JPS626097Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、昼間、夜間を問わず視認性の高い
上衣に関する。

スポーツ衣、作業衣、狩猟衣、その他交通安全
衣等遠距離より視覚確認を必要とする衣服は数多
い。

夜間の視認性を高めるため再帰性反射布を用い
ることが多く行なわれている。ところが透明微小
球を用いた再帰性反射布は、夜間の直射光線（車
両のヘツドライト光等）に対しては充分な反射視
認効果を有するが、昼間の散乱光の下では無効果
である。昼間の視認効果を高めるために、赤や黄
等目立つ色の布を大面積で衣服に用いることが行
なわれているが、それではカラーデザイン上に多
大な制約を受けるとともに、その赤や黄色布の光
反射率は白色布より低く、薄暮、曇天時には、視
認性はむしろ白色布より低いものである。昼間の
視認性を高めるため、光を受け励起発光する、蛍
光体の使用が考えられるが、蛍光塗料や、蛍光板
の使用は衣服の必要とする柔軟性や対洗濯性を悪
くし、着用感も良くない。

この考案は反射光波長、励起発光波長とも約
600nmの螢光繊維よりなる布を、再帰性反射布と
隣接テープ状として、身頃部胸背部表側に用い、
昼、夜間とも視認性を高めた上衣である。この考
案に用いる螢光繊維よりなる布（以後は螢光繊維
布と記す）とは、アクリル系の繊維自体が螢光を
呈するように染め上げられた布で、反射光波長、
励起発光波長とも、人間の目に一番感じる約
600nmで、その色は赤オレンジ色である。その光
反射率は白色布の約1.5〜２倍であり、小面積の
使用でも充分な視認性を有し、光量の少ない薄
暮、曇天時にも視認性は白色布よりはるかに高い
ものである。このような布としては米国バーリン
トン社（Burlington Industrial Fabrics Co.）の
「テンマイルクロス（Ten Mile Cloth，米国発録
商標）」布がある。

以下、この考案を図面により説明する。

第１図はこの考案上衣の正面図である。

前身頃布１の胸部に略水平直線状に、再帰性反
射布と螢光繊維布が隣接したテープ２が設けられ
ている。

第２図は、第１図のテープ２の拡大断面図であ
る。左側が表側面であり、再帰性反射布３の下部
にそれより巾の狭い螢光繊維布４が設けられてい
る。再帰性反射布３の巾は20〜30mm程度で、螢光
繊維布４は１〜10mm程度で、テープ全体の巾は20
〜40mm程であるが、その直線状とあいまつて視認
効果は充分である。再帰性反射布３と螢光繊維布
４は事前に縫着又は貼着接合してほつれない様に
しておくのが良いが、別々のテープにしておい
て、上衣縫製時に接合してもさしつかえない。
５，６の縫に線により、上衣身頃布に縫着する。
もちろん貼着等他の方法によつてもよい。第３〜
４図は再帰性反射布３と螢光繊維布４よりなるテ
ープの他の実施例を示す。

第５図は第１図上衣の背面図で後身頃布７に再
帰性反射布と螢光繊維布よりなるテープ２が設け
られている。

以上の如く、この考案は上衣は再帰性反射布
と、それに隣接する螢光繊維布よりなるテープ
が、上衣身頃布胸背部表側に、直線状に設けら
れ、夜間の直射光線に対しては再帰性反射布が反
射発光し、昼間の散乱光に対しては螢光繊維布
が、光波長約600nmで励起発光し、昼夜を問わず
直線状発光の高い視認性を有するものである。テ
ープ状布であるので縫製時の取り扱いは容易であ
り使用繊維量も少ない。特に再帰性反射布と螢光
繊維布を、事前に隣接接合してテープにしておく
と、単に一本のテープを上衣の身頃に接合するだ
けで、昼、夜間を問わずに視認性の高い上衣が得
られる。上衣身頃布の色はどのような色でも良い
ので上衣デザイン上の自由度も高く使用感、対洗
濯性も良く、産業上極めて有用なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による上衣の正図である。第
２〜４図はこの考案による上衣に用いる、再帰性
反射布と螢光繊維布よりなるテープ実施例の拡大
断面図である。第５図はこの考案による上衣の背
面図である。 １……前身頃布、２……再帰性反射布と螢光繊
維布よりなるテープ、３……再帰性反射布、４…
…螢光繊維布、５，６……縫い線、７……後身頃
布。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光波長約600nmの蛍光繊維よりなる細巾の布
   と、それに隣接した再帰性反射布よりなるテープ
   を、身頃部胸背部表側適宜の位置に、直線状に縫
   着又は貼着して成る高視認性上衣。