JPS628969Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テーブル上の被加工物に対して、
縦、横両方向から穴あけができる多軸ボール盤に
関するもので、以下に図面を参照して本考案の一
実施例を詳細に説明する。

図示した実施例は、多軸ヘツド部１と、その直
下で水平に支持されているテーブル２が示されて
いる。多軸ヘツド部１の上部中央には、図示しな
い駆動装置、たとえばモータと減速機構があつ
て、多軸ヘツド部１の上面板１ａ裏面からは、複
数のスピンドル軸３，３が、突出するように設け
られている。

これらスピンドル軸３，３の一方は、ユニバー
サルジヨイント４を介して伸縮可能な連結杆５に
接続され、この連結杆５の下端は、多軸ヘツド部
１の下部に固定されたチヤツク６と、ユニバーザ
ルジヨイント７により接続されている。

上記多軸ヘツド部１は、図示しない基台上のコ
ラムに取付けられ、側面には、複数の窓部１ｂ，
１ｂ、底面には開口部１ｃが形成されている。こ
の底面の開口部１ｃの周縁部１ｄには、２本のＴ
溝１ｅ，１ｅが切設され、各Ｔ溝１ｅには、Ｔボ
ルト８の軸部８ａの上端に形成された頭部８ｂ
が、Ｔ溝１ｅに沿つて摺動可能に嵌合されてお
り、各Ｔボルト８の軸部８ａには、多軸ヘツド部
１の周縁部１ｄの下面において、チヤツク支持腕
ａ、スラスト受板１０が、それぞれ固定されてい
る。

この多軸ヘツド部１の直下には、前記コラムに
沿つて水平を保ちながら上昇、下降するテーブル
２があり、このテーブル２上には、被加工物１１
が載置され、チヤツク６に取付けられたドリル５
ａが回転し、かつテーブル２が上方に送られてき
たとき、被加工物１１に対して上方から穴あけす
ることができるようになつている。

本考案の特徴は、以下に述べるように、側方か
ら穴あけを可能にするとともに、そのための送り
機構が、多軸ヘツド部１とテーブル２との距離の
変動に応じて作動するようにしたことにある。

前記スピンドル軸３，３の他方には、ユニバー
サルジヨイント１２を介して伸縮可能な連結杆１
３が接続され、さらに、この連結杆１３の他端
に、可撓性をもつ自在軸１４が接続されている。
自在軸１４は、芯材１４ａと外筒１４ｂとからな
り、芯材１４ａによつて、スピンドル軸３の回転
力が、テーブル２上に固定されたスピンドルケー
ス１５内の伸縮可能な連結杆１６に伝達されるよ
うに接続されている。

上記スピンドルケース１５は、テーブル２の上
面に刻設された案内溝（図示せず）等によつて、
被加工物１１に対して適宜距離で固定されるよう
になつており、その中に、連結杆１６、スプライ
ン回転軸１７、摺動軸１８が、各軸線とも水平方
向に順次連係されている。

連結杆１６に係合するスプライン回転軸１７
は、外穀シヤフト１７ａがスピンドルケース１５
内で回転するとき、この外穀シヤフト１７ａに内
嵌され、スプライン嵌合するスプラインシヤフト
１７ｂを回転させるようになつており、このスプ
ラインシヤフト１７ｂと係合する摺動軸１８は、
スピンドルケース１５内で軸線が直交するように
軸１９止されたピニオン１９ａと嵌合するラツク
２０ａを刻設した摺動軸外筒２０に内挿されてい
る。

２１は、上記摺動軸１８と一体に回転するチヤ
ツクであり、このチヤツク２１に取付けられたド
リル２１ａによつて、被加工物１１に対して側方
から穴あけするようになつている。

２２は、下端がテーブル２に形成された開孔部
２ａに遊嵌されたラツク軸で、このラツク軸２２
上端の螺刻部２２ａは、前記スラスト受板１０の
軸承孔１０ａに挿貫されるとともに、側面に刻設
したラツク２２ｂが、ピニオン軸１９に軸止され
たピニオン１９ｂと噛合している。

すなわち、テーブル２の上昇によつてピニオン
１９ｂが矢印ａ方向に回動したとき、ピニオン１
９ａにより、摺動軸外筒２０とともにスピンドル
ケース１５から摺動軸１８を押し出し、チヤツク
２１に取付けたドリル２１ａが前進するようにな
つている。

このとき、ラツク軸２２の螺刻部２２ａには、
スラスト受板１０の軸承孔１０ａを挟む上、下面
に、スラスト受ナツト２３ａ，２３ｂが螺合され
ていて、テーブル２の上昇時には、スラスト受板
１０の下面にスラスト受ナツト２３ｂが当接する
まで、ラツク軸２２がテーブル２とともに上昇す
ることにより、側方に前進するドリル２１ａのあ
そびを形成している。

このように構成されている多軸ボール盤におい
て、第１のドリル５ａがテーブル２の上昇にとも
なつて、上方から被加工物１１へ穴あけするとと
もに、多軸ヘツド部１の下端面のスラスト受板１
０が、テーブル２の上昇によつて、ラツク軸２２
の上昇を規制し、ピニオン１９ｂ，１９ａを回動
させ、第２のドリル２１ａを前進させることがで
きる。

スピンドルケース１５は、テーブル２上で被加
工物１１に対して、様々な角度をもつて配置で
き、上方から第１のドリル５ａで縦方向に穴あけ
するのと同時に、スピンドルケース１５からドリ
ル２１ａが前進して、横方向に穴あけすることが
できる。

したがつて、ひとつの被加工物１１に複数の穴
あけ加工を行なう場合、しかも、それぞれの穴あ
けの方向が異なる場合に、テーブル２上で被加工
物１１を固定しなおす等の手間が省ける。

上述の実施例では、テーブル上のスピンドルケ
ースは１個であるが、複数のスピンドルケースを
配置すれば、側方から２以上の穴あけもできる。

また、本考案は、テーブルを上下動させるテー
ブル昇降式のボール盤以外でも、ヘツド昇降式の
ボール盤にも適用できる。

以上述べたように、本考案によれば、複数のス
ピンドル軸を備える多軸ヘツド部から、縦方向の
穴あけを行うドリルと横方向の穴あけを行うドリ
ルを駆動するとともに、多軸ヘツド部とテーブル
との距離の変動に応じて、横方向の穴あけを行う
ドリルを前進させることができるようにしてある
から、被加工物への穴あけを、集中的にかつ効率
よく行なえる多軸ボール盤を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例を示す縦断正面図で
ある。 １……多軸ヘツド部、２……テーブル、３，３
……スピンドル軸、６……チヤツク、６ａ……第
１のドリル、１１……被加工物、１４……自在
軸、１５……スピンドルケース、２１……チヤツ
ク、２１ａ……第２のドリル、２２……ラツク
軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動装置と、この駆動装置に連係された複数の
   スピンドル軸を備える多軸ヘツド部と、この多軸
   ヘツド部の直下に位置し、被加工物が載置される
   とともに、多軸ヘツド部との距離が制御可能なテ
   ーブルと、このテーブル上の被加工物に対して、
   上方から穴明けするように前記スピンドル軸に係
   合された第１のドリルと、前記テーブル上に固定
   されたスピンドルケースにより、前記被加工物に
   対して側方から穴明けするように保持されるとと
   もに、前記第１のドリルとは別のスピンドル軸に
   可撓性の自在軸によつて係合された第２のドリル
   と、前記多軸ヘツド部とテーブルとの距離の変動
   に応じて第２のドリルを前進させる送り機構とを
   具備することを特徴とする多軸ボール盤。