JPS63102677A - 熱安定性dnaポリメラーゼ - Google Patents

熱安定性dnaポリメラーゼ

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JPS63102677A
JPS63102677A JP62207421A JP20742187A JPS63102677A JP S63102677 A JPS63102677 A JP S63102677A JP 62207421 A JP62207421 A JP 62207421A JP 20742187 A JP20742187 A JP 20742187A JP S63102677 A JPS63102677 A JP S63102677A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、精製した熱安定酵素に関する。一つの態様で
は、この酵素はテルムス・アクアチクス(Thermu
s a uaticus)から精製されたDNAポリメ
ラーゼであり、その分子量は約86.000〜90.0
00である。
本発明は、既存の核酸配列が試験試料中に存在するなら
ばそれらを増幅し、且つもし存在するならばそれらをプ
ローブを用いることによって検出する方法に関する。更
に具体的には、本発明は、DNAまたはRNAの所定の
配列から特定の核酸配列を最初に存在している量に比較
して大量に産生じてこれらの配列の検出を容易にし、反
応を触媒する熱安定酵素を用いる方法に関する。DNA
またはRNAは、−末鎖または二本鎖であってもよく、
比較的純粋な種類または核酸の混合物の一成分であって
もよい。本発明の方法は、所望な核酸配列の増幅を達成
するため、反復反応を利用する。
〔従来の技術〕
E、コリ (E、  co旦)のような中温微生物がら
のDNAポリメラーゼの単離について、広範な研究が行
われてきた。例えば、ベスマン(Bess糟an)ら、
J、Biol、0μシ(i957年)、233巻、 1
71〜177頁およびブチン(Buttin)とコルン
ベルグ(にorn−berg)J、Biol、Chea
+、 (i966年)、241巻、5419〜5427
頁を参照されたい。
対照的に、テルムス・アクアチクス(Thermus…
胚旦cus)のような好熱菌からのDNAポリメラーゼ
の単離と精製については、余り研究が行なわれていない
。カレジン(Kaledin)ら、7゜(i980年)
45巻、644〜651頁は、テルムス・ア’;l 7
 f ’) ス(7,7Y T 1株の細胞からのDN
Aポリメラーゼの6段階単離および精製法を開示してい
る。これらの工程は、粗製抽出物の単離、DEAE−セ
ルロース・クロマトグラフィ、ヒドロキシアパタイト上
での分別、DEAE−セルロース上での分別および単一
鎖DNA−セルロース上でのクロマトグラフィから成っ
ている。それぞれの段階からのプールは、エンド−およ
びエクソヌクレアーゼの混入についてはスクリーニング
されていない。精製された酵素の分子量は、モノマ一単
位当たり62.000ドルトンと報告されている。
テルムス・アクアチクス(T 、  u胆且印註カラ(
7)ポリメラーゼについての第二の精製法は、エイ・チ
ェノ(A、Chien)ら、J、 Bacteriol
、(i976年)、127巻、1550〜1557頁に
よって記載されている。
この方法では、粗製の抽出物をDEAE−セファデック
スカラムにかける。透析下プール分画を次に、ホスホセ
ルロースカラム上での処理に付す。このプールした分画
を透析して、ウシ血清アルブミン(B S A)を加え
てポリメラーゼの活性の損失を防止する。生成する混合
物をDNA−セルロースカラムにかける。カラムがらの
プールした物Its析し、ゲル濾過によって分析すると
分子量は約63.000ドルトンであり、スクロース遠
心分離によれば約68,000ドルトンである。
熱安定酵素を用いて、既存の核酸配列を初めに存在する
量に比べて大量に増幅する方法は、1986年12月1
0日発行の欧州特許公開第200.362号明細書に示
唆されている。この方法では、プライマー、ヌクレオチ
ドトリホスフェートおよびポリメラーゼが用いられ、変
性、鋳型類の合成およびハイブリダイゼーションからな
っている。それぞれのプライマーの伸長生成物は、所望
の核酸配列を製造するための鋳型になる。この明細占で
は、用いられるポリメラーゼが熱安定酵素である場合に
は、熱によってその活性が破壊されないので、各変性工
程の後にそれを添加する必要はない。精製された熱安定
性DNAポリメラーゼの使用については、他の利益およ
び詳細な点についてはなにも提供されていない。増幅お
よび検出工程も、サイキ(Saiki)らの5cien
ce −、230巻、1350〜1354頁(i985
年)およびサイキ(Saiki)らのBio  Tec
h−匹旦■、3巻、1008〜1012頁(i985年
)に記載されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
したがって、当業界では、上記の診断用増幅工程を改良
するために使用することができる精製された安定な熱安
定酵素を製造することが望まれている。
〔問題点を解決するための手段〕
したがって、本発明はヌクレオチドトリホスフェートの
結合を触媒して核酸鋳型類に相補的な核酸鎖を形成する
精製された熱安定酵素を提供する。
好ましくは、精製された酵素はテルムス・アクアチクス
(Thermus  皿旦旦匹蛙由来のDNAポリメラ
ーゼであり、分子量は約86.000〜90,000ド
ルトンである。この精製された材料を温度サイクル増幅
反応に用いて、所定の核酸配列から核酸配列を初めに存
在する量に比較して大量に産生させて、それらを容易に
検出することができるようにすることができる。
テルムス・アクアチクス(Thermus  7由来の
DNAポリメラーゼからの酵素をコードする遺伝子も同
定され、本発明の熱安定酵素を回収するもう一つの手段
を提供する。約86.000〜90、000ドルトンの
酵素をコードする遺伝子に加えて、DNAポリメラーゼ
活性をコードする遺伝子誘導体も提供される。
最後に、本発明は、1種以上の非イオン性のポリマー性
洗剤を含む緩衝液に上記のような精製された熱安定酵素
を含有する安定な酵素組成物をも包含する。
精製された酵素および組替えDNA技術によって産生さ
れる酵素は、熱安定性ではないフレノウ(にlenow
)フラグメントよりも這かに高い特異性を提供する。更
に、精製された酵素及び組換え技術によって産生された
酵素は、dTTPまたは他のヌクレオチドトリホスフェ
ートがDNA鋳型と共にインキュベーション混合物中に
存在しないときに予想される適当な活性を示す。また、
これらの酵素は、文献に記載されているテルムス・アク
アチクス(Thermus  赳旦旦匹U由来の熱安定
酵素のp)lよりも広いpH範囲を有し、pH7ではp
H8における場合の50%より大きな活性を示す。更に
、これらの熱安定酵素は、非イオン性洗剤を有する緩衝
液中に保存して、長時間に亙って活性を失わずに安定で
あるようにすることができる。
本発明は、プライマーおよび熱安定酵素を用いて、核酸
またはそれらの混合物中に存在する1種又は複数種の特
定の核酸配列を増幅する方法にある。一つのプライマー
の伸長生成物が他のものにハイブリダイズすると、所望
の特定の核酸配列を産生ずるための鋳型になり、その逆
も同じであり、この方法は所望の量の配列を産生ずるの
に必要な回数だけ反復される。この方法は、増幅反応の
特異性を向上させて、増幅された核酸の極めて明瞭なシ
グナルを生じる。更に、本発明の方法は、それぞれの増
幅サイクルの後に一つの容器から別の容器に試薬を移す
必要をなくする。熱安定酵素は、核酸鎖を変性するのに
要する高温に対して耐性を有し、それ故取り替える必要
がないので、上記のような移し替えは必−要でない。更
に、温度サイクル変化を自動化して、増幅反応を行うの
に必要な人員と工程数を更に削減することができる。
更に具体的には、本発明は、核酸または核酸の混合物に
含まれる少なくとも1種の特定の核酸配列を増幅する方
法であって、核酸が二本鎖である時には、この核酸が同
じまたは異なる長さの2本の別々の相補的鎖からなり、 (a)それぞれの核酸鎖を、4個の異なるヌクレオチド
トリホスフェートと増幅されるべきそれぞれの異なる特
定の配列について1個のオリゴヌクレオチドプライマー
とに接触させ、但しそれぞれのプライマーはそれぞれの
特定の配列の異なる鎖に実質的に相補的であるように選
択され、1個のプライマーから合成された伸長生成物が
、その相補体から分離したとき、他のプライマーの伸長
生成物の合成の鋳型として働くことができるようにし、
上記接触を、それぞれのプライマーのその相補的核酸鎖
へのハイブリダイゼーションを促進する温度で行い; (b)それぞれの核酸鎖を、工程(a)と同時にまたは
この工程の後に、ヌクレオチドトリホスフェートの結合
を触媒する熱安定酵素と接触させて、それぞれの核酸の
それぞれの鎖に相補的なプライマー伸長生成物を形成し
; (c)酵素の活性化し、そして増幅されるべきそれぞれ
の異なる配列について、それぞれの核酸鎮鋳型に相補的
なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成するために
は有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成物をそ
の相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温度にお
いて、有効な時間にわたり、工程(b)からの混合物を
保持し;(d)プライマー伸長生成物がその上で合成さ
れた鋳型から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖
分子を生成せしめるためには有効な温度ではあるがしか
し酵素を不可逆的に変性させる程の高温ではない温度に
おいて、有効な時間にわたり、工程(c)からの混合物
を加熱し; (e)工程(d)からの混合物を、それぞれのプライマ
ーの工程(d)で産生される一本鎖分子のそれぞれへの
ハイブリダイゼーションを促進するために有効な温度に
有効な時間にわたり冷却し:(f)酵素の活性を促進さ
せ、そして増幅されるべきそれぞれの異なる配列につい
て、工程(d)で産生されるそれぞれの核酸鎮鋳型に相
補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成するた
めには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成物
をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温度
において、有効な時間にわたり、工程(b)からの混合
物を保持し、工程(e)および(f)を同時にまたは順
次に行うことをコード化する、方法を提供する。
工程(d)、(e)および(f)は、所望な水準の配列
の増幅が得られるまで繰り返すことができる。本明細書
記載の好ましい熱安定酵素は、テルムス・アクアチクス
(Thermus  凹且I士烈s)−カラ抽出された
ポリメラーゼ(Taqポリメラーゼ)である。最も好ま
しくは、酵素がTaqポリメラーゼである時には、工程
(a)では核酸鎖を、約1.5〜2iMのマグネシウム
塩、150〜200−〇それぞれのヌクレオチドおよび
1声のそれぞれのプライマーを含んで成る!1 iij
液と接触させ、工程(a)、(e)および(f)を約4
5〜58℃で行い、工程(d)を約90〜100℃で行
う。
好ましい態様では、1種又は複数種の核酸は二本鎖であ
り、工程(a)は、(i)それぞれの核酸を、4個の異
なるヌクレオチドトリホスフェート及び増幅されるべき
それぞれの異なる特定の配列について1個のオリゴヌク
レオチドプライマーの存在下で、それぞれの核酸を変性
するのに有効な時間、有効な温度に・加熱して、但しそ
れぞれのプライマーはそれぞれの特定の配列の異なる鎖
に実質的に相補的であるように選択され、1個のプライ
マーから合成された伸長生成物が、その相補体から分離
したとき、他のプライ′マーの伸長生成物の合成の鋳型
として働くことができるようにし、(ii)変性した核
酸を、それぞれのプライマーのその相補的な核酸鎖への
ハイブリダイゼーションを促進する温度に冷却すること
によって行なわれる。
他の態様では、本発明は、核酸または核酸の混合物を含
む試料において少なくとも1種の特定の核酸配列の存在
または不存在を検出し、または上記試料における2種の
異なる配列を識別する方法であって、試料は上記1また
は複数の配列を含むものと予想され、且つ1又は複数の
核酸が二本鎖である時には、それらはそれぞれ、等しい
または等しくない長さの2本の分離された相補的鎖から
なり、工程(a)〜(f)は上記と同じであり、特定の
1つの核酸配列または、存在するならば、複数の配列の
量を増幅させ、工程(e)および(f)を同時にまたは
順次に行い、 (g)工程(f)の生成物に、上記配列へのまたはその
変異体へハイブリダイズすることができる、検出される
べきそれぞれの配列のための、標識したオリゴヌクレオ
チドプローブを加え;そして <h>上記ハイブリダイゼーションが起こったかどうか
を決定することをコード化する、方法に関する。
更にもう一つの態様では、本発明は、試料中に含まれる
1種又は複数種の核酸中の少なくとも1つのヌクレオチ
ド配列の変化の存在または不存在を検出する方法であっ
て、核酸が二本鎖である時には、それはそれぞれ、等し
いまたは等しくない長さの2本の分離された相補的鎖か
らなり、上記工程(a)〜(f)を含み、l又は複数の
配列変化が存在するときには、これらを含む核酸の検出
可能な増幅を得るのに十分な回数だけ、工程(d)。
(e)および(f)を繰り返し、且つ工程(e)と(f
)は同時にまたは順次に行い、 (g)工程(f)の生成物を膜に固定し、(h)プロー
ブの配列が増幅された配列の領域に相補的であるときに
のみ増幅された核酸配列とハイブリダイズすることがで
きる、標識された配列特異的オリゴヌクレオチドプロー
ブで、上記膜をハイブリダイゼーション条件下で処理し
;そして (i)プローブが核酸試料中の増幅された配
列にハイブリダイズしたか否かを検出することをコード
化する、方法に関する。
試料が細胞を含有するときには、好ましくは、それらの
細胞を工程(a)の前に加熱してその中の核酸を試薬に
暴露させる。この工程は、試薬の添加前の核酸の抽出を
回避する。
この方法の変法においては1種又は複数のプライマーお
よび/またはヌクレオチドホスフェートを標識して、生
成する増幅された配列を標識するようにする。標識され
た1種又は複数のプライマーおよび/またはヌクレオチ
ドホスフェートは、最初から反応混合物中に存在しても
よくまたは後のサイクルで添加することもできる。(非
標識)配列特異的オリゴヌクレオチドトリホスフェート
を膜に固定し、標識された増幅生成物によりハイブリダ
イゼーション条件下で処理して、膜に結合した配列が増
幅生成物に存在するときにのみハイブリダイゼーション
が起こるようにする。
更にもう一つの態様では、本発明は、核酸または核酸の
混合物に含まれる1種又は複数種の特異的核酸配列をク
ローニングベクターにクローン化する方法であって、1
種又は複数の核酸が二本鎖である時には2本の分離され
た相補的鎖からなり、該1種又は複数種核酸がクローニ
ングの前に量的に増幅され、この方法は上記工程(a)
〜(f)を含み、工程(d)、(e)および(f)は1
種又は複数種の配列を含む1種又は複数種の核酸の検出
可能な増幅を生じるのに十分な回数だけ繰り返し; (g)工程(f)の生成物に上記制限部位のそれぞれに
対する制限酵素を加えて、制限消化物中に開裂生成物を
得: (h)クローン化されるべき特定の配列を含む工程(g
)の開裂生成物を1個以上のクローニングベクターに連
結することからなる方法に関する。
最後の態様では、本発明は、核酸または核酸の混合物に
含まれる1種又は複数種の特定の核酸配列をクローニン
グベクターにクローン化する方法であって、1種又は複
数種の核酸が二本鎖である時には、長さが等しいまたは
等しくない2本の分離された相補的鎖からなり、該1種
又は複数種の核酸がクローニングの前に量的に増幅され
、この方法は上記工程(a)〜(f)を含み、工程(d
)。
(e)および(f)を、1種以上のクローニングベクタ
ーに平滑末端連結するために、1種又は複数の配列を含
む1種又は複数の核酸の検出可能な増幅を生じるのに十
分な回数だけ繰り返し、(g)工程(f)から得られた
クローン化されるべき1種又は複数種の増幅された特定
の列をリガーゼの存在下で1種又は複数種の上記クロー
ニングベクターへ連結し、ここで、1種又は複数種の上
記増幅された配列及び1種又は複数種のベクターが連結
を行うのに十分な量で存在することをコード化する、方
法に関する。
生成物の態様では、本発明は、核酸または核酸の混合物
に含まれる少(とも1種の特定の核酸配列を増幅するの
に有用な組成物であって、増幅されるべきそれぞれの異
なる特定の配列について、4個の異なるヌクレオチドト
リホスフェートと1個のオリゴヌクレオチドプライマー
を含有し、それぞれのプライマーはそれぞれの特定の配
列の異なる鎖に実質的に相補的であるように選択され、
一つのプライマーから合成された伸長生成物は、その相
補体から分離されたと、他のプライマーの伸長生成物の
合成の鋳型として働くことができるようになる。
もう一つの生成物の態様では、本発明は、核酸に含まれ
る特定の核酸配列の複数積を含んで成る1種又は複数種
の核酸の試料を提供する。この試料は、約10〜100
の鎖、約100〜1000の鎖、または約1000を超
える鎖を有することができる。
最後の生成物の態様では、本発明は、本発明の増幅法に
よって産生される配列の複数のコピーを含有する核酸ま
たは核酸の混合物からの増幅された核酸配列を提供する
本明細書に用いられる「細胞」 「細胞系(セルライン
)」および「細胞培養物」は相互交換可能に用いること
ができ、これらの名称は総て子孫を包含する。したがっ
て、「形質転換体」または「形質転換された細胞」とは
、−次細胞およびトランスファーの回数とは関係なしに
その細胞に由来する培養物を包含する。また、総ての子
孫は、故意のまたは偶然の突然変異によりDNA含量が
正確には同一ではないことがあることも理解される。最
初に形質転換された細胞に置いてスクリーニングしたの
と同じ機能を有する変異体子孫も包含される。
「制御配列」という用語は、特定の宿主生物における作
用可能に連結されたコード配列の発現に必要なりNA配
列を指す。原核生物に好適な制御配列は、例えばプロモ
ーター、任意にはオペレーター配列、リボゾーム結合部
位があるが、さらにその他の余り理解されていない配列
も包含することが可能である。真核細胞は、プロモータ
ー、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサ−を利用
することが知られている。
「発現系」という用語は、作用可能に連結された所望の
コード配列および制御配列を含むDNA配列を指し、こ
れらの配列で形質転換される宿主はコードされた蛋白質
を産生ずることができる。
形質転換を行うために、発現系をベクターに包含させて
もよいが、次に、関連のDNAが宿主染色体に組み込ま
れてもよい。
本明細書で用いられる「遺伝子」という用語は、回収可
能な生物活性を有するポリペプチドまたは前駆体をコー
ド化するDNA配列を指す。このポリペプチドは、完全
な長さの遺伝子配列によりまたは酵素活性が保持されて
いるかぎりコード配列のいずれかの部分によってコード
されていてもよい。
「作用可能に連結した」という用語は、成分の正常な機
能を行うことができる併置を指す。例えば、tlJ?1
1配列に「作用可能に連結した」コード配列は、このコ
ード配列が制御配列のII ill下で発現することが
できる配置を指す。
「非イオン性のポリマー性洗剤」とは、イオン性電荷を
持たず、本発明の目的には、約3.5〜約9.5のpH
範囲、好ましくは4〜8.5のpH範囲で酵素を安定化
することができることをコード化する、界面活性剤を指
す。
本明細書に用いられる「オリゴヌクレオチド」という用
語は、2個以上のデオキシリボヌクレオチドまたはりボ
ヌクレオチド、好ましくは3個以上のものからなる分子
として定義される。その正確な大きさは多くのファクタ
ーによって異り、これらのファクターはオリゴヌクレオ
チドの最終的な機能または用途によって異る。オリゴヌ
クレオチドは、合成的にまたはクローニングによって誘
導することができる。
本明細書に用いられる「プライマー」という用語は、生
成された制限消化物中におけるように天然存在し、また
は合成的に製造されるオリゴヌクレオチドであって、核
酸鎖に相補的なプライマー伸長生成物の合成を誘発する
条件、すなわち、適当な緩衝液(「ill液液とはpH
、イオン強度、コファクター等を包含する)中で、好適
な温度で4種の異なるヌクレオチドトリホスフェートと
熱安定酵素の存在の条件下に置くとき、合成の開始点と
して作用することができるものを指す。Taqポリメラ
ーゼについては、本明細書の緩衝液は、好ましくは1.
5〜2111Mのマグネシウム塩、好ましくはMaCI
lg 1150〜200戸のそれぞれのヌクレオチドお
よび1州のそれぞれのプライマーを含有し、好ましくは
、50+nMのKCffと10mMのトリス緩衝液(p
H8〜8.4)および100.hg/m7のゼラチンを
含む。
このプライマーは、増幅において最大効率を得るには好
ましくは単一鎖であるが、二本鎖でもよい。二本鎖の場
合には、プライマーは最初に処理されて、伸長生成物を
調製するのに用いる前にそれらの鎖ごとに分離される。
好ましくは、プライマーは、オリゴデオキシリボヌクレ
オチドである。
プライマーは十分に長く、熱安定酵素の存在で伸長生成
物の合成をプライムできるものでなければならない。プ
ライマーの正確な長さは、温度、プライマー由来および
方法用途のような多くのファクターによって変わる。例
えば、′目標とする配列の複雑さによっては、オリゴヌ
クレオチドプライマーは典型的には、15〜25ヌクレ
オチドを含むが、それより多くのまたはそれより少ない
ヌクレオチドを含むこともある。短いプライマー分子は
一般的には、鋳型と十分に安定なハイブリッド複合体を
形成するには、低温が必要である。
これらのプライマーは、増幅されるそれぞれの特定の列
の異なる鎖に「実質的に」相補的になるように選択され
る。これは、それらのそれぞれの鎖とハイブリッド形成
するには十分に相補的でなければならないことを意味す
る。それ故、プライマー配列は鋳型の正確な配列を反映
する必要はない。例えば、非相補的ヌクレオチドフラグ
メントをプライマーの5′末端に結合させ、残りのプラ
イマー配列が鎖に対して相補的であるようにすることが
できる。また、プライマー配列が増幅される鎖の配列に
対して十分に相補的で、この鎖とハイブリッド形成する
ことによって、他のプライマーの伸長生成物の合成用の
鋳型となる場合には、非相補的塩基またはより長い配列
をプライマー中に含むことができる。しかしながら、検
出の目的には、詳細には標識した配列特異的プローブを
用いて検出するには、プライマーは典型的には正確な相
補性を有する場合に最高の結果が得られる。
本明細書に用いられる「制限エンドヌクレアーゼ」およ
び「制限酵素」という用語は、細菌酵素であって、それ
ぞれが特異的ヌクレオチド配列のまたはその付近の二重
IN D N Aを切断するものを指す。
本明細書に用いられるrDNA多形」という用語は、2
種以上の異なるヌクレオチド配列がDNAの特定の部位
に存在することができる状態を指す。
本明細書に用いられる「ヌクレオチド配列の変化」とい
う用語は、ある種の単一または複数のヌクレオチド置換
、欠失または挿入を指す。これらのヌクレオチド変化は
、突然変異または多形性対立遺伝子変異であることもあ
る。それ故、本明細書に用いられる方法は、単一塩基の
変異、付加または欠失によって起こされるβ−グロブリ
ン遺伝症(ある種のβ−サラセミア、鐘状赤血球貧血、
ヘモグロビンC症なと)において起こるような核酸での
単一ヌクレオチド変化を検出することもでき、またα−
サラセミアまたはある種のβ−サラセミアに包含される
ような多数塩基変異を検出することもできる。更に、本
発明の方法は病気に必然的には関連せず、集団中の核酸
の特定の部位、例えばヒトゲノム及びランダム多形例え
ばミトコンドリアDNAのHL A a域に単に(置換
された、欠失されたまたは挿入されたヌクレオチド塩基
対のような)2種以上の異なるヌクレオチド配列が存在
するような状態である多形を検出することができる。以
下に詳細に記載する多形配列に特異的なオリゴヌクレオ
チドプローブは、インシュリン依存性の糖尿病メリトゥ
ス(mellitus)のような病気に関連した遺伝的
マーカーを検出するのに使用され、または法医学の応用
に用いることもできる。核酸が二本鎖である時には、配
列中のヌクレオチド変化は配列の塩基対変化になる。
「配列特異的オリゴヌクレオチド」という用語は、対立
遺伝子に含まれるまたは含まれない特定の配列にハイブ
リッド形成するオリゴヌクレオチドを指し、これらの配
列は検出される塩基対変化を含み、そして検出される配
列変異に特異的である。分析される配列によっては、1
種以上の配列特異的ヌクレオチドをそれぞれの配列に対
して、以下に更に記載のように用いることもできる。
本明細書に用いられる[制限フラグメント長さ多形J 
(RFLP)という用語は、特定の制限エンドヌクレア
ーゼで消化することによって形成される制限フラグメン
トの長さの個体間の差を指す。
本明細書に用いられる「熱安定酵素」という用語は、熱
に安定であり、耐熱性を有し、それぞれの核酸鎖に相補
的であるプライマー伸長生成物を形成する適当な方法で
ヌクレオチドの結合を触媒(促進)する酵素を意味する
。一般的には、合成はそれぞれのプライマーの3′末端
で開始され、合成が終結するまで鋳型鎖に沿って5′方
向に進行し、異なる長さの分子を産生ずる。しかしなが
ら、5′末端で合成を開始し、上記と同様な工程を用い
て、他の方向に進む熱安定酵素もある。
本明細書に用いられる熱安定酵素は、増幅反応に効果的
であるという唯一の規準を満たすものでなければならず
、すなわち、酵素は、二本鎖核酸の変性を行うのに必要
な時間高温に付す時に、不可逆的に変性(不活性化)す
るものであってはならない。この場合の不可逆的変性と
は、酵素活性を永久に且つ完全に喪失することを意味す
る。変性に必要な加熱条件は、例えば緩衝液の塩濃度、
変性される核酸の長さおよびヌクレオチド組成によって
変わるが、典型的には、約90〜約105℃の範囲であ
り、時間については主として温度および核酸の長さによ
って変わり、典型的には約0.5〜4分間である。緩衝
液の塩濃度および/または核酸のGC組成が増加すると
、更に高温を用いることもできる。好ましくは、酵素は
約90〜100℃で不可逆的に変性しない。
本明細書に用いられる熱安定酵素は、好ましくはその酵
素が機能する最適温度は約40℃よりも高く、鋳型への
プライマーのハイブリダイゼーションが促進される温度
よりも低い温度であるが、(i)マグネシウムおよび塩
濃度および(2)プライマーの組成および長さによって
は、ハイブリダイゼーションは更に高い温度(例えば4
5〜70℃)で起こることができる。酵素にとっての最
適温度が高くなれば、プライマー関連の伸長法の特異性
および/または選択性は大きくなる。しかしながら、4
0℃未満(例えば37℃)で活性な酵素も、熱に安定で
あるかぎり、本発明の範囲内に含まれる。好ましくは、
最適温度は約50〜90’Cであり、更に好ましくは6
0〜80℃である。
本明細書に用いられる熱安定酵素は、如何なる由来から
得ることもでき、天然または組換え蛋白質であってもよ
い。耐熱性を有するものとして文献に報告されている酵
素の例は、熱に安定なポリメラーゼ、例えば好熱菌のテ
ルムス・フラブス(Thermus  flavus)
 、テルムス・テルモフィルス(Thermus  …
肛敗餅u旦) 、バシルス・ステアロテルモフィJLス
(Bacillus  st匹匹■肛匹戸旦■)(他の
文献に報告されているものよりも皇分低い最適温度を有
する)、テルムス・アクアチクス(Thermus  
姐坦旦匹旦、テルムス・ラフテラス(Thermus 
 1acteus)テルムス・ルーベンス(Therm
usrubens) 、およびメタノテルムス・フエル
ビドゥス(Methanotherwus  ferv
idus)から抽出されたポリメラーゼがある。
本明細書に用いられる好ましい熱安定酵素は、テルムス
・アクアチクス(Thermus  7カら単離された
DNAポリメラーゼである。その各種の株も、アメリカ
ン・タイプ・カルチャ・コレクション(America
n Type Cu1ture Co11ection
)ロックビル、メリーランド、から入手することができ
、ティ・ディ’ブロック (T、D、Brock)、J
、Bact。
(i969年)、98巻、289〜297頁、およびテ
ィ・オシマ(T、Oshima)、八rch、 Mic
robiol、、(i978年)、117巻、189〜
196頁に記載されている。これらの好ましい菌株の一
つは、YT−1株である。
天然タンパク質を回収するためには、細胞を適当な技術
を用いて増殖させる。この様な技術は、カルジン(にa
ledin)ら、$、(i980年)同上、に記載され
ている。簡単に言えば、lリットルに、ニトリロトリ酢
酸(i00■)、トリプトン(3g)酵母抽出液(3g
)、コハク酸(5g)、亜硫酸ナトリウム(50■)、
リボフラビン(img) 、KzHPOa(522mg
) 、MgSO4(480mg) 、CaCj! z(
222mg)、Na(J!  (20mg) 、および
痕跡量の元素を含む培地上で細胞を増殖させる。培地の
pHは、Kollで8.0±0.2に調整している。7
0℃の温度で激しく通気しながら、細胞1リツトルに対
して20gまで培養すると、収量は増加する。後期対数
増殖期における細胞(550nmでの吸収により測定)
を遠心分離によって集めて、緩衝液で洗浄し、−20℃
に凍結保存した。
チェノ(ch 1en)ら、J、 Bacteriol
、 、1976年、同上、による細胞を生育させるもう
一つの方法では、0.1■/1のビオチンを補填した0
、 3%のグルタミン酸、0.1■/lチアミンおよび
0.05■/lのニコチン酸を含む定義された無機塩培
地が用いられる。これらの塩にはニトリロトリ酢酸、C
aSOalMgSOa、NaC!!、 KNOs 、 
NaN0i、ZnSO4,HJOa。
CuSO4,Na1loOn、 CoCl! !+ F
eCI!、、 MnSO4、およびNa1loOnがあ
る。培地のpHはNaOHで8.0に調整している。
チェノ(chien)らの方法では、細胞は最初は75
℃で水浴シェーカー中で増殖させる。一定の濃度に達し
たなら、これらの細胞1リツトルを、熱風インキュベー
ターに入れである16リツトルのカーボーイ (car
boys)に移す。無菌空気を培養液中に通して、温度
を75℃に維持する。細胞を20時間増殖させた後、遠
心分離によって回収する。
細胞の増殖の後、酵素の単離および生成を6段階で行い
、それぞれの段階は室温より低い温度、好ましくは約4
℃で行う。
第一の段階または工程では、細胞が、凍結している場合
には、解凍し、超音波で破砕し、pHが約7.5の緩衝
液に懸濁する。
第二の段階では上澄液を集めて、次いで乾燥硫酸アンモ
ニウムのような塩を加えることによって分別する。適当
な画分く典型的には、45〜75%飽和)を集めて、0
.2リン酸カリウム緩衝液、好ましくはpH6,5の緩
11液に溶解して、同じ緩衝液に対して透析する。
第三の段階では、核酸及びある種の蛋白質を取り除く。
第二の段階からの両分を、上記と同じ緩衝液で平衡化し
たDEAE−セルロースカラムにかける。次いで、この
カラムを同じ緩衝液で洗浄し、蛋白質含有画分を溶出し
、280nmでの吸収によって測定し、集めて、10m
Mリン酸カリウム緩衝液に対して、好ましくは第一の緩
衝液でpttを7.5にしたものと同じ成分を有するも
ので透析する。
第四の段階では、上記のようにして集めた分画を、第三
の段階で透析に用いた緩衝液で平衡にしたヒドロキシア
パタイトカラムにかける。次いで、このカラムを洗浄し
、10mMの2−メルカプトエタノールと5%のグリセ
リンを含むpH7,5の0.01M−0,5Mリン酸カ
リウム緩衝液の直線グラジェントで酵素を溶出する。プ
ールした熱安定酵素(例えばDNAポリメラーゼ)活性
を含む両分を、第三の段階で透析に使用したのと同じ緩
衝液で透析する。
第五の段階では、透析した画分を、第三の段階で透析に
使用した緩衝液で平衡化したDEAE−セルロースカラ
ムにかける。このカラムを次に洗浄し、第三の段階で透
析に使用した緩衝液中で0.01〜0.6MのKCAの
ような緩衝液の直線グラジェントで、酵素を溶出する。
熱安定酵素の活性を有する両分を、適当な方法を用いて
デオキシリボヌクレアーゼ(エンド−およびエキソヌク
レアーゼ)の混入について試験した。例えば、エンドヌ
クレアーゼ活性は、過剰のDNAポリメラーゼと共にイ
ンキュベートした後ファージλDNAまたはスーパーコ
イルプラスミドD N Aの分子量の変化から、電気泳
動によって測定することができる。同様に、エキソヌク
レアーゼ活性は、数個の部位で開裂する制限酵素を用い
て処理した後、DNAの分子量の変化から電気泳動によ
って測定することができる。
デオキシリボヌクレアーゼ活性を持たないと決定された
両分をプールして、第三の段階で用いたのと同じ緩衝液
で透析する。
第六の段階では、プールした両分を、一定のペッドポリ
ウムを有するホスホセルロースカラムに入れる。このカ
ラムを洗浄して、pH7,5でリン酸カリウム緩衝液中
0.01〜0.4MのKClのような緩衝液の直線グラ
ジェントで酵素を溶出する。熱安定なポリメラーゼ活性
を有し、デオキシリボヌクレアーゼ活性を有しないプー
ルした両分を、pH8,0の緩衝液で透析する。
透析した生成物の分子量は、蛋白質分子量マーカーを用
いてSDS PAGEによる方法等によって決定するこ
とができる。好ましい酵素の一つであるテルムス・アク
アチクス(Thermus  7カラ精製されたDNA
ポリメラーゼの分子量は、上記方法によって、約86.
