JPS6260038B2 - - Google Patents

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JPS6260038B2
JPS6260038B2 JP56195487A JP19548781A JPS6260038B2 JP S6260038 B2 JPS6260038 B2 JP S6260038B2 JP 56195487 A JP56195487 A JP 56195487A JP 19548781 A JP19548781 A JP 19548781A JP S6260038 B2 JPS6260038 B2 JP S6260038B2
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nuclear fuel
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Kyozumi Hayashi
Tami Iwamoto
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Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
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    • G21C3/02Fuel elements
    • G21C3/04Constructional details
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    • G21C3/20Details of the construction within the casing with coating on fuel or on inside of casing; with non-active interlayer between casing and active material with multiple casings or multiple active layers
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    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/02Fuel elements
    • G21C3/28Fuel elements with fissile or breeder material in solid form within a non-active casing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、金属製核燃料被覆管の中に、略球形
の安定な酸化物系燃料粒子核を炭素材料及び炭化
ジルコニウム等の材料からなる複合多層膜で被覆
した燃料粒子を充填し、被覆管両端を密封してな
る該燃料棒に関するものである。
従来の核燃料棒としては、多数の円柱状をなす
核燃料物質の焼結ペレツトを燃料被覆管の中に3
〜4mほど積層装填し、両端を上部端栓及び下部
端栓で密封した構造のものが多くの発電用原子炉
に採用されている。なお、この場合、最下ペレツ
トと下部端栓との間には断熱ペレツトが挿入さ
れ、最上ペレツトと上部端栓との間にはコイル・
スプリングが設けられることが多い。
このように金属製燃料被覆管の内部に装填され
る円柱状焼結ペレツトは、焼結したままの形状は
砂時計(アワー・グラス)形をしているので、ペ
レツトの円筒側面を外周研磨しなければならな
い。この研磨工程は、後述のペレツトと被覆管の
相互作用(以下、PCIという)を低減する観点か
らも重要であつて省略できないものだからであ
る。この外周研磨(センタレス・グラインダー)
は、特に、毒性の強いプルトニウムなどを用いて
ウランとの混合酸化物の円柱状ペレツトを製造す
るとき、研磨屑を生じて、加工施設の清浄保持の
点からも厄介な問題を含んでいる。
また、このような円柱状ペレツトを用いた核燃
料棒は、原子炉が運転状態になつた場合にも燃料
の使用寿命の点で問題がある。円柱状ペレツト
は、ペレツト中心温度が高く半径方向の大きな温
度勾配のために、ペレツト端部円周部に亀裂(ク
ラツク)が2〜20箇所程度生じ、このために生じ
