JPS629392Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はトラクターの三点リンク式作業機装着
装置に付設したシヨベルに関するものであり、構
造が極めて簡単で、かつトラクターの油圧制御用
コントロールレバーの操作だけで、地上に所要厚
さに堆積された肥料・堆肥又は砂等を、簡単かつ
迅速に所望の場所に移送せしめることができるト
ラクター用シヨベルの構造を提供せんとするもの
である。

(ロ) 従来技術 従来から、掘削バケツトを二分割する技術は公
知とされているのである。

例えば特公昭49−31924号公報の如くである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案は、農業用に既に充分に普及しているト
ラクターを利用し、該トラクターの三点リンク式
作業機装着装置に付設することにより、オペレー
ターが座席に座つたままで、掬取り・運搬・排出
の操作を行うことができるトラクター用シヨベル
装置を提供するものである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案の目的は以上の如くであり、次に該目的
を達成するための構成を説明すると。

シヨベル本体Ａを側面視において、後壁面ａ、
底面ｂ、掬面ｃより成る三角形状に構成し、該側
面視三角形を構成する掬面ｃ上の分割線上端部
１，１′より、角部ｄの近傍に至る線上において
２分割し、シヨベル本体Ａを持ち上げることによ
り、分割された前部が自重により自動的に底面を
閉じるべく、左右両分割線上端枢着部１，１′に
おいて枢着し、シヨベル本体Ａの下降に基づき、
分割された前部を該分割線上端部１，１′を中心
に底部開口方向に自重により回動可能とすべく、
前記分割線上端部１，１′より前方のシヨベル本
体Ａに、上端部を回動自在に枢支した支持脚体５
を垂設し、シヨベル本体Ａの上昇運搬時に掬面ｃ
が略水平とし、シヨベル本体Ａの下降状態におけ
る掬取り時には底面ｂが略水平とすべく、後壁面
ａ上部を連結アーム３を介してトラクターの上部
リンク６に、後壁面ａの下部を左右下部リンク
７，７′を介してトラクターの後面に枢結したも
のである。

(ホ) 実施例 本考案の目的・構成は以上の如くであり、次に
添付の図面に示した実施例の構成を説明すると。

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図
は同正面図、第３図は同側面図、第４ａ図から第
４ｃ図は使用状態を示す説明図である。

側面視において、後壁面ａ、底面ｂ、掬面ｃよ
り成る三角形状シヨベル本体Ａを掬面ｃ上の分割
線上端部１，１′より、角部ｄの近傍に至る線上
において前後方向で２分割し、両者をその左右両
分割線上端部１，１′においてそれぞれ枢着し、
下端部には両者を一定の力で嵌着せしめる仮止用
連結片２，２′を設け、かつシヨベル本体Ａの後
壁面ａ裏面上端部には、先端にトラクターにおけ
る上部リンクとの枢着部３′を有する連結アーム
３の基部３″を上下回動自在に枢着し、かつ同後
壁面ａ裏面の下方寄り左右両側部には、トラクタ
ーにおける左右両下部リンクとの枢着部４，４′
を設けると共に、シヨベル本体Ａの先端部に支持
脚体５の上端部を回動自在に枢着して成るトラク
ター用シヨベルに係るものである。

なお、図中Ｂはトラクター、６は同トラクター
の三点支持式装架装置における上部リンク、７，
７′は同下部リンク、８はストツパーを示す。

(ヘ) 考案の作用 本考案は以上の如く構成したので、次のような
作用を行うものである。

シヨベルにおける連結アーム３の先端枢着部
３′を、予めほぼ水平状態に固定せしめた上部リ
ンク６の先端部に対して上下回動自在に枢着し、
かつ左右両枢着部４，４′を左右両下部リンク
７，７′の先端部に対して上下回動自在に枢着す
ることにより、トラクターに対する本案シヨベル
の装架を完了するものであり、これにより作業を
行なうには、まず第４図に示す様に油圧制御用コ
ントロールレバーの操作により下部リンク７，
７′を上下動させ、シヨベル本体Ａの先端部が地
面より僅かに浮く程度にセツトし、この状態にて
トラクターＢを後退させていけば、シヨベル本体
Ａ内に地表上面に堆積された肥料、堆肥等のみを
圧入することができ、シヨベル本体Ａ内に肥料等
が充満された時点で油圧制御用コントロールレバ
ーを操作して下部リンク７，７′を上方に回動さ
せると、シヨベル本体Ａは連結アーム３の存在に
より肥料等を掬うように開口部を上方に回動しな
がら上昇する。

