JPS62809B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、トロリーコンベヤのトロリーに設け
た吊具に吊り下げられて来たハンガーを別のコン
ベヤに乗り移らせ、又はその逆方向に乗り移らせ
るためのハンガー移載装置に関し、極めて構造簡
単なものであり乍ら前記両コンベヤ間のハンガー
移載を安全確実に行なわせ得るようなハンガー移
載装置を提供するものである。

以下に本発明の一実施例にかかる移載装置を用
いた搬送装置を添付の例示図に基づいて説明する
と、第１図及び第２図において、Ａはパワーライ
ン１とフリーライン２とを有するトロリーコンベ
ヤであり、Ｂはパワーラインのみから成るトロリ
ーコンベヤである。ＣはトロリーコンベヤＡから
切り離したハンガーをトロリーコンベヤＢへ乗り
移らせる中継コンベヤであり、Ｄ及びＥは本発明
の移載装置、ＦはトロリーコンベヤＡにおけるト
ロリーフイーダーである。

第３図及び第４図に示すように、トロリーコン
ベヤＡはそのパワーライン１に案内されて連続移
動する上下揺動自在のプツシヤー３によりフリー
ライン２に案内されるトロリーユニツト４を推進
させるもので、トロリーユニツト４の前後のトロ
リー５，６が吊具７を吊り下げ、後部トロリー６
にプツシヤー３が係合するドツグ８が突設される
と共に、前部トロリー５に後続のトロリーユニツ
トを駆動するプツシヤー３をそのドツグから上方
に逃がして通過させるための操作片９が突設され
ている。吊具７にはその下端両側板１０の各々か
ら内方にピン１１が同心状に突設され、この吊具
７に吊り下げられるハンガー１２の上端には、前
記左右一対のピン１１間を通る板状１３の上端に
おいて当該ピン１１に上から下へ嵌合するアング
ル材から成る係合部１４が設けられ、前記吊具７
に対し上下移動と前後移動とによつて前後何れ側
からも掛け外し自在に構成されている。又、板体
１３の下端には左右両横方向に突設された角棒１
５から成る被支持部１６が設けられ、この板体１
３の下側でハンガー１２の左右中央位置には中継
コンベヤＣ上に乗る載置部１７が設けられてい
る。被搬送物はこのハンガー１２の下端に適当な
アタツチメントを介して吊り下げられる。１８は
トロリーユニツト４の前部トロリー５から一側方
に突設したピンであり、トロリーフイーダーＦに
係合する。

プツシヤー３で駆動されて来たトロリーユニツ
ト４は、第３図のＯ位置において出退自在なスト
ツパー１９により停止せしめられ、且つ逆止スト
ツパー２０により反動による逆行も阻止される。
プツシヤー３はストツパー１９により上動してド
ツグ８から離脱すると共に、プツシヤーガイドバ
ー２１によりＰ位置とＱ位置との間の位置まで上
動した非作用姿勢のままで移動する。Ｐ位置にお
いてもストツパー２２と逆止ストツパー２３とが
設けられている。トロリーフイーダーＦは、Ｏ位
置に停止したトロリーユニツト４をＰ位置まで移
動させると同時に、Ｐ位置で停止しているトロリ
ーユニツト４をＱ位置まで送り出すものである。

第１図、第２図、第５図及び第６図に示すよう
にトロリーフイーダーＦは、トロリーコンベヤＡ
のフリーライン２と平行に往復移動自在にガイド
レール２４に車輪２５を介して支持される可動台
２６と、この可動台２６に軸支した前後一対の回
転板２７，２８と、可動台駆動手段２９とを備え
ている。回転板２７，２８は、その周部に前記ピ
ン１８が嵌合する切欠き凹部３０が等間隔おきに
形成され、そして第５図に示すようにピン１８が
回転板２７を後押して切欠き凹部３０に嵌入する
ときの正回転（矢印３１方向）のみ可能なよう
に、ラチエツト機構３２（第６図参照）によつて
逆回転不能に構成されている。駆動手段２９は、
第２図にも示すように回転アーム３３と、このア
ーム３３と可動台２６とを連結する連結杆３４と
から成る。

