JPS629019Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気ハンマドリルのように、往復動
機構をもつ、携帯用電動工具の往復動案内部材の
固定機構に関するものである。

回転を伝達する軸と往復動を行なう駆動部材を
持ち、その往復動を案内する案内部材を有する携
帯用電動工具において、往復動の振動、往復動と
エアクツシヨンから生じる衝撃から、上記案内部
材が軸方向に振動し、回転軸支持用軸受を保持す
る部材にぶつかり、破損する等の問題がある。こ
のため、上記案内部材の軸方向の振動を防止する
必要がある。

本考案の目的は、部品点数を増すことなく、前
記した欠点を除去し、往復動の案内部材を有する
携帯用工具を、安価に機能向上を図ることであ
る。

本考案は、傾斜クランクの軸受のクリープ止
め、スラスト止めとして用いているベアリングカ
バと往復動の案内部材が隣接していることに着目
し、ベアリングカバの形状をベアリングカバと前
記案内部材に設けた環状突起とが係合する様に工
夫し、案内部材の固定を図つたものである。

第１図は本考案になる打撃工具の往復動案内部
材の固定機構に関する具体例である。図において
１は原動機、２は原動機軸、３は傾斜クランク、
４はベルクランク、５は球接手、６はピストンピ
ン、７はピストン、８は案内部材、９は打撃子、
１０は中間子、１１は工具ホルダ、１２はギヤ、
１３は工具、１４はベアリングホルダ、１５は傾
斜クランク軸受、１６は案内部材に設けた環状突
起、１７はベアリングカバ、１８はインナカバ、
１９は取付ネジである。この様な構成において、
ピストン７の往復動軸に並行な回転軸を持つ様設
置された原動機１の回転は、原動機軸２の先端に
設けられた歯車と噛み合う傾斜クランク３のクラ
ンク軸の外周に設けられた歯車を通じて、傾斜ク
ランク３を回転させる。ベルクランク４には、回
転腕と揺動腕を有し回転腕が回り対偶関係で傾斜
クランク３に結合され、揺動腕がベルクランク４
を支持する球接手５の芯を中心として傾斜クラン
ク３の回転により揺動運動に変換される。前記揺
動腕はピストンピン６を介して駆動部材たるピス
トン７に結合され、案内部材に８に案内されたピ
ストン７を往復運動させる。傾斜クランク３と案
内部材８はベアリングホルダ１４で支持されてい
る。打撃子９は、案内部材８の内周でエアクツシ
ヨンを介してピストン７によつて往復駆動され、
中間子１０を打撃する。この打撃エネルギーは、
中間子１０を通じて工具ホルダ１１に保持された
工具１３に伝達される。一方、傾斜クランク３の
軸端に設けられた歯車はギヤ１２と噛み合いギヤ
１２を回転駆動する。ギヤ１２は前記工具ホルダ
１１と回転不能に結合されており、これを介して
工具１３を回転駆動する構造である。

前記、傾斜クランク３を支持する傾斜クランク
軸受１５のスラスト止め軸受外輪のクリープ止め
としてベアリングカバ１７を設け取付ネジ１９で
ベアリングホルダ１４に取付けられている。ベア
リングカバ１７は傾斜クランク３及び軸受の内輪
に接触しない様に逃げた形状になつている。さら
に第２図に示す様に前記案内部材８の外周に設け
た環状突起１６をベアリングホルダ１４とではさ
み込んで押えるような形状になつている。これに
より、前記案内部材８の軸方向の振動を防止し、
案内部材８の端部のインナカバ１８への打撃を防
止することができる構造となる。

以上のように本考案によれば、傾斜クランクの
軸受押え用ベアリングカバの形状を工夫し、これ
に押えられる突起を案内部材の外周に設けること
により、部品を増すことなく、安価で簡素な構造
で確実に案内部材の振動を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案になる打撃工具の往復動案内
部材の固定機構の一実施例を示す要部縦断側面
図、第２図は、第１図のＡ−Ａ線断面図である。 ３……傾斜クランク、８……案内部材、１５…
…傾斜クランク軸受、１６……環状突起、１７…
…ベアリングカバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転を伝達する軸と案内部材及びこれらを支持
   する支持部材と前記案内部材によつて案内され、
   軸方向に往復動を行なう駆動部材とを持つ打撃工
   具において、前記案内部材の外周に環状突起を設
   け、傾斜クランクを支持する軸受を押えるベアリ
   ングカバと前記支持部材との間に前記環状突起を
   はさみ込むよう構成して成る往復動案内部材の固
   定機構。