JPS629548Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は８トラツクカートリツジ用テープ演奏
機のピンチローラー移動装置に関し、その目的と
するところは多数の８トラツクカートリツジテー
プ（以下、単にカートリツジという）を夫々同一
方向に向けて積層状に配設し、この多数のカート
リツジに対してテープ駆動用のピンチローラーお
よび再生ヘツド等を備えたテープ演奏機を移動せ
しめ、所望の曲目が収録されたカートリツジのテ
ープに前記ピンチローラーおよび再生ヘツドを圧
接してテープを再生するようにしたテープ演奏機
において、ピンチローラーおよび再生ヘツドをテ
ープ方向に正確に移動させてこれらを一定の押圧
力でテープに接触させるようにした構造簡単なピ
ンチローラー移動装置を提供するにある。

以下、図に沿つて本考案の一実施例を詳細に説
明する。

第１図および第２図は本考案にかかるピンチロ
ーラー移動装置を備えたテープ演奏機Ｒの内部構
造の要部を示す平面図および正面図であり、図に
おいて略直方体の箱状のケーシング１内には、ケ
ーシング１前方の開口部２から前縁３が突出する
ようにした平面略長方形のスライド板４が配設さ
れている。このスライド板４はケーシング１の両
側壁に枢支されたローラー５によつて両側縁の上
下を挟持され、後述するようにケーシング１の後
方と前縁３とを結が方向、すなわち第１図におけ
る矢印Ａ方向に進退自在となつている。スライド
板４の後端部近傍にはテープ駆動用モータ６が配
設され、その回転軸の回転はプーリ７、ベルト８
を介して前方端縁３方向に配設されたフライホイ
ール９およびキヤプスタン１０に伝達されてい
る。またキヤプスタン１０にはアイドラー１１が
隣設され、このアイドラー１１にはピンチローラ
ー１２が密接して配設される。

ピンチローラー１２は、第１図から明らかなよ
うにその外周面の一部が前縁３から僅かに突出す
るような位置に取り付けられており、換言すれば
スライド板４に従動したピンチローラー１２とカ
ートリツジ５０内のピンチローラー５１とによつ
て挟まれ走行するテープ５２の走行路が、前縁３
よりも更に僅か前方に位置せしめられるものであ
る。

ピンチローラー１２に近接して前縁３上に位置
するように再生ヘツド１３が配設されている。こ
の再生ヘツド１３は図示されていないソレノイド
およびソレノイドのプランジヤーの進退動作を上
下動に変える運動変換機構（図示せず）により上
下動が切換可能に形成され、ソレノイドに適宜な
信号を加えることにより再生ヘツド１３をテープ
５２上で上下動させ、トラツクの切換えを行なう
ようになつている。

再生ヘツド１３の近傍にはテープガイド１４が
隣設されていると共に、このテープガイド１４の
側方にはテープ５２の収録曲の間に貼設された銀
紙等の導体により短絡される一対のセンシング接
片１５が配設される。

スライド板４の、テープ駆動用モータ６とほぼ
対称的な位置にはスライド板駆動用モータ１６が
配設され、その回転は適宜な複数のギヤ１７ａ，
１７ｂ，１７ｃによりスライド板４の略中央に設
けられたメイギヤ１８に伝達される。ここでメイ
ンギヤ１８の中心軸はスライド板４に直交してい
る。このメインギヤ１８の周縁部近傍にはボス１
９が設けられており、このボス１９はケーシング
１の後端部に長さ方向の一端部を枢支されたロツ
ド２０の長孔２１内に係合している。ロツド２０
の長さ方向の他端部はメインギヤ１８の上方にま
で延設され、またその他端部の先端と前記ボス１
９との間には引張りスプリングの如きスプリング
２２が介設されている。

２３は移動用モータであり、テープ演奏機Ｒを
ステージ２４上において第１図および第２図中、
矢印Ｂ方向に移動させるためのものである。また
第２図に示す如くステージ２４はワイヤー２５等
により、ラツク２６内に立設されたガイドレール
２７に沿つて上下動自在となつている。

ラツク２６内には第１図に示すように多数のカ
ートリツジ５０がそのテープ５２を同一方向に向
けるように積層状に、かつ矢印Ｂ方向に並べて配
設され、テープ演奏機Ｒはステージ２４と共に予
め所望の曲目を所望の順序で順次演奏するべく構
成されたプログラムに従つて移動し、所定のカー
トリツジ５０の前方に導かれるが、その間の動作
は本考案の要部ではないため詳述を省略し、以
下、テープ５２を再生するためのピンチローラー
１２および再生ヘツド１３の移動のみについてそ
の動作を説明する。

先ずスライド板駆動用モータ１６に適宜な制御
回路より信号が加えられ、その回転はギヤ１７
ａ，１７ｂ，１７ｃを介してメインギヤ１８に伝
えられ、メインギヤ１８を回転せしめる。メイン
ギヤ１８の回転に伴なつてボス１９が回動すると
共に、このボス１９はロツド２０の長孔２１に係
合しているため、ボス１９の動きにロツド２０が
従動することとなる。ここで第３図イに示す如く
スライド板駆動用モータ１６に従動してメインギ
ヤ１８が例えば反時計方向に回転したとすると、
ボス１９が同図ロのように反時計方向に回転する
が、ボス１９の動きは長さ方向の一端部を枢支さ
れたロツド２０の長孔２１に規制されているため
メインギヤ１８自体、換言すればスライド板４に
反力が加わり、メインギヤ１８、すなわちスライ
ド板４、再生ヘツド１３、ピンチローラー１２等
が前方、つまり第３図中、A′方向に移動する。
同図ハはスライド板４が最も前方に移動した場合
であり、この時スライド板４はスプリング２２の
復元力によりA′方向に弾発的に付勢され、第１
図に示す如くスライド板４の前縁３に設けられた
再生ヘツド１３がカートリツジ５０内のテープ５
２に圧接されると共に、ピンチローラー１２がカ
ートリツジ５０のピンチローラー５１と共にテー
プ５２を圧接挟持する。尚、第１図および第３図
ハのようにスライド板４が最も前方に移動してピ
ンチローラー１２によりテープ５２を圧接した状
態は、ロツド２０の端部に臨設されたスイツチ
（図示せず）等により検出することができ、その
検出信号によつてスライド板駆動用モータ１６を
停止させメインギヤ１８の回転、換言すればスラ
イド板４の移動を停止させることができる。