第３図のＯ位置で自動停止するトロリーユニツ
ト４のピン１８は、第５図に示すように後退限位
置にあるフイーダーＦの回転板２７を正回転方向
３１に単位角度回転させて真下に位置する切欠き
凹部３０に自動的に嵌合する。この状態でストツ
パー１９，２２を一時解除し、可動台２６を回転
アーム３３の回転により一定距離前進させると、
回転板２７とこれに係合するピン１８とを介して
Ｏ位置のトロリーユニツト４がＰ位置まで移動せ
しめられ、第３図のストツパー２２と逆止ストツ
パー２３とにより所定位置に固定される。続いて
可動台２６は後退移動するが、回転板２７，２８
は正回転方向３１には回転し得るので、回転板２
７はＰ位置に達したトロリーユニツト４のピン１
８から回転し乍ら離脱し、Ｑ位置から復帰移動す
る回転板２８はピン１８により回転せしめられ乍
らＰ位置に戻り、該ピン１８は回転板２８の切欠
き凹部３０に自動的に嵌合する。従つて可動台２
６の次の前進移動により、Ｐ位置のトロリーユニ
ツト４が回転板２８とこれに係合するピン１８と
によりＱ位置へ送り出され、Ｑ位置に送り出され
たトロリーユニツト４は第３図に示すように再び
パワーライン１のプツシヤー３により駆動され
る。

上記のようにトロリーフイーダーＦによつてＯ
位置のトロリーユニツト４がＰ位置へ、Ｐ位置の
トロリーユニツト４がＱ位置へと順送りに移送さ
れるが、Ｐ位置に到達したトロリーユニツト４か
らハンガー１２が移載装置Ｄにより中継コンベヤ
Ｃへ移載される。

移載装置Ｄは、第４図に示すようにハンガー１
２の被支持部１６を、当該被支持部１６を中心と
するハンガー１２の前後揺動を阻止する状態に嵌
合支持する左右一対の支持部材３５を有する。実
施例では前記被支持部１６が角棒１５から構成さ
れているので、支持部材３５には当該角棒１５が
回転不能に嵌合するＶ形の受け溝を形成したが、
これに限定されない。第６図及び第７図に示すよ
うに各支持部材３５は、上下一対の平行回転クラ
ンクアーム３６，３７の内、一方のアーム３７の
遊端に軸支されると共に他方のアーム３６の遊端
には水平状態を保つように中継リンク３８を介し
て軸支されている。上下一対の平行回転クランク
アーム３６，３７は、歯車３９，４０，４１によ
り等速同方向に回転するように連動連結され、歯
車３９は、入力軸４２に傘歯車筐４３内の傘歯車
及び歯車４４，４５を介して連動連結されてい
る。歯車４４，３９間のアイドルギヤーである歯
車４５は、クランクアーム３６の軸４６を中心に
揺動自在なＬ形アーム４７の一端に軸支され、Ｌ
形アーム４７の他端は、ロツクピン４８によりロ
ツクプレート４９に係合されている。従つてロツ
クピン４８をロツクプレート４９から抜いてＬ形
アーム４７を揺動させる事により、歯車４５を歯
車４４から切り離し、移載装置Ｄをタイミング調
整等のためにフリーな状態とする事ができる。

上記の移載装置Ｄによれば、入力軸４２に回転
力を伝達する事により一対のクランクアーム３
６，３７が等速同方向に回転し、支持部材３５が
水平姿勢を保ち乍ら上下に回転運動する事にな
る。従つて左右一対の支持部材３５を、第３図に
示すようにＰ位置で停止したトロリーユニツト４
に吊り下げられているハンガー１２の被支持部１
６の左右両端を同時に上方前方へすくい上げるタ
イミング及び回転方向で回転させる事により、ハ
ンガー１２の上端係合部１４が吊具７の両側板１
０間より上方前方へ移動しでピン１１から離脱す
る。支持部材３５の回転が進むにつれてこれに支
持されたハンガー１２は吊具７の前方位置で下降
し（第３図中仮想線参照）、そしてハンガー１２
の載置部１７が中継コンベヤＣ上に降ろされる。
中継コンベヤＣは常時駆動されており、従つて載
置部１７がこの中継コンベヤＣ上に降ろされたハ
ンガー１２は直ちに該中継コンベヤＣにより前方
へ移送される。このときの移送速度よりも十分に
速い速度で支持部材３５が回転しているので、ハ
ンガー１２の前進を妨げる事なく支持部材３５は
被支持部１６から下方後方へ回動離脱する。この
ように、Ｐ位置で停止したトロリーユニツト４の
吊具７に吊り下げられているハンガー１２を移載
装置Ｄにより該吊具７から前方へ外すと共に中継
コンベヤＣ上へ該ハンガー１２を移載し終つた後
に、前記のようにストツパー１９，２２の一時開
動とフイーダーＦの作動とが行なわれる。

