JPS63109112A - ピストンリングの表面硬化処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は内燃機関のピストンリングに係り、更に詳しく
はピストンリング摺動面にレーザー等の高エネルギー密
度熱源を利用して、合金化或いはチル化させ硬化層を形
成し耐摩耗性の向上を図る技術に関する。

従来の技術と問題点 近年内燃機関の高性能化に伴いピストンリングも従来に
もまして高回転、高温、高面圧等の過酷な条件が課せら
れ、その耐摩耗性のより一層の向上が強く要求されてい
る。

この耐摩耗性向上対策として、レーザーやＴＩＧアーク
等の高エネルギー密度熱源を利用して、ピストンリング
の摺動面に予め塗布した耐摩耗性金属粉末を、ピストン
リング母材表面の一部と溶融させ摺動面表層部に合金硬
化層を形成させたり、或いは鋳鉄製ピストンリングの場
合には摺動面を一再溶融後自己冷却によるチル硬化層を
形成し、耐摩耗性を高めたピストンリング等が知ら丘で
いるが、これらは第４図に示すように、摺動面の円周方
向に直線状に硬化処理が施されて硬化層が１条であるも
の、又は第５図に示すように硬化層が２条であるもの、
或いは図示しないが硬化層が３条であるものなどがある
。

しかしながらピストンリングは外径の割合に肉が薄く硬
化処理の熱影響を受は歪を生じやすい。

特に多条硬化処理においてはその熱影響が大きく、例え
ば硬化層の２条処理では１条目が、３条処理では２条目
（１条目は中央部）が摺動面の縁近くの位置の処理とな
るため、バランスが悪くこの時点で皿状や螺旋状の歪が
発生し、全条数の処理を終えた後も元に戻らないという
品質上の問題点と。

一方では１条処理する毎に冷却時間が必要で連続的に硬
化処理ができず、長時間を要し生産性が悪いという問題
点がある。

問題点を解決するための手段 本発明は、このような従来のピストンリングの摺動面の
硬化処理の問題点に着目してなされたもので、ピストン
リングの摺動面にレーザー等の高エネルギー密度の熱源
により、合金化或いはチル化する場合ジグザグ状、波形
状或いはスパイラル状に摺動面の縁にかからないように
硬化処理を施すことで、従来の硬化処理方法の問題点を
解決することを目的とする。

以下、上記の目的を達成するための本発明の構成につい
て説明する。

ピストンリングの摺動面をレーザーやＴＩＧアーク等の
高エネルギー密度の熱源で合金化或いはチル化処理する
場合、処理をバランス良くすることが歪の発生を抑える
ポイントとなる。

本発明の処理方法は第６図に示すように、ピストンリン
グ１を回転する治具（図示せず）に取付けて所定の速さ
で回転させながら、回転直角方向に往復駆動する熱源８
を、所定のサイクルでピストンリングの摺動面２上を往
復走査して、ジグザグ状に硬化処理を施して、第１図に
示すように摺動面の縁にかからないようにジグザグ状に
硬化層４を形成するものであり、摺動面全体にバランス
良く硬化処理されて歪の発生が抑制されると共に。

１回の連続した処理が可能のため従来の多状処理の方法
に比べ大幅に処理時間が短縮される。

硬化処理方法としては、熱源８を固定してピストンリン
グ１のみを動かすか、或いは逆にピストンリング１を固
定して熱源８のみを動かしてもよいが、本方法によるの
が最も簡単でやりやすく好ましい。

尚、硬化層３が摺動面２の縁の鋭角部にかかると、そこ
が仕上げ加工でも除去できないような丸みを帯びピスト
ンリング形状を害するため、硬化層３が縁の鋭角部にか
からないようにすることが大切であり、できれば縁から
１ｍｍ程度離すことが必要である。