たフラグメント(ペレツト片)は外側に移動す
る。更に原子炉の出力状態が高いレベルになる
と、冷温初期状態では直円柱状であつたペレツト
は、そのペレツトの中心温度が外周部よりも高い
ことによる効果と、ペレツト高さ中央部の酸化物
燃料物質の密度が両端面部よりも僅かに小さいこ
とが関与して、第1図に示すように、ペレツト1
のフラグメント11は、その中心軸から外側に反
り返えるように変形する。このことはクラツクの
生じた円柱状ペレツト1が包絡面としては、やは
り、アワー・グラス形状になることを意味する。
このため、第2図にも示すように、ペレツトのフ
ラグメント11が被覆管2の内面を押し拡げて、
燃料ペレツト1のクラツク開口部10に面する被
覆管2の内面には、ペレツトと被覆管の相互作用
のPCIが生じて、局所的に応力が大きく作用し、
この応力集中部には核燃料物質の核分裂生成物
(以下、FPという)のうちのヨウ素、セシウム等
の腐食環境によつて微細なヘア・クラツク12が
発生する。このヘア・クラツク12は、原子炉の
運転中に成長し、管厚み方向に伸展して、遂には
燃料の設計寿命に達することなく被覆管2が破損
してしまう可能性が高いのである。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を
解消し、長期間にわたる原子炉の負荷追従運転期
間にも燃料の健全性を維持でき、しかも、燃料加
工施設の設備を合理化でき、遠隔自動製作にも適
し、安価且つ容易に製造できるような構造の核燃
料棒を提供することにある。
要約すれば、本発明は、略球形状の核燃料粒子
の外表面を特定成分の特定の作用を果たす五つの
層で、しかも特定の順序で覆つた被覆燃料粒子を
金属製被覆管内に充填、密封した該燃料棒であ
る。
ところで、被覆燃料粒子そのものは、高温ガス
冷却炉において、従来から広く用いられており、
その代表例として、西ドイツの高温ガス実験炉
AVRとわが国の多目的高温ガス冷却炉計画につ
いて述べる。
AVR(電気出力1万5000kw)は、ペブル・ベ
ツト型といわれており、その燃料は球形をしてい
てウラン(U)とトリウム(Th)が用いられて
いる。外径6cmで厚さ1cmの黒鉛球殻の中に直径
4cmの球形燃料部分があり、この部分は、炭化物
(U/Th)C2または酸化物(U/Th)O2の約400
μmの燃料核の周りを低密度炭素と高密度炭素の
二層で被覆(BISO被覆と呼称)して外径が740μ
mとしたもの多数箇を黒鉛粉末にフエノール樹脂
のバインダーを混合して焼き固めたものである。
このペブル燃料を原子炉容器内に堆積して炉心を
構成し、このペブル燃料黒鉛球の隙間をヘリウム
が循環冷却するシステムになつている。
また、わが国の多目的高温ガス冷却炉計画は、
日本原子力研究所を中心に進められており、この
計画の第一段階として設計されている多目的実験
炉(熱出力約5万kw)の燃料は以下の通りであ
る。まず、燃料構成の基本となる中心部中空円筒
状の所謂“環状燃料コンパクト”(annular fuel
compact)は、外径が3.6cm、内径が1.8cm、長さ
が3.6cmであつて、これは直径600μmの酸化物
(UO2)燃料核の外側を順次、低密度炭素、高密度
炭素、炭化珪素及び高密度炭素で被覆(TRISO
被覆と呼称)して、被覆燃料粒子を製造し、この
外径が約920μmの被覆燃料粒子の多数筒が30%
含有されるようにして黒鉛粉末とフエノール樹脂
のバインダーを混合して焼き固めたものである。
燃料コンパクトは、外径が4.6cm、内径が3.8cm、
長さが57cmの黒鉛管内に挿入して燃料棒とし、こ
の燃料棒を六角柱状黒鉛ブロツク内に多数筒入れ
て、燃料棒と黒鉛ブロツクの間をヘリウムが循環
冷却するシステムとなつている。
さて、高温ガス冷却炉では、このような環状燃
料コンパクトは、ヘリウム温度が750℃以上で冷
却されることになるので、中性子吸収の少ない耐
熱材料として、前述のとおり黒鉛管が使用されて
いるが、黒鉛管は、FPの完全な障壁(バリア)
ではありえない。
一方、すでに商業化されている重水炉や軽水炉
では、燃料の外表面は400℃以下の劣却水に接触
しているので、金属製燃料被覆管が適しており、
この金属製燃料被覆管の両端溶接密封された燃料
棒は、FPの完全なバリアとして機能する。この
ような金属製燃料被覆管に、前述の燃料コンパク
トを装填することを一応考えてみよう。燃料コン
パクトと金属製燃料被覆管のギヤツプ値は、従来
