JPS628345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ロータリピストンエンジンの構造、
特に２次エアおよび掃気用エアの供給構造に関す
るものである。

従来より、エンジンにより駆動されるエアポン
プ等の２次エア供給装置により、エンジンの排気
通路に２次エアを供給する２次エア供給構造はよ
く知られている（例えば、実開昭54−71005号公
報参照）。

また、ロータリピストンエンジンにおいて、吸
気ポートと排気ポートとの間のケーシング内面に
掃気用エア通路を開口させて過給機から過給エア
の一部を掃気用エアとして供給するとともに、掃
気用エア通路にタイミングバルブを設け、このタ
イミングバルブにより掃気用エアのタイミングを
制御するようにしたものが知られている（特開昭
56−81225号公報参照）。

しかしながら、従来においては、２次エアの供
給源と掃気用エアの供給源とは別個のものとして
観念されており、単に、両方の供給源を１つの供
給源で共用しようとした場合には、２次エアの供
給時掃気側のエア圧が低下して、吸気側に持込ま
れようとするダイリユーシヨンガスを掃気すると
いう本来の目的を有効に達成することができない
問題がある。

本考案は、かかる問題に鑑みてなされたもので
あつて、２次エアの供給時にも掃気側のエア圧を
低下させることなく、両方のエアの供給源を共用
できる構造を有するロータリピストンエンジンを
提供せんとするものである。

このため、本考案においては、２次エア通路と
掃気用エア通路をエンジンにより駆動されるエア
ポンプの吐出側に接続して供給源を共通化する一
方、掃気用エア通路の有効断面積を２次エア通路
の有効断面積より大きく設定して、２次エアの供
給時にもダイリユーシヨンガスの掃気にとつて必
要十分な掃気用エアを必要なタイミングで供給し
うるようにしたことを特徴としている。

以下、より具体的に図示の実施例に基づいて本
考案を説明する。

図面において、１はトロコイド内周面１ａを有
するロータハウジングとその両側に配置したサイ
ドハウジングとからなるケーシング、２はトロコ
イド内周面１ａに３つの頂点を摺接させながら、
出力軸３の廻りで遊星回転して順次に吸気、圧
縮、爆発、膨張、排気の各行程を繰返すロータ、
４は吸気行程においてロータ２により開かれ、混
合気を供給する吸気ポート、５は排気行程におい
て排気ガスをケーシング１の外部に排出するため
の排気ポートである。

一方、６は具体的には図示しないが、上記エン
ジンの出力軸３により駆動されるベーンタイプの
エアポンプで、このエアポンプ６の吐出側には、
途中で分岐した２次エア通路７と掃気用エア通路
８とを共通に連結している。

上記２次エア通路７は、一端が上記ケーシング
１の排気ポート５に連通する２次エアポート９と
して形成されており、２次エア通路７の途中に
は、エンジンの低速・軽負荷運転時該通路７を開
き、それ以外の運転時には該通路７を閉じる２次
エア制御弁１０を介設するとともに、２次エア制
御弁１０のさらに下流には、２次エア通路７の有
効通路断面積を、掃気用エア通路８の有効通路断
面積より小さい値に規制するための絞り１１を介
設している。

また、上記掃気用エア通路８は、図示の如く、
ロータ２が排気行程終了付近の位相にあるとき、
吸気ポート４と排気ポート５との間に形成される
作動室１２にロータ２の回転方向に関してトレー
リング側に傾斜して開口する掃気用エアポート１
３を有し、この掃気用エアポート１３から供給す
る掃気用エアによつて、排気側から吸気側に持込
まれようとするダイリユーシヨンガスを遮断す
る。この掃気用エア通路８の途中には、ロータリ
バルブよりなるタイミングバルブ１４を介設し、
このタイミングバルブ１４の回転軸に取付けたプ
ーリ１５を、出力軸３との間に懸張した無端のタ
イミングベルト１６により駆動するようにしてい
る。このタイミングバルブ１４による掃気用エア
通路８の開閉のタイミングは、ロータが排気行程
終了付近にあるとき開き、それ以外で閉じるよう
設定しておく。

上記の構成とすれば、エンジンの運転時、エン
ジンにより駆動されるエアポンプ６から吐出され
るエアは、２次エア通路７と掃気用エア通路８と
に送られる。２次エア通路７は、エンジンの低
速・軽負荷運転時、２次エア制御弁１０によつて
開かれ、２次エアは絞り１１を介して２次エアポ
ート９から排気ポート５に供給され、排気ポート
５から排出される排気ガス中に混入し、具体的に
は図示しない排気ガス浄化装置内において排気ガ
スの燃焼に必要な酸素を供給する。

一方、掃気用エア通路８は、エンジンの排気行
程終了頃にタイミングバルブ１４により開かれる
ごとに、掃気用エアを掃気用エアポート１３から
ロータ２の回転方向トレーリング側に向けて供給
する。このため、排気ポート５と吸気ポート４の
間の作動室１２内において、排気ポート５側から
吸気ポート４側に向かうダイリユーシヨンガス流
は、これと対向する掃気用エア流によつて遮断さ
れ、吸気側へのダイリユーシヨンガスの持込みが
阻止される。

この場合、掃気用エア通路８の有効通路断面積
は、２次エア通路７の有効通路断面積（具体的に
は、絞り１１の断面積）に比して大きいので、２
次エアの供給が行なわれるエンジンの低速．軽負
荷運転時においても、掃気用エア通路８側のエア
圧はさほど低下することはなく、ダイリユーシヨ
ンガスの掃気に必要十分なエア量を確保すること
ができる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、掃気用エア通路の有効通路断面積を２次エア
通路の有効通路断面積より大きく設定したから、
２次エアの供給時にも掃気用エアのエア圧を低下
させることなしに２次エアと掃気用エアの供給源
を共通化することができ、１つのエアポンプの駆
動で足りるから、エンジンのエネルギ損失を可及
的に減少させることができる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案にかかるロータリピストンエン
ジンの垂直断面説明図である。 １…ケーシング、２…ロータ、４…吸気ポー
ト、５…排気ポート、６…エアポンプ、７…２次
エア通路、８…掃気用エア通路、９…２次エアポ
ート、１０…２次エア制御弁、１１…絞り、１２
…作動室、１３…掃気用エアポート、１４…タイ
ミングバルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排気通路とエアポンプの吐出口とを連通する２
   次エア通路を設ける一方、一端が上記エアポンプ
   の吐出口に連通し、他端が吸気ポートと排気ポー
   トとの間の作動室に連通する掃気用エア通路を設
   け、該掃気用エア通路の通路面積を２次エア通路
   の通路面積より大きく構成したことを特徴とする
   ロータリピストンエンジン。