者眼１５
へ導光する照明ミラー９とこれを調整するミラー
調整ノブ７、瞳孔距離調整プリズム１３を検者眼
の瞳孔距離に合わせて調整する公知の調整ノブ８
が鏡体４に取付けられている。

拡大倒立像観察時に於いて、被検者眼１５の眼
底像１７は第４図中観察光路１９で示すように、
検者が被検者眼前に保持せるルーペ１６により結
像、拡大され摺動プリズム１２、瞳孔距離調整プ
リズム１３、接眼レンズ５を経て検者眼１８にて
観察される。

このとき第２図固定プリズム１１より入つた像
は第１固定プリズムまでは来るが、瞳孔距離調整
プリズム１３には入らない。

次いで、プリズムスライド用ノブ６にて図中矢
印の方向へ摺動プリズム１２をスライドさせると
拡大直立像観察を行うことができる。

拡大直立像観察時に於いて、被検者眼１５の眼
底像１７は第５図中の観察光路２０で示すよう
に、検者が被検者眼前に保持せるルーペ１６によ
り結像、拡大され、第２固定プリズム１１、第１
固定プリズム１０にて眼底像は上下が逆になり、
摺動プリズム１２、瞳孔距離調整プリズム１３、
接眼レンズ５を経て検者眼１８にて観察される。

摺動プリズム１２は水平に摺動自在であるた
め、第１固定プリズム１０に対して当接位置又は
非当接位置に切り替えることができ倒立像、直立
像の観察が可能となる。

鏡体４とルーペ１６とは一定の距離をもつて保
持されるので、第４図に於ける観察光路１９がル
ーペ１６を経て摺動プリズム１２に入光される場
合と、第５図に於ける観察光路２０がルーペ１６
を経て第２固定プリズム１１に入光する場合とで
はルーペ１６を保持する検者の感覚で容易に切り
替えることができる。

本考案は以上説明したような構成であるので、
拡大倒立像と拡大直立像の観察が一台の携帯型双
眼検眼鏡で行うことができ、直立像観察の場合、
従来の直像鏡のように被検者と検者が極端に接近
して被検者に苦痛を与えることがなく、離れた位
置でルーペ１６にて照明光を有効に使い拡大直立
像の観察を行うことができる効果がある。

尚、軽量化を計るため、摺動プリズム１２、瞳
孔距離調整リズム１３をミラーに置き換えること
は可能であり、又、本出願実施例では鏡体４にヘ
ツドバンド１を取付けた額帯式の一実施例を説明
したが、電球等の照明光源を内蔵したグリツプに
鏡体４を取付けることにより手持式の双眼検眼鏡
として用いることができることを付記する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
双眼検眼鏡全体の斜視図、第２図及び第３図は要
部を例示する部分平面図、第４図及び第５図は光
学系図である。 １……ヘツドバンド、２……ホルダー、３……
ランプハウジング、４……鏡体、５……接眼レン
ズ、６……プリズムスライド用ノブ、７……ミラ
ー調整ノブ、８……調整ノブ、９……照明ミラ
ー、１０……第１固定プリズム、１１……第２固
定プリズム、１２……摺動プリズム、１３……瞳
孔距離調整プリズム、１５……被検者眼、１６…
…ルーペ、１７……眼底像、１８……検者眼、１
９……観察光路、２０……観察光路、２１……眼
底。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 観察像を倒立像又は直立像に切り替えるため、
   観察光路内に水平摺動自在な摺動プリズムを配置
   して成る眼底像を拡大観察する双眼検眼鏡に於い
   て、該摺動プリズムを、第１固定プリズムに対し
   て当接又は非当接位置になるように水平摺動する
   ように設け、倒立像観察時観察光路に於いてルー
   ペにより結像した被検者眼の眼底像が順次、摺動
   プリズム、瞳孔距離調整プリズム、接眼レンズを
   経て検眼者にて観察し得るように構成し、一方、
   直立像観察時は、観察光路に於いて、ルーペによ
   り結像した被検者眼の眼底像が順次、第２固定プ
   リズム、第１固定プリズム、摺動プリズム、瞳孔
   距離調整プリズム、接眼レンズを経て拡大直立像
   として観察し得るように構成して成ることを特徴
   とする双眼検眼鏡。