硬化層３の形状として、ジグザグ状のほかに第２図に示
す波形状５（正弦波形状）、第３図に示すスパイラル形
状６等適宜選定することができる。

実施例 実施例（１） 球状黒鉛鋳鉄材からなる呼び径４００ｍｍＸ幅１０＋ｎ
＋ｎＸ厚さ１２．４ｍｍのピストンリング１の摺動面２
に、第１表の条件により、第１図に示すようにジグザグ
状にチル層４を形成したピストンリングについて、平坦
度と処理時間を測定した。

平坦度は定盤上におけるピストンリングの側面の隙間を
隙間ゲージで測定した最大値とした。

第１表 尚比較品として、本発明品と同じ球状黒鉛鋳鉄材からな
るピストンリングを第１表に示す条件にて第５図に示す
摺動面の円周方向に直線状に２条チル化し硬化層７を形
成した従来品のピストンリングについて、同様に平坦度
と処理時間の測定を行った。　測定結果を第２表に示す
。

第２表 （従来品の処理時間には冷却時間を含む）第２表から明
らかなように、本発明品の平坦度は従来品の０．１２ｍ
ｎｃに対し０．０４ｍｍで１／３になり歪の発生が抑制
された効果が確認された。

又、処理時間は従来品の３５分に対し９分で約１／４に
大幅な短縮が図られた。

実施例（２） 球状黒鉛鋳鉄材からなる呼び径４００ｍＸ幅１０ｍｍＸ
厚さ１２．４ｍｍのピストンリング１の摺動面２に、フ
ェロバナジウムからなる耐摩耗性金属粉末を塗布し、熱
源としてＣｏ２レーザー装置を用いて第３表に示す条件
により、第１図に示すようにジグザグ状に合金硬化層４
を形成したピストンリングについて、実施例（１）と同
様平坦度と処理時間を測定した。

尚比較品として、本発明品と同じ球状黒鉛鋳鉄材からな
るピストンリングを第３表に示す条件にて第５図に示す
摺動面に円周方向に直線状に２条フェロバナジウムで合
金化し硬化層７を形成した従来品のピストンリングにつ
いて、同様に平坦度と処理時間の測定を行った。測定鈷
果を第４表に示す。

第３表 第４表 （従来品の処理時間には冷却時間を含む）第４表から明
らかなように、本発明品の平坦度は従来品の０．１４＋
ｎｍに対し０．０５ｍｍで１／３程度になり歪の発生が
抑制された効果が確認された。

又、処理時間は従来品の３８分に対し対し１１分で１／
３以下に大幅な短縮が図られた。

効果 本発明によるピストンリングの摺動面の表層部に、レー
ザー等の高エネルギー密度の熱源を利用して合金化或い
はチル化させ、硬化層を摺動面の縁にかからない範囲内
でジグザグ状等に形成するすることにより、歪の発生が
抑制され且つ連続処理が可能となって生産性が大巾に向
上して、平坦度の良好な耐摩耗性に優れたピストンリン
グを低　゛ニス１へで提供し得た実用上の効果は顕著で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図　本発明によるピストンリングの摺動面に、ジグ
ザグ状に硬化層が形成された 部分拡大の斜視図 第２図　正弦波状に硬化層が形成された部分拡大の斜視
図 第３図　スパイラル状に硬化層が形成された部分拡大の
斜視図 第４図　従来の方法により摺動面に直線状に硬化層を１
条形成した斜視図 第５図　従来の方法により摺動面に直線状に硬化層を２
条形成した斜視図 第６図　本発明のレーザーによる硬化処理方法を示す説
明図 １：ピストンリング本体　　　　２：摺動面３：硬化層
　　　　　４：ジグザグ状硬化層５：正弦波状硬化層 ６：スパイラル状硬化層 ７：直線状硬化層 ８：熱源

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ピストンリング１の摺動面２に、レーザーやＴＩＧアー
   ク等の高エネルギー密度熱源を利用し合金化処理やチル
   化処理により硬化層３を形成する方法において、硬化層
   ３が摺動面２の縁にかからない範囲で、ジグザグ状や波
   形状或いはスパイラル状に処理することを特徴とするピ
   ストンリングの表面硬化処理方法。