中継コンベヤＣにより搬送されるハンガー１２
が第１図の移載装置Ｅに対応する位置に到達する
と、該移載装置Ｅによりそのハンガー１２がトロ
リーコンベヤＢに移載される。第８図及び第９図
に示すように移載装置Ｅはハンガー１２の被支持
部１６の両端を同時にすくい上げて上方前方下方
へと円運動する一対の支持部材５０を有する。こ
の支持部材５０の各々は、第６図及び第７図に示
した支持部材３５の駆動手段５１と全く同一の駆
動手段５２により駆動されるものである。一方、
トロリーコンベヤＢは前記トロリーコンベヤＡの
トロリーユニツト４に設けた吊具７と同一の吊具
５３を、駆動用チエン５４によつて駆動される各
トロリー５５に吊り下げて成るものである。５６
はトロリー５５のガイドレールであり、第１図及
び第２図中５７は駆動用チエン５４に咬合して回
転する歯輪である。

第９図及び第１０図に示すように、中継コンベ
ヤＣで搬送されて来たハンガー１２の被支持部１
６の両端を支持部材５０で上方前方へすくい上げ
ると共に、そのハンガー１２の上端係合部１４を
トロリーコンベヤＢの移動中の吊具５３における
ピン１１に後方上方から迫つかけて係合させ得る
タイミング及び回転速度、回転方向で移載装置Ｅ
の支持部材５０を回動させる事により、中継コン
ベヤＣで搬送されて来たハンガー１２を停止させ
る事なく、トロリーコンベヤＢの移動中のトロリ
ー５５の吊具５３へ移載させる事ができる。

以上のようにハンガー１２をトロリーコンベヤ
ＡからトロリーコンベヤＢへタイミング良く移載
させるために、移載装置Ｄ及びＥ、中継コンベヤ
Ｃ、並びにトロリーフイーダーＦの全てをトロリ
ーコンベヤＢに同期させて作動させている。即
ち、第１図及び第２図に示すようにトロリーコン
ベヤＢの駆動用チエン５４に咬口して回転する歯
輪５７の回転軸５８の回転を、軸５９〜６２を介
して移載装置Ｄにおける左右一対の支持部材３５
の各駆動手段５１における入力軸４２に伝達せし
めると共に、軸５９，６０，６３及び６４を介し
て移載装置Ｅにおける左右一対の支持部材５０の
各駆動手段５２における入力軸４２に伝達せし
め、さらに軸５９，６０，６３及び６５〜６７を
介して中継コンベヤＣの駆動手段６８に前記歯輪
５８の回転を伝達せしめると共に、軸５９，６
０，６１，６９及び歯車列７０を介してトロリー
フイーダーＦの駆動手段２９における回転アーム
３３にも当該回転を伝達せしめるように構成して
ある。なお前記歯車列７０中にも、第７図に示し
た歯車４５と同様に簡単切り離なす事のできる中
間歯車７１を設けておくと、タイミング調整が容
易に行なえる。

第１０図は移動している吊具５３のピン１１
と、これを後方から迫つかけて該ピン１１に後方
上方から係合するハンガー１２の係合部１４との
位置関係の変化を示しており、ピン１１の位置１
〜６の夫々に係合部１４の位置１〜６が対応す
る。

上記実施例では、トロリーコンベヤＡを、任意
位置でトロリーユニツト４を停止させる事のでき
るタイプのもので示したが、トロリーコンベヤＢ
と同様に吊具７を備えたトロリーが連続移動する
普通タイプのものであつても良い。この場合に
は、第１１図に示すように移動中の吊具７のピン
１１からハンガー１２の係合部１４を該ピン１１
の上方前方下方へと先行移動させて外し、吊具７
の前方位置で中継コンベヤＣ上へそのハンガー１
２を移載させれば良い。図中ピン１１の位置１〜
６の夫々に係合部１４の位置１〜６が対応する。
又、この場合にはトロリーコンベヤＡ及びＢは互
に同期運転され、移載装置Ｄ，Ｅや中継コンベヤ
ＣはトロリーコンベヤＡ，Ｂの何れに連動連結さ
せても良い（トロリーフイーダーＦは不要）。

又、実施例とは逆に、トロリーコンベヤＡが、
吊具をもつたトロリーが連続移動するタイプのも
ので、トロリーコンベヤＢが任意位置でトロリー
を停止させ得るタイプのものであつても良い。

