JPS629272Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、洗濯機運搬時等における回転槽の揺
動を抑制する緩衝体を備えて洗濯機の包装をする
洗濯機の包装装置に関する。

（従来の技術） 従来より、洗濯機本体に洗濯兼脱水用の回転槽
を内設するようにした洗濯機においては、これを
包装する場合に、緩衝体を、洗濯機本体の洗濯物
出入口及び前記回転槽の上面開口部に嵌合配置し
て、該緩衝体が洗濯機運搬時等において揺動しな
いようにしている。又、洗濯機の付属品である給
水ホースや洗剤計量カツプはビニル袋に入れて回
転槽に直接収納したり、これも洗濯機の付属品で
ある洗濯篭の中にそのビニル袋を収納してこの洗
濯篭ごと前記回転槽に収納したりすることが一般
的である。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上述の場合、給水ホースや計量
カツプを入れたビニル袋が、運搬時にがたつき、
このため、給水ホースや計量カツプがビニル袋を
突き破つて回転槽８あるいは洗濯篭を傷付けた
り、さらには後者の場合にあつても洗濯篭から突
出してやはり回転槽を傷付けたりする不具合があ
つた。

従つて本考案の目的は、ホースや計量カツプと
いつた付属品が回転槽及び洗濯篭を傷付けること
のないようにでき、しかも部品数の増加を抑えつ
つこれを図ることができる洗濯機の包装装置を提
供するにある。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案は、洗濯機本体に洗濯兼脱水用の回転槽
を内設すると共にホース及び洗剤計量カツプ等の
付属品を備えた洗濯機を包装するものにおいて、
前記洗濯機本体の洗濯物出入口及び前記回転槽の
上面開口部に嵌合配置される緩衝体を有し、この
緩衝体の内部に洗濯篭を除く付属品を収容する有
底空所を形成し、該空所の上面開口を閉塞するよ
うに洗濯物出入口を開閉する蓋で覆う構成とした
ものである。

（作用） 緩衝体に形成した有底空所に洗濯篭を除く付属
品であるホース及び計量カツプを収容するので、
これらホース及び計量カツプは、がたつきなく保
持されると共に、洗濯篭及び回転槽に対して隔離
される。

又、緩衝体は、洗濯機包装時にその運搬に際し
ての回転槽の揺動を防止すべく本来的に設けられ
るものであることから、この緩衝体に洗濯篭以外
の付属品を収容する有底空所を形成したことで、
洗濯篭以外の付属品を収容するための別の部材を
必要としない。

（実施例） 以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。第１図において、１は洗濯機本体たる外
箱であり、その上端部には該外箱１の一部をなす
蓋体２が被着されている。３は蓋体２に形成され
た洗濯物出入口、４は洗濯物出入口３を開閉する
蓋、５は蓋体２の後方部に設けられた操作箱であ
る。６は水受槽であり、これは弾性吊持機構７に
より外箱１内に吊持されている。８は水受槽６内
に配設された洗濯兼脱水用の回転槽、９は回転槽
８の上面開口部に配設されて該回転槽８の一部を
なすバランスリング、１０は回転槽８内底部に配
設されたパルセータ、１１は水受槽６の外底部に
配設されたモータ、１２は同じく水受槽６の外底
部に配設された機構部であり、この機構部１２は
モータ１０の回転動力をベルト伝達機構１３によ
り受けてパルセータ１０及び回転槽８の切換伝達
するものである。以上構成の洗濯機Ａは図では包
装状態にあり、以下具体的に述べる。即ち、１４
は水受槽６の外底部に着脱可能に取付けられた支
持部材、１５は外箱１下端部及び支持部材１４下
部を支持するように外箱１下端部に嵌合された下
部緩衝体、１６，１６は操作箱５及び蓋体２を被
うように被着された上部緩衝体、１７は洗濯機Ａ
を上部緩衝体１６及び下部緩衝体１５共々包囲し
た包装箱、１８は回転槽８の内底部に載置された
保護シートである。１９は発泡スチロール製の緩
衝体であり、これは第２図にも示すように外側部
が半円状をなし且つ上下に夫々径大部１９ａ及び
径小部１９ｂを有するように形成されている。そ
してこの緩衝体１９の内部には、第１図、第２図
及び第３図に示すように半円状をなす有底の空所
２０が形成されており、又、この空所２０内の下
部寄りの途中部位には底部でもある棚部２１が形
成されている。この棚部２１の中央部にはボス部
２２が形成されていて、これには略半円状の凹部
２３が形成されている。さらに該緩衝体１９にお
いて、空所２０の上縁部には上面開口を狭めるよ
うに空所２０内に突出する抜止め部２４，２４が
形成され、又側壁部には上端にて開口する細溝状
の凹部２５が形成されている。尚、２６は緩衝体
１９の上端部外周に突設された掛合用のフランジ
である。而して、この緩衝体１９は、第１図に示
すように径小部１９ｂを回転槽８のバランスリン
グ９に嵌合させると共に径大部１９ａを洗濯物出
入口３に嵌合させてこれら洗濯物出入口３及び回
転槽８の上面開口部に嵌合配置されており、そし
てフランジ２６が蓋体２上面に掛合されている。
この結果、回転槽８は該緩衝体１９により揺動が
防止される。ここで、第１図に示す２７は洗濯機
Ａの付属品である洗濯篭であり、これは、緩衝体
１９の配置前に予め回転槽８内の保護シート１８
上に配置されており、そして緩衝体１９により押
圧されてがたつきが防止されている。又、第１図
乃至第３図において、２８は洗濯機Ａの付属品た
る給水ホースであり、これは緩衝体１９の空所２
０内に巻き束ねられた状態で且つ該空所２０内面
に自身の弾発力を利用して圧接された状態で収容
されており、この場合棚部２１が給水ホース２８
の落ち止めを果たし、抜止め部２４，２４が給水
ホース２８の上方への飛出しを防止する。２９及
び３０は洗濯機Ａの付属品たる洗剤計量カツプ及
び取扱い説明書であり、これら洗剤計量カツプ２
９及び取扱い説明書３０は夫々緩衝体１９の凹部
２３及び２５に圧接状態に収容されている。この
場合取扱い説明書３０は二つ折り状態とされてい
る。尚、第１図において、３１は前記蓋４を被覆
したビニルシートで、この状態で該蓋４は緩衝体
１９の空所２０の上面開口をその上方から覆つて
いると共に、該蓋４は図示しないがその上面を別
の緩衝体でもつて押圧されていて緩衝体１９の浮
きあがりを防止している。また３２は緩衝体１９
全体を被覆したビニルシートである。