の円柱状ペレツトの場合と同様に重要な因子であ
り、然も、燃料と被覆の複雑な相互作用PCIを回
避することができない。ところで、コンパクトの
外周を研磨すると、コンパクト外周側辺部に分散
している燃料粒子は裸になるものが生じて、被覆
層を設けた意味がなくなつてしまう。
他方、被覆燃料粒子を用いた本発明の核燃料棒
の構成とすることによつて、FPを閉じ込める第
1段階のバリアとして多重被覆層が有効に作用
し、第2段階のFPのバリアとして両端密封され
た金属製被覆管が存在するので、核燃料棒の外側
にFPが漏洩することが絶無であつて、従来の核
燃料棒に比較して安全性が極めて高いばかりでな
く、前述の目的のように、燃料の製造面において
も優れた特徴を発揮できるのである。
以下、図面に基づき本発明について説明する。
第3図は本発明で用いる被覆燃料粒子の構造を示
す説明図である。同図から明らかなように、被覆
燃料粒子20は、その中心に直径約0.5〜1.5mm程
度の略球形状の核燃料粒子21が位置する。この
核燃料粒子21は、安定なウラン酸化物
(UO2)、ウランとプルトニウムの混合酸化物
(UO2+PuO2)、濃縮ウランとトリウムとの混合
酸化物(UO2+ThO2)等から選ばれる核燃料物質
かから構成される。この種の略球形状の核燃料粒
子を製造するには、例えばウラン酸化物の場合の
一例を説明すると、硝酸ウラニル水溶液を複数本
並列させた細管を通して点滴状にしてアンモニア
水中に落下させて球状の重ウラン酸アンモニウム
(ADU粒子)とし、このADU球状粒子を焙焼して
三酸化ウラン(UO3)とし、更に、水素ガス雰囲
気中で焼結すると略球状二酸化ウラン粒子
(UO2)ができる。このようにして製造した核燃料
粒子は、粒径と真球度の選別が施される。
核燃料粒子21の外表面は、内側から順次形成
された低密度熱分解炭素層22、高密度等方性熱
分解炭素層23、炭化珪素または炭化ジルコニウ
ムの層24、高密度等方性熱分解炭素層25、及
び低密度熱分解炭素層26からなる複合多層膜で
覆われている。第1層(最内層)の低密度熱分解
炭素層22は、膜厚約30〜60μm、嵩密度1.0〜
1.2g/cm3程度のものであつて、この層は、中心
の安定な酸化物系核燃料粒子21の原子炉出力の
変動に伴う熱変化による膨脹と収縮の変位吸収の
機能を果すとともに、FPの貯蔵プレナム部とし
て、及びFPを捕獲するゲツターとして作用す
る。次の第2層の高密度等方性熱分解炭素層23
は、シール・レイヤーであり、膜厚約5〜20μ
m、嵩密度1.7〜1.9g/cm3程度のものであつて、
その機能は、FPのうち、特に気体状成分の封じ
込めの作用をするほか、この層は、その外側に設
ける第3層の蒸着性を良好にすると共に、炭化珪
素または炭化ジルコニウム層の形成時に遊離して
生じるハロゲン元素が核燃料粒子21と化学反応
をする悪影響を阻止する作用をする。第3層の炭
化珪素または炭化ジルコニウムの層24は、膜厚
が約15〜30μmのものであつて、固体状FPの封
じ込め作用をするほか、外圧に対して粒子被覆殻
を保護して(但し、内圧に対しては耐力が小さ
い)、粒子被覆層に耐座屈性能を持たせるもので
ある。第4層の高密度等方性熱分解炭素層25
は、膜厚が約10〜40μmのものであつて、内側に
ある炭化珪素または炭化ジルコニウムの被覆層を
外側から包み込んで、FPの蓄積による内圧上昇
による被覆球殻の破壊を防止する。換言すると、
第4層は、内圧に対する強度を持たせるものであ
る。第5層(最外層)の低密度熱分解炭素層26
は、膜厚が約5〜20μmのもので、被覆燃料粒子
相互の強い接触または衝突等による外力を緩衝す
る作用、及び万一粒子被覆殻が損壊した際のゲツ
ター材としての作用を果す。
このような被覆を施す方法としては、被膜材料
の種類に応じて流動床法(fluidized−
bedmethod)あるいは物理的エバポレーシヨン法
が用いられる。なお、密度の異なる炭素を被覆す
るには、有機物質含有原料の熱分解条件及び付着
条件を適宜選択すればよい。
前記のような複合多層膜を有する被覆燃料粒子
20は、外径が約0.63〜1.84mmのものとなる。こ
のような被覆燃料粒子20は、金属製被覆管の中
にその長手方向にほぼ均一な密度分布となるよう
に充填された後、被覆管の両端が密封されて本発
明に係る核燃料棒が構成される。使用される被覆
管の内径は、原子炉の炉型にもよるが5〜18mmで