000〜90.000ドルトンと決定される。
本発明の熱安定酵素は、この酵素をコードする遺伝子が
テルムス・アクアチクス(Thermus  姐Lat
icus)ゲノムDNAからクローン化されたとき、組
換えDNA技術によって産生させることもできる。テル
ムス・アクアチクス(Taq)ポリメラーゼについての
完全なコード配列は、約18kb(キロベース)のゲノ
ムDNAインサートフラグメント内に含まれる約3.5
kbのB gl II −Asp718(部分)制限フ
ラグメント上バタテリオファージCH35:Taq# 
4−2から誘導することができる。このバタテリオファ
ージは、1987年5月29日にアメリカン・タイプ・
カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託され、寄
託番号筒40,336号を有する。また、この遺伝子は
、プラスミドpFC83(ATCC第67 、422号
、1987年5月29日寄託)から単離された約750
塩基対(bp)のBgl II −Hind m制限フ
ラグメントを、プラスミドpFC85(ATCC第67
.421号、1987年5月29日寄託)から単離され
た約2.8 kbHind m −Asp718制限フ
ラグメントに連結することによって造成することができ
る。 pFC83制限フラグメントはTaqポリメラー
ゼ遺伝子のアミノ末端を有するが、pFC85からの制
限フラグメントはカルボキシ−末端を有する。したがっ
て、これらの2個のフラグメントを、適当な制御配列を
有する対応して消化されたベクターと連結すると、全長
Taqポリメラーゼの翻訳が得られる。
Taqポリメラーゼ遺伝子の全コード配列は、所望の酵
素活性を有する生物学的に活性な遺伝子生成物を回収す
ることを必要としないことも見出された。アミノ末端の
欠失であって、コード配列の約3分の1が不在であるも
のが、ポリメラーゼ分析において完全に活性な遺伝子生
成物を産生じた。
N−末端の欠失に加えて、Taqポリメラーゼを構成す
るペプチド鎖中の個々のアミノ酸残基は、酸化、還元、
またはその他の誘導体化によって改変することができ、
そしてこの蛋白質を開裂して、活性を保持するフラグメ
ントを得ることができる。
活性を破壊しないかかる変更は、遺伝子の定義から上記
蛋白質をコードするDNA配列を除外しない。
したがって、翻訳の間に配列に組み込まれるアミノ酸の
欠失、付加または変更による一次構造自体の改変は、蛋
白質の活性を破壊、することなく行うことができる。か
かる置換またはその他の変更は、本発明の予想された範
囲内にあるDNAによってコードされたアミノ酸配列を
有する蛋白質をもたらす。
本発明の精製された86 、000〜90.000ドル
トンのポリメラーゼで免疫したウサギからのポリクロー
ナル抗血清を用いて、テルムス・アクアチクス(The
rmus  B互I担四搬−の部分ゲノム発現ライブラ
リーをプローブして、下記のようにして適当なコード配
列を得た。クローン化されたゲノム配列は融合ポリペプ
チドとして発現させたり、それ自体の制御配列を用いて
直接に発現させたり、または酵素の発現に用いられる特
定の宿主に好適な制御配列を用いる構成によって発現さ
せることができる。
勿論、これらの配列をコードするDNA入手可能性は、
コドン配列を改変してDNAポリメラーゼ活性をも有す
るムティン(mutein)形を生じるようにする機会
を提供する。
例えば、これらの手段は、TaqDNAポリメラーゼの
ための完全なコード配列を提供して、これから、各種の
宿主系に通用できるものを発現ベクター構成し、そして
コード配列を発現することができる。
以上のことから、Taqポリメラーゼコード配列の部分
はプローブとして有用であり、色々な種のその他の熱安
定ポリメラーゼコード配列を回収するためのプローブと
して有用であることも明らかである。したがって、少な
くとも6個のアミノ酸をコードするゲノムDNAの部分
をE、コリ (L延)において複製することができ、そ
して少なくとも6個のアミノ酸をコード化し且つ熱安定
ポリメラーゼをコード化するその他のDNAを回収する
ために使用されるプローブまたはオリゴデオキシリボヌ
クレオチドプローブとして用いられる変形した形態のも
のを合成することができる。テルムス・アクアチクス(
Thermus  u川り几亜)におけるヌクレアーゼ
配列とその他の種類の対応する部分の配列は正確には一
致しないことがあるので、(6個のアミノ酸ストレッチ
をコードする)約18個のヌクレオチドを有するオリゴ
マーは、恐ら(、間違った陽性を排除するのに十分なス
トリンジエンシー条件下でハイブリダイゼーションを行
うのに必要であろう。6個のアミノをコードする配列は
、かかるプローブに十分な情報を供給するであろう。
゛な  、−′二および ゛ 一般的な言い方では、組換え形のTaqポリメラーゼの
製造は、以下のような工程を含む。
第一に、成熟酵素(この場合、総てのムティンを含むよ
うに用いられる)、あるいはTaqポリメラーゼとその
活性を破壊しない追加の配列との融合体または制御され
た条件下で(例えば、ペプチドでの処理によるような)
の開裂して他の蛋白質をもたらすことができる追加の配
列との融合体をコード化するDNAを得る。配列がイン
トロンによって中断されていないときには、それは如何
なる宿主における発現にも好適である。この配列は、切
り出し可能で且つ回収可能な形であるべきである。
次に、好ましくは、切り出されたまたは回収されたコー
ド配列を、複製可能な発現ベクター中の好適な制御配列
と作用可能に連結する。このベクターを用いて、好適な
宿主を形質転換し、形質転換された宿主を好ましい条件
下で培養して、組替えTaqポリメラーゼを産生させる
。任意には、Taqポリメラーゼを培養液または細胞か
ら単離するが、ある種の不純物が許容される場合には、
蛋白質の回収および精製は必要でないこともある。
上記の段階のそれぞれは、各種の方法で行うことができ
る。例えば、所望のコード配列をゲノムフラグメントか
ら得て、適当な宿主に直接用いることもできる。各1の
宿主で作用可能な発現ベクターの造成は、以下のような
適当なレプリコンを用いて行なわれる。好適な制確部位
は、通常は利用可能でない場合には、コード配列の末端
に加えて切り出し可能な遺伝子を得、これらのベクター
に抽入することができる。
制御配列、発現ベクターおよび形質転換法は、遺伝子を
発現するのに用いられる宿主細胞の型によって異る。一
般的には、原核細胞、酵母、昆虫または咄乳類細胞が、
宿主として現在有用である。
原核宿主は、一般的には組換え蛋白質の産生にとって最
も有効で好都合であり、それ故Taqポリメラーゼの発
現にとって好ましい。
T a qポリメラーゼの特定の場合には、組換え条件
下および自然条件下のいずれにおいても、蛋白質のN−
末端でかなり欠失が起こり、そして蛋白質の活性はなお
保持されたままであることを示す証拠が存在する。単離
された天然蛋白質は、蛋白質分解によ゛る減成の結果で
あり、不完全な遺伝子の翻訳の結果ではない。プラスミ
ドpFC85の不完全な遺伝子から産生されたムティン
は、しかしながら、DNAポリメラーゼの分析で完全な
長さを有する配列をコード化するDNAから産生された
ムティンと同様に、完全に活性である。ある種のN末端
が短縮された形は活性であることが明らかであるので、
用いられる遺伝子構成またはポリメラーゼの発現も、対
応する短縮された形状のコード配列を有することがある
、ド装置および、応する ′ 原核生物は、最も一般的には、E、コリ (E。
coli)の各種株によって代表される。しかしながら
、バシルス属、例えばバシルス・ズブチリス1:Bac
ilus 5ubtilis)、各種のシュドモナス(
Pseudomonas)またはその他の菌株のような
他の微生物株を用いることもできる。かかる原核系では
、宿主と適合性の種に由来する複製部位と制御配列を有
するプラスミドベクターが用いられる。
例えば、E、コリ (旦エ 匹旦)は、典型的には、ポ
リバー(Bolivar)ら、Gene、1977年、
2巻、95頁によるE、コリ (Lcolt)種に由来
するプラスミドであるpBR322の誘導体を用いて形
質転換される。pBR322はアンピシリンおよびテト
ラサイクリン耐性の遺伝子を有し、所望のベクターを造
成する際に保持されまたは破壊される付加的マーカーを
提供する。転写開始を促進し、任意にはオペレーターを
有し且つリボゾーム結合部位配列を有する本明細書記載
の一般的に用いられる原核制御配列には、β−ラクタマ
ーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトース(ia c)
プロモーター系〔チャン(chang)ら、Natur
e (i977年)198巻、1056頁〕、トリプト
ファン(trp)プロモーター系〔ゲーデル(Goed
del)ら、Nucleic Ac1ds Res、 
(i980年)8巻、4057頁〕、およびλ由来のP
Lプロモーター〔シマタケ(Sh i+wa take
)ら、Nature (i981年)292巻、128
頁〕および輸送可能な制御カセ−/ )として有用なN
−遺伝子リボゾーム結合部位があり、これはポータプル
制御力セントとして有用にされており、このものは、N
、l、、配列の6bp3’内での開裂を可能にする少な
くとも1個の制限部位を有する第三のDNA配列のNR
BS上流に対応する第二のDNA配列に操作可能に連結
したP、プロモーターである第−DNA配列を含んで成
る。
チャン(chang)らの欧州特許出願公開第196,
864号明細書(i986年10月8日発行)に記載さ
れ、同じ承継人に承継されたホスファターゼA (ph
oA)系も有用である。しかしながら、原核生物に適合
性の如何なる利用可能なプロモーターも用いることがで
きる。
細菌に加えて、酵母のような真核微生物も宿主として用
いることができる。サツカロミセス・セレヒシアエ□部
立匹人肛旦ν旦螢−房猛艶1護旦e)cD実9室菌株で
あるパン酵母が最も多く用いられるが、その他の多くの
菌株も−fQ的に利用可能である。
2ミクロン複製開始点用いるベクターが示されているが
(ブローチ、ジェイ、アール(Broach。
J、R,) 、Meth、Enz、(i983年)10
1巻、307頁〕、酵母の発現に好適な他のプラスミド
ベクターも知られている〔例えば、スチンクコンブ(S
 t i nchcomb)ら、Nature (i9
79年)282巻、39頁、チェンペ(Tschemp
e)ら、Gene (i980年)10巻、157頁お
よびクラーク(c1arke)  ら、Meth、En
z、 (i983年)101巻、300頁を参照された
い〕。酵母ベクターに対する制御配列は、解糖酵素の合
成のプロモーターを有するLヘス(Hess) ら、2
L人む−シV刃駐−均」。
(i968年)7巻、149頁、ホランド(lloll
and)ら、lし1四1ル1」ひ−(i978年)17
巻、4900頁〕。
その他の当業界に知られているプロモーターには、3−
ホスフィングリセレート・キナーゼ(ヒフツエ7ン(H
i tzeman)ら、J、Biol、Chem、 (
i980年)255巻、2073頁)およびその他の解
Il!酵素、例えばグリセルアルデヒド−3−ホスフェ
ート・デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベート
・デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グル
コース−6−ホスフェート・イソメラーゼ、3−ホスホ
グリセレート・ムターゼ、ピルベート・キナーゼ、トリ
オセホスフエート・イソメラーゼ、ホスホグルコースイ
ソメラーゼおよびグルコキナーゼのプロモーターがある
。増殖条件により制御される追加の利点を有するその他
のプロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イ
ソチトクロームC1酸性ホスフプターゼ、窒素代謝に関
係する分解酵素およびマルトースおよびガラクトース利
用に関する酵素のプロモーターである(ホランド(Ho
lLand)同上〕。
ターミネータ−配列は、コード配列の3′末端において
望ましいと思われる。かかるターミネータ−は、酵母由
来の遺伝子におけるコード配列に続く3′非翻訳領域に
見出される。示されたベクターの多くはプラスミドpe
no46を有するエノラーゼ遺伝子〔ホランド(Hol
land、M、J、)ら、J、 Biol。
Chem、  (i981年)256巻、1385頁〕
またはYEp13から得られるしEU2遺伝子〔ブロー
チ(Broach 、 J 、 )ら、むne (i9
78年)8巻、121頁)から誘導される制御配列を有
するが、酵母適合性プロモーター、複製開始点およびた
の制御配列を有する如何なるベクターも好適である。
勿論、多細胞生物に由来する真核宿主細胞培養液におい
てポリペプチドをコードする遺伝子を発現させることも
可能である。例えば、Ti5sueCulture %
アカデミツク・プレス(Academic Press
)、グルコ(cruz)とパターリン(Pa t te
rson)監修(i973年)を参照されたい。有用な
宿主細胞系には、ネズミミエローマN5L VEROお
よび)lela細胞、およびテンジクネズミ卯巣(cH
O)&I胞がある。
これらの細胞の発現ベクターは、通常は、シミアンウィ
ルス40 (SV40)からの一般的に用いられる早期
および後期プロモーター(フィールス(Fiers)ら
、Nature (i978年)273巻、113頁)
、またはポリオーマ、アデノウィルス2、つ゛シパピロ
ーマウイルスまたはトリザルコーマウィルスに由来する
ようなプロモーター、または免疫グロブリンプロモータ
ーおよび熱シヨツクプロモーターのような哺乳類細胞に
適合性のプロモーターおよび制御配列を有する。BPV
をベクターとして用いる哺乳類系におけるDNA発現系
は、米国特許第4.419,446号明細書に開示され
ている。この系の変形は、米国特許第4,601,97
8号明細書に記載されている。哺乳類細胞系の形質転換
の一般的態様は、米国特許第4.399,216号明細
書に記載されている。「エンハンサ−」領域が、最適な
発現において重要であると思われるが、これらの領域は
一般的にはプロモーター領域の上流に見出される配列で
ある。−所望であるならば、複製開始点をウィルス源か
ら得ることができる。しかしながら、染色体への組み込
みは、真核生物でのDNA複製では一般的な機構である
植物細胞も宿主として利用可能であり、植物細胞に適合
する制御配列、例えばツバリン・シンターゼ・プロモー
ターおよびポリアデニル化シグナル配列(デビソカー(
Depicker、 A、)ら、J、Mol。
担」上、αじ−(i982年)1巻、561頁)が利用
できる。
更に、最近では、バクロウィルス・ベクターによって提
供される制御系を利用する昆虫細胞を用いた発現系も報
告されている〔ミラー(Miller。
D、W、) ら、Genetic En 1neeri
n  (i986年) 、(!ドロウ(Setloh、
 J、に、)ら監修、プレナム・パブリッシング(Pl
enum Publishing)、8巻、277〜2
97頁〕。これらの系はTaqポリメラーゼの産生にも
成功している。
彫1転換 用いる宿主細胞に依存して、形質転換はその細胞に適当
な標準的な技術を用いて行なわれる。塩化カルシウムを
用いるカルシウム処理(コーヘン(cohen、 S、
 N、)、Proc、Natl、Acad、Sci、 
(USA) (i972年)69巻、2110頁)は、
原核生物またはその他の実質的な細胞障壁を有する細胞
に用いられる。アグロバクテリウム・チュメファシエン
ス(八robacterium tumefacien
s)での感染〔シアウ(Shaw、C,H,)  ら、
Gene (i983年)23巻、315頁〕は、ある
種の植物細胞で用いられる。上記のような細胞壁を持た
ない哺乳類細胞では、グラハム(Graham)とヴア
ン・デル・ニブ(van der Eb)のリン酸カル
シウム沈澱法が好ましいCVirolo■(i978年
)52巻、546頁〕。酵母への形質転換は、ヴアン・
ゾリンゲン(VanSolingen、 P、)ら(J
、Bact、、1977年、130巻、946頁)およ
びシアオ(llsiao。
C,L、) ら(Proc、Natl、 Acad、S
ci、([l5A)、1979年、76巻、3829頁
)の方法によって行なわれる。
λ tll   −イフ゛ラリ−の゛告所望の蛋白質を
コードするDNA、例えばTaqポリメラーゼをコード
するDNAをバクテリオファージλgtllを用いて単
離する方法は、次の通りである。ライブラリーは、テル
ムス・アクアチクス(田肛肌し赳旦U匹1DNAの完全
な消化によって生じ、λgtllファージのEcoR1
部位に挿入されたEcoR1部位を両端に有するAlu
lフラグメントから構成され得る〔ヤング(Young
)とデービス(Dav is) 、 Proc、 Na
口、Acad、Sci、 USA 、 1983年、8
0巻、1194〜1198頁〕。このバクテリオファー
ジ中のユニークEcoR1部位がβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子のカルボキシ末端に配置しているので、(適当な
フレームおよび方向で)挿入されたDNAは、ラクトー
スオペロンプロモーター/オペレーターの制御下でβ−
ガラクトシダーゼと融合した蛋白質として発現される。
ゲノム発現ライブラリーを次に抗体プラークハイブリダ
イゼーション法を用いてスクリーニングする。この方法
は「エピトープ選択」と呼ばれ、このファージによって
コードされた融合蛋白質配列に対する抗血清を用いてハ
イブリッド形成したプラークを同定するものである。例
えば、この組換えファージのライブラリーは、86.0
00〜90.000ドルトンのTaqポリメラーゼを認
識する抗体を用いてスクリーニングして、この蛋白質の
抗原決定基をコードするDNAセグメントを有するファ
ージを同定することができる。
約2X10’個の組換えファージを、全ウサギTaqポ
リメラーゼ抗血清を用いてスクリーニングする。この−
次スクリーニングでは、陽性シグナルが検出され、これ
らのプラークの1種以上が、免疫前血清と反応せず且つ
免疫血清と反応する候補プラークから精製され、幾分詳
細に分析される。
組換えファージによって産生される融合蛋白質を検査す
るため、宿主Y 1089におけるファージの溶原株を
得る。溶原株を誘発し、生成する蛋白質をゲル電気泳動
した後、それぞれの溶原株が他の溶原株には見られない
新たな蛋白質を産生ずるのを観察することができ、また
は重複配列が生じることもある。陽性シグナルを有する
ファクターを取り出す。ここに記載する例においては陽
性プラークを取り出して更に同定を行ない、低密度で再
プレートして組換体を純化し、純化したクローンをEc
oRI制限酵素での消化によるサイズクラスによって分
析した。次に、プローブを単離されたDNA挿入配列か
ら作り、適当に標識を行い、そしてこれらのプローブを
マニアチス(Maniatis)ら、Mo1ecula
r Cloning: A Laboratory M
anual。
1982年に記載されている通常のプラークハイブリダ
イゼーション又はコロニーハイブリダイゼーション分析
法に用いることができる。
標識したプローブを用いて、シャロン(charon)
35バクテリオフアージ中に構成された第二のゲノムラ
イブラリーをプローブした(ウイルヘルマイン(Wi 
lhelmine、 A、M、)ら、Gene、198
3年、26巻、171〜179頁)、このライブラリー
は、テルムス・アクアチクス(Thermus  靭閃
旦匹1ゲノムDNAのS au3^部分消化によって作
られ、そしてサイズ分別したフラグメント(i5〜20
kb)をシャロン35フアージのBag旧部位にクロー
ン化した。
このプローブを用いて、Taqポリ゛メラーゼをコード
するDNAを含むファージを単離した。CH35:Ta
q#42と命名した生成するファージの一つは、全遺伝
子配列を有することが判明した。この遺伝子の部分をコ
ードする部分配列も単離された。
丘久叉二度遣威 所望のコード配列および制御配列を含有する好適なベク
ターの造成は、当業界で周知の標準的な連結および制限
技術を用いる。単離したプラスミド、DNA配列または
合成されたオリゴヌクレオチドを開裂し、ととのえ、そ
して再連結して所望の形状にする。
部位特異的DNA開裂は、当業界で周知の条件下で好適
な(i種以上の)制限酵素を用いて処理することによっ
て行ない、その詳細はこれらの市販の制限酵素の製造業
者によって記載されている。
例えば、ニュー・イングランド・バイオラプス(New
 England Biolabs)、製品カタログを
参照されたい。一般的には、約1nのプラスミドまたは
DNA配列を、約20dの緩衝溶液中で1単位の酵素で
開裂し、本明細書の実施例では、典型的には、過剰量の
制限酵素を用いてDNA基質を完全に消化するようにし
ている。約37℃で約1〜2時間のインキュベーション
