JPS628418B2 - - Google Patents

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JPS628418B2
JPS628418B2 JP6402682A JP6402682A JPS628418B2 JP S628418 B2 JPS628418 B2 JP S628418B2 JP 6402682 A JP6402682 A JP 6402682A JP 6402682 A JP6402682 A JP 6402682A JP S628418 B2 JPS628418 B2 JP S628418B2
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JP
Japan
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membrane
ethanol
solution
separation
phase
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JP6402682A
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JPS58180442A (ja
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Hideki Iijima
Seiichi Manabe
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE8282110792T priority patent/DE3265896D1/de
Priority to EP82110792A priority patent/EP0080684B1/en
Priority to DK523182A priority patent/DK158706C/da
Priority to CA000416253A priority patent/CA1195254A/en
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、親水性高分子多孔膜および疎水性高
分子多孔膜の少なくとも一対を用いてエタノール
水溶液を限外過することにより、エタノール水
溶液からエタノールを分離濃縮する方法に関す
る。 さらに詳しくは、該エタノール水溶液に下記の
およびの金属塩、およびアンモニウム塩の全
体から1種以上を添加することにより、該エタノ
ール水溶液を相分離状態へ変化させ、しかる後に
該相分離状態の溶液を平均孔径(2a)が10-6
cm以上の親水性高分子多孔膜および疎水性高分子
多孔膜の少なくとも一対を用いて限外過するこ
とにより、水分比率の高い溶液を低い溶液との2
個の均一相の溶液に分離することを特徴とするエ
タノール水溶液からエタノールの分離濃縮方法に
関する。 アルカリ金属のフツ化物、水酸化物、硫酸
塩、炭酸塩、チオ硫酸塩。 イオン半径1.30Å以下の金属硫酸塩であつ
て、25℃での水に対する溶解度が10g/100ml
以上の硫酸塩。 ここで均一溶液とは、2成分以上の低分子化合
物で構成され、かつ各成分間が分子状に混合した
熱力学的に一相の液体を意味する。また、本発明
において低分子化合物とは、分子量1000以下の化
合物であり、高分子多孔膜とは分子量10000以上
の重合体で構成される多孔膜であり、共重合体
(ブロツク共重合、ランダム共重合、グラフト共
重合など)あるいは高分子混合物で構成される膜
も含む。 溶液中の溶媒の分離濃縮あるいは溶液中の溶質
の分離濃縮あるいは溶液中の不溶物の分離濃縮を
行うための膜分離技術としては、逆滲透膜によ
る膜分離技術、Pervaporation法による膜分離
技術、限外過膜による膜分離技術が知られて
いる。 逆滲透膜による海水の脱塩などは一部実用化さ
れている。この方法で採用される膜の平均孔径
は、通常50Å(0.005μm)以下である。一般に
逆滲透膜による分離は、操作圧力が20〜50気圧と
高圧であり、透過係数Peが10-14〔cm2/sec,cm
Hg〕と非常に小さいために効率が悪く、また装
置を大型化しなければならないという欠点があ
る。 Pervaporationで採用される膜の平均孔径は、
逆滲透膜と同様に通常50Åあるいは100Å以下で
