JPS629262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカボチヤやメロンその他主として西瓜
のような略球状を呈する青果物を切売する際に使
用して好適ならしめた提げ手つき包装具に関する
ものである。

通常、西瓜類は収穫された球形の状態で取引さ
れるのであるが、一個では量が多くて高すぎると
か、外部からの中身の熟成具合いが判りにくい等
の理由で、小売段階では半分ないし４〜10切れ位
の大きさに切売することが行われている。この為
持ち帰りの際には衛生上、或は乾燥を避けるた
め、西瓜の切り口表面にポリエチレン製の薄い被
膜（ラツプ）をあてがつた上、別の包装袋に入れ
て提げうるようにしているのであるが、これでは
店頭での包装に手間がかかるばかりか、西瓜の切
り口表面は薄い被膜で被覆しただけであるので、
西瓜の崩れやすいエツジ状頂部の保護が十分に行
えず、そのため頂部を傷め易いといつた弊害を有
しているのである。

本考案は上記のような実情に対処すべくなした
もので、西瓜の切り口表面の被膜と同時に提げら
れるようにでき、しかも西瓜の傷み易いエツジ状
頂部の保護を果たし得る提げ手つき包装具を提供
することを目的とする。

上記の目的を達成するため本考案は、略円形に
形成された適宜厚みの合成樹脂製透明シートを直
径線位置より断面が倒Ｖ形を呈するよう二つ折り
に折曲させるとともに、このシートにおける左右
各部片の円弧状縁部二ケ所に夫々紐挿通用の穴を
設けしめ、然してループ状に連結させた提げ手用
の吊り紐を上記穴に挿通することにより上記各部
片の縁部間に渡しかけて該各部片の外部上方に引
き出さしめてなるものである。

上記のように構成したので、倒Ｖ形とされたシ
ートの側方からシートの下方へ切売西瓜を挿入し
てシートの左右各部片を西瓜の切り口表面に重ね
合わせるよう添接させるとともに、各部片の縁部
間に渡しかけた吊り紐を西瓜の外皮周面に位置さ
せることにより、シートの各部片にて西瓜の切り
口表面が被覆されることになり、そして吊り紐を
提げるときは西瓜の外皮周面に位置する吊り紐部
分が西瓜の底部を支えることになるので、そのま
ま提げて持ち運ぶことができる。

以下、本考案を図の実施例について説明する
と、１は展開したとき略円形を呈するようにされ
た適宜の厚みを有する合成樹脂製の透明シートで
断面が倒Ｖ形をなすよう直径線Ｄ部において折曲
されている。２は提げ手用の吊り紐で、上記シー
ト１の半円形とされた各部片１′，１′における各
円弧状をなす縁部二ケ所の周縁位置に設けしめた
夫々の穴３，３に挿通してループ状に連結させ、
然して両端２′，２′をシート１における外部上方
に引き出しうるようにされている。この紐２は第
１，２図には一連のループ状のものを各部片
１′，１′の各穴３，３に順次挿通することにより
該各部片の縁部間に渡しかけた場合を示したが、
第３図に示すよう夫々の部片１′，１′における各
穴３，３に挿通することにより夫々独立のループ
状となして、夫々相手がわ部片１′の円弧状をな
す縁部下方を迂回させて外部上方に取り出すよう
にしてもよく、さらに上記紐２の挿通穴３，３の
位置は包装される西瓜の大きさにも影響される
が、両端より何れも75度前後となるように定める
と包装西瓜の底部を安定して支えうるのである。
なお紐２はテープ状のものを使用してもよいので
ある。

上記の包装具により切売西瓜を包装するには、
倒Ｖ形とされたシート１の側方からシートの下方
へ切売西瓜を挿入してシートの左右各部片１′，
１′を西瓜の切り口表面に重ね合わせるよう添接
させるとともに、各部片１′，１′の縁部間に渡し
かけた吊り紐２を西瓜の外皮周面に位置させれば
よく、このようにすることにより各部片１′，
１′にて西瓜の切り口表面が被覆されることにな
るので、切り口表面を清潔に保つことができる。
そして吊り紐２の両端２′，２′を各部片１′，
１′の外部上方に引き上げるようにして提げると
きは西瓜の外皮周面に位置する吊り紐部分が西瓜
の底部を支えることになるので、そのまま提げて
持ち運ぶことができる。