時間が有効であるが、変更を行なうこともできる。それ
ぞれのインキュベーションの後に、蛋白質をフェノール
/クロロホルムで抽出して、次いでエーテル抽出を行な
うことによって除去して、核酸を水性分画からエタノー
ル沈澱によって回収することができる。所望ならば、開
裂フラグメントのサイズ分離を、標準的技術を用いるポ
リアクリルアミドゲルまたはアガロースゲル電気泳動に
よって行なうことができる。サイズ分離の一般的説明に
ついては、MethodsinEnzymology、
、 1980年、65巻、499〜560頁に記載され
ている。
制限開裂したフラグメントを、50mMのトリス、pH
7,6,50n+MのNaCl!、10mMのMgCl
 z 、10mMのDTTおよび50〜100禮のdN
TPs中で、20〜25℃で約15〜25分間のインキ
ュベーション時間を用いて、4種類のデオキシヌクレオ
チドトリホスフェート(dNTP)の存在でE、コリ(
E、coli) D N AポリメラーゼI (フレノ
ウ (にIenow))の大フラグメントで処理するこ
とによって平滑末端にすることができる。フレノウフラ
グメントは5′接着末端をフィルインするが、4種のd
NTPsが存在していても、突出する3′単一鎖をチュ
ーバック(chewsback)する。所望ならば、接
着末端の性状によって指定される制限内で唯1種のまた
は選択された複数のdNTPsを供給することによって
選択的修復を行なうことができる。フレノウで処理した
後、混合物をフェノール/クロロホルムで抽出シ、エタ
ノールで沈澱させた。適当な条件下で81ヌクレアーゼ
を用いて処理すると、単一鎖部分の加水分解が起こる。
合成オリゴヌクレオチドは、マテウチ(Matte−u
cci)ら(J、Am、Chem、Soc、、1981
年、103巻、3185〜3191頁)のトリエステル
法を用いて、または自動合成法を用いて調製することが
できる。アニーリングの前のまたは標識のための単一鎖
のキナーゼ処理は、50IIIMノドリス、pH7,6
,10mMのMgCl2.5IIIMノシチオスレイト
ール、1〜2mMのATPの存在下で、1nMの基質に
対して過剰量の、例えば約10単位のポリヌクレオチド
キナーゼを用いて行なう。このキナーゼ処理がプローブ
の標識するためのものであるときには、ATPは高比活
性のγ−ff!pを有する。
連結は、下記の標準的条件及び温度で15〜30Iの容
積で行なう。20 mMTris −HCI、 (pH
7,5、)10mM MgC1!Z 、10mM DT
T、 33n/ lll7BSA、 10mM〜50m
MのNaC1%および(「接着末端」の連結には)40
−のATP 、 0.01〜0.02 (ワイス(We
iss) )単位のT4DNAリガーゼ、0℃;または
(「平滑末端」の連結ニハ)  1mM(7)ATP 
、 0.3〜0.6  (ワイス(Weiss))単位
のT4DN^リガーゼ、14℃。分子内「粘着末端」連
結は、通常は33〜100鱈/−の総D N A i3
度(5〜1100nの総末端濃度)で行なう。分子間平
滑末端連結(通常は10〜30倍の過剰モルのリンカ−
を用いる)は、1オの総末端濃度で行なう。
「ベクターフラグメント」を用いるベクターの造成では
、ベクターフラグメントを通常は細菌性アルカリホスフ
ァターゼ(B A P)で処理して5′ホスフエートを
除去して、ベクターの再連結を防止する。BAP消化は
、pH8で、約150mMのトリス中で、Na”および
Mg+2の存在で、ベクター1■当たり約1単位のBA
Pを用いて、60℃で約1時間行なう。核酸フラグメン
トを回収するため、調製物をフェノール/クロロホルム
で抽出シ、エタノール沈澱せしめる。また、好ましくな
いフラグメントを追加的制限電素消化によって二重消化
されたベクターでは、連結は防止することができる。
ユ下」jυ痕(社)欠変 配列の改変を必要とするcDNAまたはゲノムDNAに
由来するヘクターの部分については、部位特異的なプラ
イマー指令変異誘発を用いる。この技術は現在では当業
界で標準的であり、所望の変異を表わす限定されたミス
マツチを除いて変異誘発されるべき単一鎖ファージDN
Aに相補的なプライマー合成オリゴヌクレオチドを用い
て行なわれる。要約すれば、ファージに相補的な鎖の合
成を指令するプライマーとして合成オリゴヌクレオチド
を用い、生成する二本IU D N Aをファージ支持
性の宿主細菌に形質転換する。形質転換された細菌の培
養液を上層寒天に塗布しファージを有する単一細胞から
プラークを形成させる。
理論的には、新たなプラークの50%は変異形を単一鎖
として有するファージを含み、50%はもとの配列を有
する。プラークをニトロセルロースフィルターに1多し
て、正も育にマツチするハイブリダイゼーション可能に
し且つもとの鎖とのミスマツチがハイブリダイゼーショ
ンを防止するのに十分であるような温度で、キナーゼ処
理した合成プライマーで「リフト(lifts)Jハイ
ブリダイゼーションを行なう。次に、このプローブとハ
イブリッド形成するプラークを採取して、培養し、DN
Aを回収する。
遺戒夏肛所 以下の造成では、プラスミド造成物の正確な連結を、最
初に連結混合物を用いてE、コリ (月−Ωli)MM
294株または他の適当な宿主を形質転換することによ
って確かめる。当業界で理解されているように、好結果
の形質転換体を、プラスミド造成の方式に依存してアン
ピシリン耐性、テトラサイクリン耐性またはその他の抗
生物質耐性によって選択する。次に、形質転換体からの
プラスミドを、フレウェル(clewe11.D、B、
)ら、(Proc 、 Na t l 。
Acad、Sci、USA、 1969年、62巻、1
159頁)の方法により、場合によってはクロラムフェ
ニコール増幅法(フレウェル(clewe11.D、B
、)+J、Bacterio1..1972年、110
巻、667頁)によって調製する。単離したDNAを、
制限処理により分析しそして/又はサンガー(Sang
er+ F、)ら(Proc、Natl、Acad。
Sci、LIS^、1977年、74巻、5463頁)
のジデオキシ法であって更にメソシング(Messin
g)ら旦匹に江Ac1ds Res、 、1981年、
9巻、309頁)によって記載されている方法またはマ
クサム(Mayam)ら(Methodsin Enz
 mo1o■、1980年、65巻、499頁)の方法
によって配列決定する。
透性9J[ この発明においてクローニング及び発現に用いられる宿
主菌株は、次の通りである。
クローニング及び配列決定、並びにほとんどの細菌性プ
ロモーターの制御下での造成物の発現には、E、コリ 
(E、  coli)ゲネチック・ストック・センター
GC3G#6135から得たE、コリ (E、coli
)株MM294を宿主として用いた。PLNII113
プロモーターの制御下での発現には、E、コリ (P工
匹旦)K12株MC1000λ溶原株、NJsic18
57SusP1@、ATCC39531を用いることが
できる。本明細書では、1987年4月7日にATCC
(ATCC53606)で寄託したE。
コリ (L 図旦)DG116を用いる。
M13ファージ組換体のためには、ファージ怒染を受け
やすいE、コリ (E、  coli) 、例えばE。
コリに12株DG98を用いる。DG98株は1984
年7月13日にATCC寄託され、寄託番号39768
を有する。
哺乳類テノ発現はCO3−7、COS −A2、CV−
1およびネズミ細菌で行うことができ、そして昆虫細胞
ではスポドプテラ・フルジペイダ(SOdOtera葺
■旦1血)での発現を基礎とする。
■素孟血圓支定化 酵素は、長期間安定にするためには、1種又は篠数1種
の非イオン性ポリマー性洗剤を含む緩衝液中に貯蔵しな
ければならない。この様な洗剤は一般的には分子量が約
100〜250.000の範囲であり、好ましくは約4
 、000〜200 、000ドルトンであり、pHが
約3.5〜約9.5、好ましくは約4〜8.5で酵素を
安定化するものである。この様な洗剤の例としては、マ
ッグ・クチェオン(McCutcheon)のEmul
sifiers & Deter ents、北アメリ
カ版(i983年)エムシー・パブリッシング・カンパ
ニー(MCPublishing Co、)のマソク・
クチェオン部門発行、175、ロックロード、グレンロ
ック、ニュージャージ(米国)、の295〜298真に
記載されているものがあり、その詳細については上記文
献を参照されたい。好ましくは、洗剤はエトキシル化し
た脂肪族アルコールエーテルおよびラウリルエーテル、
エトキシル化したアルキルフェノール、オクチルフェノ
キシポリエトキシエタノール化合物、改質オキシエチル
化したおよび/またはオキシプロピル化した直鎖状アル
コール、ポリエチレングリコールモノオレエート化合物
、ポリソルベート化合物およびフェノール性脂肪族アル
コールエーテルからなる群から選択される。更に詳細に
は、好ましくは、ポリオキシエチル化(20)ソルビタ
ンモノラウレートであるツイーン(Tween) 20
(ICI ・アメリカス・インコーボレーテド(ICI
Americas Inc、)、ウイルミントン、DE
)およびエトキシル化アルキルフェノール(ノニル)で
あるイコノール(Iconol) (登録商標) NP
−40(バスフ(BASF)イアンドット・コーポレー
ション、パーシバニー、ニューシャーシー)である。
本発明の熱安定酵素は、この酵素が必要であるかまたは
望ましいような目的に用いられる。特定の好ましい態様
では、この酵素は下記のような増幅プロトコールに用い
られる。
1且1ユ上ユニ灰 本発明の酵素を用いる増幅プロトコールは、欧州特許出
願公開第200.362号明細占に開示され且つ特許請
求されている既存の核酸配列を増幅する方法である。し
かしながら、この酵素は以下のような増幅工程で用いる
のが好ましい。
一般的には、増幅工程は、連鎖反応であって、開耳する
反応段階の数に関して対数的な量で少なくとも1種の特
異的核酸配列を産生ずる連鎖反応からなる。但し、(a
)所望な配列の末端が十分詳細に知られており、それら
にハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドを合成する
ことができ、(b)少量の配列を連鎖反応を開始するの
に利用することができることを条件とする。連鎖反応の
生成物は、用いられる特定のプライマーの末端に対応す
る末端を有する別個の核酸デュプレックスであろう。
精製されたまたは未精製の形の如何なる核酸配列も、そ
れが所望の特定の核酸配列を含むかまたは含むと考えら
れる場合には°、出発核酸として用いることができる。
したがってこの工程は、例えばDNAまたはメツセンジ
ャーRNAを包含するRNAを用いることができ、これ
らのDNAまたはRNAは一本鎖または二本鎖であって
もよい。
更に、DNA −RNAハイブリッドであってそれぞれ
の1つづつの鎖を有するものを利用することもできる。
これらの核酸のいずれかの混合物を用いることもでき、
または同じまたは異るプライマーを用いて先行する増幅
反応から産生された核酸も同様に用いることができる。
増幅されるべき特定の核酸配列は大きな分子の単なる部
分であってもよく、または最初から別個な分子として存
在し、該特定の配列が全核酸を構成していてもよい。
増幅される配列は純粋な形で存在することは必要ではな
く、複雑な混合物の少量分画、例えば全ヒトDNAに含
まれるβ−グロビンの一部分(サイキ(Saiki)ら
、5cience、230巻、1530〜1534頁、
1985年、に例示されているようなもの〕または、特
定の生物学的試料の極少量部分のみを構成する特定の微
生物の核酸配列の一部分であることもできる。出発核酸
配列は1種又は複数の所望の特定の核酸配列を有し、こ
の配列は同じでも異なるものであってもよい。それ故、
この増幅工程は、ある種の特定の核酸配列を多量に産生
ずるのに有用であるだけでなく、同じまたは異る核酸分
子に配置された1種以上の異る特定の核酸配列を同時に
増幅するのにも有用である。
1種又は複数種の核酸は、如何なる由来からも得ること
ができ、例えばpBR322のようなプラスミド、クロ
ーン化されたDNAもしくはRNA、または細菌、酵母
、ウィルス、オルガネラおよび植物または動物のような
高等生物のあらゆる由来の天然DNAまたはRNAから
得ることもできる。
DNAまたはRNAは血液、組織材料例えば絨毛膜また
は羊膜細胞から、マニアチス(Maniatis)ら、
同上、280〜281頁によって記載されている方法の
ような各種技法によって抽出することができる。
増幅され、その後検出される配列に特異的なプローブを
用いるときには、細胞は核酸の抽出を行なわずに直ちに
用いることができ、この場合にはそれらを低張緩衝液に
懸濁して、細胞の溶解及び分子内成分の分散が起こるま
で、一般的には1〜15分間約90〜100℃に加熱す
る。加熱工程の後、増幅試薬を、溶解した細胞に直接に
加えることができる。
如何なる特定の核酸配列も、増幅工程によって産生ずる
ことができる。必要なことは、配列の両端の十分な数の
塩基が十分詳細に知られており、所望の配列の異なる鎖
と共に配列に沿った相対的な位置でハイブリッド形成す
る2個のオリゴヌクレオチドプライマーを調製すること
ができ、一つのプライマーから合成された伸長生成物が
、その鋳型(相補体)から分離した時に、画定された長
さの核酸配列へのもう一方の伸長のための鋳型として働
くことができるようにすることである。配列の両端の塩
基についての知識が多くなるに従って、標的核酸配列の
ためのプライマーの特異性を高くすることができ、工程
の効率も高くなる。
これ以後に用いられる「プライマー」という用語は、増
幅される1又は複数のフラグメントの末端配列に関する
情報が幾分不明確である場合には特に、1種より多くの
プライマーを意味することができる。例えば、核酸配列
が蛋白質配列情報から推定される場合には、遺伝子コー
ドの縮重による総ての可能なコドンの多様性を代表する
配列が有するプライマーの集合をそれぞれの鎖について
用いられるであろう。この集合からのある1つのプライ
マーは、増幅されるべき所望の配列の末端と相同であろ
う。
オリゴヌクレオチドプライマーは、例えば上記のホスホ
トリエステルおよびホスホジエステル法又はそれらの自
動化した態様のような如何なる好適な方法を用いても調
製することができる。この様な自動化した態様ではジエ
チルホスホルアミダイトを出発物質として用い、ビュー
ケージ(Bea−ucage)らの方法(Tetrah
edron  Letters、1981年・22巻、
1859〜1862頁)によって合成してもよい。
修飾された固形支持体上でオリゴヌクレオチドを合成す
る方法は、米国特許第4.458.066号明細書に記
載されている。生物学的起源(例えば制限エンドヌクレ
アーゼ消化物)から単離したプライマーを用いることも
可能である。
特定の核酸配列は、この配列を含有する核酸を鋳型とし
て用いて産生される。第一の段階は、それぞれの核酸鎖
を、増幅されまたは検出されるべきそれぞれの異なる核
酸配列について、4種の異なるヌクレオチドトリホスフ
ェートと1種のオリゴヌクレオチドプライマーと接触さ
せることを含む。増幅されまたは検出されるべき核酸が
D N Aである時には、ヌクレオチドトリホスフェー
トはdATP 、 dCTP 、 dGTPおよびTT
Pである。
核酸鎖は、追加の核酸鎖の合成用の鋳型として用いられ
る。この合成は、如何なる好適な方法を用いて行なうこ
ともできる。一般的には、それは、好ましくはpHは7
〜9であり、最も好ましくは約8である水性緩衝溶液中
で起こる。好ましくは、分離された鋳型鎖を含む緩衝液
に2種のオリゴヌクレオチドプライマーを、過剰モル量
で(クローン化された核酸については、通常は約100
0:1のプライマー:鋳型比であり、ゲノム性核酸につ
いては、通常は約10’:1のプライマー:鋳型比であ
る)加える。しかしながら、この方法を診断的用途に用
いるときには、相補的鎖の量が知られていないことがあ
り、したがって相補的鎖の最に対するプライマーの量は
確定することができないことがあることが理解される。
しかしながら、実際的には、加えられるプライマーの量
は、一般的には、増幅される配列が複雑な長鎖核酸鎖の
混合物中に含まれるときには、相補的鎖(鋳型)の量に
対して過剰モル量となるであろう。工程の効率を向上す
るには、大過剰量が好ましい。
ヌクレオチドトリホスフェートの濃度は、増幅用の緩衝
液中ではそれぞれ150〜200岸であり、MgCl 
、は緩衝液中に1.5〜2mMの量で存在することによ
り反応の効率及び特異性を増加させる。
次に、生成する溶液を、増幅または検出されるべき核酸
が二本鎖か一本鎖かに依存して処理する。
核酸が一本鎖であるときには、変性段階を用いる必要は
なく、反応混合物は、プライマーのその相補的標的(鋳
型)配列へのハイブリダイゼーションを促進する温度に
保持される。このような温度は一般的には約35℃〜6
5℃又はそれ以上であり、好ましくは約37〜60°C
であり、効果的な時間は一般的には0.5〜5分間であ
り、好ましくは1〜3分間である。好ましくは、Taq
ポリメラーゼ及び15−マー以上のプライマーについて
は45〜58℃を用いてプライマーのハイブリダイゼー
ションの特異性を増加させる。プライマーが短い場合に
は、より低温が必要である。
もとの−末鎖の核酸に対する相補体は、それに1または
2個のオリゴヌクレオチドプライマーを加えることによ
って合成することができる。適当な単一プライマーを加
えた場合、プライマー伸長生成物が、該プライマー、熱
安定酵素およびヌクレオチドトリホスフェートの存在で
合成される。
この生成物は該−末鎖の核酸に部分的に相補的であり、
そして該核酸鎖とハイブリダイズして等しくない長さの
鎖のデュプレックスを形成し、次いでこれが上記のよう
に一本鎖に分離されて、2本の単一の分離された相補的
鎖を生成する。また、2種の適当なプライマーを一本鎖
核酸に加えて、反応を行なってもよい。
核酸が二本の鎖を有するときには、これを鋳型として用
いる前に核酸の鎖を分離する必要がある。
この鎖分離は、物理的、化学的または酵素的手段のよう
な好適な変性法によって行なうことができる。核酸の鎖
を分離する好ましい物理的方法は、核酸が完全(99%
以上)に変性するまで加熱することを含む、典型的な熱
変性の温度は約90〜105℃であり、時間は一般的に
は約0.5〜5分間である。好ましくは、効果的な変性
温度は、90〜100℃であり、0.5〜3分間であ′
る。鎖の分離は、ヘリカーゼとして知られている酵素の
クラスからの酵素、またはヘリカーゼ活性を有しそして
リボATPの存在下でDNAを変性することが知られて
いる酵素RecAによって誘発することもできる。
ヘリカーゼを用いて核酸の鎖を分離するのに好適な反応
条件は、ターン・ホフマンーベーリング(Kuhn H
offIlann−Berling) 、 C3tl−
Quantitativel■↓」ぼ−43巻、63頁
、1978年に記載されており、RecAを用いる技法
はシー・ラッシング(c,Radding) +Ann
、Rev、Geneticss 16巻、405〜37
頁、1982年に記載されている。これらの変性法によ
り、等しいかまたは等しくない長さの2本の分離された
相補的鎖が生じる。
二本鎖核酸が熱によって変性された場合には、反応混合
物を、存在するそれぞれのプライマー〇相補的標的(鋳
型)配列へのハイブリダイゼーションを促進する温度に
放冷する。この温度は、試薬によって異り、通常は約3
5℃〜65℃又はこれ以上であり、好ましくは37〜6
0℃であり、効果的な時間、一般的には0.5〜5分間
、好ましくは1〜3分間維持される。実際には、Taq
ポリメラーゼについては、温度は単に約95℃から37
℃程度へ、好ましくは約45〜58℃へ低下させるだけ
であり、ハイブリダイゼーションはこの範囲内の温度で
起きる。
核酸が一本鎖または二本鎖のいずれであっても、熱安定
酵素を変性段階で加えることができ、あるいはハイブリ
ダイゼーションを促進する範囲まで温度が下がった時又
はこの範囲の温度にあるときに加えることができる。次
いで、反応混合物を、酵素の活性が促進されまたは最適
化される温度、すなわちハイブリダイズしたプライマー
及び鋳型からのプライマー伸長生成物の合成を促進する
のに酵素の活性を増加させるのに十分な温度まで加熱す
る。この温度は、実際にそれぞれの核酸鋳型に相補的な
それぞれのプライマーの伸長生成物を合成するのに十分
なものでなければならないが、その相補的鋳型からのそ
れぞれの伸長生成物を変性してしまうほど高温であって
はならない(すなわち、この温度は一般的には約80℃
〜90°C以下である)。
この合成反応に効果的な典型的な温度は、主として用い
られる酵素および1種又は複数種の核酸のタイプによっ
て異り、一般的には約40〜80℃、好ましくは50〜
75°Cである。この温度は更に好ましくは、テルムス
・アクアチクス(Thermus7からのD N Aポ
リメラーゼを用いる場合には、約65〜75℃である。
この合成に要する時間は、主として温度、核酸の長さ、
酵素および核酸混合物の複雑さによって変わり、約0.
