JPS63105665A - シガレツトフイルタ−素材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酢酸臭のない喫味良好なシガレットフィルター
用素材に関する。

〔従来の技術〕

タバコの煙にはニコチン等のアルカロイド類、フェノー
ル性化合物ま之これらを含む多ｔの黒色タール状物質が
含まれており、これらの物質は喫煙吸入後人体内で有害
作用を果す。このような有害物質を除去し、かつタバコ
本来の香喫味を損うことなく口腔部に伝達し、また喫煙
時にタバコキザミが口腔内に混入することを防ぐ念めに
、タバコフィルターが開発され、シガレット製品に多用
されている。かかるシガレットフィルター素材としては
有害物質の除去性とタバコ本来の香喫味を著しく損わな
いという機能から酢酸セルロース績維の繊維集合体よシ
なるフィルターが広く使用されている。

特に喫煙成分のうち本来の優良な香喫味成分を通過し、
かつフェノール分等の刺激性成分を適度に除去し、バラ
ンスよく優良な香喫味成分を得るために二酢酸セルロー
ス繊維を素材として使用したものが賞出されている。

この二酢酸セルロース轍維を素材とするフィルター＃′
ｉｂ、Ｌ”（以下の工程で製造されている。二酢酸セル
ロースをアセトンに溶解し濾過を行った後に紡糸口金よ
り定量的に押し出し高温気流中でアセトン成分を揮散せ
しめる。更に油剤を添加したのち捲縮を付与して、連続
的なフィラメントトウの形態とする。

このフィラメントトウは捲縮を伸ばしなから膨高性をも
たせつつトリアセチン等二酢酸セルロースの可塑剤を添
加した後に連続円筒状に巻き上げ一定長さに切ってフィ
ルタープラグとし、この段階で必要に応じ活性炭等の添
加物を添加せしめる。フィルタープラグは更に一定長さ
に切断されたあと、タバコキザミ部分と接続してシガレ
ットを製造している。

この二酢酸セルロース繊維を主成分とするフィルターは
単稙維繊度や構成本数を厳密に規定しフィルターの製造
条件についても細かく調整を行って喫煙時に発生する通
気抵抗やタール成分、ニコチン成分等の濾過除去率を規
定している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら二酢酸セルロース轍維よジなるシガレット
フィルターは、前述の如く優良な性能を有しているにも
かかわらず、フィルター素材を長期間密封して放置して
おくと酢酸臭が生ずるという問題点がある。タバコはそ
の性格上味、香りといった官能性の強い商品であること
からフィルター素材が長期間の密封によって酢酸臭が発
生することは好ましくないことである。

本発明者らはかかる問題点を解決すべく検討を行った結
果、酢酸臭の発生原因は二酢酸セルロース及び可塑剤と
して用いるトリアセチン双方の加水分解により酢酸が遊
離するためであることを見い出し、加水分解反応を抑制
すべく、更に検討を行った結果本発明に到達したもので
ある。

し問題点を解決するだめの手段〕 本発明は、主として二酢酸セルロース繊維よジ構成され
た繊維集合体に対し酢酸、リン酸、塩酸、炭酸及び多価
カルボン酸より選ばれた酸のアルカリ金属塩を７０〜１
５００　ｐｐｍ含有させてなるシガレットフィルター素
材にある。

二酢酸セルロース並びにトリアセチンで代表される可塑
剤は酢酸エステルでありいずれもエステル結合したもの
の細微量の遊離酢酸を含有しており、これらの遊離酢酸
はシガレットフィルター構成素材中に若干量含有する水
分によって長期間に亘って除々に加水分解反応を行い遊
離酢酸の発生を増大させる。この加水分解反応は本質的
に二酢酸セルロース及び可塑剤の量と水分量によるもの
であるが加水分解反応速度常数は系内の遊離酸量、換言
すればイオン化可能な水素量と温度に太きく依存し、殊
に遊離酸量に著しく依存する。

このような状況からシガレットフィルター構成素材の経
時的酢酸臭発生全抑制させるためにはシガレットフィル
ター構成素材中に含有する遊離酸が加水分解反応を促進
させない状態に変化させてやる必要がある。そのため、
本発明ではフィルター構成素材中に含有する遊離酸を−
緩衝系とすることにより結果的に酢酸臭発生全防止する
ものである。

すなわち、本発明においてはシガレットフィルター構成
素材中に含有する遊離酸を酢酸、リン酸、塩酸、炭酸、
多価カルボン酸より選ばれた酸のアルカリ金属塩と接触
せしめることにより遊離酸の有する加水分解反応促進効
果を著しく減殺させるものである。

遊離酸による加水分解反応促進効果を減殺させる方法と
しては一つの方法としてシガレットフィルター構成素材
中の遊離酸を皆無とすることが考えられるが、通常二酢
酸セルロースには含まれる遊離酸が０．０００５〜０．
００４　ｗｔＸと極めて低率であり、多量に含有してい
るものにでもｏ、ｏ　３’Ｘ程度である。トリアセチン
においても０．０３　ｗｔ％以下とその遊離酸量は低く
、これらの遊離酸を更に低減化させることはいたす！ らに製品価格を上昇させることになり経済的に好ましく
ない。