そしてこの状態でトラクターを運転して所望の
集積場所までの移送した後、再び油圧制御用コン
トロールレバーの操作により下部リンク７，７′
を下方に回動させていけば、支持脚体５はシヨベ
ル本体Ａが上昇した際にその自重により同シヨベ
ル本体Ａの先端部より垂下された状態となつてい
るため、まず同支持体５の下端部が接地したシヨ
ベル本体Ａの先端側が、自動的に支持された状態
となり、従つて更に下部リンク７，７′が下方に
回動するときは、前後方向に２分割されたシヨベ
ル本体Ａの底面ｂが、仮止用連結片２，２′の嵌
着力に抗してその左右両分割線上端部１，１′を
中心として開放され、肥料等を自動的にその直下
に放出せしめることができるものである。

この放出の際、特に本考案は後壁面ａ、底面ｂ
掬面ｃより成る側面視三角形状シヨベル本体Ａを
掬面ｃ上の一部より角部ｄの近傍に至る線上にお
いて２分割したので、底面ｂの開放された際に角
部ｄに引掛つて落ちなくなる肥料等の量をできる
だけ少なくすることができるのである。

また角部ｄを離れすぎた後壁面ａに至る線で２
分割すれば分割された前部の半分の重心が後方す
ぎてシヨベル本体を持上げた時の戻りが遅くなる
のである。

次に、シヨベル本体Ａを元の状態に復帰させる
場合には特別の面倒な操作を要することなく、単
に油圧制御用コントロールレバーの操作により下
部リンク７，７′を上昇させれば、シヨベル本体
Ａの自重により同シヨベル本体Ａの底部開放部が
自動的に閉じ、仮止用連結片２，２′によりその
状態を保持せしめるものである。

(ト) 考案の効果 本考案は以上のように構成したので、次のよう
な効果を奏するものである。

第１にシヨベル本体の上昇運搬時に掬面ｃが水
平となり、下降掬取り時には底面ｂが水平となる
ようにしたので、運搬時にはこぼすことなく、掬
取り時には余すことなくシヨベルを有効に作用さ
せることが出来るのである。

第２にシヨベル本体の自重による効果で、支持
脚体を介して底面を開けることができ、又、この
開口を閉じる際にも回動側シヨベルの自重により
閉めることができ、開閉に際しては油圧シリンダ
ーなどの動力が必要ないのである。

故に、小型低馬力の農用トラクターにも装着可
能なシヨベル装置とすることができたのである。

第３にシヨベル本体には油圧シリンダー等の部
品を装着する必要がないので、パイピングや特殊
な装置を介装せず農用トラクターに装着出来るの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図
は同正面図、第３図は同側面図、第４ａ図から第
４ｃ図は使用状態を示す説明図である。 Ａ……シヨベル本体、ａ……後壁面、Ｂ……ト
ラクター、ｂ……底面、ｃ……掬面、ｄ……角
部、１，１′……分割線上端部、２，２′……仮止
用連結片、３……連結アーム、３′……枢着部、
３″……基部、４，４′……枢着部、５……支持脚
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヨベル本体Ａを側面視において、後壁面ａ、
   底面ｂ、掬面ｃより成る三角形状に構成し、該側
   面視三角形を構成する掬面ｃ上の分割線上端部
   １，１′より、角部ｄの近傍に至る線上において
   ２分割し、該左右両分割線上端枢着部１，１′に
   おいて枢着し、前記分割線上端部１，１′より前
   方のシヨベル本体Ａに、上端部を回動自在に枢支
   した支持脚体５を垂設し、後壁面ａ上部を連結ア
   ーム３を介してトラクターの上部リンク６に、後
   壁面ａの下部を左右下部リンク７，７′を介して
   トラクターに枢結したことを特徴とするトラクタ
   ー用シヨベル。