5〜40分間又はこれ以上、好ましくは1〜3分間の範
囲にある。核酸が長いものであれば、−1%>的にはよ
り長時間を必要とする。ジメチルスルホキシド(Dに3
0)はTaqポリメラーゼ酵素の活性を阻害することが
見出だされているので、DMSOは存在する必要はなく
または推奨されない。
新たに合成された鎖とその相補的核酸鎖は二本鎖の分子
を形成し、この分子はこの工程の引き続く段階において
用いられる。次の段階では、二本鎖分子を変性するのに
効果的ではあるがしかし熱安定酵素が完全且つ不可逆的
に変性しまたは不活性化するほど高くはない温度で熱変
性することによって二本鎖分子の鎖を分離する。この温
度は、主として酵素のタイプおよび核酸の長さによって
異り、一般的には約90〜105℃、更に好ましくは9
0〜100℃であり、変性に要する時間は、主として温
度と核酸の長さによって変わり、典型的には0.5〜4
分間である。この処理時間の後、プライマーに相補的な
前の段階から生成した一本鎖分子(鋳型)へのプライマ
ーのハイブリダイゼーションを促進する水準まで温度を
下げる。この温度は、上記したような温度である。
このハイブリダイゼーション段階の後に、またはハイブ
リダイゼーション段階の代わりに(またはそれと同時に
)、熱安定酵素の活性を促進しそして前の段階からの新
たに合成された鎖を鋳型として用いてプライマー伸長生
成物を合成することができる温度に調整する。この温度
も、上記したように、その鋳型から伸長生成物を分FA
(変性)するほど高いものであってはならない(通常は
、40〜80℃で0.5〜4分間、好ましくは50〜7
0°Cで1〜3分間である)。ハイブリダイゼーション
がこの段階中に起こるので、前の段階の変性後冷却は必
要でない。このような2つ以上の段階を同時に行なう場
合には、好ましい温度範囲は50〜70℃である。
鎖の分離、ハイブリダイゼーションおよび伸長生成物の
合成の加熱および冷却段階は、所望量の特定の核酸配列
を産生ずるのに必要な回数だけ繰り返すことができ、こ
の回数は最終的用途によって変わる。この回数は、存在
するプライマー、熱安定酵素およびヌクレオチドトリホ
スフェートの尼によって制限されるだけである。これら
の段階は、少なくとも2回繰り返すのが好ましい。検出
に使用するためには、サイクルの数は、例えば試料の性
状によって変わる。例えば、増幅されるべき試料が純粋
なときにはサイクル数は少なくて済tr。試料が核酸の
複雑な混合物であるときには、シグナルを十分に増幅し
て検出するには、より多くのサイクル数が必要となる。
一般的な増幅および検出には、工程を少なくとも20回
繰り返すのが好ましい。
下記のように、標識した配列特異的プローブを用いると
きには、これらの段階を少なくとも5回繰り返すのが好
ましい。ヒトゲノムDNAを上記のようなプローブと共
に用いるときには、この工程を好ましくは15〜30回
繰り返して配列を十分に増幅して、明確に検出可能なシ
グナルが生成するようにする。すなわちバンクグラウン
ドノイズが検出を妨げないようにする。
以下に更に詳細に説明するように、生成した特異的核酸
配列の量は、指数的に蓄積する。
酵素が不可逆的に変性または不活性化しない限り、ヌク
レオチド、プライマーまたは熱安定酵素を最初に加えた
後に更に添加する必要はない。酵素が不可逆的変性又は
不活性化を受ける場合には、それぞれの変性段階の後に
酵素を補充する必要がある。しかしながら、それぞれの
段階でこれらの物質を添加しても反応には悪影響を及ぼ
さない。
第一の核酸または核酸の混合物から1種より多くの特定
の核酸配列を産生させることが所望な時には、適当な数
の異なる種類のオリゴヌクレオチドプライマーを利用す
る。例えば、2種類の異なる特定の核酸配列を産生させ
るときには、4種類のプライマーを用いる。これらのプ
ライマー〇2つは特定の核酸配列の一つに特異的であり
、残りの2種のプライマーは第二の特定の核酸配列に特
異的である。この場合には、2種類の異なる特定の配列
のそれぞれが、本発明によって指数的に産生される。
適当な長さの時間が経過して所望量の特定の核酸配列が
産生された後、既知の方法(例えば、EDTA、フェノ
ール、SDSまたはClICl 、の添加)で酵素を不
活性化することによって、または反応の成分を分離する
ことによって、反応を停止させる。
増幅工程は連続的に行なってもよい。自動化法の一態様
では、温度を所定の水準に所定の時間制御するように設
定する温度サイクルを反応混合物に行なってもよい。
この目的のための一つの装置は、本発明の増幅反応を制
御するための自動化された装置である。
この装置はコンピューターによって制御される液体取扱
系を利用しており、第一の容器で成る制御された温度で
保管された酵素を、温度がコンピューターで制御されて
所定のインキュベーション方式に一致するようになって
いる第二の容器に液体移動させるものである。この第二
の容器は1種又は複数の増幅される核酸配列とヌクレオ
チドトリホスフェートとプライマーを貯蔵している。コ
ンピューターはユーザー・インターフェースを備えてお
り、それによって使用者がインキュベーションの時間お
よび温度、移動させる酵素の量などの、増幅工程におけ
る各種段階の特徴を制御する工程パラメーターを入力す
ることができるようになっている。
酵素はサイクル毎に移動させる必要はないので、用いる
ことができる好ましい装置は液体制御系のない温度循環
を利用している。この様な装置は、下記のような系から
なっている。
1、所定数の試験管、好ましくは500μ!試験管であ
って、ヌクレオチドトリホスフェート、プライマー、核
酸配列および酵素の反応混合物が入っている試験管を固
定する熱伝導性容器。
2、熱伝導性容器を加熱、冷却し且つ室温より高いおよ
び低い温度に保持する装置であり、この装置は容器を加
熱、冷却しまたは保持する温度を制御する制御シグナル
を受けとる入力部を有する〔この様な装置はマテリアル
ス・エレクトロニクス・プロダクツ・コーポレーション
(MaterialsElectronics Pro
ducts Corporation) 、トレントン
、ニューシャーシーから発売されているペルティーア(
Peltier)熱ポンプまたは水熱交換器でもよい〕
3、上記の装置の入力部に接続したコンピューター装置
(例えば、マイクロプロセッサ−・コントローラー)で
あって、増幅工程、温度水準および温度勾配とタイミン
グを自動的に制御するシグナルを発生する装置。
もう一つの態様では、プライマー伸長生成物の合成に用
いられる酵素は、カラム中に固定することができる。他
の反応成分をポンプによってこのカラムと加熱コイル中
を連続的に循環させることができる。したがって、生成
した核酸を、酵素を不活性化することなく繰り返し変性
させることができる。
次に、増幅プロトコールを模式的に示す。ここでは、相
補的な鎖〔S゛〕及び〔S−〕を含んで成る所望の配列
(S)を含有する2本積D N Aが核酸として使用さ
れる。第1の及びこれに続く各反応サイクルの間、もと
の鋳型上での各オリゴヌクレオチドプライマーの延長が
、プライマーの1つのみにより停止する無限長の新しい
、、DNA分子生成物を生成する。今後“長生酸物”と
称するこれらの生成物は直線的に蓄積するであろう。す
なわち、ある数のサイクルの後に存在する量がサイクル
数に比例するであろう。
こうして生成された長生酸物は、その後のサイクルの間
一方又は他方のオリゴヌクレオチドプライマーの鋳型と
して機能し、そして所望の配列〔S゛〕又は(S−)の
分子を生成するであろう。
これらの分子もまた、一方又は他方のオリゴヌクレオチ
ドプライマーの鋳型として機能してさらに〔S゛〕及び
〔S−〕を生成し、そしてそれ故に、サイクル数に対し
て指数的速度での(S)の蓄積をもたらすであろう連鎖
反応が継続され得る。
意図されるオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション
以外のオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションによ
り生成される副産物は自己触媒的ではなく、そしてそれ
故に直線的速度で蓄積する。
以下余白 上記4種類のデュプレックスが分離されれば次1λ。
以下金白 の鎖が生ずる。
rYYYYYYYYYGGGGGGGGGG 5’IY
YYYYYYYYGGGGGGGGGG 5’1XXX
XXXXXXCCCCCCCCCCzzzzzzzzz
、、、、 3’’YYYGGGGGGGGGGzzzz
zzzzzzzzzzzz、、、 5’戊されfこ長王
奴)万Z 1つのプライマーのオリゴヌクレオチド配列で停止する
各類及び他方の相補鎖は生成することが所望される特定
の核酸鎖(S)であることがわかる。
この工程の段階は無限に反復することができ、プライマ
ー1及び2、誘導剤及び存在するヌクレオチドによって
のみ限定される。もとのヌクレオチドは複製されないの
で、その量は全工程を通じて一定に維持される。長生酸
物はもとの核酸からのみ生成されるのでその量は直線的
に増加する。
特定の配列の量は指数的に増加する。すなわち、特定の
配列は支配的な種となる。これは次の表に示される。こ
の表は、各サイクルの効率を100%として、nサイク
ル後に存在する種の相対量を示す。
以下余白 0〜nサイクル″への2t゛′の 15     1    15    32.7522
0     1    20   1.048.555
n      1      n   (2″−n−1
)鋳型として一本鎖ヌクレオチドが使用される場合、サ
イクル当り1個のみの長生酸物が生成する。
少なくともlサイクルの増幅の後に、増幅される配列の
(末端にない)内部配列に相補的な一組のプライマーを
加えることによって、所定回数の増幅の後、所定の配列
内の配列を増幅して反応の特異性を大きくすることがで
きる。この様なプライマーは如何なる段階で加えてもよ
く、そしてこのものはより短い増幅されたプライマーを
供するであろう。また、非相補的末端を有するが、増幅
において前に用いてプライマーと幾分オーバーラツプす
るプライマーを用いることによってより長いフラグメン
トを調製することができる。
この発明方法を用いて、特定の核酸配列をクローン化し
て、適当な発現ベクターに挿入することができる。次に
、このベクターを用いて適当な宿主生物を形質転換して
、組換えDNA技法の標準的方法によって配列の遺伝子
生成物を産生させることができる。
この増幅工程は、元の鋳型核酸、予偲される標的増幅生
成物および各種のハックグラウンドの非標的生成物から
の核酸の混合物を生じさせることができる。元の鋳型D
NAがへテロ接合性二倍体ゲノムにおけるような複数の
標的配列を有するとき、または関連遺伝子のファミリー
があるときには、増幅された生成物は混合物であること
もある。
これらのプライマーを改変して、増幅反応によって生成
されるDNAの混合物の速やかで且つ特異的なりローン
化を補助することができる。この様な改変では、プライ
マーのそれぞれに、または増幅され且つクローン化され
る配列中に制限部位が含まれる。好ましくは、同じまた
は異なる制限部位をプライマーの5′末端に導入し、増
幅された生成物の二個の末端に制限部位を生じるように
するのが好ましい。適当な酵素で切断すると、増幅され
た生成物は容易にプラスミドまたはバイアルベクター中
に挿入されて、クローン化される。
このクローニングによって、混合物ではなく個々の増幅
された生成物の分析または発現が可能になる。
プライマーがその中に導入された制限部位を有するとき
には、同じ制限部位を両方のプライマーに用いることが
できる。しかしながら、異なる制限部位を用いると、生
成物を特異的な方向でベクター中に挿入することができ
、複数の挿入、及び2個のプライマーの一方のみに基づ
いた増幅から生じる挿入は抑制する。特異的方向性は、
−末鎖配列ベクターへのクローニング時、一本鎖ハイブ
リダイゼーションプローブを用いる時またはクローン化
された生成物が発現されるべき場合に有用である。
プライマーを調製する一つの方法は、標的配列から極僅
に異なるプライマー配列を選択することである。プライ
マーのそれぞれが配置されるべき領域は、所望のベクタ
ーに適当な制限部位に対する相同性についてスクリーニ
ングされる。例えば、標的配列rcAGTATccGA
、、、 Jは、Barn旧部位を有するものと一個の塩
基しか違わない。プライマー配列はその3′末端で正確
にマツチし、その5′末端付近に変更された配列および
制限部位を有するように選択される(例えば、rCAG
gATCCGA、、、 Jであり、小文字は標的配列と
マツチしないものを表わしている)。この最少限に変更
した配列は、プライマーが元の標的配列とハイブリッド
形成し、重合を開始する能力を妨げない。第一の増幅サ
イクルの後、プライマーはコピーされて、標的となり、
新たなプライマーと正確にマツチする。
増幅工程の後、生成物を適当な制限酵素で開裂せしめ、
例えば、脱塩カラムまたtよ分子量クロマトグラフィカ
ラムを通過させあるいは膜を通過させることによって、
制限消化物を場合によってはヌクレオチドトリホスフェ
ートおよび塩のような連結の阻害剤から分離させ、クロ
ーン化されるべき増幅配列を含有する(i種以上の)消
化生成物は、連結反応によって、バタテリオファージM
13のようなりローニングベクターに挿入される。クロ
ーニングベクターは、一般に選択マーカーを有し、そし
て場合によってはさらにプロモーターを有することもあ
る。次に、遺伝子が蛋白質をコードするときには、これ
を公知の技法によって配列決定し、そして/または発現
させることができる。
遺伝子はまた、配列決定されるべき所望の部分に相補的
な適当なプライマーを増幅工程中に加えることによって
配列決定することもできる。このプライマーは伸長生成
物を形成して、この伸長生成物を有する増幅の程度が配
列情報を提供することになる。
プライマーを調製するためのもう一つの方法は、標的配
列からプライマーの3′末端を取り出して、プライマー
の5′末端へ所望のfftlJI111部位を加えるこ
とからなっている。例えば、HindI[[部位を加え
て、配列rcgaagcttCAGTATCCGA、、
J  (但し、小文字は上記定義の通りである)を作る
ことができる。加えられた塩基は増幅の第一のサイクル
でハイブリダイゼーションには寄与しないが、これ以後
のサイクルでマツチする。次に、最終的に増幅された生
成物を1種又は複数種の制限酵素で切断して、上記のよ
うにクローン化し、発現させる。
増幅される遺伝子は、例えばヒトβ−ヘモグロビンまた
はヒト1(LAD口、DRまたはDP−αおよび一β遺
伝子であってもよい。
もう一つの、余り好ましくはなく且つあまり効率的なも
のとはいえないクローニング法であって(制限酵素を用
いる)接着末端連結よりはむしろ平滑末端連結を用いる
方法においては、クローン化されるべき1種又は複数種
の配列あるいはプライマー中の制限酵素とは無関係に基
本的増幅方法が用いられる。しかしながら、これらの段
階は、連結を行なうのに十分なだけ増幅された1種又は
複数種の配列を産生ずるのに十分な回数にわたり繰り返
さなければならない。平滑末端連結では、接着末端連結
の場合よりも高濃度の1種又は複数種の配列と1種又は
複数種のクローニングベクターを必要とする。更に、こ
の連結反応はT4リガーゼ、E、コリ (E、  co
li)リガーゼのようなりガーゼの存在で行なわなけれ
ばならない。増幅された生成物が得られたならば、連結
処理法は当業者に周知の条件を用いる標準的処理法によ
り行われる・ 平滑末端連結反応を用いないクローニング法は、増幅さ
れた生成物のクローニングベクターへの挿入の方向性ま
たは多重性を制御する。
更に、この工程は、試験管内での変異誘発に用いること
ができる。オリゴヌクレオチドプライマーは、増幅され
るべき核酸配列に正確に相補的である必要はない。それ
らは、熱安定酵素によって伸長されるべき配列十分にハ
イブリダイズすることだけが必要である。用いられるプ
ライマーが元の鋳型に正確には相補的ではない場合の増
幅反応の生成物は、鋳型配列ではなくプライマーの配列
を有するので、試験管内突然変異が導入される。
引き続くサイクルでは、この突然変異は、それ以上不対
合プライミングを必要としないので、限定されない効率
で増幅される。このようにして産生された変異体を標準
的な生物学的技法によちて適当なヘクターへ挿入するこ
とができ、このヘクターに変更された蛋白質の産生前の
ような変異体特性を付与することができる。
上記のような変更されたDNA配列を作る工程は、他の
配列の変化を誘発するための異なるプライマーを用いて
、変更されたDNAに対して繰り返すことができる。こ
のようにして、一連の変異配列が徐々に産生され、この
シリーズに新たに加えられたそれぞれのものは前のもの
から僅かしか粉となっていないが元のDNA源配列から
はかなりの点で異なっているようにすることができる。
このようにして、非常に不適正なプライマーを機能させ
ることはできないために単一段階では得られないような
変化を、最終的に行なうことができる。
更に、十分な量のプライマーが、増幅されるべき鎖に相
補的な配列を含有する場合には、プライマーはその配列
の一部に非相補的配列を有することができる。例えば、
(プロモーター、リンカ−、コード配列などの)鋳型配
列に相補的でないヌクレオチド配列をプライマーの一方
または両方の5′末端に結合させ、これによって増幅工
程の生成物に付加することができる。伸長プライマーが
添加された後、工程を十分な回数だけ繰り返し、非相補
的ヌクレオチド挿入部を含有する新たな鋳型を所望な量
で得る。これによって、単純な技法を用いて、比較的短
時間(例えば2時間以下)で結合したフラグメントを多
量に産生ずることができる。
この方法を用いて、感染度、遺伝学的疾患または細胞性
疾働、例えば癌に関する特異的核酸配列、例えば腫瘍遺
伝子の検出および/または特徴化を行なうことができる
。分析に利用できる核酸の量が極めて少ないとき、例え
ば胎児細胞から得られるDNAを用いる鐘状赤血球貧血
の出生前診断で有用である。この増幅法は、非放射性検
出法を用いる本来鋭敏でない分析法を用いて少量試料の
分析を行なう場合、または放射分析法を用いる場合であ
って速やかな検出が望まれる場合に、特に有用である。
本発明の目的に関して、遺伝学的疾患は、例えば鐘状赤
血球貧血、α−サラセミア、β−サラセミア等のような
生体からのゲノムDNAの特異的欠失および/または変
異誘発を包含する。鐘状赤血球貧血は、本方法により適
当なりNA配列の増幅を行なった後の1985年12月
11日発行の欧州特許出願公開筒164.054号明細
書に記載のオリゴマー制限分析によりまたはRFLP様
分析により、容易に検出することができ、α−サラセミ
アは、この疾患を起こす変異部に緊密に関連した多形制
限部位の不在によって検出することができ、またβ−サ
ラセミアはその制限部位の存在によって検出することが
できる。
これらの遺伝的疾患の総ては、適当な配列を増幅し、そ
れをサチン法によって放射性プローブを用いることなく
分析することによって検出することができる。この様な
方法では、例えば極めて低水準の所望な配列を含む羊水
からのDNAの少量の試料を増幅し、制限酵素で切断し
、サチン法によって分析する。増幅された高水準のシグ
ナルによって非放射性プローブの使用が容易になる。
もう一つの態様では、DNAの少量試料を通常の水準に
まで増幅した後、伸長反応のサイクルを続けて行ない、
この場合、(32P−標識またはビオチン−標識したヌ
クレオチドトリホスフェートのような)容易に検出され
るヌクレオチド誘導体を最終のDNA生成物中に直接に
4人し、これを制限酵素処理および電気泳動法による分
離またはその他の適当な方法で分析することが可能であ
る。
もう一つの態様では、核酸を、増幅前に特定の制限エン
ドヌクレアーゼに暴露することができる。
切断された配列は増幅することは出来ないので、あらか
じめDNA試料を制限酵素処理したにもかかわらず増幅
されたフラグメントが出現することは、増幅された配列
内のエンドヌクレアーゼの部位の不在を示唆する。増幅
された配列の存在または不在は、適当な方法によって検
出することができる。
本発明の方法の実際的応用は、本明細書、および欧州特
許第164,054号明細書(同上)およびサイキ(S
aiki)らのBio/Technology、 3巻
、1008〜1012頁に記載されているオリゴマー制
限法によって鎌状赤血球貧血の検出を容易にするための
その使用によって例示することができる。鎌状赤血球貧
血は、β−グロブリン遺伝子の6番目のコドンにおける
唯一つの塩基対の変化によって起こるヘモグロビン疾患
である。
本発明の方法は、配列特異的オリゴヌクレオチドを用い
て(ゲノムDNAのような)核酸配列の一塩基対の変化
を直接に検出するのにも用いることができる。この方法
では、癌、感染症または遺伝的疾患例えば遺伝的欠失か
ら生じるような配列変化を直接に検出することができ、
本来なら必要な制限酵素消化、電気泳動およびゲル操作
の必要がな(なる。本明細書に記載する増幅の後のドツ
ト・プロット方式において配列特異的オリゴヌクレオチ
ドを用いると、プローブの特異性およびj5受性が向上
し、解釈可能なシグナルを、0.04ttgの試料を用
いて6時間以内に得ることができる。また、膜にスポッ
トする試料の量を0.1〜0.5 ugに増加すると、
従来の方法で用いられる放射性プローブの代わりに、非
放射性標識されたオリゴヌクレオチドを用いることがで
きる。更に、以下に記載の方法は、大きさが19−マー
未満の配列特異的オリゴヌクレオチドの使用に適用する
ことができ、したがって更に識別力のある配列特異的オ
リゴヌクレオチドを使用することができる。
遺伝的疾患に関しては、RFLPはこの疾患に関する多
形制限部位を必要とするが、配列特異的オリゴヌクレオ
チドは直接に遺伝的欠失を検出し、単一の塩基の突然変
異によって生じるヘモグロビンC症、α−1−アンチト
リプシンおよびβ−サラセミアのような病気の解析に極
めて有用である。
また、オリゴヌクレオチドを用いて、異なる対立遺伝子
(例えばHL A型)を表わす遺伝的変異体を識別する
ことができるので、熱安定酵素を含む配列特異的オリゴ
ヌクレオチドを基礎としたキ・ノドの可能性が示唆され
る。
本発明の1態様では、ヌクレオチドの配列変化を検出し
ようとするときには、上記の様に、ヌクレオチド変化を
含むと推定されるそれぞれの核酸のそれぞれの鎖につい
て1個のプライマーを用いて増幅した試料を一連の膜に
直接にスポ・ノドし、そしてそれぞれの膜を異る標識さ
れた配列特異的オリゴヌクレオチドプローブとハイブリ
ダイズをせしめる。膜への試料のスポット法については
、カホトス(にafotos)ら、Nucleic A
c1ds Re5earch7巻、1541〜1552
頁、1979年に記載されている。
要約していえば、膜に固定されたDNA試料を、ドデシ
ル硫酸ナトリウム、フィコール(Ficoll)、血清
アルブミンおよび各種の塩を含むプレ)%4ブリダイゼ
ーシヲン?容液を用いて、プローブを加える前に、前処
理することができる。次いで、標識されたヌクレオチド
プローブであって検出しようとするそれぞれの配列変化
に特異的なものをブレハイブリダイゼーション溶液と同
様のノλイブリダイゼーション溶液に加える。この/’
%イブリダイゼーション溶液を膜に適用して、この膜を
、プローブの型および長さ、成分の型および濃度等によ
って異るハイブリダイゼーション条件に付す。一般的に
は、ハイブリダイゼーションは約25〜75℃、好まし
くは35〜65℃、0.25〜50時間、好ましくは3
時間未満行なう。条件のストリンジエンシーが大きくな
ればなるほど、プローブと試料とのノ\イブリダイゼー
ションに必要な相補性は大きくなる。
バンクグラウンド水準が高ければ、それだけストリンジ
エンシーは高くなる。ストリンジエンシー条件は、洗浄
にも取り込むことができる。
ハイブリダイゼーションの後、好適な手段を用いてハイ
ブリダイゼーションされないプローブを試料から洗浄除
去する0例えば各種)濃度の標準的塩リン酸BDTA 
(SSPF、) (i80ml’lのNaC4、10m
MのNa1lPO。
およびIMのEDTA 、 pH7,4)溶液で25〜
75℃で約10分間〜時間、1回以上洗浄するが、この
時間は温度によって変化する。次いで、この標識を適当
な検出法を用いて検出する。
ここで用いられる配列特異的オリゴヌクレオチドは、一
般的には、プライマーを調製するために上記の方法で調
製され選択されるオリゴヌクレオチドである。上記のよ
うに、配列特異的オリゴヌクレオチドは、検出されるべ
きヌクレオチド変化にわたる配列の領域を包含し、検出
されるべきヌクレオチド変化に特異的なものでなければ
ならない。例えば、試料が鎌状赤血球貧血の変異を含む
かどうかを検出することが所望ならば、正常なβ−グロ
ブリン遺伝子に特徴的なヌクレオチド配列部位を含むオ
リゴヌクレオチドを調製し、さらに譲状赤血球対立遺伝
子に特徴的なヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチ
ドを調製する。それぞれのオリゴヌクレオチドを同じ試
料の複製物とハイブリダイズせしめ、試料が変異を含む
かどうかを決定する。
HLAクラス■遺伝子の多形性領域は第一エクソンの特
定の領域に局在しており、保存された配列によって挟ま
れているので、第一エクソンの保存された5′および3
′末端の対向する鎖に相補的なオリゴヌクレオチドプラ
イマーを調製することができる。
HLAクラス■遺伝子の多形性領域の検出に用いられる
オリゴヌクレオチドの数は、クラスター構造を有するま
たはばらばらに分散している塩基対変異の領域を有する
遺伝子の型によって異る。
)ILA −DQ−αの場合のように、この領域がクラ
スター構造を有するときには、それぞれの対立遺伝子に
ついて一つのオリゴヌクレオチドを用いる。
この領域が、IILA−DQ−βおよびHLA −DR
−βの場合のように、分散しているときには、それぞれ
の対立遺伝子について1種より多くのプローブであって
それぞれ対立遺伝子変異体を包含するものが用いられる
。HLA −DQ−βおよびIILA −DR−βの場
合には、3種のプローブを、対立遺伝子変異が起きる遺
伝子座の3個の領域について用いる。
インシュリン依存性真性糖尿病(IDDM)の検出には
、)ILA−DRβ第二第二エキソウいて4個のプロー
ブを用いる。
ハブロタイブは、家族における分離(segrega 
t 1on)から、または場合によって個体のDNA試
料の直接分析によって推定することができる。配列特異
的オリゴヌクレオチド反応性の特異的対立遺伝子の組合
せ(ハロタイプ)は、増幅前にゲノムDNAの制限酵素
消化を用いることによってペテロ接合細胞において同定
することができる。
例えば、DQβで、高度に変異可能な副領域A、Bおよ
びCが単一の増幅領域内に・見出される場合、およびそ
れぞれの領域で6個の異なる配列(AI−6,81−6
,C1−6)がある場合には、可能なハブロタイブの組
合わせAI 、 B2 、 C1; Al 、 B2゜
C4; A2 、 B2 、 C1; A2 、 B2
 、 C4; Al 、 B3 、 C1; Al 。
B3 、 C4; At 、 B2 、 CI ?およ
びAI 、 B2 、 C4を伴って、配列特異的オリ
ゴヌクレオチドプローブ分析によっ””C個体をDQβ
座においてAI 、 A2 ; B2 、 B3 ; 
C1゜C4を含むものとしてタイプ分けすることができ
る。
ゲノムDNAが多形性限酵素によって増幅前に消化され
る場合、及びこの酵素がプライマーの間の対立遺伝子を
両方とも切断する場合、増幅の欠如のため配列特異的プ
ローブとの反応性はなく、何等情報を提供しない。この
酵素が対立遺伝子を切断しないときには、消化されたお
よび消化されないゲノムD N Aでの結果は同じにな
り、その結果は何等情報を提供しないものとなる。この
酵素が一方の対立遺伝子のみを切断するときには、消化
されたおよび消化されないDNAのプローブ反応性パタ
ーンを比較することによって両方のハブロタイブを推定
することができる。
これらのハブロタイブは、未切断ゲノムDNAおよび多
形であり且つプライマーの間の部位を認識する事が知ら
れて、いる1〜数個の酵素で切断したゲノムDNAと配
列特異的オリゴヌクレオチドとの反応性を比較すること
によって推定することができる。
配列特異的オリゴヌクレオチドの長さは、検出されるべ
き特定の標的分子、オリゴヌクレオチド源およびヌクレ
オチド組成のような多くのフックターによって異る。本
発明の場合には、配列特異的オリゴヌクレオチドは、典
型的には、15〜25ヌクレオチドを有するが、より多
くのまたは少ないヌクレオチドを含んでいてもよい。長
さが少なくとも19マーであるオリゴヌクレオチドは、
特異性および/または感受性を高めるが、19マ一未満
の、例えば16−マーであるプローブは、おそらく単一
ミスマソチがより不安定化するので、更に高い配列特異
的識別力を示すことができる。増幅によって特異性が増
加するので、より長い長さは必須ではなく、ハイブリダ
イゼーションおよび洗浄温度は同じ塩濃度について低い
ものでもよく、長さが197−未満のオリゴヌクレオチ
ドを用いることが好ましい。
試料を最初に膜に置いて、次い゛でオリゴヌクレオチド
で検出するときには、このオリゴヌクレオチドは、分光
的、光化学的、生化学的、免疫化学的または化学的手段
によって検出することができる好適な標識残基で標識し
なければならない。免疫化学的手段には、適当な条件下
でオリゴヌクレオチドと複合体を形成することができる
抗体があり、生化学的手段には適当な条件下でオリゴヌ
クレオチドと複合体を形成することができるポリペプチ
ドまたはレクチンがある。例えば、螢光線量、エレクト
ロン・デンス(electron−dense)試薬、
不溶性反応生成物を沈澱させまたは発色によって検出す
ることができる酵素、例えば西洋ワサビ・ペルオキシダ
ーゼ、アルカリホスファターゼのようなもの、32pの
ような放射性標識またはビオチンがある。ビオチンを用
いるときには、スペーサーアームを用いてそれをオリゴ
ヌクレオチドに結合せしめる。標識残基として西洋ワサ
ビ・ペルオキシダーゼが好ましい。
また、「逆」ドツト・プロット方式では、プライマーの
少なくとも1個および/または4種のヌクレオチドトリ
ホスフェートの少なくとも1つを検出可能な標識で標識
して、生成する増幅された配列を標識記する。これらの
標識残基は最初から反応混合物中に存在してもよくまた
は増幅の後期サイクルで加えて増幅生成物に標識を導入
することができる。次に、配列変異(正常または突然変
異体のいずれでも)が存在するときには、増幅された核
酸配列でハイブリッド形成できる未標識の配列特異的オ
リゴヌクレオチドを上記のようなプレハイブリダイゼー
ション条件下で膜にスポット(または固定)する。次に
、増幅された試料を、上記のようにハイブリダイゼーシ
ョン条件下で前処理した膜に加える。最後に、検出手段
を用いて、核酸試料の増幅された配列が膜に固定された
オリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションする場合
に検出を行なう。ハイブリダイゼーションは変異を含む
膜に結合した配列が増幅生成物に存在するときにのみ、
すなわちプローブの配列が増幅された配列の領域に相補
的である場合にのみ起こる。
「逆」ドツト・プロット方式のもう一つの態様では、上
記の「順」ドツト・ブロック方式でのように標識を用い
ることはなく増幅を行ない、変異が存在するときにはそ
れを含む増幅された核酸配列とハイブリダイズすること
ができる標識された配列特異的オリゴヌクレオチドプロ
ーブを、上記のようなプレハイブリダイゼーション条件
下で膜にスポット(または固定)する。次に、増幅され
た試料を、上記のようなハイブリダイゼーション条件下
で前処理した膜に加える。次いで、標識したオリゴヌク
レオチドまたはそのフラグメントを膜から遊離せしめ、
試料中の増幅された配列が標識されたオリゴヌクレオチ
ドにハイブリダイゼーションする場合に、検出手段を用
いて検出することができるようにする。遊離は、例えば
プローブの制限部位を認識する膜に制限酵素を加えるこ
とによって起こすことができる。オリゴマー制限として
知られているこの方法は、1985年12月11日発行
の欧州特許出願公開第164,054号明細書に更に詳
細に記載されている。
順および逆ト′ット・プロット方式のいずれでも、いず
れかの生物からの検出される遺伝的疾患は、特異的欠失
、挿入および/またはゲノムDNAのような核酸のいず
れかの塩基対の突然変異または多形における置換を含む
、塩基対の変異が知られている疾患の例としては、譲状
赤血球貧血、ヘモグロビンC症、α−サラセミア、β−
サラセミア等がある。検出することができる他の病気に
はRAAII!瘍遺伝子、例えばn −RA S It
−!癌遺伝子を含む癌性疾Φおよび感染性がある。
ドツト・プロット法は、m織の移植、病気に罹り易さお
よび父性の決定の分野でのHLAタイピングに用いるこ
ともできる。HL Aクラス■遺伝子は、HLA−DR
,HLA −DlllおよびIILA−DP領領域らの
αおよびβ遺伝子からなり、極めて多形性が高く、それ
らのDNA水準での遺伝学的複雑性は血清学的タイピン
グにようて一般的に定義されている多形よりも著しく大
きい。更に、本発明の方法は、インシュリン依存性真性
糖尿病(IDDM)に関するH L Aクラス■βタン
パク質(例えば、DRβ)をコードする4個のDNA配
列を検出するのに用いることができる。
簡単にいえば、IDDMに関する4種のDNA配列は、 (i)   5 ’ −GAGCTGCGTAAGTC
TGAG−3’(2>   5 ’−GAGGAGTT
CCTGCGCTTC−・3′(3)  5 ’ −C
CTGTCGCCGAGTCCTGG−3’および(4
”)   5  ’ −GACATCCTGGAAGA
CGAGAGA−3’またはそれらに相補的なりNA鎖
からなる群から選択される。これらの配列の1種又は複
数種にハイブリッド形成する配列特異的プローブを調製
することができる。
各種感染生疾患は、臨床試料中に起因微生物に特徴的な
特定のDNA配列が存在することによって診断すること
ができる。これら起因微生物には、サルモネラ、クラミ
ジア、ネイセリアのような細菌、肝炎ウィルスのような
ウィルスおよびマラリアの原因となるプラスモジウムの
ような寄生虫がある。ファルコウ(Falkow)らに
発行された1986年5月13日付は米国特許再審査証
明書箱B 14,358,535号は、感染性疾患の診
断への特異的DNAハイブリダイゼーションプローブの
使用を記載している。
比較的少数の病原生物が、感染した患者からの臨床試料
中に存在するので、これらから抽出されるDNAは試料
中の総DNAの極めて小さな分画だけを構成することが
ある。DNA試料の固定の前に、推定される配列を特異
的に増幅し、ハイブリダイゼーション検出することによ
って、従来の方法の感度および特異性を著しく向上する
ことができる。
ワード(Ward)の欧州特許第63.879号明細書
に記載されているように、非放射性標識されたプローブ
を用いることができれば、感染性疾患の診断のためのD
NAプローブの日常的臨床使用はかなり筒略化されるで
あろう。この方法では、ビオチン含有DNAプローブを
、アビジンまたはビオチン特異的抗体に結合した発色性
酵素によって検出する。この型の検出法は好都合である
が、感受性が比較的低い。本発明の方法による特異的D
NA増幅と安定に標識されたプローブの使用の組み合わ
せによって、ファルコウ(Falkow)とワード(W
ard)の方法を日常の臨床検査に有用にするのに要す
る便宜と感度が得られる。
AIDSウィルスの検出と監視に対するこの増幅技術の
具体的な使用を以下に説明する。プライマーとプローブ
であって、それぞれAIDSウィルスの核酸中に実質的
に保存されておりAIDSウィルス中の核酸に特異的な
核酸配列を増幅し検出するように設計されているものを
、増幅および検出法に用いる。したがって、検出される
配列はAIDSウィルス中の核酸に十分に相補的であり
、酵素およびヌクレオチドトリホスフェートの存在で、
好ましくは室温で重合を開始するものでなければならな
い。
また、このプローブは、ビオチンが、式%式% (式中、YはO、N HまたはN−Cll0であり、X
は1〜4の数であり、yは2〜4の数である)を有する
スペーサー・アームに結合しているビオチン化したプロ
ーブである。このスペーサー・アームはまた、式 のプソラレン残基に結合している。このプソラレン残基
は、コーラジーテベ(courage−Tebbe)ら
、影−四上im、Bio叫墜り通且ta、 、697巻
、1982年、1〜5頁に記載のように、「ギャップド
・サークル(gapped circle) Jプロー
ブ中にインターカレーションして、架橋しており、ギャ
ソプド・サークルの一木鎖ハイプリダイゼーション領域
はプライマー中に含まれる領域に及んでいる。ビオチン
化とドツト・プロット法の詳細については、1986年
4月15日発行の米国特許第4,582,789号明細
書および1986年10月14日発行の米国特許第4.