ある。この方法においては、膜の片側を真空状態
にして溶媒を蒸気状態として膜を透過させ、冷却
凝結させる方法であり、溶液中の溶媒の分離濃縮
方法として数多くの研究がなされている。圧力差
は通常1気圧であり、分離係数αは高くともα=
25付近が現状の限界である。透過係数Peは10-10
〔cm2/sec,cmHg〕と非常に低いうえに、真空状
態の維持や冷却のために多大のエネルギーを必要
とするため、未だ実用化にはほど遠い技術と言わ
なければならない。なお、分離係数αは次式で定
義される。 α≡液中の目的物質の濃度/(1−液中の目的物質の濃度)/溶液中の目的物質の濃度/(1−溶液中の
目的物質の濃度) 平均孔径が10-6cm(100Å)以上の多孔膜を用
いた限外過では、通常の加圧操作条件下では均
一溶液中の溶媒を分離濃縮することはできないた
め、溶媒の分離濃縮方法としては、これまで考慮
されることはなかつた。また、学問的にも平均孔
径が10-6cm以上の膜では、溶液中の溶媒の分離濃
縮が不可能と考えられた。 以上のように、現在、一般に知られている膜分
離技術においては、均一溶液中の溶媒の分離濃縮
を高効率で行う技術は存在しないのが現状であ
り、エタノール水溶液からのエタノールの分離濃
縮についても、工業的規模で実施可能な膜分離技
術は見あたらない。 本発明者らは、エタノールの代替エネルギーと
しての将来性に着目し、低エネルギーコストで高
濃度にエタノール濃縮を行うべく鋭意検討した結
果、透過係数Peが充分に大きく、しかもエタノ
ール分離係数αが20以上という画期的なエタノー
ル分離濃縮方法を完成し、本発明を完成するに至
つた。 以下、本発明を詳しく説明する。 膜の単位面積当りの透過速度Jを上げるには、
空孔率Pr、平均孔径2a、圧力差△Pを上げ
るか、または膜厚dを薄くすればよいと一般に言
われている。しかし、通常の加圧または減圧操作
条件下では、透過速度Jと分離係数αとの間には
α≧1では負の相関性が、α≦1では正の相関性
が成りたつており、Jを大きくするとαは例外な
く1に接近する。したがつて、J,αともに増大
させながら高効率の分離を行うことは限外過で
は不可能と考えられている。 しかし、本発明者らは、エタノール水溶液を水
分比率の高い溶液と水分比率の低い溶液との2個
の均一溶液を持つ相分離状態へと変化させること
により、平均孔径(2a)が10-6cm以上の親水
性高分子多孔膜および疎水性高分子多孔膜の少な
くとも一対を用いて限外過することで、透過係
数Peが充分に大きく、しかも、エタノール分離
係数αが20以上でエタノール水溶液からエタノー
ルを分離濃縮できることを見い出した。 すなわち、溶液の膜透過に際して、水分比率の
高い溶液は選択的に親水性高分子多孔膜を透過
し、逆に水分比率の低い溶液は選択的に疎水性高
分子膜を透過する。しかも、本発明における相分
離状態において、2溶液の分離の状態、すなわち
水分率の高い溶液が水分率の低い溶液中に分散し
ているか、あるいは水分率の低い溶液が水分率の
高い溶液中に分散しているか、または溶液全体が
ただ一つの界面をはさんで2相に分離されている
かと言つた2溶液の物理的分散の形態が異なつて
も、膜の選択透過性は常に変化せず一定であり、
親水性高分子多孔膜を通して水分比率の高い溶液
が、また疎水性高分子多孔膜を通して水分比率の
低い溶液が常に得られる。 エタノール溶液を水分比率の高い溶液と水分比
率の低い溶液とに相分離させることは、エタノー
ル水溶液に次のからの化合物のうち一種以上
を一定量以上添加することにより達成できる。 アルカリ金属のフツ化物(例えば、フツ化カ
リウムKF) アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化カ
リウムKOH、水酸化ナトリウムNaOH) アルカリ金属の硫酸塩(例えば、硫酸ナトリ
ウムNa2SO4) アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸カリウ
ムK2CO3、炭酸ナトリウムNa2CO3) アルカリ金属のチオ硫酸塩(例えば、チオ硫
酸ナトリウムNa2S2O3) イオン半径1.30Å以下の金属硫酸塩で、25℃
において水への溶解度が10g/100ml以上の塩
(例えば、硫酸マンガンMnSO4、硫酸アルミニ
ウムAl2(SO43、硫酸マグネシウムMgSO4) アンモニウム塩(例えば、フツ化アンモニウ