あつて、核燃料物質の種類、燃料の設計上の燃焼
度に相応して、各種の組合せの中から適切な寸法
と被覆層を有する被覆燃料粒子が選択されるので
ある。
さて、このような構成の核燃料棒を原子炉で使
用すると、原子炉の運転に伴つて生成する放射性
を有する有害なFPの大部分を被覆燃料粒子内に
閉じ込めることができると共に、金属製被覆管の
内表面には略球形状の被覆燃料粒子が多数接して
いることのために、原子炉出力の急激な上昇の際
にも円柱状ペレツトのクラツク開口部にみられた
ようなPCIが全くないので、燃料の設計寿命中に
燃料が破損して放射性の有害なFPを被覆管の外
部領域に放出することも絶無となる。
また、燃料の燃焼度を更に高めて、原子炉内で
長期間(〜8年)使用できるようにしようとの要
請は、使用済核燃料の再処理が、経済的、国際政
治的、及び地域の環境的要因の困難性の故に、一
段と緊要なこととなつてきている。この燃料の高
い燃焼度を安全に達成するためには、燃料被覆層
が損壊して、内部からFPが出てくることも有り
うるので、被覆管内に入れられる管内構成物とし
て、略球形状の被覆燃料粒子相互の間に形成され
る空隙に入るような粒径寸法を有し、中性子吸収
が少なく、且つFPを捕獲し易い性質をもつゲツ
ター微粒子を被覆燃料粒子とほぼ均一に混合した
ものを用いるのがよい。このゲツター微粒子の直
径は、球形被覆燃料粒子の最小直径の約1/5程度
以下が好ましく、その材質としては純ジルコニウ
ムまたは各種ジルコニウム合金、純チタンまたは
チタン合金、ないしは黒鉛がある。
燃料被覆管を構成する材料としては、ジルコニ
ウム合金であるZry−2、Zry−4及びZr−1%
Nbのほか、ステンレス鋼、チタン合金、または
バナジウム合金等がある。通常、金属製燃料被覆
管としては、これらの材料の単一素材が用いられ
るのであるが、将来の高性能燃料には、これらの
うちの二種類の材料の二重複合管の利用頻度が多
くなるであろう。
また、燃焼に伴つて被覆燃料粒子から放出され
るFPの蓄積と高温での気化膨脹によつて内圧が
上昇し、このため内側被覆層から外側被覆層へ
徐々に引張り応力が増加しながら伝播する。この
ような被覆燃料粒子の被覆の内外差圧を緩和し、
被覆球殻の内圧上昇による損壊を防止するために
は、金属製被覆管の内部にアルゴンまたはヘリウ
ムを加圧封入し被覆燃料粒子に外圧を付加するこ
とが有効である。特にヘリウムは、熱伝導性が良
好であり、加圧することによつて熱伝導性が一層
向上して、燃料温度を低下させ、ひいては気体状
FPの圧力も大巾に減少する。この場合、燃料の
使用条件にも依存するが、3〜50Kg/cm2の圧力で
ヘリウムを金属製被覆管内に封入するのが実用的
にみて好ましい。
次に、本発明の一実施例を第4図に示す。同図
から明らかなように、この実施例では下部端栓5
が周溶接された長尺の燃料被覆管2の中に、前述
した被覆燃料粒子20が充填されて燃料の有効発
熱部分を形成し、上部端栓4で燃料被覆管2の上
端を密封した構造となつている。下部端栓5と被
覆燃料粒子20の積層部分との間にはグラフアイ
ト・ウール層または金属ウール層17が、また、
被覆燃料粒子20の積層部分間にも仕切り用にグ
ラフアイト・ウール層または金属ウール層17が
燃料有効発熱部分の長さ方向の数箇所に設けられ
ている。金属ウールとしては、ステンレス鋼など
のほか、熱中性子吸収の少ないジルコニウム線材
またはストリツプ材に銀メツキしたものがよい。
この仕切り用のグラフアイト・ウール層または金
属ウール層17は、原子炉の運転・停止に伴う被
覆燃料粒子堆積層と被覆管の長さ方向の熱膨脹差
に基づく相対的変位を緩和し、被覆管長さ方向に
過度の応力が作用しないようにすると共に、以下
に述べるとおり、被覆燃料粒子の被覆管内への充
填を容易にする機能を果す。
なお、本実施例において、被覆燃料粒子20の
積層の最上部には断熱ペレツト7を介して短いコ
イル・スプリング3が設けられているが、これは
燃焼に伴う燃料被覆管2の照射クリープ伸長によ
る上部端栓4とのギヤツプ増加に対処するための
ものであつて、従来の燃料棒に設けられる上部プ
レナムとは根本的に異なるものである。なぜな
ら、従来の燃料棒の上部プレナムは、FPガスの
集積空間としての機能を果すため、燃料被覆管の
長さにして20〜70cmに相当する量で設けられてい
るのであるが、本実施例では、5cm程度で十分で