617.261号明細書に更に完全に記載されている。
この増幅法を利用して、単一コピーヒト遺伝子からDN
Aを十分な量で産生させ、単純な非特異的DNA染色剤
例えば臭化エチジウムをDNAの検出に直接に用いられ
る様にできる。
生物のゲノムにおける感染性疾患及び病理学的異常の検
出に加えて、病的状態を伴わないDNA多形を検出する
のに用いることもできる。
要約すれば、増幅法は連鎖反応と熱安定酵素を用いる1
種以上の特定の核酸配列を増幅する方法を提供するもの
であり、上記反応においてプライマー伸長生成物を産生
させ、これを次にその後のプライマー伸長反応の鋳型と
して働くことができるようにする。この方法は、最初は
極めて少量でのみ存在する核酸配列を検出するのに特に
有用である。
以下の実施例は、単に例示のために提供するものであり
、発明の範囲および特許請求の範囲を限定することを意
図するものではない。これらの実施例において、総ての
パーセンテージは、特に断らないかぎり、固体の場合に
は重量%、液体の場合には容積%であり、総ての温度は
摂氏で表わしている。
朶L 1、プライマーの合成 次の2種類のプライマーを下記の方法により調製した。
これらのプライマーはいずれも20−マーであり、ゲノ
ムDNAの相対する鎖に、110塩基対の間隔をおいて
それらの5′端にアニールする。
A、自動化された合成法 Beaucage及びCaruthers  (Tet
rahedronLetters (i981)22 
: 1859−1862)の方法に従って合成されたジ
エチルホスホラミダイトを、ヌクレオチドで誘導体化さ
れた制御された孔サイズのガラス支持体上に逐次縮合さ
せた。この方法は、ジクロロメタン中トリクロロ酢酸に
よる脱トリチル化、活性化プロトン供与体としてベンゾ
トリアゾールを使用する縮合、並びにテトラヒドロフラ
ン及びピリジン中無水酢酸及びジメチルアミノピリジン
によるキャンピングを含む。サイクル時間は約30分間
であった。各段階での収率は本質的に定量的であり、そ
して脱トリチル化中に放出されるジメトキシトリチルア
ルコールの回収及び分光分析により決定した。
B、オリゴデオキシリボヌクレオチドの脱保護及びネn
製 固体支持体をカラムから取り出し、そして密閉チューブ
中で室温にて4時間、1−の濡水酸化アンモニウムに暴
露した0次に、支持体を濾過によって除去し、そして部
分的に保護されたオリゴデオキシヌクレオチドを含有す
る溶液を5時間55℃とした。アンモニアを除去し、そ
して残渣を分取用ポリアクリルアミドゲルに適用した。
30V/csにて90分間電子泳動を行い、次に生成物
を含有するバンドを、蛍光プレートのUVシャドーによ
り同定した。バンドを切り出し、そして1−の蒸留水に
より4℃にて一夜溶出した。この溶液をRP −)IP
LCカラムに適用し、そして1%酢酸アンモニウム緩衝
’6 (pH6,0)中ア七ト二トリル7〜13%のグ
ラジェントにより溶出した。この溶出を260nmでの
UV吸収によりモニターし、そして適当な両分を集め、
一定容量中でのUV吸収により定量し、そして真空遠心
機中で室温にて蒸発乾固した。
C,オリゴデオキシヌクレオチドの特徴付は精製された
オリゴヌクレオチドの試験アリコートをポリヌクレオチ
ドキナーゼ及びr −”P−ATPにより3tp−ラベ
ルした。ラベルされた化合物を、5 (l v / c
mにて45分間の電気泳動の後、14−20%ポリアク
リルアミドゲルのオートラジオグラフィーにより試験し
た。この方法により分子量が確認される。塩基組成を、
ヘビ毒ジェステラーゼ及び細菌アルカリ性ホスファター
ゼによるオリゴデオキシヌクレオチドのヌクレオシドへ
の消化、並びにこれに続く、逆相HPLCカラム及び1
0%アセトニトリル+1%酢酸アンモニウム移動和を用
いる該ヌクレオシドの分離・定量により決定した。
■、ナセルインからのヒトゲノムDNA0単離高分子量
ゲノムDANを、Maniatis等、前掲、P2S5
−281に本質的に従って、ヒユーマン・ゼネティノク
・ミュータント・セル・デポジトリ−、カムデン、NJ
からGM2219Cとして入手可能な、正常β−グロビ
ンについてホモ接合性のT細胞系から単stシた。
■、テルムス・アクアチクス(Thermus  7か
らのポリメラーゼの精製 アメリカン・タイプ・カルチュアー・コレクション、1
2301パークラウンドライブ、ロックビル、MDから
ATCC隘25.104としてなんら制御なく入手でき
るテルムス・アクアチクス(Thermus…uati
cus) YTI株をフラスコ中で、下記の培地で増殖
せしめた。
クエン酸ナトリウム       1mMリン酸カリウ
ムpH7,95mM 塩化アンモニウム      10mM硫酸マグネシウ
ム       0.2mM塩化カルシウム     
  0.1mM塩化ナトリウム         1g
/l酵母エキス          1 g/lトリプ
トン           Ig/lグルコース   
       2g/l硫酸第一鉄         
0.01mM(オートクレーブ前にpHを8.0に調整
)上記培地中で70℃にて一夜培養したフラスコ種母を
10i!発酵槽に接種した。種母フラスコがらの合計6
0011tlの種母を1011の同じ培地に接種した。
pllを水酸化アンモニウムにより8.0に調節し、溶
存酸素を40%に調節し、温度を70’Cに調節し、そ
して撹拌速度を40Orpmとした。
細胞の増殖の後、最初の5段階についてはKaledi
n等、前掲、の方法(わずかに変更を加えて)を用い、
そして第6段階では異る方法を用いて精製を行った。6
段階すべてを4℃にて行った。
カラムでの分画速度は0.5力ラム/時とし、溶出中の
グラジェントの容量は10カラム容量とした。
これに代る好ましい方法を例6に後記する。
要約すれば、上記培養のT、アクアチフス(T、  u
憩旦匹1 細胞を、9時間の培養の後、後期対数期1.
4g乾燥重量/2の細胞濃度において、遠心分離により
集菌した。20gの゛細胞を、50mM Tris−f
l(J’  (pH7,5)及び0.1 mM EDT
Aを含む緩衝液8〇−中の懸濁した。細胞を溶解し、そ
して溶解物を4℃のローター中で35. OOOrpm
にて2時間遠心した。上清を集め(画分A)、そして硫
酸アンモニウムの45〜75飽和の間で沈澱する蛋白質
画分を集め、0.2Mリン酸カリウム(pll 6.5
 >、1011011Iメルカプトエタノール及び5%
グリセリンを含有する緩衝液中に溶解し、そして最後に
同じ緩衝液に対して透析して画分Bを得た。
画分Bを、上記の緩衝液で平衡化されたDEAE −セ
ルロースの2,2X30cmカラムに適用した。次に、
このカラムを同じ緩衝液で洗浄し、そして蛋白質を含有
する両分(280nmにおける吸収により決定する)を
集めた。−緒にした蛋白質画分を、0.01Mリン酸カ
リウム(pH7,5) 、10mM2−メルカプトエタ
ノール及び5%グリセリンを含有する第二緩衝液に対し
て透析して画分Cを得た。
画分Cを、第二緩衝液で平衡化されたヒドロキシアパタ
イトの2.6 X 21 cmカラムに適用した。
次に、このカラムを洗浄し、そして10mM2−メルカ
プトエタノール及び5%グリセリンを含有する0、01
〜0.5Mリン酸カリウム(pH7,5) Ik街液の
直線グラジェントにより酵素を溶出した。DNAポリメ
ラーゼ活性を含有する両分(90〜180dリン酸カリ
ウム)を集め、アミコン攪拌セル及びYMIO膜を用い
て4倍に濃縮し、そして第二緩衝液に対して透析して画
分りを得た。
画分りを、第二緩衝液で平衡化したDEAE−セルロー
スの1.6X2acmカラムに適用した。このカラムを
洗浄し、そして第二緩衝液中0.’01〜0.5Mリン
酸カリウムの直線グラジェントによりDNAポリメラー
ゼを?8出した。両分をエンドヌクレアーゼ及びエキソ
ヌクレアーゼの汚染について測定した。これは、過剰の
DNAポリメラーゼと共にインキュベートした後のファ
ージλDNA又はスーパーコイルプラスミドDNAの分
子量の変化を電気泳動により検出することにより(エン
ドヌクレアーゼについて)、そしてDNAを幾つかのフ
ラグメントに開裂せしめる制限酵素による処理の後に(
エキソヌクレアーゼについて)行った。最少のヌクレア
ーゼ汚染を有するDNAポリメラーゼ画分(65〜95
+aMリン酸カリウム)のみをプールした。このプール
にオートクレーブしたゼラチンを250n/−の量で添
加し、そして第二緩衝液に対して透析を行って画分Eを
得た。
画分Eをホスホグルコースカラムに適用し、そLテ20
+++M’J 7酸カリウム(pH7,5)中o、01
〜0、4 M KClのグラジェント100−により溶
出した。
両分を上記のようにしてエンドヌクレアーゼ/エキソヌ
クレアーゼの汚染について、そしてさらにポリメラーゼ
活性について(にaledin等の方法により)測定し
た。プールした両分を第二緩衝液に対して透析し、次に
50%グリセリン及び第二緩衝液に対する透析により濃
縮した。
ポリメラーゼの分子量を5O3−PAGEにより決定し
た。マーカー蛋白質はホスフェ−トB (92,000
)、ウシ血清アルブミン(66,200)、オバルブミ
ン(45,000)、カーボニックアンヒドラーゼ(3
1,000)、大豆トリプシンインヒビター(21,5
00)、及びリゾチーム(i4,400)であった。
予備的データは、文献(例えばKaledin等)に報
告されている62.000〜63 、000ドルトンで
はなく、約86,000〜90,000ドルトンであっ
た。
このポリメラーゼを、25mM Tris−tlci!
  (pH6,4及びpH8,0>  、O9I M 
MCI!、10mM Mg(l z 、1 mM2−メ
ルカプトエタノール、1QnsoleずつのdGTP。
dATP及びTTP 、及び0.5μCi CII)d
CTP、 8μgの“活性化されたウシ”胸腺DNA並
びに0.5−5ユニツトのポリメラーゼを含有する混合
物50μ!中でインキュベートした。“活性化された”
DNAは、DNAの5%が酸−溶解性画分に移るまでD
Nase Iにより消化して部分加水分解した後のDN
Aの天然調製物である。この反応は70℃にて30分間
行い、そして0.125M EDTA−Nazを含有す
るリン酸ナトリウムの飽和水溶液約50ulの添加によ
り停止せしめた。サンプルをKaledin等、前掲に
記載されているようにして処理しそして活性を測定した
この結果は、ポリメラーゼはpH6,4においてpH8
,0における活性の半分より活性であることを示した。
これに対して、Kaledin等は、酸素はpH約7.
0において、pH,3における活性の8%を有すること
を見出した。従って、本発明の熱安定酵素のpnプロフ
ィールはKaledin等の酵素のそれよりも広い。
最後に、DNAポリメラーゼ測定反応混合物から1種類
のみ又は複数種類のヌクレオチドトリホスフェートを除
去した場合、本発明の酵素を用いて活性がほとんど観察
されず、活性は予想値と一致しており、そして酵素は高
い忠実性を示した。
これに対して、Kaledin等、前掲、を用いて観察
さた活性は予想値と一致しておらず、そしてヌクレオチ
ドトリホスフェートの間違った導入が示唆される。
■、増幅反応 上記の1鱈のゲノムDNAを、25mM Tris−1
1(J(pl+ 8.0 )、50mM K(J 、1
10ff1 ngcl t <  5mMジチオスレイ
トール、200q/IR1ゼラチン、1オのプライマー
PCO2,1囲のプライマーPCO4,1,5mMdA
TP、 1.5mM dcTP 、 1.5mM dG
TP及び1.5mMTTPを含有する100Jの初期水
性反応容量中に稀釈した。サンプルを98℃にて10分
間加熱してゲノムDNAを変性せしめ、次に室温に冷却
した。
テルムス・アクアチクスからのポリメラーゼ4I!tを
反応混合物に加え、そして100ulの鉱油を重層した
。次にサンプルを、溶体を供給するためにプログラムさ
れたピペット及び変温のための温度調節装置を用いる上
記の液体取扱い及び加熱装置のアルミニウム加熱ブロッ
クに入れた。
DNAサンプルを、次のプログラムサイクルを反復して
20サイクルの増幅にかけた。
1)加熱ブロック中で2.5分間にわたり37℃から9
8℃に加熱し;そして 2)3分間にわたって98℃から37℃に冷却してプラ
イマーとDNAとのアニールを可能にする。
最終ナイクルの後、サンプルをさらに1o分間55℃で
インキュベートして最終伸長反応を完了する。
■、オリゴデオキシリボヌクレオチドプロープの合成及
びリン酸化 次の配列: を有しt?s24と称するラベルされたDNAプローブ
を調製した。配列中、*はラベルを示す。このプローブ
は40塩基の長さを有し、遺伝子の第4コドンから第7
コドンまでを含み、そして正常β−グロビン対立遺伝子
(βA)を相補的である。プライマーとプローブとの関
係を次に模式的に示す。
このプローブを例1.1.に記載した方法に従って合成
した。20 pmoleのプローブを4ユニツトのT4
ポリヌクレオチドキナーゼおよび約40pmoleの7
−”P−ATP (約7000Ci/+++mole)
と、70@IMTris (pH7,6) 、10mM
 MgC1!z 、1.5.mMスペルミン及び10m
Mジチオスレイトールを含有する40Iの反応容量中で
37℃にて60分間接触せしめた。次に25mM ED
TAにより全容量を100p/に調製し、そしてTr 
is −EDTA (TE) 緩衝液(i0mM Tr
is、0、1 n+M EDTA 、 pH8,0)に
より平衡化したl rnlスピン透析カラム上で、Ma
niatis等、前掲、p466−467の方法に従っ
て精製した。反応生成物のTCA沈澱は、R324につ
いて比活性が4.3 μCi/pmoleであり、そし
て最終濃度が0.118pmole/μlであることを
示した。
■、ドツトプロットハイブリダイゼーション前記■、か
らの増幅されたサンプル4μ!、並びニア0 、75 
、80 、85 、90 、’95及び100%の増幅
効率を代表するように計算されたβ−グロビンプラスミ
FDNA(7)適当な稀釈物5.6 tlIを200μ
f(7)0.4NNa叶及び25n+M EDTAで稀
釈し、そしてナイロンフィルター上にスポットした。こ
れは、フィルターを水で湿し、これを、フィルターを定
位置に保持するドツトブロック調製用装置中に入れ、サ
ンプルを適用し、そしてReed及びMann、 Nu
cleic Ac1dsResearch、 13.7
202−7221(i985)により開示されているよ
うにして、0.1 R1(7)20XSSPE (3,
6MNaCl %  200mM NaHzPO4,2
0mM EDTA)により各ウェルをすすいだ。次に、
フィルターを取り出し、20 X 5SPE中で洗浄し
、そして真空オーブン中で80℃にて30分間加熱した
加熱の後、各フィルターを、3 xSSPE、 5 X
デンハート溶液(I X =0.02%ポリビニルピロ
リドン、0.02%フィコール、0.02%ウシ血清ア
ルブミン、0.2mM Tris 、 0.2mM E
DTA XpH8,0)、0.5%SOS及び30%ホ
ルムアミドから成るハイブリダイゼーション溶液16−
と接触せしめ、そして42℃にて2時間インキュベート
した。次に、2pmoleのプローブR324をハイブ
リダイゼーション溶液に加え、そしてフィルターを42
℃にて2分間インキュベートシタ。
最後に、ハイブリダイズした各フィルターを1001R
1の2XSSPE及び0.1%SOSで2回室温にて1
0分間洗浄した。次に、フィルターを100−の2 x
SSPE、 0.1%SDSで、60℃にて10分間処
理した。
次に、各フィルターをオートラジオグラフ処理した。シ
グナルは2時間後に容易に出現した。
■、オートラジオグラムの検討 2時間後にドツトプロットのオートラジオグラムを分析
して、そしてHaeIIl/Mael−消化pBR:β
1により調製された標準逐次稀釈β−グロビン調製物と
、強度について比較した。β1は、5aiki等5ci
ence 、前掲、において記載されている野性型対立
遺伝子である。反応生成物の分析により、全体の増幅効
率は約95%であることが示され、これはβ−グロビン
標的配列の630.000倍の増加に相当する。
拠朱 1、増幅反応 例1に記載したようにしてMo1t4セルラインから抽
出されたゲノムDNAのI Ilgのサンプル2個をそ
れぞれ、50n+M  KC6,25mM Tris−
HCff (pH8,0)、10mM MgC62、I
 AのプライマーPCO3,1−のプライマーPCO4
,200n / mlのゼラチン、10%ジメチルスル
ホキシド、並びにl、 5 mMずつのdATP 。
dCTP 、 dGTP及びTTPを含有する100J
の反応容量中に稀釈した。この混合物を98℃で10分
間加熱してゲノムDNAを変性した後、サンプルを室温
に冷却し、そして例1に記載したテルムス・アクアチク
スからのポリメラーゼ4Iを各サンプルに加えた。サン
プルに鉱油を重層して凝縮及び蒸発ロスを防止した。
サンプルの1つを例1に記載した機械の加熱ブロックに
入れ、そして次のプログラムサイクルを反復して25サ
イクルの増刷にかけた。
(i)2.5分間にわたり37℃から93℃に加熱し; (2)3分間にわたって93℃から37℃に冷却するこ
とによりプライマー及びDNAをアニールせしめ;そし
て (3)37℃に2分間保持した。
最終サイクルの後、サンプルを60℃にてさらに10分
間インキュベートして最終伸長反応を完結した。
第二サンプルを温度サイクル(加熱及び冷却)機の熱伝
導コンテナーに入れた。この機械においては、熱伝導コ
ンテナーに温度を上方又は下方に調節するベルティール
ヒートポンプ並びに増幅サイクル、温度レベル、温度勾
配及び温度のタイミングを自動的にコントロールするマ
イクロプロセッサ−に取り付けられる。
第二サンプルを、次のプログラムサイクルを反復する2
5サイクルの増幅に付した。
(i)3分間にわたり37℃から95℃に加熱し; (2)95℃に0.5分間保持して変性を生じさせ; (3)1分間にわたり95℃から37℃に冷却し;そし
て (4)37℃にて1分間保持する。
■、アフセイ 分析、すなわちドツトプロット分析及びアガロース分析
のために2つの試験を行った。
ドツトプロット分析のためには、次の配列:5′−“C
TCCTGAGGAGAAGTCTGC−3’ (R3
18)のラベルされたDNAプローブを調製した。この
配列中*はラベルを示す。このプローブは19塩基の長
さを有し、遺伝子の第4〜第7コドンを含み、そして正
常β−グロビン対立遺伝子(βA)に相補的である。プ
ライマー及びプローブの概略の関係を次に示す。
以g:::i+−丁一 このプローブを、例1.■、に記載した方法により合成
した。10pmoleのプローブを4ユニツトT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼ及び約4Qpmoleのr−”P
−ATP (約7000Ci / mmo le)と、
70mM Tris−HCj!  (pH7,6) 、
10mM MgCfz 、1.5mMスペルミン及び1
0mMジチオスレイトールを含む40μ!の反応容量中
で37℃にて60分間接触せしめた。
次に25mM EDTAにより全容量を1004に調整
し、そしてTris −EDTA (TE)緩衝液(i
0mM Tris−HCl、0、1 mM EDTA 
、 pH8,O)で平衡化された1−スピン透析カラム
上でManiatis等、前掲、p466−467の方
法に従って情調した。反応生成物のTCA沈澱は、R3
1Bについては比活性が4.6 p Ci/ p+5o
leでありそして最終濃度が0.114pmole/μ
!であることを示した。
前記1.からの増幅されたサンプル5 pl、及び熱安
定酵素の代りにE、コリDNAポリメラーゼ■のKle
no−断片を用いたほか前記の方法と同様にして増幅し
たサンプル5μノを、195μlの0.4NNaOH1
25mM EDTAにより稀釈し、そして2枚のナイロ
ンフィルターにスポットした。この場合、まずフィルタ
ーを水で湿し、フィルターを適切な場所に保持するドツ
トプロットsJ製用装置に入れ、サンプルを適用し、そ
してReed及びMann、、前掲、により開示されて
いる様にして0.4dの20 X 5SPE(3,6M
  NaC1、200mM Na1lzPO4,20m
M EDTA)で各ウェルをすすいだ。次に、フィルタ
ーを取り出し、そして真空オーブン中で80℃にて30
分間加熱した。
加熱の後、各フィルターを、5xSSPE、5×デンハ
ート?容?夜(I X =0.02%ポリビニルピロリ
ドン、0.02%フィコール、0.02%ウシ血清アル
ブミン、0.2 mM Tris 、 0.2 mM 
EDT^、pH8,0)及び0.5%SO3から成るハ
イブリダイゼーション溶液6−と接触せしめ、そして5
5℃にて60分間インキユヘートした。次に、5ulの
プローブR518をハイフ゛リダイゼーションを容ン夜
にカロえ、そしてフィルターを55℃にて60分間イン
キユヘートした。
最後に、ハイブリダイズした各フィルターを100m1
の2XSSPE及び0.1%SDSで2回室温にて10
分間洗浄した。次に、フィルターをさらに2回(i回は
1分間、2回目は3分間)100艷の5×5SPE、0
.1%SOSにより処理した。
次に、各フィルターをオートラジオグラフ処理し、シグ
ナルは90分間後に容易に現われた。
アガロースゲル分析において、5μ!ずつの増幅反応混
合物を、I XTBE 緩衝液(0,089M Tri
s、0.089M硼酸及び2mM EDTA)中4%)
iuSievelo、5%アガロースゲルに負荷し、そ
して100 Vにて60分間電気泳動した。臭化エチジ
ウムで染色した後、DNAをU■蛍光により可視化した
この結果は、例1において使用した機械及びこの例がD
NAの増幅において同様に効果的であることを示し、目
的の配列に対応する同様の強度の別個の高強度110塩
基対、並びに非常に低強度の少数の他の別個のバンドを
示した。これに対して、E、コリーポリメラーゼIのフ
レノウフラグメントを用いて各サイクルの後に試薬を移
送する増幅方法は、多くの無関係のDNA配列の非特異
的増幅から住するDNAのよごろ(smer)をもたら
した。
tlLA−DQ 、 OR及びDP病変の評価において
、増幅及び検出の同様の改良が達成されることが期待さ
れる。
上記の実験において、増幅反応緩衝液が10a+MMg
CJ 2ではな(2111M MgC1z 、及び1.