次いでスライド板駆動用モータ１６が停止した
信号を受けてテープ駆動用モータ６が回転を開始
し、その回転はプーリ７、ベルト８、フライホイ
ール９、キヤプスタン１０、アイドラー１１を介
してピンチローラー１２に伝えられ、ピンチロー
ラー５１との間に挟持したテープ５２を走行させ
つつ再生ヘツド１３上を摺接させ、収録曲の演奏
を行なう。演奏が終了するとセンシング接片１５
がテープ５２上の銀紙等の導体からこれを検出
し、テープ駆動用モータ６の回転を停止させるべ
く信号を発する。しかる後、スライド板駆動用モ
ータ１６が再び回転され、メインギヤ１８を前記
と同方向または逆方向に回転せしめてスライド板
４を復帰させ、ピンチローラー１２、再生ヘツド
１３、テープガイド１４、センシング接片１５等
をカートリツジ５０内から後退させ、テープ演奏
機をカートリツジ５０から引き離すものである。

以上述べたように本考案によれば、前縁にピン
チローラーおよび再生ヘツドを配設したスライド
板の略中央部にメインギヤを配設し、このメイン
ギヤ上に、一端部をケーシングに枢支したロツド
の他端部近傍を延設すると共に、メインギヤに突
設されかつロツドの長孔から突出したボスと前記
ロツドの他端部との間にスプリングを介設し、メ
インギヤの回転によるボスと長孔との係合に伴な
いメインギヤおよびスライド板を前縁方向に移動
させてスプリングの弾発復元力によりこれらを付
勢し、もつてピンチローラーおよび再生ヘツド
を、対向配設されたカートリツジのテープに圧接
させるべく移動させるようにしたから、テープの
再生時、すなわちスライド板が最も前方に位置し
ている場合にはピンチローラー、再生ヘツド、メ
インギヤ等を備えたスライド板がスプリングの一
定の弾発復元力によりテープ方向に常時圧接され
るため、ピンチローラーによるテープの挟持圧
力、再生ヘツドによるテープの接触圧等を一定に
保つことができる効果がある。加えて演奏をして
いない間は、スプリングは負荷がかかつていない
原状の状態を維持し得るから、スプリングの負担
を少なくしてその折損を防止でき、スプリングも
小さなものを使用できると共に、部材数も少なく
構造が簡単である等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は本考案を備えたテープ演奏機の内部構造の
要部を示す平面図、第２図は同じく正面図、第３
図イ乃至ハは夫々スライド板の動作を説明するた
めの説明図である。 １……ケーシング、２……開口部、３……前
縁、４……スライド板、５……ローラー、６……
テープ駆動用モータ、７……プーリ、８……ベル
ト、９……フライホイール、１０……キヤプスタ
ン、１１……アイドラー、１２……ピンチローラ
ー、１３……再生ヘツド、１４……テープガイ
ド、１５……センシング接片、１６……スライド
板駆動用モータ、１７ａ，１７ｂ，１７ｃ……ギ
ヤ、１８……メインギヤ、１９……ボス、２０…
…ロツド、２１……長孔、２２……スプリング、
２３……移動用モータ、２４……ステージ、２５
……ワイヤー、２６……ラツク、２７……ガイド
レール、５０……カートリツジ、５１……ピンチ
ローラー、５２……テープ、Ｒ……テープ演奏
機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシング１の内部にスライド板４を水平方向
   に移動自在に配設し、前記スライド板４の前縁３
   上にピンチローラー１２および再生ヘツド１３を
   配設すると共に、前記スライド板４の略中央部に
   メインギヤ１８をその中心軸が前記スライド板４
   に直交するように配設し、前記メインギヤ１８の
   周縁部近傍にはボス１９を突設すると共に、前記
   ケーシング１の後端部には回動自在なロツド２０
   の長さ方向の一端部を枢支させ、該ロツド２０に
   穿設された長孔１１内に前記ボス１９を係合させ
   るようにして前記ロツド２０の長さ方向の他端部
   近傍を前記メインギヤ１８上に延設し、かつ前記
   ボス１９と前記ロツド２０の長さ方向の他端部と
   の間にスプリング２２を介設してなり、前記メイ
   ンギヤ１８を前記スライド板４上に配設されたス
   ライド板駆動用モータ１６に従動させて回転さ
   せ、前記ボス１９と前記長孔２１との係合に伴な
   い前記メインギヤ１８およびスライド板４を前記
   前縁３方向に移動せしめて前記スプリング２２の
   弾発復元力により前記メインギヤ１８およびスラ
   イド板４を付勢し、前記ピンチローラー１２およ
   び再生ヘツド１３を、前方に対向配設された８ト
   ラツクカートリツジ５０のテープ５２に圧接させ
   るべく移動させるようにしたことを特徴とする８
   トラツクカートリツジ用テープ演奏機のピンチロ
   ーラー移動装置。