ムNH4F、硫酸アンモニウム(NH42SO4) これらの化合物の共通した性質は、水への溶解
度が高く、かつ、エタノールにはほとんど溶解し
ない点である。したがつて、相分離状態にある2
溶液における水、エタノール、そして、相分離を
起こさせるために添加したこれら第3の化合物の
分配関係は、水分比率の高い溶液中に大量のこれ
ら第3の化合物と僅かのエタノールが溶解し、逆
に水分比率の低い溶液中には僅かのこれら第3の
化合物と大量のエタノールが溶解することにな
る。 したがつて、上記〜の化合物のうち一種
を、エタノール水溶液のエタノールの濃度と、添
加する化合物の種類、溶液の温度に応じて一定量
以上の割合でエタノール水溶液に添加すると、水
と添加した化合物を大部分含み、僅かのエタノー
ルしか溶解しない溶液(以下、水相という)と、
大部分のエタノールと僅かの水、僅かの添加した
化合物が溶解した溶液(以下、エタノール相とい
う)とに相分離する。 例えば、25℃において50重量%の炭酸カリウム
(K2CO3)水溶液と20重量%のエタノール水溶液を
混合すると直ちに相分離し、水相の組成はおよそ
炭酸カリウム:水:エタノール=52.8:46.9:0.3
となり、エタノール相の組成は炭酸カリウム:
水:エタノール=0.1:9.1:90.8となる。このよ
うな組成の2溶液が相分離した状態では、水相は
親水性膜を選択的に透過し、エタノール相は疎水
性膜を選択的に透過してくる。膜の平均孔径は
10-6cm以上の膜を用い、それぞれの膜を透過でき
る溶液の選択性が保たれる範囲内で透過係数Pe
をできる限り大きくすることが可能であり、従来
にない高濃縮を迅速に行なうことができる。 水相およびエタノール相をそれぞれ選択的に透
過させる高分子多孔膜の素材は、膜を構成する高
分子物質の溶解度パラメーターにより選定するこ
とができる。すなわち、親水性多孔膜を構成する
高分子物質としては、溶解度パラメーターが15
(cal/cm31/2以上であるもの、例えば、再生セ
ルロース(溶解度パラメーターは24.8(cal/
cm31/2)、ポリビニルアルコール(19.06)、ポリ
パラフエニレンテレフタールアミド(15.89)な
どが使用できる。 また、疎水性多孔膜を構成する高分子物質とし
ては、溶解度パラメーターが9(cal/cm31/2
下であるもの、例えば、ポリ四フツ化エチレン
(溶解度パラメーターは6.2(cal/cm31/2)、ポリ
塩化三フツ化エチレン(7.2)、ポリブタジエン
(8.40)、ポリプロピレン(8.02)、ポリエチレン
(8.56)、ポリプロピレングリコール(8.66)、ポ
リメチルシロキサン(7.5)、ポリイソプレン
(8.10)、ポリメタクリル酸エチル(9.0)、ポリメ
タクリル酸n−ブチル(8.7)、ポリメタクリル酸
t−ブチル(8.3)などが使用できる。 親水性多孔膜と疎水性多孔膜のそれぞれを構成
する素材は、単純にそれぞれの溶解度パラメータ
ーが上述した範囲にあれば、どのような素材の組
み合せを親水性多孔膜と疎水性多孔膜の一対の組
合せとして用いることも可能である。膜の選択性
をより高め、かつ、透過係数を高めるためには、
親水性多孔膜と疎水性多孔膜のそれぞれの膜素材
高分子の溶解度パラメーターの差を大きくとるこ
とが好ましい。 親水性高分子多孔膜としては、溶解度パラメー
ターが最も大きい部類に属する再生セルロースが
その素材高分子として好ましく、再生セルロース
の多孔膜を用いれば、その膜孔径(2a)は5
×10-6cm以上、1×10-3cm以下の広い範囲にわた
り、水相に対する膜の選択性を低下させることな
く分離を行うことができる。 膜孔径と膜に負荷される有効圧力△Pとは、分
離効率に対して密接な関係を持つており、親水性
膜、疎水性膜ともに次式(1)を満足することがより
好ましい。 △P≦4×10-5/a (1) ただし、△Pは有効圧力(cmHg単位)、2a
は膜平均孔径(cm単位)。 相分離状態にある溶液の水相とエタノール相が
どのような物理的分散状態であろうとも、それぞ
れの相の親水性多孔膜および疎水性多孔膜のいず
れを透過するかは一定である。すなわち、水相が
エタノール相中に分散しているか、あるいはエタ
ノール相が水相中に分散しているか、または溶液
全体がただ一つの界面をはさんで2相に分離され
ているか、といつた2相の物理的分散の形態は、
膜透過の選択性に何ら影響しない。しかし、より
高い透過係数を小さな有効圧力で達成するために