なおシート１を倒Ｖ形となるよう折曲する場合
の折曲角度は、包装しようとする切売西瓜の大き
さに適合するよう設定することになるが、上記シ
ートの場合、半分以下であれば何れの大きさの切
売西瓜に対しても適用可能に設定できる。

ところで上記包装具により切売西瓜を包装する
場合、何れの大きさの切売西瓜であつても、すな
わちシート１の折曲角度が何れの角度であつて
も、各部片１′，１′の外部における吊り紐２の長
さが等しい状態で提げ得るようにする必要があ
り、そのため吊り紐２が各部片１′，１′に対して
第１，２図に示すように挿通されている場合は、
各部片１′，１′の縁部間に渡しかける紐２の位置
を調整することによつて、紐２の中間部が各部片
１′，１′の縁部間にくるようにして包装する。な
お第３図の場合は、吊り紐２は夫々相手がわ部片
１′の縁部下方を迂回させて外部へ引き出してい
るため、包装時、格別左右の吊り紐２の長さにつ
いて配慮しなくても等しい長さで提げることがで
きる。

以上の説明から明らかなように本考案による
と、略円形に形成されたシートを直径線位置より
断面が倒Ｖ形を呈するよう二つ折りに折曲させて
なるので、シートの左右各部片が半円形を呈する
ことになり、西瓜の切り口表面の形状と合致する
ことになる。そのため各部片を西瓜の切り口表面
に重ね合わせるよう添接させたとき各部片の縁部
が西瓜の外皮周面に沿うことになるので、円弧状
縁部間に渡しかけた吊り紐が西瓜の外皮周面に密
接するよう位置することになる。したがつてシー
トの各部片にて西瓜の切り口表面が被覆され、切
り口表面が清潔に保たれるとともに、吊り紐を提
げるときは西瓜の外皮周面に位置する吊り紐部分
にて西瓜の底部が支えられることになるので、そ
のまま提げて持ち運べることになり、持ち帰り時
の店頭での包装を能率的に行なえる。

しかも本考案によると、倒Ｖ形とされたシート
にて西瓜の切り口表面を被覆するので、薄い被膜
で覆つただけの場合に比べ、西瓜の傷み易いエツ
ジ状頂部の保護を果たせることになる。

また本考案によると、提げ手用の吊り紐はシー
トにおける左右各部片の円弧状縁部二ケ所に設け
しめた夫々の穴に挿通することにより上記各部片
の縁部間に渡しかけて該各部片の外部上方に引き
出さしめてなるので、吊り紐による制約を受ける
ことなくシートの折曲角度を設定できる結果、折
曲角度を適宜に設定することにより一種のシート
で半分以下の何れの大きさの切売西瓜に対しても
適用できることになり、種々の大きさの切売西瓜
の包装に好適な包装具を提供できることになる。
そして例えば分割される西瓜の大きさに合わせて
数種類の大きさのシートを準備しておくことで店
頭での種々の大きさの切売西瓜の販売を一層迅速
に行なえることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案包装具の斜面図、第２図は第１
図の要部縦断面図、第３図は他の実施例を示す同
斜面図である。 １はシート、１′は部片、２は吊り紐、２′は両
端、３は穴、Ｄは直径線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略円形に形成された適宜厚みの合成樹脂製透明
   シートを直径線位置より断面が倒Ｖ形を呈するよ
   う二つ折りに折曲させるとともに、このシートに
   おける左右各部片の円弧状縁部二ケ所に夫々紐挿
   通用の穴を設けしめ、然してループ状に連結させ
   た提げ手用の吊り紐を上記穴に挿通することによ
   り上記各部片の縁部間に渡しかけて該各部片の外
   部上方に引き出さしめてなる西瓜類の提げ手つき
   包装具。