このような本実施例によれば、緩衝体１９に給
水ホース２８を圧接状態に収容する有底の空所２
０を形成するとと共に、洗剤計量カツプ２９及び
取扱い説明書３０等の付属品を収容する凹部２３
及び２５を形成したので、給水ホース２８及び洗
剤計量カツプ２９等をがたつきなく確実に収容保
持できて、これら洗濯篭２７を除く付属品である
給水ホース２８及び洗剤計量カツプ２９等をがた
つきなく保持できると共に、これら給水ホース２
８及び洗剤計量カツプ２９等を緩衝体１９によつ
て洗濯篭２７及び回転槽１８から確実に隔離で
き、よつて前述した従来の不具合を防止できる。
さらに本実施例によれば、洗濯機においてその包
装時に回転槽８の揺動防止のためとして通常用い
られる緩衝体１９を利用するので、付属品収容保
持用の部品を別途設ける必要がなく、よつて部品
数の増加を来たすこともない。又本実施例によれ
ば、緩衝体１９の空所２０の途中部位に棚部２１
を設けたので、緩衝体１９全体の強度が強化さ
れ、よつて該緩衝体１９の側壁の厚みを薄くして
も強度上何等問題はなく、従つて緩衝体１９全体
の材料費を、従来の単なる筒状の緩衝体と同程度
に抑えることができる。

さらに、蓋４によつて空所２０の上面開口を覆
うようにしたので、空所２０からの上記付属品の
飛出しを、別の構成部材を用いることなく確実に
防止でき、これによつても部品数の削減を図り得
ると共に、使用材料の削減も図り得る。又、逆に
このように蓋４を付属品の飛出し防止に利用する
からこそ、緩衝体１９に対する上面開口の形成が
可能となるものである。ここで、蓋４によつて空
所２０の上面開口を覆う構成の場合、空所２０か
らの付属品の飛出しを防止できる利点がある反
面、その付属品が該蓋４を傷付けてしまうことも
考えられる。しかるに本実施例によれば、空所２
０の上縁部に該空所２０内に突出する抜止め部２
４を形成しているので、付属品特には給水ホース
２８の空所２０からの飛び出し自体を防止でき、
よつて蓋４が傷付いてしまうこともなくし得る。

［考案の効果］ 本考案は以上の記述にて明らかなように、緩衝
体に有底空所を形成し、この空所に洗濯篭を除く
付属品であるホース及び洗剤計量カツプ等を収容
させ、又、空所の上縁部に該空所内に突出する抜
止め部を形成する構成としたので、これらホース
及び洗剤計量カツプ等を、がたつきなく保持でき
ると共に、洗濯篭及び回転槽から確実に隔離で
き、よつてこれらホース及び計量カツプ等が洗濯
機運搬時等に回転槽や洗濯篭を傷付ける不具合を
なくし得、又、空所からの付属品の飛出しを抜止
め部と蓋とで二重に防止できて、付属品の保持を
一層確実化できると共に、蓋の傷付きもなくし
得、さらには、洗濯機が回転槽揺動防止のために
本来的に備えた緩衝体を上記ホースや洗剤計量カ
ツプ等の収容保持に利用するので、新たな部品を
増加せずに済み、しかも材料費を抑えることがで
きる洗濯機の包装装置を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は包装
状態にある洗濯機の縦断正面図、第２図は緩衝体
の平面図、第３図は第２図の−線断面図であ
る。 図中、１は外箱（洗濯機本体）、３は洗濯物出
入口、８は回転槽、１９は緩衝体、２０は空所、
２１は棚部、２３は凹部、２４は抜止め部、２５
は凹部、２７は洗濯篭、２８は給水ホース、２９
は洗剤計量カツプ、３０は取扱い説明書である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯機本体に洗濯兼脱水用の回転槽を内設する
   と共にホース及び洗剤計量カツプ等の付属品を備
   えた洗濯機を包装するものにおいて、前記洗濯機
   本体の洗濯物出入口及び前記回転槽の上面開口部
   に嵌合配置される緩衝体を有し、この緩衝体の内
   部に洗濯篭を除く付属品を収容する有底空所を形
   成すると共に、この空所の上縁部に該空所内に突
   出する抜止め部を形成し、該空所の上面開口を閉
   塞するように洗濯物出入口を開閉する蓋で覆つた
   ことを特徴とする洗濯機の包装装置。