は、相分離状態にある溶液を撹拌することが好ま
しい。撹拌の方法としては、回転羽根による撹
拌、超音波発振器による撹拌、気体の吹き込みに
よる撹拌、相分離状態にある溶液をポンプにより
吹き込むことによる撹拌などの一般的な撹拌の手
段を単独に、または二つ以上組み合せることがで
きる。 以上述べたごとく、本発明によれば、エタノー
ル水溶液に特定の金属塩あるいはアンモニウム塩
を添加し、エタノール相と水相との2相分離状態
とし、しかる後に該相分離状態の溶液を平均孔径
(2a)が10-6cm以上の親水性高分子多孔膜お
よび疎水性高分子多孔膜の少なくとも一対を用い
て限外過すれば、親水性多孔膜は水相を、疎水
性多孔膜はエタノール相を選択的に透過させるた
め、稀薄エタノール水溶液からエネルギーをほと
んど消費せずに容易にエタノールを分離濃縮する
ことができる。 本発明における作用効果を列挙すると以下のと
おりである。蒸留のように多大なエネルギーを
消費せずにエタノールを容易に分離濃縮できる。
分離膜の平均孔径(2a)が10-6cm以上と大
きいので透過速度Jが非常に大きい、操作圧力
が非常に低いので装置の耐圧構造が不要である。
装置の構造が簡単であり、高効率分離(高分離
係数、高分離速度)が可能であるから装置が非常
に小型化できる。分離膜と分離相の親和力によ
り選択透過を行うので、相分離した2相間に重力
差がない場合でも親和力の差により分離できる。
エタノール水溶液からエタノール、水の両方を
除去するので、エタノール水溶液の連続濃縮が可
能である。装置の汎用性が大きく、エタノール
水溶液以外でも相分離させれば、本発明の方法に
より濃縮分離できる。現行の工業プロセスの抽
出操作工程に、本発明における分離濃縮装置を適
用すれば、工程の短縮、高速化が図れる。 実施例に先立ち、各物性値の測定方法を以下に
示す。 〈平均孔径2a〉 25℃の純水を0.2μmの孔径を持つポリカーボ
ネート多孔膜(General Electric社製、商品名
nuclepore)で過し、微粒子の存在しない純水
を調製する。この純水を用いて一定の圧力差△P
(cmHg)での試料多孔膜の単位面積当りの過速
度J(cm3/sec)を測定すれば、2a(cm)は
次式で算出される。 ここでηWは純水の粘度で通常1センチポイズ
である。dは膜の厚さ(cm)でマイクロメーター
で測定される。 〈空孔率Pr〉 多孔膜の見掛けの密度ρaの実測値から、Pr
は次式で算出される。 Pr=(1−ρa/ρP)×100 (百分率表示) (3) ここで、ρPは多孔膜素材の密度、ρaは多孔
膜の厚さd、重量W、面積Sの測定値より ρa=W/S・dで算出される。 〈分離係数α〉 溶液中および液中の成分濃度をガスクロマト
グラフ(島津製作所製、GC4CM)を用いて測定
し、次式により算出される。 α≡液中の目的物質の濃度/(1−液中の目的物質の濃度)/溶液中の目的物質の濃度/(1−溶液中の
目的物質の濃度) (4) 〈透過係数Pe〉 第1図の装置を用い過速度V(cm3/sec)、圧
力差△P(cmHg)、有効過面積S(cm2)、膜厚
d(cm)とすると、透過係数Peは次式で与えら
れる。 Pe=V・d/△P・S (5) 実施例 1 セルロースリンター(平均分子量2.3×105
を、公知の方法で調製した銅アンモニア溶液中に
4〜12重量%の各種濃度で溶解後、該溶液中にア
セトンを12重量%添加し、撹拌後、その溶液を30
℃のアセトン蒸気雰囲気の濃度が飽和蒸気圧の80
%の雰囲気下に置かれたガラス板上に、厚さ250
μmのアプリケーターで流延し、該雰囲気下に60
分放置後、20℃硫酸水溶液に15分間浸漬した後、
水洗し、水分を紙で吸い取り、20℃のアセトン
中に15分間浸漬し、膜中の水分をアセトン置換
し、紙にはさんで30分間風乾することにより、
平均孔径2a=1.0×10-5cm、膜の厚さd=2.5
×10-3cm、空孔率Pr=67%の再生セルロース多孔
膜を調製した。 一方、公知の方法でポリプロピレン多孔膜(膜
の厚さd=1.5×10-3cm、2a=1.1×10-4、Pr
=75%)を調製した。 図面に示したような過装置に親水性高分子多
孔膜1として、該再生セルロース多孔膜をステン
レス製メツシユ補助板3、シリコン製O−リング
4により装着した。また、疎水性高分子多孔膜2
として、該ポリプロピレン多孔膜を同様にステン
レスメツシユ補助板3′、シリコン製O−リング