5mMずつではなく150〜200声ずつの各ヌクレオ
チドを含有する場合、並びに増幅の間37℃の低温を4
5℃〜58℃に上げた場合、増幅の一層良好な特異性及
び効率が得られる。さらに、DMSOは増幅のために必
要でないか、又は好ましくないことが見出された。
■1 ヒトβ−グロビン遺伝子上の119塩基対断片の増幅の
ため、Mo1t4セルラインがら又はGM2064Mo
1t4セルラインδ−ヒモグロビン領域のホモ接合性欠
失を代表し、そしてヒト・ケノミフク・ミュータント・
セル・デポンジトリー、カムデン、NJから得られる)
を、50mM KCl、25mM Tris−1(cJ
!  (pH8) 、10mM MgCl!z、200
fg/@lゼラチン、5mM2−メルカプトエタノール
、1.5d門ずつのdATP 、 dCTP 、 TT
P及びdGTP、並びに1岸ずつの次のプライマー: を含有する100Illの反応容量中で増幅した。上記
プローブの配列中、小文字は制限酵素部位を形成するた
めの野性型配列からのミスマツチを示す。
GH18は負鎖に対して相補的な26−塩基のオリゴヌ
クレオチドであり、そして内部Pst1部位を含有する
。GH19は、玉鎖に対して相補的な29−塩基オリゴ
ヌクレオチドであり、そして内部Hind■認識部位を
含有する。これらのプライマーは、Pstl及びHiq
dI[[制限部位に相同な遺伝子の領域をまずスクリー
ニングすることにより選択された。次に、例1に記載し
たようにしてプライマーを調製した。
上記の反応混合物を95℃にて10分間加熱しそして次
に室温に冷却した。例1に記載したポリメラーゼ合計4
μlを各反応混合物に加え、そして次に各混合物に鉱油
を重層した。この反応混合物を次のプログラムによる3
0サイクルの増幅に付した。
2分間にわたり37℃から98℃に加熱し;30分間に
わたり98℃から37℃に冷−却し;そして 37℃に2分間浸漬する。
最終サイクルの後、反応混合物を65℃にて20分間イ
ンキュベートして最終伸長を完結した。
クロロホルムにより鉱油を抽出し、そして混合物を一2
0℃に貯蔵した。
合計104の増幅生成物を、一般に入手可能なM13m
plOクローニングベクター0.5nと共に、50mM
 NaCj! 、10mM Tris−H(J!  (
pi(7,8) 、10mMMgCβ2.20ユニソ)
(7)Pstl及び26ユニツトのHindI[[を含
有する50μ!の容量中で37℃にて90分間消化した
。−20℃に凍結することにより反応を停止した。T[
1衝液により容量を110μlに調整し、そして100
μ!を1m!のビオゲルP−4スピン透析カラムに負荷
した。1個の0.1−画分を集め、そしてエタノール沈
澱せしめた。
(この時点において、6M2064サンプル中にβ−グ
ロビン増幅生成物が存在することが見出された。
次の実験は、プライマーGH18又はG I+ 19へ
の汚!0源を追跡した。他のプライマー源が得られなか
ったので、若干のクローン化配列がプライマー中の汚染
DNAに由来するであろうと理解して実験を続けた。) エタノールペレットを15μlの水に再H?、% Qし
、次に50mM Tris−HCj!  (pH7,8
) 、10n+M Mg1J z、0、5 mM AT
P、10鱈ジチオスレイトール及び400ユニツトのり
ガーゼを含有する20μ!容量に調整した。〔1ユニツ
トは、5′末端濃度0.12mM (約300!j!/
aZ) )において20u1中で、16℃にて30分間
に、HindIIIで消化されたλDNAの50%の連
結をもたらすのに必要な酵素の量である。この混合物を
16℃にて3時間インキュベートした。
Mo1t 4 DNAを含有する10μlの連結反応混
合物を、−iに入手可能なE、コリJM103のコンピ
テント細胞に形質転換した。形質転換された株を調製す
るための方法はMessing J、(i981)Th
irdCleveland  S rn  osium
  on  Macromolecules:Reco
m−binant DNA 、 A、Waltonli
、エルゼビール、アムステルダム、 143−163に
記載されている。合計651個の無色のプラーク(及び
0個の青色プラーク)が得られた。これらの内、119
個(i8%)はく+)鎖挿入部を有し、19個(3%)
は(−)鎖挿入部を有していた。これば、E、コリーポ
リメラーゼ■のKleno−フラグメントを用いる増幅
技法からのプライマー−陽性プラーク中のβ−グロビン
鴎性プラークのパーセントのほとんど20倍である。K
 1 cno−フラグメントを用いる方法においては、
反応を25℃にて2分間行い、次に100℃への加熱段
階を2分間行い、冷却し、Klenowフラグメントを
添加し、そして反応を9回反復した。
これらの結果は、この発明の熱安定酵素を用いる増幅反
応の改良された特異性を確認している。
GM2064及び汚染されたプライマーを用いる後のク
ローニング実験においては、510個の無色プラーク中
43個(8%)が(+)鎖挿入部を有していた。これは
、Mo1t4からの119クローンの約半分が汚染配列
を含有することを示唆する。
Mo1t4からの(+)鎖クローンの10個を配列決定
した。5個は正常な野性型配列であり、そして1個のC
からTへの変異を遺伝子の第二コドンの第三位置に有し
ていた(cAC−CAT)。GM2064からの汚染ク
ローンの4個を配列決定し、4個すべてが正常であった
上記の技法を用いながら、制限部位変形プライマーを用
いてヒ) N −ras発癌遺伝子を増幅し、クローン
化し、そして部分的に配列決定し、及び)ILADQ−
α、DQ−β及びDR−β遺伝子の塩基対セグメントを
クローン化するために使用することができる。
以下余白 M[( 止血j震榎支索 A、、Taqポリメラーゼ遺伝子のためのDNA配列プ
ローブの同定 Taq Bgp遺伝子のための特異的DNA配列プロー
ブを、λgtl1発現ライブラリーの免疫的スクリーニ
ングにより得た。T、アクアチフスのDNAを人1ul
により完全消化し、EcoRl 12−マーリンカ−(
cCGGAATTCCGG、ニューイングランドバイオ
ラプス)に連結し、EcoRIで消化し、そして旦co
RI−消化され脱リン酸化されたλgtll DNA(
プロゲマ・バイオチク)と連結した。連結されたDNA
をパッケージしくジガパノクプラス、ストラテジーン)
、そしてE、コリに一12株Y1090(R,Youn
gより入手)にトランスフェクトした。
2X105プラークの最初のライブラリーを、精製され
たTaqポリメラーゼ(例1及び例6を参照のこと)に
対するラビットポリクローナル抗血清の1:2000稀
釈物を用いてスクリーニングした(Young、 R,
A、及びR,W、Davis(i983) 5cien
ce 。
222 ニア78−782)。候補プラークを限界稀釈
で再プレートし、そして均一になるまで(約3サイクル
)再スクリーニングした。免疫前血清と反応せずそして
免疫血清と反応する候補プラークからファージを精製し
た。
候補ファージを用いてE、コリに一12株Y1089(
R,Young)を溶原化した。溶源菌を、’l” a
 qポリメラーゼ抗血清と反応するIPTG誘導性融合
蛋白質(β−ガラクトシダーゼより大)の産生について
スクリーニングした。固相のサイズ分画された融合蛋白
質を用いて、全ポリクローナル抗体からエピトープ特異
的抗体をアフィニティー精製した(Goldstein
、 L、S、B、等(i986)J、Ce11.Bio
l、  102 :2076−2087)  。
1つり上げられた”エピトープ−選択された抗体をウェ
スタン分析において用いて、Taqポリメラーゼに特異
的なり N A配列をコードしているλgtllファー
ジ候補を同定した。λgt:1と称する1つのλgtl
lファージ候補が、精製されたTaqポリメラーゼ及び
Taqポリメラーゼを含有する粗抽出画分の両者と特異
的に反応する抗体を、全ラビットポリクローナルTaq
ポリメラーゼ抗血清から特異的に選択した。このファー
ジλgt:1を使用してさらに検討した。
テルムス・アクアチクスDNAの約115bpのEco
RI−適合人1uI断片をラベルしくManiatis
等、前掲)で、Taqポリメラーゼ特異的プローブを形
成した。このプローブをサザン分析において、及び1゛
、アクアチフスD N Aランダムゲノムライブラリー
をスクリーニングするために用いた。
B、テルムス・アクアチクス−ランダムゲノムライブラ
リーの造成及びスクリーニング λフアージシャロン35 (Wilhelmine、A
、M、等、前掲)をその接着末端を介してアニールしそ
して連結し、Ban旧により完全消化し、そしてアニー
ルされたアームをスタファー(s tu f f er
)フラグメントから、酢酸カルシウム密度勾配超遠心(
Mani−atis等、前掲)により精製した。T、ア
クアチフスのDNAをS au3Aで部分分解し、そし
て15〜20kbサイズの両分をシュークロース密度勾
配超遠心により精製した。標的DNAフラグメント及び
ベクターDNAフラグメントを1:1のモル比で連結す
ることによりランダムゲノムライブラリーを造成した。
DNAをパッケージし、そしてE、コリに一12株LE
392又はに802にトランスフェクトした。99%以
上の組換体を含有する20.000以上の最初のファー
ジのライブラリーをE、コリに一12株LE392上で
増幅した。
λgtll:1の放射性ラベルされたEcoRI挿入部
によりCH35Taqゲノムファージライブラリーをス
クリーニングした(マニアチス等、前掲)。特異的にハ
イブリダイズする候補ファージプラークを精製し、そし
てさらに分析した。CH35::4−2と称する1つの
ファージが、HindIIIによる消化の後に4個以上
のT、アクアチフスDNAフラグメントを放出した(約
8.0 、4.5 、0.8 、0.58kb)。
4種類のHindlllT、アクアチフスDNAフラグ
メントを、HindI[Iで消化したプラスミドBSM
13″″ (3,2kb、ベクタークローニングシステ
ムス、サンジエゴ)に連結し、そしてそれぞれE。
コリに一12株DG98の形質転換にクローン化した。
C1135::4−2からの約8.0kb(7)基1n
dInDNA7ラグメントをプラスミドpFC82(i
1,2kb)中に華離し、他方CH35::4−2から
の4.5kb且1ndI[lDNAフラグメントをプラ
スミドpFC83(7,1kb)中に単離した。
pFC82を含有するE、コリDG98株は熱安定性高
温D N Aポリメラーゼ活性を含有することが示され
た(第1表)。さらに、この細胞は、免疫的にTaqD
NAポリメラーゼと関連する新たな約60kdの分子量
のポリペプチドを合成する。
8.0kb且1ndI[[DNAフラグメントのTaq
ポリメラーゼコード領域をさらに、8.0kdHind
 mフラグメントのj−プロモーター近位2.8kbH
indIn−人且718部分に位置付・げた。この領域
をサブクローニングしてプラスミドpFC85(6,0
kb)を得た。I PTGと共にインキュベートした後
、プラスミドpFC85を含有するE、コリDG98細
胞は、もとの親クローン(pFC82/ DG9B)に
比べて100倍までの熱安定性Taqポリメラーゼ関連
活性を合成する(第1表)。pFc85を含有する細胞
は有意量の熱安定DNAポリメラーゼ活性を合成するが
、Taq匹I  D?IA配列の一部分のみが翻訳され
、約60kdのTaqポリメラーゼ関連ポリペプチドの
蓄積が起こる。
玉−上一表 E、コリ(i)における熱安定DNAポリメラーゼ活性
の発現 BSM13/DG98−         0.02p
FC82/DG98     2.2   2.7pF
C85/DC9811,9643,8(It)細胞は後
期対数期まで増殖せしめ(十/−IPTG 、 10m
M) 、集菌し、音波処理し、75℃にて20分間加熱
し、遠心し、そして透明な上清を70℃にてDNAポリ
メラーゼ活性について測定した。
(本)1ユニット−30分間に1 nM dCTPの導
入。
この発明の熱安定酵素の遺伝子は種々の細面発現ベクタ
ー、例えばDG141(ATCC3958B)及び1)
PL N ass ATG中で発現せしめることができ
る。
これらの宿主ベクターの両者はpBR322の誘導体で
あって、トリプトファン・プロモーターオペレーター及
びATG開始コドンと作用可能に連結されたりボゾーム
結合部位(DG141) 、又はAPLプロモーターを
含む配列及びATG開始コドンに作用可能に連結された
遺伝子N結合部位(i)PL N *5sATG)を有
する。これらの宿主ベクターのいずれか一方を盈acl
により制限酵素処理し、そしてKleno−又はS1ヌ
クレアーゼにより平滑末端化して、。Taqポリメラー
ゼ遺伝子を後で挿入するための便利な部位を作ることが
できる。
次の様にして、プラスミドpFC83及びpFC85に
サブクローニングされたDNA挿入フラグメントから完
全な長さのTaqポリメラーゼ遺伝子を造成した。ベク
ターBSM13° (ベクタークローニングシステムス
、サンジエゴ、CAから市販されている)をユニークH
indI[[部位において消化し、Klenow及びd
NTPにより修復し、そしてT4 DNAリガーゼを用
いて鉦■オクタヌクレオチドチドリン力−5’ −CA
GATCTG−3’に連結し、そしてE、コ1JDG9
8株に形質転換した。Amp”土匹Z&°形質転換体か
らプラスミドを単離した。クローンの1つを旦JLLI
[及び人且718により消化し、そして大ベクターフラ
グメントをゲル電気泳動により精製した。
次に、プラスミドpFC83を鉦■及びHindl[[
で消化し、そして約750bpのフラグメントを単離し
た。プラスミドpFC85をHindlII及び人■7
18で消化し、そして約2.8kbのフラグメントを単
離し、そして3片連結によりpFC83からの約750
bpの旦LLII−且ind IIIフラグメント及び
BSM13”のl旺■−人並718ベクターフラグメン
トと連結した。この連結混合物を用いてE、コリDG9
8株(i984年7月13日に寄託のATCC!1kL
39.768)を形質転換し、これからA醜pHコロニ
ーを選択し、そして約6.75kbのプラスミド(pL
sGl)を単離した。pLSG 1を含有するイソプロ
ピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)−誘導D
G9B細胞は、T、アクアチフスから単離された天然酵
素とはサイズを異にするTaq DNAポリメラーゼを
合成した。次に、プラスミドpLsGlを用いて、ベク
タークローニングシステムスにより推奨される方法に従
って単鎖DNA鋳型を形成することができる。
次に、オリゴヌクレオチド−指令変異誘発(Zolle
r及びSm1th、Nuc、Ac1ds Res、(i
982)10:6487−6500〕を用いてATG開
始コドンの部分としてkl制限部位を導入することがで
きる(Taqポリメラーゼ遺伝子のコード配列中の内部
Hind■部位のヒ流に)。同様にして、遺伝子のカル
ボキシ末端の後(A社718部位から約0.7kb上流
)にH■部位を導入して発現ベクターへのTaqポリメ
ラーゼ遺伝子のサブクローニングを容易にすることがで
きる。部位特定変異誘導を終った後、遺伝子をBSM1
3”から約3.2kbの旦吐I一旦5tEII制限フラ
グメント上に単離し、Kleno−フラグメント及び4
種類すべてのdNTPにより処理し、そしてT4ONA
リガーゼを用いて(平滑末端条件)、あらかじめ5ac
lで消化し、Kleno−及びdNTPにより修復しそ
してウシ腸ホスファターゼで処理して脱リン酸化平滑末
端を形成しておいた前記の発現ベクターに挿入すること
ができる。この連結混合物を用いてE、コリDG116
を形質転換し、そして得られる形質転換体をTaqポリ
メラーゼの産生についてスクリーニングする。酵素の発
現は、ウェスタンイムノプロット分析及び活性分析によ
り確認することができる。
プラスミドpFC85の約2.8kbの■ユnd m−
へ杼718フラグメント中に含有されるTaqポリメラ
ーゼ遺伝子のより大きな部分を、例えばプラスミドpP
t N *ms ATGを用いて、Taq 匹り遺伝子
をコードするアミノ−末端HindI[I制限部位をA
TG開始コドンに連結することにより、発現せしめるこ
とができる。この融合体の発現生成物は約66、000
〜68,000ドルトンの端が切り取られたポリメラー
ゼをもたらす。
この特定の造成は、プラスミドpFC85を且ind■
で消化し、そしてdATP 、 dGTP及びdCTP
(7)存在下でKleno@フラグメントで処理するこ
とにより行うことができる。生じたフラグメントを81
ヌクレアーゼでさらに処理することにより単鎖延長部を
除去し、そして生じたDNAをA1118で消化し、そ
して4種類すべてのdNTPの存在下でKlenowフ
ラグメントにより処理する。回収された断片を、T4D
NA リガーゼを用いて、あらかじめ5aclにより消
化しそしてdGTPの存在下でKleno−フラグメン
トで処理してA、TG平滑末端を形成しておいた脱リン
酸化プラスミドI)Pt N□3 ATGに連結するこ
とができる。次に、この連結混合物を用いてE。
コリDG116を形質転換し、そして形質転換体をTa
qポリメラーゼの産生についてスクリーニングする。や
はり、ウェスタンイムノプロット分析及び活性分析によ
り発現を確認することができる。
班i I盟 熱安定性ポリメラーゼは、後に記載する例に従って、テ
ルムス・アクアチクス(Thermus■翌u匹蛙の培
養物から直接精製することができ、あるいは粗抽出物の
調製において必要なわずかな変更を伴って、組換生産さ
れた酵素を含有する細菌培養物から精製することができ
る。
遠心分離により集菌した後、60gの細胞を50mM 
Tris−H(J  (pH8,1)及び1 m)’I
 EDT^を含有する緩衝液75−中に懸濁した。細胞
をフレンチプレス中で14,000〜16.000Ps
■にて溶菌し、この後4容積(300mffi)の追加
のTris −EDTAを加えた。緩衝液A(β−゛メ
ルカプトエタノールを5sMに、そしてNP −40及
びトウィーン20をそれぞれ0.5v/V%に)を添加
し、そしてこの溶液を冷却しながら十分に音波処理した
。得られる均質懸濁液を緩衝液Aによりさらに稀釈して
最終容量が出発細胞重量の7.5〜8倍となるようにし
た。これを画分lと称する。
画分I及び上清画分中のポリメラーゼ活性を、0.02
5M TAPS−HCj!  (pt19.2 、20
℃) 、0.002MMgCl z 、0.05MにC
j!、1mM2−メルカプトエタノール、0.2 mM
ずつのdGTP 、 dATP 、 TTP  、 0
.1 ddCTP−(α−”P 、 0.05Ci/m
M] 、12.5R″活性化されたゝサケ精子DNA及
び0.01〜0.2ユニツトのポリメラーゼ(i0mM
 Tris−HCj! 、 pH8,50mMMC6,
1■/−のオートクレーブされたゼラチン、0.5%N
P −40,0,5%トウィーン20及び111M 2
−メルカプトエタノール中に稀釈)を含んで成る50μ
lの混合物中で測定した。lユニットは30分間中10
nHの生成物に相当する。“活性化されたDNAは、D
NAの5%が酸可溶性画分に変るまでDNase Iに
より部分加水分解された後のDNAの天然調製物である
。反応を74℃にて10分間行い、そして次に4011
!を211MEDTA中50n/−のキりリヤーDNA
溶液1.0affi(0℃)中に移した。同容1(i,
0d)の20%TCA及び2%ピロリン酸ナトリウムを
加えた。0℃にて15〜20分間の後、サンプルをワッ
トマンGF/Cディスクを通して濾過し、そして冷5%
TCA−1%ビロリン酸塩により十分に洗浄し、次に冷
95%エタノールで洗浄し、そして乾燥し、計数した。
画分■を、ベックマンTl450−ター中で35.00
0rp+mにて2時間、2℃にて遠心し、そして集めた
上清を画分■とした。
活性の90〜95%を沈澱せしめるのに必要なポリミン
(Poln+in) Pの最少量(この量は一般に最終
容量の0.25〜0.3%であることが見出された)を
決定した後、ポリミンP (BRL、ガイセルブルグ、
MD)(IOV/V%、pH7,5に調整しそしてオー
トクレーブしたもの)によりTaqポリメラーゼ活性を
沈澱せしめた。
0℃にて15分間にわたり攪拌しながら、適当なレベル
のボリミンPを画分■に徐々に添加した。
この溶液を0℃にてベックマンJA140−ター中で2
0分間にわたり13.00Orpmにて遠心した。上清
の活性を測定し、そしてペレットを115容量の0.5
×緩衝液A(水で1:2に稀釈したもの)に再懸濁した
。この懸濁液を再遠心分離し、そしてペレットを1/4
容量の緩衝液A (0,4M MCl1を含有)に再懸
濁した。この懸濁液を十分にホモジナイズし、そして4
℃に一装置いた。このホモジネートを前記のように遠心
し、そして集めた上清を画分■と命名した。
蛋白質画分を硫酸アンモニウムの75%飽和での1沈澱
”により集め、遠心分離しく27.00Orpm、S−
270−ター、30分間)そして浮上した薄膜を50T
IIM Tris−11(J  (p)18) 、In
+M EDTA中に再懸濁した。これらの段階を反復し
、そして蛋白質懸濁液を8011!MKC1を含有する
P−cell緩衝液(20mMにPo4゜pl+ 7.
5.0.5mM EDTA 、 5mMβ−メルカプト
エタノール、5 w / v%グリセロール、0.5v
/v%NP−40及びトウィーン20〕により十分に透
析した。
透析物を遠心ビンに移し、これに、80mMにC1を含
有するP−celli衝液ですすがれたサックから回収
された蛋白質を加えた。遠心を20.000X gにて
行い、そして時間は15分間に・短縮した。上清を貯蔵
し、そして残ったペレットをP−cellll衝液及び
80mM K(J!により洗浄・抽出し、そして再遠心
した。次に上清を一緒にして画分■と命名した。
画分■を、80n+M KCI!を含有するP−cel
l緩衝液で平衡化したホスホセルロースの2.2 X 
22 C11lのカラムに適用した。このカラムを同じ
緩衝液で洗浄しくカラムの2.5〜3倍容量)、そして
P−cell緩衝液中80〜400mM KCl1の直
線グラジェントを用いて蛋白質を溶出した。DNAポリ
メラーゼ活性を含有する両分(約0.18〜0.20M
 KCl)をプールし、そしてアミコン攪拌セル及びY
M30膜上で3〜4倍濃縮した。このセルを、KClを
含有しないP−cell緩衝液ですすぎ、そして両分濃
縮物(0,15MKCf最終容量調整)に加えて画分■
とした。
画分■を、P−cellll衝液及び0.15M K(
Jで平衡化したうバリン・セファロースCL −6Bカ
ラム(ファルマシア)51dに適用した。カラムを0.
15M KC1緩衝液(3〜4カラム容量)により洗浄
し、そしてP−cell緩衝液中0.15〜0.65M
 KC4’の直線グラジェントにより蛋白質を溶出した
。5OS−PAEG分析のためにゼラチンを含まない稀
釈剤への1:10稀釈を行い、そして酵素の測定に使用
するため1■/−のゼラチンを含有する稀釈剤への引続
いての1:20稀釈を行った。活性画分(約0.3M 
KClで溶出)を、スーパーコイルDNA鋳型上で特異
的及び非特異的エンドヌクレアーゼ/トポイソメラーゼ
について、過剰のDNAポリメラーゼと共にインキュベ
ートした後のスーパーコイルプラスミドDNAの分子量
の変化を電気泳動により検出することによって測定した
。少量の線状DNAフラグメントとのインキュベーショ
ンの後エキソヌクレアーゼの汚染が検出された。ピーク
画分中、約88kd蛋白質が主たるバンドであることが
見出された。画分■と称する主要画分は、このプールを
約3〜5ポリメラーゼユニツト/600ng ON八で
55℃にて30分間測定した場合、最少の検出可能なエ
ンドヌクレアーゼ活性を伴って最高のポリメラーゼ活性
を有していた。
画分■を、10mM KPO4(+)H7,5) 、5
o+Mβ−メルカプトエタノール、5%グリセロール、
0.2%NP −40及び0.2%トウィーン20(H
A緩衝液)に対して透析した。この透析されたサンプル
を、ヒドロキシアパタイトの3 mlOカラムに通用し
、そしてHA緩衝液中10〜250++M KPOa 
(ptl 7.5 )の直線グラジェントにより酵素を
溶出した。ポリメラーゼ活性は75mM KPO4にお
いて溶出し始め、100mM PO4においてピークを
示した。活性ピーク画分を1 :100−1 :300
稀釈で測定した。前のクロマトグラフィ一段階における
ように、5OS−PAGE分析のため、ゼラチンを含ま
ない稀釈剤中1:10の稀釈物を調製した。5ポリメラ
ーゼユニツトで55℃において有意なエンドヌクレアー
ゼ又は二本鎖エキソヌクレアーゼ活性を有しない両分を
プールし、そして百分■と命名した。
画分■を、251酢酸ナトリウム(ptl 5.2 )
、5%グリセロール、5mMβ−メルカプトエタノール
、0.1 mM EDTA、0.1%NP −40及び
0.1%トウィーン20の溶液に対して透析し、室温に
おいてpH5に調整した。透析されたサンプルを、あら
かじめ平衡化した2−のDEAE−Tris−Acry
l−M(LKB)カラムに適用し、そして次に同じ緩衝
液で洗浄した。
カラムに付着しなかったポリメラーゼ活性を含有する両
分をプールし、そして同じ緩衝液中50mMNa(4に
調整し、画分■を得た。
画分■を、同じ緩衝液(25mM酢酸ナトリウム、50
mM NaC1,5%グリセロール、0.1 mM E
DTA 。
0.1%NP −40及び0.1%トウィーン20)で
平衡化された2−のCM−Tris−Acryl−M(
LKB)カラムに適用した。このカラムを、4〜5カラ
ム容量の同じ緩衝液で洗浄し、そして酵素を酢酸ナトリ
ウム緩衝液中50〜400mM NaCβの直線グラジ
ェントにより溶出した。ポリメラーゼ活性のピークは約
0.15〜0.20M  NaC1においてン容出され
た。ポリメラーゼ活性を、5OS−PAGE分析のため
ゼラチンを含有しない稀釈剤中にまず1:10で稀釈し
、1:300〜1’ : 500稀釈において測定した
。74℃にてDNAポリメラーゼア・ノセイ塩(25m
M TAPS−HCI。
pH9,4,2,0mM MgC1z及び50mM K
Cl)を用いて特異的及び非特異的エンドヌクレアーゼ
/トポイソメラーゼについてスーパーコイルDNA鋳型
に対する活性ピークにわたる測定を行い、さらにM13
ssDNA及びpBR322フラグメントに対するヌク
レアーゼの測定も行った。検出可能なヌクレアーゼを含
有しない活性画分をプールし、そして銀染色5DS−P
AGEミニゲル上を泳動せしめた。この結果は、約25
0.000ユニツト/■の比活性を有する約88kdの
単一バンドを示す。
氾 例6に記載したようにして精製されたTaqポリメラー
ゼは、Taqエンドヌクレアーゼ活性及びTaqエキソ
ヌクレアーゼ活性により汚染されていないことが見出さ
れた。さらに、Taqポリメラーゼは好ましくは、使用
される各非イオン性洗剤約0.1〜約0.5V/V%を
含有する貯蔵緩衝液中に貯蔵される。さらに好ましくは
、貯蔵緩衝液は50 v/v%グリセロール、100+
+M KCl、20mM Tris−HCJ  (pH
8,0) 、0.1 mMエチレンジアミン四酢酸(E
DTA) 、1 mMジチオスレイトール、0.5V/
V%NP−40,0,5v/v%トウィーン20及び2
0n/dゼラチンからなり、そして好ましくは一20℃
で貯蔵される。
この貯蔵されたTaqポリメラーゼを、25mMTri
s −HCI  (pHs、 0 )、20mM MC
I!、In+Mβ−メルカプトエタノール、0.5%N
P −40,0,5%トウィーン20及び500n/−
ゼラチンから成る緩衝液に稀釈した。次に、50mM 
KIJ % 10mM Tris−H(J  (al1
8.3)  、1.5mM MgC1z  、0.01
w/ v%ゼラチン、200声ずつのdNTP、 1m
ずつのプライマー(バクテリオファージλからの対照鋳
型上の500塩基対の標的配列を定義する)、及び2.
