JPS626159Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来のドライヤロールは、第１図に示すように
シエル１の一端から蒸気Ｓを入れ、他端からドレ
ン及び蒸気S′を排出するタイプと、第２図に示す
ようにシエル１の一端からのみ蒸気Ｓを入れ、ド
レン及び蒸気S′を同じ側から排出するタイプがあ
る。しかしこれらの機構によると、シエル表面に
どうしても局部的に温度の高い部分や低い部分が
生じ、紙２の乾燥むらの１つの原因となつてい
た。

また紙２は第１図、第２図に示すように、シエ
ル端からそれぞれL₁，L₂だけ内側に入つてい
る。したがつて紙２の接しないロール表面は温度
が高くなり、紙２の両端が過乾燥になる１つの原
因になつていた。更に高速回転すると、シエル内
面にドレンがリミングして熱伝達率が悪くなり、
紙２の乾燥効率が下る欠点があつた。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、シエル周面肉厚部自体の巾方向に
流体を流す多数の孔を設け、同孔と孔との間のシ
エル周面肉厚部自体の半径方向に、同様に流体を
流す前記巾方向の孔に比較して小さい多数の孔を
設け、シエル周面肉厚部自体の巾方向の多孔に加
熱流体を流し、シエル巾方向の温度分布を均一に
して過乾燥を防ぎ、またシエル周面肉厚部自体の
半径方向に設けた多孔にシエル内部から気体を出
したり、真空に引いたりして乾燥効率を上げるこ
とができるドライヤロールを提供せんとするもの
である。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第３図〜第５図は本考案の実施例を示し、１
はシエル、３はシエル周面部の巾方向の孔、４は
シエル周面部の半径方向の孔で、孔３に比較して
小さく、かつ同孔４のシエル表面の配列は適宜
（千鳥、直線等）行なわれる。

次に作用を説明すると、第３図及び第５図のシ
エル１の孔３に加熱流体を流す。この場合加熱流
体の流れ方向は一方向でなく、一個毎乃至は複数
個毎に反対に流すことによつて、シエル巾方向の
温度分布が均一になる。

またシエル１の半径方向の多くの穴４から第３
図の如く気体５を出したり（気体を通す薄い紙の
場合）、あるいは第５図の如く真空６に引いたり
して（気体を通さない厚紙の場合）紙の乾燥を行
なう。

以上説明した如く本考案は構成されているの
で、シエル周面肉厚部自体の巾方向の多孔に流体
を流すことにより、シエル巾方向の温度分布が均
一になり、過乾燥を防止することができる。また
シエル周面肉厚部自体の半径方向の多孔を介し、
シエル内部から気体を出したり、あるいは真空に
引いたりして紙の乾燥効率を上げることができ
る。このように本考案は、シエル周面肉厚部自体
へ孔をあけて流体を流すようにしているため、シ
エル外周面に熱が伝わり易く、また半径方向の多
数の孔は、巾方向の多数の孔に比較して小さいの
で、この小さな孔から気体を吸引した場合、シエ
ル周面部が冷却される度合が少ない等の効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々従来のドライヤロール
を示す側断面図、第３図及び第５図は半径方向の
孔からの気体の流れが夫々逆の場合の本考案の実
施例を示すドライヤロールの正面断面図、第４図
は第３図のドライヤロールにおける表面の一部の
側面図である。 図の主要部分の説明、１……シエル、３……シ
エル周面肉厚部自体の巾方向の孔、４……シエル
周面肉厚部自体の半径方向の孔、５……気体、６
……真空。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドライヤロールにおいて、シエル周面肉厚部自
   体の巾方向に流体を流す多数の孔を設け、同孔と
   孔との間のシエル周面肉厚部自体の半径方向に、
   同様に流体を流す前記巾方向の孔に比較して小さ
   い多数の孔を設けたことを特徴とするドライヤロ
   ール。