4′により装着した。 過装置の膜1,2にはさまれた内部5に、
50.0重量%のエタノール水溶液100.0gを入れ、
次いで撹拌子6を電磁式撹拌機7で回転させた状
態で、フツ化カリウム、フツ化アンモニウム、炭
酸カリウムのいずれか1種類を50.0g添加し、エ
タノール水溶液を二相分離状態へと変化させた。 相分離した該溶液を撹拌子6により激しく撹拌
しながら、膜1を透過した液()と膜2を透
過した液()をそれぞれ捕集し、各液の成
分組成を調べた。第1表に結果を示す。 水分率はカールフイツシヤー法
(HIRANUMA,AQUACOUNTER AQ−1型)
により、エタノール含量はガスクロマト法(島津
製、TCD−4型)により、また、塩類含量は蒸
発乾固法により測定した。 使用した試薬は、フツ化カリウム(キシダ化
学、特級)、フツ化アンモニウム(キシダ化学、
特級)、炭酸カリウム(キシダ化学、特級、無
水)、エタノール(キシダ化学、特級)であつ
た。
【表】
【表】 第1表から明らかなように、再生セルロース多
孔膜を透過した液()は、ポリプロピレン多
孔膜を透過した液()より水分および塩の含
量比率が高く、逆に液()は液()より
エタノール含量の比率が高い。塩添加前のエタノ
ール濃度が50重量%であり、それが一挙に84〜92
重量%まで濃縮されている。しかも、操作圧力は
液面のヘツド差のみであり、圧力をほとんど要せ
ずに、膜により容易にエタノールの濃縮および脱
水を行うことができる。 透過係数は、従来の膜法に比して格段に高く、
3.0〜5.0×10-4〔cm2/sec,cmHg〕であつた。 本発明によれば、僅かの運転エネルギーで迅速
に稀薄エタノールから濃縮エタノールを得ること
ができる。しかも、対になつた親水膜からは、エ
タノールをほとんど含まない塩水溶液が回収でき
るので、稀薄エタノールから連続エタノールの濃
縮を行うことも可能である。 実施例 2 実施例1と同様の過装置を用いた。親水性お
よび疎水性高分子多孔膜としては、実施例1と同
様の再生セルロース多孔膜およびポリプロピレン
多孔膜を用いた。 20重量%から50重量%のエタノール水溶液
100.0gに、下記に示す塩酸のいずれか1種類を
30gから50g添加し、エタノール溶液を二相分離
状態へと変化させた後に、相分離状態のまま過
装置内5に注入し、撹拌子6で撹拌しながら、膜
2を透過した液()を捕集し、成分組成を調
べた。測定方法は実施例1と同様である。 使用した試薬のうち、フツ化カリウム(KF)、
水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム
(KOH)、硫酸ナトリウム(Na2SO4、無水)、炭
酸カリウム(K2CO3、無水)、炭酸ナトリウム
(Na2CO3、無水)、チオ硫酸ナトリウム
(Na2S2O3)、硫酸マンガン(MnSO4・4H2O〜
5H2O)、硫酸マグネシウム(MgSO4・7H2O)、フ
ツ化アンモニウム(NH4F)、硫酸アンモニウム
((NH42SO4)およびエタノールは、いずれもキシ
ダ化学製特級を用いた。また、硫酸アルミニウム
(Al2(SO43、無水)は関東化学製を用いた。 結果を第2表に示す。
【表】
【表】 第2表に示した塩類は、エタノール水溶液に添
加することで、該溶液を相分離状態に変化させる
ことのできる塩類の一部である。第2表より明ら
かなように、これらの塩類を添加することで得ら
れる相分離状態の溶液を、再生セルロース多孔膜
とポリプロピレン多孔膜の一対を用いて過する
と、ポリプロピレン多孔膜を透過して得られる
液()のエタノール濃度は、塩添加前のエタノ
ール濃度よりも、いずれの塩の場合も上昇してお
り、極めて低い操作圧力で容易にエタノールの濃
縮を行ない得ることがわかる。特に、フツ化カリ
ウム、炭酸カリウム、フツ化アンモニウムは塩含
量が極めて低く、エタノール濃度は約90重量%ま
で上昇しており、最も効率のよい濃縮を行うこと
ができる。 実施例 3 実施例1と同様の過装置を用いた。親水性お
よび疎水性高分子多孔膜としては、実施例1と同
様の再生セルロース多孔膜およびポリプロピレン
多孔膜を用いた。 10重量%から70重量%のエタノール水溶液に、
炭酸カリウムを添加して相分離状態へ変化させた
後に、過装置内へ注入し、撹拌子6で撹拌しな
がら、ポリプロピレン多孔膜を透過してくる液
()を捕集し、その成分組成を調べた。各成分
の測定方法は実施例1と同様である。 使用した試薬は、炭酸カリウム(K2CO3、無