0〜2.5ユニツトのTaqポリメラーゼ/1測定を1
00μlの最終容量中に含有する反応緩衝液を調製した
。この反応緩衝液に鋳型を添加し、サンプルを0.5 
dのポリプロピレンチューブに入れ、そしてサンプルを
100mの重白色鉱油で覆って蒸発を防止した。
lngの対照鋳型(バクテリオファージλDNA)を使
用し、標的配列がDNAの出発量の約1%を占め、次の
条件を用いた場合、少なくとも10’倍の増幅が達成さ
れた。
チューブを熱浴中に置くことにより94℃にて30秒間
、1分間にわたり鋳型混合物をまず変性した。次に、チ
ューブを37℃の熱浴に2分間入れた。次に、チューブ
を72℃の熱浴に3分間入れ、そして次に94℃の熱浴
に1分間入れた。このサンプルを合計25サイクル反復
した。25回目のサイクルの終りにおいて、94℃にお
ける熱変性段階を省略し、そしてその代りに、72℃の
インキュベーション段階をさらに3分間延長した。
測定を停止した後、サンプルを室温に放冷し、そして先
行例において記載したようにして分析した。
異る濃度のdNTP及び異る濃度のTaqポリメラーゼ
を用いて、鋳型を最適に増幅することができよう。さら
に、DNAサンプル中の標的配列のサイズは、適切な伸
長く72℃でのインキュベーション段階)のために必要
な最短時間に影響を与えるであろう。最大の効率を得る
ため、増幅されるべき個々の鋳型について温度サイクル
プロフィールの最適化を行うべきである。
貫主 例1に記載したようにして精製したTaqポリメラーゼ
を先行する例において記載したようにして貯蔵のために
製剤化した。但し、非イオン性ポリマー洗剤を使用しな
かった。その例において記載したようにして活性を測定
した場合、この酵素貯蔵混合物は不活性であることが見
出された。貯蔵緩衝液にNP −20及びトウィーン2
oを添加した場合、十分な酵素活性が保存されており、
酵素製剤の安定のために非イオン性洗剤が必要であるこ
とが示された。
劃」ユ ヒトゲノムDNAの1nのサンプル数個を、同等のユニ
ット数のKlenowフラグメント又はTaqポリメラ
ーゼを用いて、例5に記載したようにして20〜35サ
イクルの増幅に付し、そしてアガロースゲル電気泳動及
びサザンプロットにより分析した。これらの反応におい
て使用されたプライマーPCO3及びPCO4はヒトβ
−グロビン遺伝子の110bpセグメントの合成を指令
する。Klenowポリメラーゼ増幅は、この酵素を用
いる場合に典型的に観察されるDNAの汚れ(smea
r)を示し、その予想される原因は非特異的アニーリン
グ、及び本質的に非−ストリンジェントなハイブリダイ
ゼーション条件(I XK1enow塩、37℃)下で
の無関係のゲノム配列へのプライマーの伸長である。そ
れにもかかわらず、サザンプロットにおいて、すべての
レーンで特異的110bpβ−グロービン標的フラグメ
ントが観察された。Taqポリメラーゼを用いて行われ
た増幅において実質的に異る電気泳動パターンが見られ
、この場合、単一の主要バンドは110bp標的配列で
ある。この顕著な特異性は疑いなくプライマーが伸長さ
れた時の温度によるものであった。
Klenowフラグメント増幅の場合のように、アニー
リング段階は37℃で行われたが、Taq−触媒反応の
温度を約70℃に上昇せしめた後に酵素は有意な活性を
示した。37℃から70℃へのこの変温の間、貧弱にマ
ツチしたプライマー−鋳型バイブリド(37℃で形成さ
れる)が解離し、反応混合物が酵素活性化温度に達する
時点までに、高度に相補的な基質のみが伸長のために利
用可能であった。この特異性はまた、Kleno−フラ
グメントを用いて行われる同様の増幅に比べて高収量の
標的配列をもたらす。なぜなら、非特異的伸長生成物が
ポリメラーゼに関して効果的に競争し、これによりKl
eno−フラグメントにより作られ得る110−マーの
量が減少するからである。
貫上見 1 n Mo1t4DNA 、  501nM KCj
! 、10mM Tris(pH8、3) 、10mM
 MgCI!z 、0.01%ゼラチン、1犀ずつの次
のプライマー(i50bpe!域を増幅するためのもの
): 5 ’ −CATGCCTCTTTGCACCATTC
−3’ (RS79)及び 5 ’ −TGGTAGCTGGATTGTAGCTG
−3’ (R380)1、5 mMずつのdNTP及び
5.0ニー1−7トのTaqポリメラーゼを100μl
の反応容量当りに含有するサンプルの増幅を行った。2
.5.1.3、又は0.6ユニー/ トのTaqポリメ
ラーゼを含有する3個の追加のサンプルをAm Nした
。次のサイ・クルを用いて前記の温度サイクル機中で3
0サイクルの増幅を行った。
1分間にわたり70℃から98℃に加熱し;98℃にて
1分間保持し; 1分間にわたり98℃から35℃、45℃又は55℃に
冷却し; 35℃、45℃又は55℃に1分間保持し;1分間にわ
たり35℃、45℃又は55℃から70℃に加熱し;そ
して 70℃に30秒間保持する。
35℃のアニーリング温度において、2.5ユニツト/
100J11のTaq酵素稀釈物が、アガロースゲル電
気泳動において、他のすべてのTaqポリメラーゼ濃度
に比べて最良のシグナル:ノイズ比を与える。45℃に
おいては、5ユニツト/100μlのTaq酵素が、他
の濃度に比べて最良のシグナル:ノイズ比を与える。5
5℃においては、5ユニツト/100u1のTaq酵素
が、他の濃度及び45℃でのアニーリングに比べて最良
のシグナル:ノイズ比、及び改良された収量を与える。
Taqポリメラーゼは55℃において一層特異性が高く
、そして一層好収量を与える。
別の実験において、Mol t 4 ONAを、ヒユー
マン・ゼネティフク・ミュータント・セル・デポジトリ
−(Human Genetic Mutant Ce
1l Depository) %カムデン、ニューシ
ャーシーから得られるβ−又はT−グロビン配列を含有
するセルラインGM2064DNAに10倍ごとに、細
胞当りのコピーの相違を代表する種々の濃度で稀釈し、
そしてこれらのサンプルについて、35℃及び55℃の
アニーリング温度においてこの例において記載したよう
にして増幅を行った。35℃において、アガロースゲル
電気泳動により見ることができる最良のものは50細胞
中1コピーであった。55℃においては、見られる最良
のものは1 / 5.000細胞(低温に比べて100
倍の改良)であり、これらの条件下でのTaqポリメラ
ーゼの特異性のためには上昇したアニーリング温度が重
要であることが示された。
第三の実験において、ニューヨーク、シラクスのB、P
o1esz州立大学から得られるHIV−陽性DNAを
含有するセルライン368HからのDNAを同様にして
、SCIセルライン(i9B5年3月19日にATCC
に寄託されている;鎌形赤血球対立遺伝子についてホモ
接合性でありそしてHIV配列をすべて欠いているEB
V−形質転換されたβ−セルライン)からのDNAに、
細胞当りのコピーの相違を代表する種々の濃度で稀釈し
、そしてH1■配列の115bp領域を増幅するプライ
マー5K38及び5K39 : 5′〜ATAATCCACCTATCCCAGTAGG
AGAAAT−3’ (SK38)及び 5 ’ −TTTGGTCCTTGTCTTATGTC
CAGAATGC−3’ (SK39)を用いて、35
℃及び55℃のアニーリング温度において、この例に記
載したようにして増幅を行アガロースゲル電気泳動によ
る結果が示すところによれば、35℃のアニーリング温
度においては未稀釈の368Hサンプルのみが検出され
たが、55℃のアニーリング温度によれば少なくとも1
0−2稀釈を検出することができ、検出における100
倍の改良が与えられた。
劃」」よ 11のラビット網状赤血球mRNA (ベセスダ・リサ
ーチ・ラボラドリース)から、cDNAを、150++
+MKtJ  、  50mM  Tris−H(J 
  (pH8,3)  、 10mM  MgCf 2
  、5mM DTT、0.5mM dATP  、0
.5mM dCTP  、0.5mMTTP 、 0.
5 mM dGTP 、 0.2 ugオリゴ(dT)
 12−18(ファルコシア)、40ユニツトRNas
in (プロメガ・バイオチック)及び5ユニツトのA
MV逆転写酵素を含有する100 IJlの反応容量中
で作り、そして42℃にて30分間インキュベートした
95℃にて10分間加熱することにより反応を停止した
。2nのRNase (水中2■/−の溶液2μりをサ
ンプルに加え、そして37℃にてlO分間インキュベー
[・シた。
異る対のプライマーを用いて、Kleno−フラグメン
トにより3回の増幅反応を行った。プライマーPCO3
/PCO4は110bpの生成物を定義する。プライマ
一対R545/オリゴ(dT)25−30は約370b
pの生成物を定義し、そしてブライマ一対PCO3/オ
リゴ(dT) 25−30は約600bpの生成物を定
義する。PCO3゜PCO4、及びR545はヒトβ−
グロビン遺伝子に対して相補的であり、そしてラビット
遺伝子との間に2個のミスマツチを有する。PCO3及
びPCO4は例1に記載されている。R545は配列:
5 ’ −C^・AGAAGGTGCT八GGTGCC
−へ ’を有する。
増幅反応は、50mM Na(J! 、10mM Tr
is−11(J  (pit7、6 ) 、10mM 
MgC1、,200g/−ゼラチン、10%DMSO1
1囲PCO3又はR345,1d PCO4又はオリゴ
(dT) 25−30.1.5 mM dATP 、1
.5 mal dcTP。
1、5 n+M TTP及び1.5 mM dGTPを
含有する100mの反応容量中で、前記のcDNAの1
/20(5μりを用いて行った。サンプルを98℃にて
5分間加熱し、次に室温に冷却し、そして100βの鉱
油を重層した。
このサンプルを、例1に記載した機械を用いてそして次
のプログラムを用いて、10サイクルの増幅に付した。
1)加熱ブロック中で2.5分間にわたり37℃から9
8℃に加熱しく変性); 2)3.0分間にわたって98℃から37℃に冷却しく
アニール): 3)1ユニツトのKleno賀断片を添加し;そして4
)37℃にて20分間保持した(伸長)。
各サンプルの1/20(7μりを2%アガロースゲル上
での電気泳動により分析した。臭化エチジウムにより染
色した後、PCO3/PCO4サンプル及び1’1s4
5/オリゴ(dT)サンプル中に異るバンドが見られた
。バンドのサイズは予想した長さと一致した。
すなわち、前者については110bpであり、後者につ
いては約370bpであった。PCO3/オリゴ(dT
)プライマ一対による約600bpフラグメントの増幅
の証拠はなかった。
ゲルの内容物をゲナントラン(Genantran)ナ
イロン膜にサザンブロッティングし、そして標準的方法
により5aiki等、5cience 、前掲、に記載
されているニックトランスレーションされたヒトβ−グ
ロビンプローブpBR328:βAとハイブリダイズせ
しめた。得られたオートラジオグラムは前に達した結論
を拡張した。すなわち、ttobp及び約370bpの
フラグメントはβ−グロビン特異的増幅生成物であり、
そして約eoobpバンドの有意な増幅は検出されなか
った。
3個の追加のサンプルを、上記の様にして得られたTa
qポリメラーゼにより、前記と同じプライマ一対を用い
て増幅した。cDNAの5回1部分を、501M KC
j! 、 25mM Tris−HC4(pH8,0)
 、IO+MMgCj!z、20On/−ゼラチン、1
0%DMSO11囲PC03又はR545,1オPCO
4又はオリゴ(dT)25−30゜1、5mM dAT
P 、 1.5mM dCTP 、 1.5mM TT
P及び1、5 mM dGTPを含有する100mの反
応容量中で増幅した。サンプルを98℃にて5分間加熱
し、そして室温に冷却した。1dのTaqポリメラーゼ
(ロット2の1/8稀釈物)をそれぞれに加え、そして
約100Iの鉱油を重層した。
このサンプルを、次のプログラムを用いて前に記載した
ベリティール(Peltier)の装置中で9サイクル
の増幅に付した。
1)1分間にわたり35℃から60℃に加熱し:2)1
2分間にわたり60℃から75℃に加熱しく伸長); 3)1分間にわたり70℃から95℃に加熱しく変性)
; 4)95℃に30秒間浸漬し; 5)1分間にわたり95℃から35℃に冷却し(アニー
ル):そして 6)35℃にて30秒間浸漬した。
最後のサイクルの後、サンプルをさらに10分間70℃
にてインキュベートすることにより最終<10サイクル
目)伸長を完結した。それぞれの最終容量は約100μ
!であった。
前記のごとく、各サンプルの1/20(i0uりを2%
アガロースゲル上で分析した。このゲル中で、増幅生成
物は3個のサンプルすべてに存在した。すなわち、PC
O3/PCO4については110bp、R545/オリ
ゴ(dT)については約370bp、そしてPCO3/
オリゴ(dT)については約600bpであった。
これらの結果は、サザン移行及びpBR328:βAプ
ローブとのハイブリダイゼーションにより確認された。
Klenowフラグメントによってではな(Taqポリ
メラーゼによる600bp生成物の生成は有意であり、
そしてTaqポリメラーゼがKlenowフラグメント
より一層長いDNAを生成せしめることができることを
示唆する。
下記のバタテリオファージ及び細菌株がシタス・マスタ
ー・カルチエア・コレクション(cetusMaste
r Cu1ture CollCo11ection)
(c、米国カリホルニア、エメリービル、 1400.
53ストリート、及びアメリカン・タイプ・カルチエア
・コレクション(ATCC)、米国マリ−ランド、ロッ
クビル、 12301パークラウンドライブ、に寄託さ
れた。これらの寄託は、特許手続のための微生物の寄託
の国際的承認についてのブタペスト条約及びそれに基く
規則(ブタペスト条約)の規定のもとに行われた。
これは、寄託の日から30年間にわたる生存培養物の維
持を保証する。これらの微生物はブタペスト条約の規定
のもとにATCCにより入手可能にされ、そして関連す
る米国特許の発行の後の無限定の入手可能性を保証する
本件出願人とATCCとの契約に従って入手可能にされ
るであろう。寄託された微生物の入手可能性は、いずれ
かの政府の権威のもとにその特許法に従って認められた
権利に反してこの発明を実施することの許諾であると解
してはならない。
微生物    CMCC尚 ATCC阻   寄託日C
ll35:Taq#4−2   3125 40.33
6 1987年5月29日E、コリDG98/pFC8
3312867,4211987年5月29日E、コリ
DG98/pFC85312767,4221987年
5月29日要約すれば、この発明は、温度サイクル連鎖
反応及び熱安定酵素を用いる、1又は複数の特定の核酸
配列を増幅するための方法を提供し、この方法において
は次のプライマー伸長反応のための鋳型として機能し得
る反応プライマー伸長生成物が生成される。この方法は
、最初に非常に少量のみ存在する核酸配列を検出する場
合、及び配列特異的オリゴヌクレオチドを用いてヌクレ
オチド変化を検出する場合に特に有用である。
この発明の方法は、増幅された・生成物の収量の増加、
より高い特異性、及び増幅方法を行うのに必要な、従来
開示されていたのよりも少ない段階を提供する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、プラスミドBSM13”中にサブクローニン
グされた約4.5kbのHind m 1.アクアチク
スDNA挿入部を含有するプラスミドpFC83の制限
地図である。 第2図は、プラスミドBSM13”中にサブクローニン
グされた約2.8kbの且ind m −Asp718
 T、アクアチクスDNA挿入部を含有するプラスミド
pFC85の制限地図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、核酸の鋳型鎖に相補的な核酸鎖を形成するためヌク
    レオチドトリホスフェートの結合を触媒する、精製され
    た熱的に安定な酵素。 2、DNAポリメラーゼである、特許請求の範囲第1項
    記載の酵素。 3、約86,000〜90,000ダルトンの分子量を
    有する、特許請求の範囲第1項または第2項記載の酵素
    。 4、テルムス・アクアチクス(Thermus aqu
    a−ticus)に由来する、特許請求の範囲第3項記
    載の酵素。 5、pH6.4では、pH8.0の活性の少なくとも5
    0%の活性を有する、特許請求の範囲第1項〜第4項の
    いずれか1項記載の酵素。 6、天然の形体である特許請求の範囲第1項〜第5項の
    いずれか1項記載の酵素。 7、特許請求の範囲第2項記載の酵素をコード化する遺
    伝子。 8、テルムス・アクアチクス(Thermus aqu
    a−ticus)のゲノムからクローン化された、特許
    請求の範囲第7項記載の遺伝子。 9、分子量が約86,000〜90,000ダルトンで
    ある酵素をコード化する、特許請求の範囲第8項記載の
    遺伝子。 10、分子量が約60,000〜65,000ダルトン
    である酵素をコード化する、特許請求の範囲第8項記載
    の遺伝子。 11、テルムス・アクアチクス(Thermus aq
    ua−ticus)またはバクテリオファージCH35
    :Taq#4−2のいずれかの約3.5kbのBglI
    I−Asp718(部分)制限フラグメント内に含まれ
    る、特許請求の範囲第9項記載の遺伝子。 12、テルムス・アクアチクス(Thermus aq
    ua−ticus)のゲノムまたはプラスミドpFC8
    5のいずれかの約2.8kbのHind III−Asp
    718制限フラグメント内に含まれる、特許請求の範囲
    第10項記載の遺伝子。 13、pFC85またはpFC83から選択されるプラ
    スミド。 14、バクテリオファージCH35;Taq#4−2。 15、1種以上の非イオン性のポリマー性洗剤を含んで
    成る緩衝液中に特許請求の範囲第1項〜第6項のいずれ
    か1項記載の酵素を含有する安定な酵素組成物。 16、洗剤がそれぞれ全組成物の約0.1%〜約0.5
    %(容積/容積)の濃度で存在する、特許請求の範囲第
    15項記載の組成物。 17、洗剤がポリオキシエチル化ソルビタンモノラウレ
    ートおよびエトキシル化ノニルフェノールである、特許
    請求の範囲第15項または第16項記載の組成物。 18、緩衝液がグリセロール、Tris−HCl、(p
    H8.0)エチレンジアミン四酢酸、ジチオスレイトー
    ル、ポリオキシエチル化ソルビタンモノラウレート、エ
    トキシル化ノニルフェノールおよびゼラチンを含んで成
    る、特許請求の範囲第15項〜第17項のいずれか1項
    記載の組成物。 19、核酸または核酸の混合物に含まれる少なくとも1
    種の特定の核酸配列を増幅する方法であって、核酸が二
    本鎖である時には、この核酸が同じまたは異なる長さの
    2本の別々の相補的鎖からなり、 (a)それぞれの核酸鎖を、4個の異なるヌクレオチド
    トリホスフェートと、増幅されるべきそれぞれの異なる
    特定の配列について1個のオリゴヌクレオチドプライマ
    ーとに接触させ、但しそれぞれのプライマーはそれぞれ
    の特定の配列の異なる鎖に実質的に相補的になるように
    選択され、こうして1個のプライマーから合成された伸
    長生成物がその相補体から分離したとき、他のプライマ
    ーの伸長生成物の合成の鋳型として働くことができるよ
    うにし、上記接触を、それぞれのプライマーのその相補
    的核酸鎖へのハイブリダイゼーションを促進する温度で
    行い; (b)それぞれの核酸鎖を、工程(a)と同時にまたは
    この工程の後にヌクレオチドトリホスフェートの結合を
    触媒する熱安定酵素と接触させて、それぞれの核酸のそ
    れぞれの鎖に相補的なプライマー伸長生成物を形成し; (c)酵素の活性を促進させ、そして増幅されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、それぞれの核酸鎖鋳型に
    相補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成する
    ためには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成
    物をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温
    度において、有効な時間にわたり、工程(b)からの混
    合物を保持し; (d)プライマー伸長生成物がその上で合成された鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるがしかし酵素を
    不可逆的に変性させる程の高温ではない温度において、
    有効な時間にわたり、工程(c)からの混合物を加熱し
    ; (e)工程(d)からの混合物を、工程(d)で産生さ
    れた一本鎖分子のそれぞれへのそれぞれのプライマーの
    ハイブリダイゼーションを促進するために有効な温度に
    まで冷却し;そして (f)酵素の活性を促進させ、そして増幅されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、工程(d)で産生された
    それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプライマー
    の伸長生成物を合成するためには有効な温度であるがし
    かしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型から分離
    する程の高温ではない温度において、有効な時間にわた
    り、工程(b)からの混合物を保持し、工程(e)およ
    び(f)を同時にまたは順次に行うことを特徴とする方
    法。 20、核酸または核酸の混合物に含まれる少なくとも1
    種の特定の核酸配列を増幅する方法であって、この核酸
    が同じまたは異なる長さの2本の別々の相補的鎖からな
    り、 (a)それぞれの核酸を、4個の異なるヌクレオチドト
    リホスフェート及び増幅されるべきそれぞれの異なる特
    定の配列についての1個のオリゴヌクレオチドプライマ
    ーの存在下で、それぞれの核酸を変性するのに有効な時
    間にわたり有効な温度において加熱し、但しそれぞれの
    プライマーはそれぞれの特定の配列の異なる鎖に実質的
    に相補的になるように選択され、こうして1個のプライ
    マーから合成された伸長生成物がその相補体から分離し
    たとき、他のプライマーの伸長生成物の合成の鋳型とし
    て働くことができるようにし; (b)変性した核酸を、それぞれのプライマーのその相
    補的な核酸鎖へのハイブリダイゼーションを促進する温
    度に冷却し; (c)工程(a)または(b)と同時にまたはその後に
    、変性した核酸を、ヌクレオチドトリホスフェートの結
    合が可能であって、それぞれの核酸のそれぞれの鎖に相
    補的なプライマー伸長生成物を形成させることができる
    熱安定酵素と接触させ; (d)酵素の活性を促進させ、そして増幅されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、それぞれの核酸鎖鋳型に
    相補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成する
    ためには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成
    物をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温
    度において、有効な時間にわたり、工程(c)からの混
    合物を保持し; (e)プライマー伸長生成物がその上に合成された鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるがしかし酵素を
    不可逆的に変性させる程の高温ではない温度において、
    有効な時間にわたり、工程(d)からの混合物を加熱し
    ; (f)工程(e)からの混合物を、工程(e)で産生さ
    れた一本鎖分子へのプライマーのハイブリダイゼーショ
    ンを促進するために有効な時間にわたり有効な温度に冷
    却し;そして (g)酵素の活性を促進させ、そして増幅されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、工程(f)で産生された
    それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプライマー
    の伸長生成物を合成するためには有効な温度であるがし
    かしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型から分離
    する程の高温ではない温度において、有効な時間にわた
    り、工程(f)からの混合物を保持し、工程(f)およ
    び(g)を同時にまたは順次に行うことを特徴とする方
    法。 21、核酸または核酸の混合物を含む試料中の少なくと
    も1種の特定の核酸配列の存在または不在を検出し、ま
    たは上記試料中の2種の異なる配列を識別する方法であ
    って、該試料は上記1または複数の配列を含むものと予
    想されるものであり、且つ該1または複数の核酸が二本
    鎖である時には、それらはそれぞれ、等しいまたは等し
    くない長さの2本の分離された相補的鎖からなり、 (a)上記試料を、検出されるべきそれぞれの異なる特
    定の配列について、4個の異なるヌクレオチドトリホス
    フェートと、1個のオリゴヌクレオチドプライマーとに
    接触させ、但しそれぞれのプライマーはそれぞれの特定
    の配列の異なる鎖に実質的に相補的になるように選択さ
    れ、こうして1個のプライマーから合成された伸長生成
    物が、その相補体から分離したとき、他のプライマーの
    伸長生成物の合成の鋳型として働くことができるように
    し、上記接触を、それぞれのプライマーのその相補的核
    酸鎖へのハイブリダイゼーションを促進する温度で行い
    ; (b)それぞれの核酸鎖を、工程(a)と同時にまたは
    この工程の後に、ヌクレオチドトリホスフェートの結合
    を触媒する熱安定酵素と接触させて、それぞれの核酸の
    それぞれの鎖に相補的なプライマー伸長生成物を形成し
    ; (c)酵素の活性を促進させ、そして検出されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、それぞれの核酸鎖鋳型に
    相補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成する
    ためには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成
    物をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温
    度において、有効な時間にわたり、工程(b)からの混
    合物を保持し; (d)プライマー伸長生成物がその上で合成された鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるが熱安定酵素を
    不可逆的に変性させる程の高温ではない温度において、
    有効な時間にわたり、工程(c)からの混合物を加熱し
    ; (e)工程(d)からの混合物を、工程(d)で産生さ
    れた一本鎖分子へのそれぞれのプライマーのハイブリダ
    イゼーションを促進するために有効な時間にわたり、有
    効な温度に冷却し; (f)酵素の活性を促進させ、そして検出されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、それぞれの核酸鎮鋳型に
    相補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成する
    ためには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成
    物をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温
    度において、有効な時間にわたり、工程(e)からの混
    合物を保持し、こうして特定の1つの核酸配列または、
    存在するならば、複数の核酸配列の量を増幅させ、工程
    (e)および(f)を同時にまたは順次に行い; (g)工程(f)の生成物に、上記配列へのまたはその
    変異体へのハイブリダイゼーションが可能な検出される
    べきそれぞれの配列のための標識したオリゴヌクレオチ
    ドプローブを加え;そして (h)上記ハイブリダイゼーションが起こったか否かを
    決定することを特徴とする方法。 22、核酸または核酸の混合物を含む試料中の少なくと
    も1種の特定の核酸配列の存在または不在を検出し、ま
    たは上記試料中の2種の異なる配列を識別する方法であ
    って、該試料は上記1または複数の配列を含むものと予
    想されるものであり、そして該1又は複数の核酸が二本
    鎖であり、 (a)試料を、検出されるべきそれぞれの異なる特定の
    配列について、4個の異なるヌクレオチドトリホスフェ
    ート及び1個のオリゴヌクレオチドプライマーの存在下
    で、試料中のそれぞれの核酸を変性するのに有効な時間
    にわたり、有効な温度で加熱し、但しそれぞれのプライ
    マーはそれぞれの特定の配列の異なる鎖に実質的に相補
    的になるように選択され、こうして1個のプライマーか
    ら合成された伸長生成物がその相補体から分離したとき
    、他のプライマーの伸長生成物の合成の鋳型として働く
    ことができるようにし; (b)変性した核酸を、それぞれのプライマーのその相
    補的な核酸配列へのハイブリダイゼーションを促進する
    温度に冷却し; (c)工程(a)または(b)と同時にまたはその後に
    、変性した核酸を、ヌクレオチドトリホスフェートの結
    合を触媒してそれぞれの核酸のそれぞれの鎖に相補的な
    プライマー伸長生成物を形成させることができる熱安定
    酵素と接触させ; (d)酵素の活性を促進させ、そして検出されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、それぞれの核酸鎖鋳型に
    相補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成する
    ためには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成
    物をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温
    度において、有効な時間にわたり、工程(c)からの混
    合物を保持し; (e)プライマー伸長生成物がその上で合成された鋳型
    からプライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生成
    せしめるためには有効な温度ではあるが酵素を不可逆的
    に変性させる程の高温ではない温度において、有効な時
    間にわたり、工程(d)からの混合物を加熱し; (f)工程(e)からの混合物を、工程(e)で産生さ
    れる一本鎖分子へそれぞれのプライマーのハイブリダイ
    ゼーションを促進するために有効な時間にわたり有効な
    温度に冷却し; (g)酵素の活性を促進させ、そして検出されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、それぞれの核酸鎖鋳型に
    相補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成する
    ためには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成
    物をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温
    度において、有効な時間にわたり、工程(f)からの混
    合物を保持し、こうして特定の1つの核酸配列または、
    存在するならば、複数の核酸配列の量を増幅させ、工程
    (f)および(g)を同時にまたは順次に行い; (h)工程(g)の生成物に、上記配列へのまたはその
    変異体へのハイブリダイゼーションが可能な検出される
    べきそれぞれの配列のための標識したオリゴヌクレオチ
    ドプローブを加え;そして (i)上記ハイブリダイゼーションが起こったか否かを
    決定することを特徴とする方法。 23、試料中に含まれる1種又は複数種の核酸中の、少
    なくとも1つのヌクレオチド配列の変化の存在または不
    存在を検出する方法であって、該核酸が二重鎖である時
    には、それはそれぞれ、等しいまたは等しくない長さの
    2本の分離された相補的鎖からなり、 (a)上記試料を、上記変化を含むものと予想されるそ
    れぞれの核酸のそれぞれの鎖について、4個の異なるヌ
    クレオチドトリホスフェートと1個のオリゴヌクレオチ
    ドプライマーとに接触させ、但しそれぞれのプライマー
    はそれぞれの特定の配列の異なる鎖に実質的に相補的に
    なるように選択され、1個のプライマーから合成された
    伸長生成物が、その相補体から分離したとき、他のプラ
    イマーの伸長生成物の合成の鋳型として働くことができ
    るようにし、上記接触を、それぞれのプライマーのその
    相補的核酸鎖へのハイブリダイゼーションを促進する温
    度で行い; (b)試料を、工程(a)と同時にまたはこの工程の後
    に、ヌクレオチドトリホスフェートの結合を触媒する熱