一方、いま一つの方法としてシガレットフィルター構成
素材をアルカリにて中和する方法が考えられるが、この
方法は極めて微量な遊離酸全中和させることが難しく、
逆に強アルカリになっては加水分解反応を更に助長させ
る結果を招くことにもなジ好ましくない。

本発明で用いる酢酸、リン酸、塩酸、炭酸、多価カルボ
ン酸より選ばれた酸のアルカリ金Ｍ塩として単独で、ま
た複数を混合して使用することも差支えない。リン酸塩
には水素置換の程度、重合脱水の程度、更には結晶水の
保持等で多量の種類が存在するがそのいずれであっても
差支えない。また多価カルボン酸はクエン酸、酒石酸、
リンゴ酸、コハク酸等を例示することができる。本発明
者らの試験結果では特にリン酸塩が好ましい結果を得る
ことができる。

また、各種の塩の種類によっては水に溶解したときかな
り強い酸性もしくはアルカリ性を示すものもあるが、か
かる場合にあっては酸、アルカリを適宜添加して液性を
弱酸乃至弱アルカリ性とすることができ、例えばリン酸
三ナトリウムと、リン酸を適宜添加して、液性を中性域
とする方法があり、かつこの方法によれば更に良好な結
果を招き好ましく用いられる。

本発明における酸のアルカリ金属塩の添加量は７０〜１
５００　ｐｐｍの範囲が好ましく、更に好ましくは１０
０〜６００　ｐＩ）！Ｑの範囲である。

添加量が７０　ｐｐｍ未満では本発明の期待される効果
である遊離酸を緩衝する能力がなくなり、もって経時的
酢酸臭を抑制する効果を充分に発揮するに至らない。

逆に添加量が１５００　ｐｐｍを超えると塩の析出、香
喫味の変化等を生じシガレットフィルター素材として好
ましくない結果を与える。

酸のアルカリ金属塩を添加するにあたっては、二酢酸セ
ルロースフレークの製造工程、トリアセチンの製造工程
で各々添加する方法、アセテート繊維を紡糸するまでに
添加する方法、油剤と共にアセテート繊維に付着させる
方法、トリアセチンに添加してフィルターに巻上げる方
法等いずれの段階でもよく、又含有させるための方法は
いずれでもよい。

シガレットフィルター製造におけるトリアセチンの作用
機構は捲縮二酢酸セルロース繊維を開繊し、円筒状に捲
き上げたときトリアセチンによって、二酢酸セルロース
を膨潤、半溶解状態とし、峻維間接点を接着させる働き
をもつ、更にその後トリアセチンは二酢酸セルロース中
に拡散固定化させる。

このような機構から本発明で用いる酸のアルカリ金属塩
は二酢酸セルロース、トリアセチン中に均一に分散して
いることが最も好ましい。

〔実施例〕

以下実施例により本発明を説明する。

実施例 二酢酸セルロースフレーク（セラニース社製酢化度５５
．２％遊離酸０．０５％水分２．３％）を１００ｋｌ用
意した。

あらかじめリン酸水素２ナトリウム（和光紬薬製１級）
　３３．＋　９とリン酸５．７　ＩＩとを蒸留水１０ｇ
（ｚａ／中に溶解した。この時の溶液の田は６．９であ
った。

この溶液をミキサ中でアセトン３２０ｐに溶解し、更に
水０．２５４ｔ−加えた後、すでに用意した二酢酸セル
ロースと濾過助剤を全量添加し、溶解操作を行った。し
かるのち常法に従い濾過を行って紡糸口金に導き乾式紡
糸を行った。オイリングを行ってから捲縮がけを行い単
繊維繊度３デニ一ル繊度３／、０００デニールのトウを
得た。

このトウをプラグマシン（ハウニー社製ＫＤＦＩＩ　−
ＡＦＩ）を通過させ長さ１２０酊のプラグに捲上げた。

このプラグ製造時にはトリアセチン（有機合成化学社製
、酸価０．０１％、水分０．０８％）を対トウ重量で６
．０％添加した。

このようにして得た畏さ＋２０１）１）のフィルタープ
ラグ′ｔｌ−２０本まとめてポリスチレン製のサンプル
ビンに密閉して保存した。所定時間室温にて経過後サン
プルビンゲ開封し酢酸臭の発生程度を官能評価により行
い、同時に遊離酢酸量を測定した。その結果を次表に示
す。

〔発明の効果〕

本発明によれば、シガレットフィルター素材を得る任意
の段階で特定の酸のアルカリ金属を含有せしめることに
よジ、微量に存在する遊離酸そのものの作用を封するも
のであり、経済的にも有効なる方法によって得られるシ
ガレットフィルター素材であり、二酢酸セルロースの有
する長所を何ら損うことなしに、その欠点であった長期
保存における酢酸臭の発生を防止したシガレットフィル
ター素材を得ることができる。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）主として二酢酸セルロース繊維より構成された繊
   維集合体に対し酢酸、リン酸、塩酸、炭酸及び多価カル
   ボン酸より選ばれた酸のアルカリ金属塩を７０〜１５０
   ０ｐｐｍ含有させてなるシガレットフィルター素材。
2. （２）繊維集合体がトウ状物である特許請求の範囲第１
   項記載のシガレットフィルター素材。
3. （３）繊維集合体がフィルタープラグである特許請求の
   範囲第１項記載のシガレットフィルター素材。