水、キシダ化学、特級)、エタノール(キシダ化
学、特級)であつた。 結果を第3表に示す。
【表】
【表】 第3表から明らかなように、エタノール濃度が
10重量%前後であつても、炭酸カリウムを添加す
れば一挙に90重量%近くにまで濃縮されたエタノ
ール水溶液を得ることができる。しかも、この濃
縮エタノール中には、ほとんど炭酸カリウムは溶
解していない。操作圧力が低いにもかかわらず、
孔径が大きいため、透過係数が従来のものに比し
て格段に大きく、本発明が稀薄エタノールから一
挙に濃縮エタノールを低エネルギーで、しかも、
迅速に生産する画期的な膜分離方法であることが
わかる。 実施例 4 実施例1と同様の過装置を用い、親水性高分
子多孔膜としては、再生セルロース多孔膜(2
a=1.2×10-5cm、d=2.5×10-3cm、Pr=68%)
を用い、対応する疎水性高分子多孔膜としては、
公知の方法にて調製したポリフツ化ビニリデン多
孔膜(2a=1.1×10-4、d=2.5×10-3cm、Pr
=75%)、公知の方法にて調製したポリプロピレ
ン多孔膜(2a=1.1×10-4cm、d=1.5×10-3
cm、Pr=75%)および市販テフロン多孔膜(ミ
リポア社製、2a=1.0×10-4、1.0×10-3cm)
を用いた。 エタノール水溶液(キシダ化学、特級を用いて
調整)に炭酸カリウム(キシダ化学、特級、無
水)を添加し、相分離状態に変化させた後、第1
図の過装置に注入し、撹拌子6で撹拌しなが
ら、疎水性高分子多孔膜を透過してくる液を捕
集し、その成分組成を調べた。各成分の測定方法
は実施例1と同様である。 結果を第4表に示す。各膜とも有効過面積は
9.6cm2である。
【表】
【表】 第4表より明らかなように、有効圧力Pと平均
孔径2aが第(1)式を満足する場合、ポリプロピ
レン、テフロンおよびフツ化ビニリデンのいずれ
の多孔膜においても、良好に濃縮エタノールを得
ることができる。しかし、第(1)式を満足しない場
合、分離不良となる。 実施例 5 実施例4において、過装置内の撹拌の効果を
比較した。超音波発生器は海上電機製4240型
(20KW)を用いた。膜はテフロン(ミリポア社
製、2a=1.0×10-4cm)を用い、有効圧力は
P=0.45cmHgであつた。 結果を第5表に示す。
【表】 第5表より明らかなように、装置内の撹拌は透
過係数の向上のために不可欠であることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の方法に使用する過装置の態様
を示す説明図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エタノール水溶液からエタノールを分離濃縮
    するに際し、エタノール水溶液に下記〜の全
    体から1種以上を添加して相分離状態へ変化せし
    めた後、平均孔径(2a)が10-6cm以上の親水
    性高分子多孔膜および疎水性高分子多孔膜を用い
    て、相分離状態の溶液を限外過することを特徴
    とする分離濃縮方法。 アルカリ金属のフツ化物、水酸化物、硫酸
    塩、炭酸塩、チオ硫酸塩。 イオン半径1.30Å以下の金属陽イオン硫酸塩
    であつて、25℃での水に対する溶解度が10g/
    100ml以上の硫酸塩。 アンモニウム塩。 2 親水性多孔膜を構成する高分子物質の溶解度
    パラメーターが15(cal/cm31/2以上であり、か
    つ、疎水性多孔膜を構成する高分子物質の溶解度
    パラメータが9(cal/cm31/2以下である特許請
    求の範囲第1項記載の分離濃縮方法。 3 親水性高分子多孔膜として2aが5×10-6
    cm以上で1×10-3cm以下の再生セルロース膜を用
    いる特許請求の範囲第1項または第2項記載の分
    離濃縮方法。 4 限外過する際、高分子多孔膜に負荷される
    有効圧力△P(cmHg単位)が下記(1)式を満足す
    る特許請求の範囲第1項ないし第3項記載の分離
    濃縮方法。 △P≦4×10-5/a (1) (aは平均孔半径) 5 相分離状態にある溶液を撹拌しながら限外
    過する特許請求の範囲第1項ないし第4項記載の
    分離濃縮方法。
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