ある。このことは、上部プレナム部にも燃料物質
を充填することができて燃料棒の有効発熱部の長
さを増加して、原子炉の炉心の大型化を容易に達
成できる利点ともなる。何故ならば、核燃料の全
長は、使用済燃料の輸送及び再処理施設の現有設
備から4.7mを超えることができないからであ
る。
また、他の実施例としては、前述のように、燃
料の有効発熱部分を形成する被覆燃料粒子の相互
の空隙に、FPを捕獲するためのゲツター微粒子
をほぼ均一に分散混合して被覆管に充填する場合
もある。
現在のところ、国内には全長が4〜5mの核燃
料棒を堅位置状態で製造できる燃料加工施設は存
在しない。勿論、完成燃料集合体を原子力発電所
に出荷するまでの期間は、燃料棒の変形を防止す
るためと保管スペースを小さくする目的から、堅
位置で燃料ラツクに保管されることになつてはい
る。そこで、現有の燃料加工施設でこの種の被覆
燃料粒子を4〜5mの被覆管に充填するには、次
のようにすればよい。まず、下部端栓を周溶接し
た燃料被覆管の該下部端栓側を水平に対して20゜
程度下側に傾けた姿勢に支持し、斜め上方から被
覆燃料粒子または被覆燃料粒子とゲツター微粒子
の均一混合物のある一定量を被覆管の中に注ぎ込
む。次に、仕切り用のグラフアイト・ウールまた
は金属ウールを挿入し、それを介して既充填部分
の被覆燃料粒子堆積層を棒で押した後、再び一定
量の被覆燃料粒子ないしは被覆燃料粒子とゲツタ
ー微粒子の均一混合物を追加注入し、この操作を
操返すことによつて、燃料棒を組立てることが可
能である。
勿論、振動充填法によつて被覆燃料粒子の充填
は可能であるが、この方法は、下部端栓付きの被
覆管を堅位置にして微小な振動を機械的に与えな
がら上方から燃料粒子を被覆管内に注ぎ込むので
あるが、天井の高い燃料加工施設でないと製造で
きないし、また取扱い時に被覆管に傷をつける懸
念もあつて、必ずしも最良の方法とは言い難い。
本発明に係る燃料棒に関する炉外での中心加熱
実験による被覆燃料粒子充填層の熱伝導率測定の
実験データを第5図に示す。この実験データは、
重水炉である新型転換炉(ATR)寸法の燃料被
覆管内径が14.7mmで、核燃料粒子が約900〜1030
μm、被覆燃料粒子直径が1269μm(〇印で示
す)と1334μm(△印で示す)のものをそれぞれ
充填したものについてである。この実験による
と、温度依存傾向からみて、被覆燃料粒子の接触
による熱伝導とは別に、被覆燃料粒子空隙の熱輻
射が寄与している因子が相当大きいことが判る。
この実験データに基づいて計算すると、ATR燃
料の線出力密度が13kw/ftの値のとき、核燃料
粒子の温度は、酸化物燃料物質(UO2)の融点よ
りも充分低く、融点の約2/3以下であつて、この
ように燃料温度が低いことは、FPを核燃料粒子
外に放出する割合も小さくできることを意味し、
好ましいこととなる。
本発明は、以上のように構成された核燃料棒で
あるから、従来の円柱状ペレツトの場合に問題と
なつたPCIは全く生ぜず、原子力発電所の負荷追
随運転が可能となるし、またペレツトの外周研磨
のときの燃料物質の屑の発生過程がなく、ペレツ
トの外観、寸法、密度等の検査のための莫大な人
員と時間を要しない利点がある。つまり、被覆燃
料粒子の場合には、迅速な光学的粒径自動測定法
を適宜採用することによつて検査費は安価となる
からである。また、この種の被覆燃料粒子の製造
が本来的に遠隔自動操作に適するものであるか
ら、特にプルトニウム−ウラン混合酸化物などの
毒性の強い燃料の場合に適していると言える。す
なわち、一度、被覆燃料粒子に加工されてしまう
と、核燃料粒子の有害なアルフア線放射性物質
は、その外側の複合多層膜によつて密封された放
射線源とみなすことができ、以後の燃料加工施設
は、放射線遮蔽と気密性について現状のプルトニ
ウム加工施設のような重装備が不必要となり、経
済性からも環境保全の点からも、従来のペレツト
加工施設よりも遥かに優れたものとなるからであ
る。
更に本発明は、高速増殖炉のような高い燃焼度
を要請される燃料には一層適合したものである。
高速増殖炉の炉心の一次冷却材としては液体ナト
リウムが本命と考えられており、その冷却材圧力
は原子炉炉心上部に封入されている不活性のカバ
ー・ガスの圧力を加算しても数Kg/cm2である。将
来の商業用高速増殖炉発電所としては、核燃料棒
最高100000〜300000MWd/tの高い燃焼度が予
想されており、このため金属製被覆管は高速中性
