JPS62770Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はトリガー式噴霧器のピストン部材に関す
る。

従来トリガー式噴霧器として種々のものが知ら
れているが、縦型往復ポンプ式手動噴霧器の場合
と異り、トリガーの揺動でポンプのピストンを作
動しなければならないために構造が複雑となり易
い欠点があつた。

本案は、該ポンプ構造を改良して簡易化させた
トリガー式噴霧器に使用するためのピストン部材
に係り、該ピストン部材に、該ピストン部材がト
リガーによつてポンプ室内に押込まれたのち元の
位置に復帰させるためのコイルスプリングを装着
させることが容易としたものであり、以下図面に
ついて説明する。

本案に係るピストン部材１は、後端面閉塞で前
端面開口の筒部２を有する。該筒部は後部３を除
き円筒状としてあり、後部３は左右両側部４，４
を切欠いた断面ほぼ楕円形状としてある。

筒部の前部外周にはピストン部５を筒部と一体
に形成させる。該ピストン部は、中間部外周を凹
部６となし、かつ前後両端部の外周を、斜上外方
へ拡開させ、かつ外周縁をほぼ同径のスカート状
部７，７として、該スカート状部は弾性変形可能
としたものである。

筒部の内面には後方側を小径とするコイルスプ
リング係合用の前向き段部８を設ける。該段部は
適当数の突条９…を筒部内面に筒方向に縦設させ
てそれ等突条先端で形成させてある。該段部に近
接する筒穴内面の前方部分には、コイルスプリン
グ挟持用の突条１０…を適当数設ける。これ等突
条の先端円は上記突条９…が形成する先端円たる
段部後方筒穴部分よりも大径とする。

筒部２の後端面には、該ピストン部材を装着す
るトリガー式噴霧器のトリガーに係合させるため
の係合部１１を設ける。該係合部は、トリガー側
に設ける係合部に対応させて凹部又は突部に形成
させればよい。

上記ピストン部材は合成樹脂材により一体成形
させる。

上記本案に係るピストン部材は、第４図が示す
ような噴霧器に装着させる。該噴霧器は、噴霧器
本体部２１の一部を形成する握持筒２２の下端を
容器体口頚部に螺合させたもので、本体部２１
は、握持筒２２と該握持筒上端から水平前方向へ
突出させた射出筒２３で形成させてあり、本体部
の一部に基端を枢着させたトリガー２４が射出筒
下方へ位置させてある。

握持筒と射出筒との内角部には、トリガー側に
開口させてポンプ室２５を形成させる。その開口
周縁からは筒部２６をトリガー方向へ突出させて
ポンプ室を延長させてある。ポンプ室奥部には握
持筒孔に連通する吸込み口２７と、射出筒孔に連
通する吐出口２８とがそれぞれ開口させてある。
握持筒孔途中には吸込み弁２９が、又射出筒孔途
中には吐出弁３０がそれぞれ形成させてある。射
出筒孔前端壁にはノズル孔３１が穿設させてあ
る。

上記ポンプ室内への挿入に先だち、ピストン部
材１の筒穴内へコイルスプリングの後部を上記前
向き段部８に後端面を係止させ、かつ複数突条９
先端により後部外面を挟持させて嵌合させ、該状
態でコイルスプリングおよびピストン部材前部を
ポンプ室内へ挿入させ、コイルスプリングの付勢
に抗して係合部１１をトリガー内面に付設させた
トリガー係合部３３に係合させる。該状態で、数
回トリガーを操作するとポンプ室内空気は容器体
内の液体に置換され、次にトリガーを握持部側に
引寄せするとポンプ室内は加圧され、すると高圧
液体が吐出弁を開いてノズル孔から噴出される。
トリガーを離すと、コイルスプリングの弾性でピ
ストン部材は原位置に戻り、このとき吐出弁は閉
じているため、吸込み弁が開いて容器体内に垂設
された吸込みパイプ３４内を通つてポンプ室内に
容器体内液体が吸込みされる。

本案は上記構成とするもので、筒部内面に、後
方側が小径かつ前方側大径のコイルスプリング係
合用前向き段部８を設けると共に、該段部よりも
前方の筒部内面には、段部後方筒穴部分の内径よ
りも大径の先端円を形成する複数のコイルスプリ
ング挟持用の突条１０をほぼ等間隔に筒方向に沿
つて付設させたから、ポンプ室内にピストン部材
前部を挿入させるに先だち、ピストン部材の筒穴
内にコイルスプリング後部を、上記前向き段部８
に後端面を係止させ、かつ複数突条１０先端によ
り後部外面を挟持させて嵌合させ、該状態でコイ
ルスプリングおよびピストン部材前部をポンプ室
内へ挿入させ、コイルスプリングの付勢に抗して
係合部１１をトリガー内面に付設させたトリガー
係合部３３に係合させることが出来るから、ピス
トン部材およびスプリングの装着を極めて容易に
行うことが出来、後端面閉塞で前端面開口の筒部
２の前部外周に、中間部外周が凹状をなすと共に
前後両端部外周が斜上外方へ拡開し、かつ外周縁
がほぼ同径の弾性変形可能なスカート状部７，７
としたピストン部５を筒部と一体に周設させたか
ら、別部材としてのピストンリングを嵌合させた
場合のようにピストンリングが外れるようなおそ
れがなく、又全体を合成樹脂製の一体成形品とす
るため製作も容易であり、筒部の内面にコイルス
プリング係合用の前向き段部８を設けたから、コ
イルスプリングの一端部は該筒部内に入ることと
なるため、該スプリングとピストン部材との係合
が確実でこれ等をポンプ室内に入れることが容易
となり、更に筒部の基端面には係合部を形成させ
たからトリガーとの係合が容易である。又ピスト
ン部材の全体を上記構造としたから、第４図が示
すような握持筒上端から水平前方向に射出筒を突
出させ、その握持筒と射出筒からなる噴霧器本体
部の一部に基端を枢着させて射出筒下方にトリガ
ーを位置させ、握持筒と射出筒との内角部にトリ
ガー側に開口するポンプ室を設けた噴霧器のピス
トン部材として使用できることとなり、噴霧器全
体の構造を簡易化するうえで極めて便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案ピストン部材の側面図、第２図は
その平面図、第３図は縦断面図、第４図は本案ピ
ストン部材を有するトリガー式噴霧器の縦断面図
である。 １……ピストン部材、２……筒部、５……ピス
トン部、７……スカート状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後端面閉塞で前端面開口の筒部２の前部外周
   に、中間部外周が凹状をなすと共に前後両端部外
   周が斜上外方へ拡開しかつ外周縁がほぼ同径の弾
   性変形可能なスカート状部７，７としたピストン
   部５を筒部と一体に周設させ、筒部の内面には後
   方側を小径としかつ前方側を大径とするコイルス
   プリング係合用の前向き段部８を設けると共に、
   該段部よりも前方の筒部内面には、段部後方筒穴
   部分の内径よりも大径の先端円を形成する複数の
   コイルスプリング挟持用突条１０をほぼ等間隔に
   筒方向に沿つて付設させ、又筒部の後端面にはト
   リガー係合用の係合部１１を形成させ、合成樹脂
   材で一体成形させたトリガー式噴霧器のピストン
   部材。