本発明の移載装置は上記実施例のように実施し
使用する事ができるものであり、その最大の特徴
は、トロリーコンベヤのトロリーに設けた吊具に
対し上下移動と前後移動とによつて前後何れ側か
らも掛け外し自在な係合部、この係合部よりも下
方位置で左右に突出する一対の被支持部、及びこ
の左右一対の被支持部よりも下方位置で中央に位
置する載置部をハンガー上端部に設け、前記載置
部を介して前記ハンガーの左右中央位置を支持し
て搬送するハンガー支持搬送コンベヤ（実施例で
は中継コンベヤＣ）と前記トロリーコンベヤとの
間のハンガー移載場所には、前記左右一対の被支
持部を、当該被支持部を中心とするハンガーの前
後揺動を阻止する状態に嵌合支持する左右一対の
支持部材と、この両支持部材を姿勢一定に保つて
上下前後に運動させる駆動手段（実施例では平行
回転クランクアーム３６，３７及びその駆動機
構）とを設け、この左右一対の支持部材の上下前
後運動により前記両コンベヤ間でハンガーを乗り
移らせるようにした点にある。

このような本発明の構成によれば、前記トロリ
ーコンベヤから前方下方へハンガーを外して当該
トロリーコンベヤと搬送方向が同一の前記ハンガ
ー支持搬送コンベヤ上に移載することも、この逆
にハンガー支持搬送コンベヤ上から上方前方へハ
ンガーを持ち上げて前記トロリーコンベヤに後側
から移載することも可能となり、前記トロリーコ
ンベヤとハンガー支持搬送コンベヤとを組み合わ
せたハンガー搬送経路を自在に設定して活用する
ことが出来る。

しかも移載されるハンガーは、左右両側から一
対の支持部材によつて支持されることと、この支
持部材にハンガーが前後に揺動出来ない状態に支
持されることとによつて、ハンガーの移載作業が
非常に安全に行われ、特にハンガー支持搬送コン
ベヤ上にハンガーの載置部が乗り移るとき、ハン
ガーが垂直姿勢を保つているので、前記支持部材
がハンガーから離れたときに当該ハンガーが大き
く前後に揺れ動く危険がなくなり、安全性が向上
する。

又、ハンガーの載置部を支持して搬送するコン
ベヤとしては、ハンガーの左右中央部一箇所を支
持する一列のコンベヤで良く、左右２列のコンベ
ヤを使用しなければならない場合と比較して大幅
なコストダウンが期待出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例にかかる移載装置を使
用した搬送装置の実施例を示し、第１図は一部切
欠、概略側面図、第２図は一部切欠、概略平面
図、第３図はトロリーコンベヤＡから中継コンベ
ヤＣへの移載部域を示す側面図、第４図はその要
部の縦断面図、第５図はトロリーフイーダーの側
面図、第６図は本発明移載装置Ｄの片側を示す正
面図、第７図は同側面図、第８図はトロリーコン
ベヤＢへの移載部域を示す縦断面図、第９図は同
側面図、第１０図及び第１１図は移載作用説明図
である。 Ａ，Ｂ……トロリーコンベヤ、Ｃ……中継コン
ベヤ、Ｄ，Ｅ……移載装置、Ｆ……トロリーフイ
ーダー、３……プツシヤー、４……トロリーユニ
ツト、７，５３……吊具、１１……ピン、１２…
…ハンガー、１４……係合部、１６……被支持
部、１７……中継コンベヤＣへの載置部、１８…
…フイーダーＦと係合するピン、１９，２２……
出退自在ストツパー、２０，２３……逆止ストツ
パー、２１……プツシヤーガイドバー、２６……
可動台、２７，２８……回転板、２９……可動台
駆動手段、３０……切欠き凹部、３２……ラチエ
ツト機構、３５，５０……支持部材、３６，３７
……平行回転クランクアーム、３８……中継リン
ク、５４……駆動用チエン、５５……トロリー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ トロリーコンベヤのトロリーに設けた吊具に
   対し上下移動と前後移動とによつて前後何れ側か
   らも掛け外し自在な係合部、この係合部よりも下
   方位置で左右に突出する一対の被支持部、及びこ
   の左右一対の被支持部よりも下方位置で中央に位
   置する載置部をハンガー上端部に設け、前記載置
   部を介して前記ハンガーの左右中央位置を支持し
   て搬送するハンガー支持搬送コンベヤと前記トロ
   リーコンベヤとの間のハンガー移載場所には、前
   記左右一対の被支持部を、当該被支持部を中心と
   するハンガーの前後揺動を阻止する状態に嵌合支
   持する左右一対の支持部材と、この両支持部材を
   姿勢一定に保つて上下前後に運動させる駆動手段
   とを設け、この左右一対の支持部材の上下前後運
   動により前記両コンベヤ間でハンガーを乗り移ら
   せるようにしたコンベヤ間のハンガー移載装置。