    安定酵素と接触させて、それぞれの核酸のそれぞれの鎖
    に相補的なプライマー伸長生成物を形成し; (c)酵素の活性を促進させ、そして上記1又は複数の
    変化を含むものと予想されるそれぞれの異なる核酸につ
    いて、それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプラ
    イマーの伸長生成物を合成するためには有効な温度であ
    るがしかしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型か
    ら分離する程の高温ではない温度において、有効な時間
    にわたり、工程(b)からの混合物を保持し; (d)プライマー伸長生成物がその上で合成された鋳型
    からプライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生成
    せしめるためには有効な温度ではあるがしかし熱安定酵
    素を不可逆的に変性させる程の高温ではない温度におい
    て、有効な時間にわたり、工程(c)からの混合物を加
    熱し; (e)工程(d)からの混合物を、工程(d)で産生さ
    れた一本鎖分子へのそれぞれのプライマーのハイブリダ
    イゼーションを促進するために有効な時間にわたり有効
    な温度に冷却し; (f)酵素の活性を促進させ、そして上記1又は複数の
    変化を含むものと予想されるそれぞれの異なる核酸につ
    いて、それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプラ
    イマーの伸長生成物を合成するためには有効な温度であ
    るがしかしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型か
    ら分離する程の高温ではない温度において、有効な時間
    にわたり、工程(e)からの混合物を保持し、1又は複
    数の配列変化が存在するときには、これらを含む核酸の
    検出可能な増幅を得るのに十分な回数だけ、工程(d)
    、(e)および(f)を繰り返し、そして工程(e)と
    (f)は同時にまたは順次に行い; (g)工程(f)の生成物を膜に固定し、 (h)プローブの配列が増幅された配列の領域に相補的
    であるときにのみ増幅された核酸配列とハイブリダイズ
    することができる、標識された配列特異的オリゴヌクレ
    オチドプローブで、上記膜をハイブリダイゼーション条
    件下で処理し;そして (i)プローブが核酸試料中の増幅された配列にハイブ
    リダイズしたか否かを検出することを特徴とする方法。 24、試料中に含まれる1種又は複数種の核酸中の少な
    くとも1つのヌクレオチド配列の変化の存在または不存
    在を検出する方法であって、該1種又は複数種の核酸は
    それぞれ、等しいまたは等しくない長さの2本の相補的
    鎖からなり、 (a)試料を、上記変化を含むものと予想されるそれぞ
    れの核酸のそれぞれの鎖について、4個の異なるヌクレ
    オチドトリホスフェート及び1個のオリゴヌクレオチド
    プライマーの存在下で、試料中のそれぞれの核酸を変性
    するのに有効な時間にわたり有効な時間で加熱し、但し
    それぞれのプライマーはそれぞれの特定の配列の異なる
    鎖に実質的に相補的になるように選択され、1個のプラ
    イマーから合成された伸長生成物がその相補体から分離
    したとき、他のプライマーの伸長生成物の合成の鋳型と
    して働くことができるようにし; (b)変性した核酸を、それぞれのプライマーのその相
    補的な核酸鎖へのハイブリダイゼーションを促進する温
    度に冷却し; (c)工程(a)または(b)と同時にまたはその後に
    、変性した核酸を、ヌクレオチドトリホスフェートの結
    合を触媒する熱安定酵素と接触させて、それぞれの核酸
    のそれぞれの鎖に相補的なプライマー伸長生成物を形成
    し; (d)酵素の活性を促進させ、そして上記1又は複数種
    の変化を含むと予想されるそれぞれの異なる核酸につい
    て、それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプライ
    マーの伸長生成物を合成するためには有効な温度である
    がしかしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型から
    分離する程の高温ではない温度において、有効な時間に
    わたり、工程(c)からの混合物を保持し; (e)プライマー伸長生成物がその上で合成された鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるがしかし酵素を
    不可逆的に変性させる程の高温ではない温度において、
    有効な時間にわたり、工程(d)からの混合物を加熱し
    ; (f)工程(e)からの混合物を、工程(e)で産生さ
    れた相補的な一本鎖分子への各プライマーのハイブリダ
    イゼーションを促進するために有効な時間にわたり有効
    な温度に冷却し; (g)酵素の活性を促進させ、そして上記1又は複数の
    変化を含むと予想されるそれぞれの異なる核酸について
    、それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプライマ
    ーの伸長生成物を合成するためには有効な温度であるが
    しかしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型から分
    離する程の高温ではない温度において、有効な時間にわ
    たり、工程(f)からの混合物を保持し、1又は複数の
    配列の変化が存在するときには、これらを含む核酸の検
    出可能な増幅を得るのに十分な回数だけ、工程(e)〜
    (g)を繰り返し、そして工程(f)と(g)は同時に
    または順次に行い; (h)工程(g)の生成物を膜に固定し、 (i)プローブの配列が増幅された配列の領域に相補的
    であるときにのみ増幅された核酸配列とハイブリダイズ
    することができる、標識された配列特異的オリゴヌクレ
    オチドプローブで、上記膜をハイブリダイゼーション条
    件下で処理し;そして (j)プローブが核酸試料中の増幅された配列にハイブ
    リダイズしたか否かを検出することを特徴とする方法。 25、試料中に含まれる1種又は複数種の核酸中の少な
    くとも1つのヌクレオチド配列の変化の存在または不存
    在を検出する方法であって、核酸が二本鎖である時には
    、それはそれぞれ、等しいまたは等しくない長さの2本
    の分離された相補的鎖からなり、 (a)上記試料を、上記1又は複数の変化を含むものと
    予想されるそれぞれの核酸のそれぞれの鎖について、4
    個の異なるヌクレオチドトリホスフェートと1個のオリ
    ゴヌクレオチドプライマーとに接触させ、但しそれぞれ
    のプライマーはそれぞれの特定の配列の異なる鎖に実質
    的に相補的になるように選択され、1個のプライマーか
    ら合成された伸長生成物が、その相補体から分離したと
    き、他のプライマーの伸長生成物の合成の鋳型として働
    くことができるようにし、上記接触を、それぞれのプラ
    イマーのその相補的核酸鎖へのハイブリダイゼーション
    を促進する温度で行い; (b)試料を、工程(a)と同時にまたはこの工程の後
    に、ヌクレオチドトリホスフェートの結合を触媒する熱
    安定酵素と接触させて、それぞれの核酸のそれぞれの鎖
    に相補的なプライマー伸長生成物を形成し; (c)酵素の活性を促進させ、そして上記1又は複数の
    変化を含むものと予想されるそれぞれの異なる核酸につ
    いて、それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプラ
    イマーの伸長生成物を合成するためには有効な温度であ
    るがしかしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型か
    ら分離する程の高温ではない温度において、有効な時間
    にわたり、工程(b)からの反応混合物を保持し; (d)プライマー伸長生成物がその上で合成された鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるがしかし熱安定
    酵素を不可逆的に変性させる程の高温ではない温度にお
    いて、有効な時間にわたり、工程(c)からの反応混合
    物を加熱し; (e)工程(d)からの反応混合物を、工程(d)で産
    生された一本鎖分子へのそれぞれのプライマーのハイブ
    リダイゼーションを促進するために有効な時間にわたり
    有効な温度に冷却し; (f)酵素の活性を促進させ、そして上記1又は複数の
    変異体を含むものと予想されるそれぞれの異なる核酸に
    ついて、それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプ
    ライマーの伸長生成物を合成するためには有効な温度で
    あるがしかしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型
    から分離する程の高温ではない温度において、有効な時
    間にわたり、工程(e)からの反応混合物を保持し、1
    又は複数の配列変化が存在するときには、これらを含む
    核酸の検出可能な増幅を得るのに十分な回数だけ、工程
    (d)、(e)および(f)を繰り返し、そして工程(
    e)と(f)は同時にまたは順次に行い; (g)オリゴヌクレオチドの配列が増幅された配列の領
    域に相補的であるときのみ増幅された核酸配列とハイブ
    リダイズすることができる配列特異的オリゴヌクレオチ
    ドを膜に固定し; (h)この膜をハイブリダイゼーション条件下で工程(
    f)の生成物で処理し;そして (i)核酸試料の増幅された配列が、膜に固定されたオ
    リゴヌクレオチドにハイブリダイズしたか否かを検出す
    ることを特徴とする方法。 26、試料中に含まれた1種又は複数種の核酸中の少な
    くとも1つのヌクレオチド配列の変化の存在または不存
    在を検出する方法であって、該1種又は複数種の核酸は
    それぞれ、等しいまたは等しくない長さの2本の相補的
    鎖からなり、 (a)試料を、上記変化を含むと思われるそれぞれの核
    酸のそれぞれの鎖について、4個の異なるヌクレオチド
    トリホスフェート及び1個のオリゴヌクレオチドプライ
    マーとの存在下で、試料中のそれぞれの核酸を変性する
    のに有効な時間にわたり有効な温度に加熱して、但しそ
    れぞれのプライマーはそれぞれの特定の配列の異なる鎖
    に実質的に相補的になるように選択され、1個のプライ
    マーから合成された伸長生成物が、その相補体から分離
    したとき、他のプライマーの伸長生成物の合成の鋳型と
    して働くことができるようにし、 (b)前記変性した核酸を、それぞれのプライマーのそ
    の相補的な核酸鎖へのハイブリダイゼーションを促進す
    る温度に冷却し; (c)工程(a)または(b)と同時にまたはその後に
    、変性した核酸を、ヌクレオチドトリホスフェートの結
    合を触媒する熱安定酵素と接触させて、それぞれの核酸
    のそれぞれの鎖に相補的なプライマー伸長生成物を形成
    し; (d)酵素の活性を促進させ、そして上記1又は複数の
    変化を含むと予想されるそれぞれの異なる核酸について
    、それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプライマ
    ーの伸長生成物を合成するためには有効な温度であるが
    しかしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型から分
    離する程の高温ではない温度において、有効な時間にわ
    たり、工程(c)からの反応混合物を保持し; (e)プライマー伸長生成物がその上で合成された鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるがしかし酵素を
    不可逆的に変性させる程の高温ではない温度において、
    有効な時間にわたり、工程(d)からの反応混合物を加
    熱し; (f)工程(e)からの反応混合物を、工程(e)で産
    生される相補的な一重鎖分子へのそれぞれのプライマー
    のハイブリダイゼーションを促進するために有効な時間
    にわたり有効な温度に冷却し; (g)酵素の活性を促進させ、そして上記1又は複数の
    変化を含むと予想されるそれぞれの異なる核酸について
    、それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプライマ
    ーの伸長生成物を合成するためには有効な温度であるが
    しかしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型から分
    離する程の高温ではない温度において、有効な時間にわ
    たり工程(f)からの反応混合物を保持し、1又は複数
    の配列変化が存在するときには、これらを含む核酸の検
    出可能な増幅を得るのに十分な回数だけ、工程(e)〜
    (g)を繰り返し、少なくとも1個のプライマーおよび
    /または4個のヌクレオチドトリホスフェートの少なく
    とも1個を検出可能な残基で標識しておき、そして工程
    (f)と(g)は同時にまたは順次に行い; (h)オリゴヌクレオチドの配列が増幅された配列の領
    域に相補的であるときのみ増幅された核酸配列とハイブ
    リダイズすることができる配列特異的オリゴヌクレオチ
    ドを膜に固定し、 (i)この膜をハイブリダイゼーション条件下で工程(
    g)の生成物で処理し;そして (j)核酸試料の増幅された配列が、膜に固定されたオ
    リゴヌクレオチドにハイブリダイズしたか否かを検出す
    ることを特徴とする方法。 27、試料中に含まれた1種又は複数種の核酸中の少な
    くとも1つのヌクレオチド配列の変化の存在または不存
    在を検出する方法であって、該核酸が二本鎖である時に
    は、それはそれぞれ、等しいまたは等しくない長さの2
    本の分離された相補的鎖からなり、 (a)上記試料を、上記変化を含むものと予想されるそ
    れぞれの核酸のそれぞれの鎖について、4個の異なるヌ
    クレオチドトリホスフェートと1個のオリゴヌクレオチ
    ドプライマーとに接触させ、但しそれぞれのプライマー
    はそれぞれの特定の配列の異なる鎖に実質的に相補的に
    なるように選択され、1個のプライマーから合成された
    伸長生成物が、その相補体から分離したとき、他のプラ
    イマーの伸長生成物の合成の鋳型として働くことができ
    るようにし、上記接触を、それぞれのプライマーのその
    相補的核酸鎖へのハイブリダイゼーションを促進する温
    度で行い; (b)試料を、工程(a)と同時にまたはこの工程の後
    に、ヌクレオチドトリホスフェートの結合を触媒する熱
    安定酵素と接触させて、それぞれの核酸のそれぞれの鎖
    に相補的なプライマー伸長生成物を形成し; (c)酵素の活性を促進させ、そして上記1又は複数の
    変化を含むものと予想されるそれぞれの異なる核酸につ
    いて、それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプラ
    イマーの伸長生成物を合成するためには有効な温度であ
    るがしかしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型か
    ら分離する程の高温ではない温度において、有効な時間
    にわたり、工程(b)からの混合物を保持し; (d)プライマー伸長生成物がその上で合成された鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるがしかし熱安定
    酵素を不可逆的に変性させる程の高温ではない温度にお
    いて、工程(c)からの混合物を加熱し; (e)工程(d)からの混合物を、工程(d)で産生さ
    れた一本鎖分子へのそれぞれのプライマーのハイブリダ
    イゼーションを促進するために有効な時間にわたり有効
    な温度に冷却し; (f)酵素の活性を促進させ、そして上記1又は複数の
    変化を含むものと予想されるそれぞれの異なる核酸につ
    いて、それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプラ
    イマーの伸長生成物を合成するためには有効な温度であ
    るがしかしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型か
    ら分離する程の高温ではない温度において、有効な時間
    にわたり、工程(e)からの混合物を保持し、1種以上
    の配列変化が存在するときには、これらを含む核酸の検
    出可能な増幅を可能にするのに十分な回数だけ、工程(
    d)、(e)および(f)を繰り返し、そして工程(e
    )と(f)は同時にまたは順次に行い; (g)オリゴヌクレオチドプローブの配列が増幅された
    配列の領域に相補的であるときのみ増幅された核酸配列
    とハイブリダイズすることができる標識された配列特異
    的オリゴヌクレオチドプローブを膜に固定し、 (h)この膜をハイブリダイゼーション条件下で工程(
    f)の生成物で処理し; (i)プローブと検出される変化の両方が酵素によって
    認識される制限部位を有するときに形成される如何なる
    ハイブリッドをも開裂するであろう制限酵素で、工程(
    h)の生成物を処理し; (j)ハイブリダイゼーションが起こったことを示す必
    要な長さの標識された制限フラグメントが制限消化物中
    に存在するか否かを検出することを特徴とする方法。 28、核酸または核酸の混合物に含まれる1種又は複数
    種の特定の核酸配列をクローニングベクターにクローン
    化する方法であって、1種又は複数種の核酸が二本鎖で
    ある時には2本の分離された相補的鎖からなり、該1種
    又は複数種の核酸がクローニングの前に量的に増幅され
    、 (a)それぞれの核酸鎖を、4個の異なるヌクレオチド
    トリホスフェートと、増幅されるべきそれぞれの異なる
    特定の配列について1個のオリゴヌクレオチドプライマ
    ーとに接触させ、但しそれぞれのプライマーはそれぞれ
    の特定の配列の異なる鎖に実質的に相補的になるように
    選択され、1個のプライマーから合成された伸長生成物
    が、その相補体から分離したとき、他のプライマーの伸
    長生成物の合成の鋳型として働くことができるようにし
    、それぞれの配列が増幅され、またはそれぞれのプライ
    マーが制限部位を含み、上記接触を、それぞれのプライ
    マーのその相補的核酸鎖へのハイブリダイゼーションを
    促進する温度で行い; (b)それぞれの核酸鎖を、工程(a)または(b)と
    同時にまたはこの工程の後に、ヌクレオチドトリホスフ
    ェートの結合を触媒する熱安定酵素と接触させることに
    よりそれぞれの核酸のそれぞれの鎖に相補的なプライマ
    ー伸長生成物を形成し; (c)酵素の活性を促進させ、そして増幅されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、それぞれの核酸鎖鋳型に
    相補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成する
    ためには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成
    物をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温
    度において、有効な時間にわたり、工程(b)からの混
    合物を保持し; (d)プライマー伸長生成物がその上で合成される鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるがしかし酵素を
    不可逆的に変性させる程の高温ではない温度において、
    有効な時間にわたり、工程(c)からの混合物を加熱し
    ; (e)工程(d)からの混合物を、それぞれのプライマ
    ーの工程(d)で産生された一本鎖分子のそれぞれへの
    ハイブリダイゼーションを促進するために有効な時間に
    わたり有効な温度に冷却し; (f)酵素の活性を促進し、そして増幅されるべきそれ
    ぞれの異なる配列について、工程(d)で産生されるそ
    れぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプライマーの
    伸長生成物を合成するためには有効な温度であるがしか
    しそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型から分離す
    る程の高温ではない温度において、有効な時間にわたり
    、工程(e)からの混合物を保持し、工程(d)、(e
    )および(f)を1種又は複数種の配列を含む1種又は
    複数種の核酸の検出可能な増幅を生じるのに十分な回数
    だけ繰り返し、工程(e)および(f)を同時にまたは
    順次に行い; (g)工程(f)の生成物に上記制限部位のそれぞれに
    対する制限酵素を加えて、制限消化物中に開裂生成物を
    得; (h)クローン化されるべき特定の配列を含む工程(g
    )の開裂生成物を1又は複数のクローニングベクターに
    連結することを特徴とする方法。 29、核酸または核酸の混合物に含まれる少なくとも1
    種の特定の核酸配列をクローニングベクターにクローン
    化する方法であって、1種又は複数種の核酸は等しいま
    たは等しくない長さの2本の分離された相補的鎖からな
    り、該1種又は複数種の核酸がクローニングの前に量的
    に増幅され、 (a)それぞれの核酸を、増幅されるべきそれぞれの異
    なる特定の配列について、4個の異なるヌクレオチドト
    リホスフェート及び1個のオリゴヌクレオチドプライマ
    ーの存在下で、それぞれの核酸を変性するのに有効な時
    間、有効な温度に加熱し、但しそれぞれのプライマーは
    それぞれの特定の配列の異なる鎖に実質的に相補的であ
    るように選択され、1個のプライマーから合成された伸
    長生成物が、その相補体から分離したとき、他のプライ
    マーの伸長生成物の合成の鋳型として働くことができる
    ようにし、それぞれの配列が増幅されまたはそれぞれの
    プライマーが制限部位を含み; (b)変性した核酸を、それぞれのプライマーとその相
    補的な鎖との間でハイブリダイゼーションを促進する温
    度に冷却し; (c)工程(a)または(b)と同時にまたはその後に
    、変性した核酸を、ヌクレオチドトリホスフェートの結
    合を触媒する熱安定酵素と接触させることにより、それ
    ぞれの核酸のそれぞれの鎖に相補的なプライマー伸長生
    成物を形成させ; (d)酵素の活性を促進させ、そして増幅されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、それぞれの核酸鎖鋳型に
    相補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成する
    ためには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成
    物をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温
    度において、有効な時間にわたり、工程(c)からの混
    合物を保持し; (e)プライマー伸長生成物がその上で合成される鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるがしかし酵素を
    不可逆的に変性させる程の高温ではない温度において、
    有効な時間にわたり、工程(d)からの混合物を加熱し
    ; (f)工程(e)からの混合物を、それぞれのプライマ
    ーの工程(e)で産生される相補的な一本鎖分子へのハ
    イブリダイゼーションを促進するために有効な時間にわ
    たり有効な温度に冷却し; (g)酵素の活性を促進させ、そして増幅されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、工程(f)で産生される
    それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプライマー
    の伸長生成物を合成するためには有効な温度であるがし
    かしそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型から分離
    する程の高温ではない温度において、有効な時間にわた
    り、工程(f)からの混合物を保持し、工程(e)、(
    f)および(g)を1種又は複数種の配列を含む1種又
    は複数種の核酸の増幅を検出可能にするのに十分な回数
    だけ繰り返し、工程(f)および(g)を同時にまたは
    順次に行い; (h)工程(g)の生成物に、上記制限部位のそれぞれ
    に対する制限酵素を加えて、制限消化物中に開裂生成物
    を得; (i)クローン化されるべき特定の列を有する工程(h
    )の1種又は複数種の開裂生成物を選択可能なマーカー
    を有する1種又は複数種のクローニングベクターに連結
    することを特徴とする方法。 30、核酸または核酸の混合物に含まれる1種又は複数
    種の特定の核酸配列をクローニングベクターにクローン
    化する方法であって、1種又は複数種の核酸が二本鎖で
    ある時には等しいまたは等しくない長さの2本の分離さ
    れた相補的鎖からなり、該1種又は複数種の核酸がクロ
    ーニングの前に量的に増幅され、 (a)それぞれの核酸鎖を、増幅されるべきそれぞれの
    異なる特定の配列について、4個の異なるヌクレオチド
    トリホスフェートと1個のオリゴヌクレオチドプライマ
    ーとに接触させ、但しそれぞれのプライマーはそれぞれ
    の特定の列の異なる鎖に実質的に相補的であるように選
    択され、1個のプライマーから合成された伸長生成物が
    、その相補体から分離したとき、他のプライマーの伸長
    生成物の合成の鋳型として働くことができるようにし、
    上記接触を、それぞれのプライマーのその相補的核酸鎖
    へのハイブリダイゼーションを促進する温度で行い; (b)それぞれの核酸鎖を、工程(a)または(b)と
    同時にまたはこの工程の後に、ヌクレオチドトリホスフ
    ェートの結合を触媒する熱安定酵素と接触させることに
    よりそれぞれの核酸のそれぞれの鎖に相補的なプライマ
    ー伸長生成物を形成し; (c)酵素の活性を促進させ、そして増幅されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、それぞれの核酸鎖鋳型に
    相補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成する
    ためには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成
    物をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温
    度において、有効な時間にわたり、工程(b)からの混
    合物を保持し; (d)プライマー伸長生成物がその上で合成された鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるがしかし酵素を
    不可逆的に変性させる程の高温ではない温度において、
    有効な時間にわたり、工程(c)からの混合物を加熱し
    ; (e)工程(d)からの混合物を、それぞれのプライマ
    ーの工程(d)で産生される一本鎖分子のそれぞれへの
    ハイブリダイゼーションを促進するために有効な時間に
    わたり有効な温度に冷却し; (f)酵素の活性を促進し、そして増幅されるべきそれ
    ぞれの異なる配列について、工程(d)で産生されたそ
    れぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプライマーの
    伸長生成物を合成するためには有効な温度であるがしか
    しそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型から分離す
    る程の高温ではない温度において、有効な時間にわたり
    、工程(e)からの混合物を保持し、工程(d)、(e
    )および(f)を、1種又は複数種のクローニングベク
    ターに平滑末端連結するために効果的な、1種又は複数
    種の配列を含む1種又は複数種の核酸の増幅を生じるの
    に十分な回数だけ繰り返し、工程(e)および(f)を
    同時にまたは順次に行い; (g)工程(f)から得られたクローン化されるべき1
    種又は複数種の増幅された特異配列をリガーゼの存在下
    で1種又は複数種のクローニングベクターへ連結し、こ
    こで1種又は複数種の上記増幅された配列及び1種又は
    複数種のベクターは連結を行うのに十分な量で存在する
    、ことを特徴とする方法。 31、核酸または核酸の混合物に含まれる少なくとも1
    種の特定の核酸配列をクローニングベクターにクローン
    化する方法であって、1種又は複数種の核酸は等しいま
    たは等しくない長さの2本の分離された相補的鎖からな
    り、該1種又は複数種の核酸がクローニングの前に量的
    に増幅され、 (a)それぞれの核酸を、増幅されるべきそれぞれの異
    なる特異的配列について、4個の異なるヌクレオチドト
    リホスフェート及び1個のオリゴヌクレオチドプライマ
    ーの存在下で、それぞれの核酸を変性するのに有効な時
    間、有効な温度に加熱し、但しそれぞれのプライマーは
    それぞれの特定の配列の異なる鎖に実質的に相補的であ
    るように選択され、1個のプライマーから合成された伸
    長生成物が、その相補体から分離したとき、他のプライ
    マーの伸長生成物の合成の鋳型として働くことができる
    ようにし; (b)変性した核酸を、それぞれのプライマーとその相
    補的な鎖との間でハイブリダイゼーションを促進する温
    度に冷却し; (c)工程(a)もしくは(b)と同時にまたはその後
    に、変性した核酸を、ヌクレオチドトリホスフェートの
    結合を触媒する熱安定酵素と接触させることによりそれ
    ぞれの核酸のそれぞれの鎖に相補的なプライマー伸長生
    成物を形成させ; (d)酵素の活性を促進させ、そして増幅されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、それぞれの核酸鎖鋳型に
    相補的なそれぞれのプライマーの伸長生成物を合成する
    ためには有効な温度であるがしかしそれぞれの伸長生成
    物をその相補的鎖鋳型から分離する程の高温ではない温
    度において、有効な時間にわたり、工程(c)からの混
    合物を保持し; (e)プライマー伸長生成物がその上で合成された鋳型
    から該プライマー伸長生成物を分離して一本鎖分子を生
    成せしめるためには有効な温度ではあるが酵素を不可逆
    的に変性させる程の高温ではない温度において、有効な
    時間にわたり、工程(d)からの混合物を加熱し; (f)工程(e)からの混合物を、それぞれのプライマ
    ーの工程(e)で産生される相補的な一本鎖分子へのハ
    イブリダイゼーションを促進するために有効な時間にわ
    たり有効な温度に冷却し; (g)酵素の活性を促進させ、そして増幅されるべきそ
    れぞれの異なる配列について、工程(f)で産生された
    それぞれの核酸鎖鋳型に相補的なそれぞれのプライマー
    の伸長生成物を合成するためには有効な温度であるがそ
    してそれぞれの伸長生成物をその相補的鎖鋳型から分離
    する程の高温ではない温度において、有効な時間にわた
    り、工程(f)からの混合物を保持し、工程(e)、(
    f)および(g)を1種又は複数種のクローニングベク
    ターに平滑末端連結するために効果的な、それぞれの配
    列を含む1種又は複数種の核酸増幅を生じるのに十分な
    回数だけ繰り返し、工程(e)および(f)を同時にま
    たは順次に行い; (h)工程(g)から得られるクローン化されるべき1
    種又は複数種の増幅された特異配列をリガーゼの存在下
    で1種又は複数種の上記クローニングベクターへ連結し
    、ここで1種又は複数種の上記増幅された配列及び1種
    又は複数種のベクターは連結を行うのに十分な量で存在
    する、ことを特徴とする方法。 32、特許請求の範囲第19項または第20項の増幅工
    程によって産生される上記配列の複数のコピーを有する
    核酸または核酸の混合物からの増幅された核酸配列。
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