JPS627725Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は一つの蛇口でシヤワー状散水流と棒
状整水流を切換え操作により可能とした蛇口の改
良に関し、特に切換え操作の簡易化と安全性の向
上等を図つたものである。

従来、一つの蛇口でシヤワー状の散水流と棒状
の整水流を切換え流出せしめるものは、例えば蛇
口主体の頂部外方につまみを突出させた切換え操
作軸を上下に移動させることにより流路の切換え
を行う構造のものが知られているが、つまみの押
込み、引出し操作を伴い特に引出し操作が困難で
あつた、又は主体の流出面に突出する蛇口筒を螺
進、螺退させてその切換えを行う構造のものも知
られているが、切換えに手数を要し熱湯流出時に
は熱湯が手先に触れることから、その切換え操作
が行えないという欠点があり、いずれも実用に供
し得ないものであつた。

この考案は上記欠点を除去するために改良され
たもので、その要旨とするところは次の通りであ
る。

一つの蛇口でシヤワー状散水流と棒状整水流を
可能としたものにおいて、蛇口主体の略中心部に
整水路を、またその外側部には散水路を有し、該
整水路と散水路に通ずる通孔４と通孔５をもつ弁
板上に、蛇口主体に直交し両端部を外部に突出し
て貫挿して設けた操作杆の半径方向への進退運動
によつて通孔４と通孔５の何れか一方を水管と連
通するための通孔１８を有し他方を閉塞させ且つ
下面が平担面をなす通水路開閉用の摺動体を設
け、該摺動体の両端の立上り部には縦長状の長孔
を有し操作杆に対して摺動体を上下に可動自在と
すると共に該摺動体の上面を板ばね等の弾性部材
を介して弁板上に圧接関連せしめて成ることを特
徴とする蛇口に係るものである。

次にその一実施例を図面にもとづき説明する。

図面において１は蛇口主体、１ａは取付筒、１
ｂは取付筒１ａに螺着された外筒、１ｃは外筒１
ｂ内に挿着された漏斗形の内筒、１０は外筒１ｂ
の先端に挿着された環状の散水板で、散水板１０
は多数の流水孔１０ａが穿設されている。６は取
付筒１ａと外筒１ｂにより挟持固定された弁板
で、弁板６の中心部下側に連通筒１１が形成され
ており、該連通筒１１の内外側には後記する整水
路２あるいは散水路３に連通する通孔４と通孔５
が穿設されている。１２は内筒１ｃの上内周端部
に円筒部が螺挿され、外周部に散水路３に連通す
る複数の通孔１３を穿設した支持板である。しか
して内筒１ｃの先端部を散水板１０に嵌入させ、
支持板１２に連通筒１１を嵌入させて、内筒１ｃ
は支持板１２を介して弁板６と散水板１０との間
に挟持されており、その外側を散水路３となし、
その内側を整水路２となしている。

また、内筒１ｃの内側に放射状の隔片を介して
一体的に形成された内壁１４が嵌挿されており、
内筒１ｃとの間に蒸気を通過させるための流出溝
１５を形成している。内壁１４の内周下部には中
心までのびる放射状の仕切壁と該仕切壁上に邪魔
板が一体的に形成されており、その間に流入水を
整流させるための流出溝１６を形成している。

７は取付筒１ａに直交して両端部を外部へ突出
させて軸承部へ貫挿された操作杆で、該操作杆７
はパツキン１７にて水密を保つて取付筒１ａの半
径方向に摺動可能となつており、その両端突出部
につまみ７ａを固着してある。８は前記通孔４と
連通する通孔１８を穿設した摺動体で、この摺動
体８の下面は平担面をなして弁板６上に面接させ
てある。又摺動体８の両端立上り壁部に穿設され
た上下にのびる長孔１９に操作杆７を貫挿して設
け、該摺動体８を操作杆７に対し上下に移動可能
となし弁板６と操作杆７との上下の組付け寸法の
ばらつきを吸収させ、かつ操作杆７と摺動体８の
間に山形状の板ばね９を介挿して摺動体８が弁板
６に圧接して水密を保持するように設けてある。
また、摺動体８は左右端で止めリング２０により
操作杆７にその左右への移動を阻止して取付けら
れており、操作杆７とともに左右へ摺動される。

なお、取付筒１ａの上端部にナツト２１を螺挿
することにより取付筒１ａの先端に形成したコレ
ツト式の爪片２２が水管２３の先端部を挟圧保持
し、しかして水管２３に蛇口主体１が取付け固定
される。

前記構成において、操作杆７が左行端位置（第
１図の状態）にあるときは摺動体８の通孔１８は
閉じており弁板６の通孔５が開口しているから流
入水は散水路３を通過し、散水板１０を通じてシ
ヤワー状の散水流となつて流出する。また、操作
杆７を右行端まで移動させると通孔１８が弁板６
の通孔４に対向合致するとともに通孔５は閉じら
れて、流水は連通筒１１を介して整水路２を通過
し流出溝１６より棒状の整水流となつて流出す
る。

この考案は以上説明したように、操作杆を左右
へ移動させるだけで散水流と整水流に切換えるこ
とができ、その切換え操作は取付筒を片手で把持
した状態で操作杆のつまみを前後に軽く押すだけ
で行うことができるので、蛇口に無理な力を加え
ることがなく、軽快かつ確実に行うことができ甚
だ便利であるとともに熱湯流出時においては熱湯
に手が触れるという危険もないから全安性も向上
するなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す縦断面図、
第２図は摺動体の斜視図、第３図は弁板の斜視図
である。 １……蛇口主体、２……整水路、３……散水
路、４，５……通孔、６……弁板、７……操作
杆、８……摺動体、９……板ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一つの蛇口でシヤワー状散水流と棒状整水流を
   可能としたものにおいて、蛇口主体１の略中心部
   に整水路２を、またその外側部には散水路３を有
   し、該整水路２と散水路３にそれぞれに通ずる通
   孔４と通孔５をもつ弁板６上へ操作杆７を蛇口主
   体１に直交し両端を外部へ突出状に貫挿して設
   け、該操作杆７の半径方向への進退運動によつて
   通孔４と通孔５の何れか一方と連通するための通
   孔１８を有し、且つ下面を平坦面とした通水路開
   閉用の摺動体８を設け、該摺動体の両端立上り部
   には縦長状の長孔１９を有し操作杆７に対して摺
   動体８を上下に可動自在とすると共に該摺動体８
   の上面を板ばね９等の弾性部材を介して弁板６上
   に圧接関連せしめて成ることを特徴とする蛇口。