JPS626331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来のスタツドアンカーは、第８図および第９
図に示すように、スタツドアンカーの本体イの基
端面中心に孔ロを穿設して基端部に数個のすり割
りハを適当間隔に並設し、コーン状くさびニの小
径側には柱状体ホを連設し、その本体イの孔ロの
口縁部内にくさびニの柱状体ホを圧入してそれら
の接触摩擦により本体イにくさびニを連結してい
る。

従つて、本体イにくさびニを取付けてこれをコ
ンクリート壁ヘの取付孔ト内に挿入するとき、く
さびニが本体イから脱離したり、また、くさびニ
付き本体イを取付孔ト内に挿入したとき、くさび
ニが倒れたりして作業上不便であり、特に、エレ
ベーターホール内等の狭い空間部の作業において
は、極めて操作し難くて手間がかかつていた。

更に、本体イを打込みその孔ロ内にくさびニを
喰込ませてスタツドアンカーの固定を行うとき、
くさびニの柱状体ホからくさびニに至る周面が全
体的に本体イの孔ロの内周面に圧接したまま、柱
状体ホ付きくさびニが孔ロの内周面に摺動して孔
ロ内に喰込むため、本体イと柱状体ホ付きくさび
ニの摩擦抵抗が大きく、従つて、本体イを大型ハ
ンマーで強く叩いて打込まなければならなくて労
力を要する上に、本体イの基部の拡開不十分の状
態が発生し、引抜き強度にむらがあつて施工性が
悪い等の欠点があつた。

そこで、本考案は上記欠陥を解消するため、ス
タツドアンカーの本体の基端面中心にねじ孔を装
設して基端部に数個のすり割りを適当間隔に並設
し、コーン状くさびの小径側には星形丸座金を装
着し、その星形丸座金を本体のねじ孔に圧入して
本体にくさびを取付け、くさびの本体よりの脱
落、および打込み時の倒れ防止が確実に行われて
スタツドアンカーの取付け作業を失敗することな
く安易迅速になし得る上に、本体の打撃力が減少
して本体を打込み易く、その定着力が大で強度的
に安定するようにしたスタツドアンカーにおける
くさび取付装置に係るものである。

第１図乃至第７図に示す本考案の１実施例につ
いてその構造を説明すれば、１はスタツドアンカ
ーの本体で、丸棒体の基端面中心に適宜深さのね
じ孔２を装設し、基端部に数個のすり割り３を適
当間隔に並設して基部外周には数個のＶ形周溝４
を僅小間隔に並設し、中間部には適当長さで先端
側が小径のテーパー部５を設け、これより先端側
を丸棒体の外径よりも若干小径になして該小径部
に転造ねじ６を装設すると共に、丸棒体と転造ね
じ６の外径をほぼ同じになし、先端中心に転造ね
じ６よりも小径の突出片７を設けて本体１を構成
する。

ａはくさび体を示し、８はくさび体ａのコーン
状くさびで、その大径端に鍔９を形成して大径端
面中心にはコンクリート削り粉が入り込む凹部１
０を設け、小径側には小径端よりも小径の軸杆１
１を一体に形成し、該軸杆１１の先端面に特殊鋼
よりなる星形丸座金１２をかしめ１３等により固
定してくさび体ａを構成する。

Ａはコンクリート壁、１４はコンクリート壁Ａ
に穿設したアンカー取付孔である。

次にその作用を説明する。第５図に示すよう
に、くさび体ａを本体１のねじ孔２内に挿入すれ
ば、くさび体ａはその星形丸座金１２が反挿入側
へ屈曲した状態でねじ孔２の雌ねじ上を摺動して
ねじ孔２内に進入し、星形丸座金１２がねじ孔２
の雌ねじの谷内に圧入した状態でくさび体ａは本
体１に取付けられる。

そこで、くさび体ａ付き本体１をコンクリート
壁Ａのアンカー取付孔１４内に挿入し、その本体
１の突出片７をハンマー等で叩いて本体１を打込
むと、くさび体ａがアンカー取付孔１４の底面に
当接して係止され、くさび体ａの星形丸座金１２
がねじ孔２の雌ねじ上を摺動してくさび８がねじ
孔２内に喰込み、第６図に示すように、本体１の
基部が数個のすり割り３部で開いて拡開し、コン
クリート壁Ａ中に喰込んで本体１はコンクリート
壁Ａに固定する。

その際、第７図に示すように、アンカー取付孔
１４がコンクリート壁面と傾斜して本体１がコン
クリート壁面と傾斜状態で固定した場合等には、
本体１のコンクリート壁Ａから突出する先端部を
コンクリート壁面と直角になるように曲げれば、
本体１はそのテーパー部５において、割れが発生
することなく第７図に実線で示すように屈曲して
本体１の先端ねじ６部がコンクリート壁面と直角
状態になる。従つて、図示してないが、上記本体
１のねじ６を利用してコンクリート壁Ａ上に被取
付部材を取付けることができる。

なお、上記本体１の基部の数個のＶ形周溝４に
代え、本体１の基部外周にローレツト掛けをして
その基部外周を粗面に形成してもよい。

本考案はスタツドアンカーにおけるくさび取付
装置を上記のように構成したから、そのアンカー
を使用するに当つて本体のねじ孔内にくさび体を
挿入すれば、くさび体の星形丸座金がねじ孔の雌
ねじの谷内に圧入し本体にくさび体が安定して取
付けられ、くさびが抜け難くてその脱落が防止さ
れる。従つて、スタツドアンカーのくさびの脱落
防止、および打込み時のくさびの倒れ防止が重要
であるエレベーターホール内等の狭い空間部にお
ける作業に失敗がなくて特に有効である。

更に、本体を打込むとき、くさび体のくさびだ
けがねじ孔内に喰込みねじ孔内面に圧接して本体
の基部を拡開するから、従来のスタツドアンカー
に比べて摩擦部分が少なく、本体を打込み易くて
打撃力が減少し、小型ハンマーで打込み本体の基
部拡開が可能となつてエレベーターホール内等狭
い空間部での作業がし易くなる上に、くさびが本
体のねじ孔内にその奥部まで深く入り込み易く、
アンカーの定着力が大となつて強度的に安定す
る。

その上、構造は簡単で容易安価に製作できる等
の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係るスタツドアン
カーの本体の正面図で、１半部を切断して示す。
第２図は側面図、第３図はくさび体の正面図で、
１半部を切断して示す。第４図は側面図、第５図
および第６図はそのスタツドアンカーの作用説明
正断面図で第５図はスタツドアンカーをコンクリ
ート壁のアンカー取付孔内に挿入した状態、第６
図はスタツドアンカーを固定した状態をそれぞれ
示す。第７図はスタツドアンカーの固定後、その
突出先端部を屈曲させた状態の正断面図、第８図
および第９図は従来のスタツドアンカーの作用説
明正断面図で第８図はスタツドアンカーをコンク
リート壁のアンカー取付孔内に挿入した状態、第
９図はスタツドアンカーを固定した状態をそれぞ
れ示す。 １……本体、２……ねじ孔、３……すり割り、
ａ……くさび体、８……コーン状くさび、１１…
…軸杆、１２……星形丸座金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体の基端面中心にねじ孔を装設して基端部に
   数個のすり割りを適当間隔に並設し、コーン状く
   さびの小径側にその小径端よりも小径の軸杆を形
   成し該軸杆の先端面に星形丸座金を装着してくさ
   び体を構成し、上記本体のねじ孔にくさび体の星
   形丸座金を圧入してなるスタツドアンカーにおけ
   るくさび取付装置。