子の照射による体積膨脹のスエリングが避けられ
ないうえ、従来の円柱状ペレツトを用いている
と、核燃料棒内に数10cmの長さのプレナム部を設
けたとしても、被覆管内圧はペレツトからの多量
のFPの放出によつて冷却材圧力をすぐに超えて
燃料被覆管のクリープ変形量が非常に大きな値と
なり、更にその上、酸化物燃料物質の核分裂反応
に伴つて遊離する酸素の蓄積によつて金属製被覆
管の内面酸化は益々進行し、被覆管と燃料ペレツ
トとのボンデイングが生じ、燃料の健全性にとつ
て重大な問題を惹起することになる。しかるに、
本発明に係る核燃料棒を用いれば、核分裂反応で
遊離した活性に富む酸素は、各被覆層の炭素と化
合したり、一部の酸素が炭素被覆層から浸み出し
てもゲツター微粒子に捕獲されてしまつて、酸素
が金属製被覆管内面を直接的に侵蝕することは全
くないし、本来、FPは被覆燃料粒子内に閉じ込
められているので、FP内圧による燃料被覆管の
クリープ変形も生じない。
このように、本発明は、すでに商業化されてい
る重水炉、軽水炉、黒鉛減速改良形ガス冷却炉
(AGR)に対して、原子炉の負荷追従運転にも十
分耐えられる高性能で、且つ、高燃焼度を達成で
きる核燃料棒であるし、21世紀前半に商業化が予
想されている高速増殖炉用燃料にも適合しうるも
のである。
更には、トリウム資源を利用せざるをえなくな
ると推測される21世紀後半の核燃料サイクルを展
望すると、本発明は、トリウム・サイクルを安全
に且つ経済的に高温ガス冷却炉以外の原子炉で実
現できる一つの有望な技術でもある。なぜなら
ば、トリウムのリサイクル燃料は強烈なガンマ線
の存在によつて、現存の核燃料加工施設の概念を
全く覆す程のものであり、トリウム・リサイクル
燃料の製造工場は、燃料粒子を半ば流動体とみな
した各系統での臨界管理も含めてロボツトによる
無人運転の化学プラントの如きものになるであろ
うと想定されるからである。
また、本発明の補足的な利点としては、核燃料
棒の金属製被覆管内には遊離したFPは殆ど蓄積
しないことから、使用済核燃料を再処理しないで
貯蔵施設内に長期間(〜数十年)保管しても、貯
蔵施設内をFPで汚染することが無いことであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の円柱状ペレツトの使用後の変形
モデル図、第2図は従来技術における被覆管とペ
レツトとの相互作用の説明図、第3図は本発明で
用いる被覆燃料粒子の説明図、第4図は本発明に
係る核燃料棒の一実施例を示す説明図、第5図は
被覆燃料粒子充填層の熱伝導率の測定データを示
す図である。 2……金属製被覆管、3……コイル・スプリン
グ、4……上部端栓、5……下部端栓、7……断
熱ペレツト、20……被覆燃料粒子、21……核
燃料粒子、22,26……低密度熱分解炭素層、
23,25……高密度等方性熱分解炭素層、24
……炭化珪素または炭化ジルコニウムの層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属製被覆管の内部に被覆燃料粒子を主体と
    する管内構成物が入れられていて、該金属製被覆
    管の両端が密封されている核燃料棒であつて、該
    被覆燃料粒子は、その中心に位置する直径約0.5
    〜1.5mmの略球形状の安定な酸化物系核燃料粒子
    と、該核燃料粒子の外表面に内側から順次形成さ
    れた低密度熱分解炭素層、高密度等方性熱分解炭
    素層、炭化珪素または炭化ジルコニウムの層、高
    密度等方性熱分解炭素層、及び低密度熱分解炭素
    層からなる複合多層膜とから構成されていること
    を特徴とする被覆燃料粒子を充填した核燃料棒。 2 金属製被覆管が、各種ジルコニウム合金、ス
    テンレス鋼、チタン合金、及びバナジウム合金か
    ら選ばれる一種類の材料の単管、または、このう
    ちの二種類の材料の複合二重管で作られている特
    許請求の範囲第1項記載の核燃料棒。 3 核燃料棒が発電用のものである特許請求の範
    囲第1項または第2項記載の核燃料棒。
JP56195487A 1981-12-04 1981-12-04 被覆燃料粒子を充填した核燃料棒 Granted JPS5896278A (ja)

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