JPS6257878B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、液化ガス気化基地などに装備される
液化ガス冷熱利用の動力発生装置を有する液化ガ
ス気化装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、LNG、LPG等の液化ガス気化基地にお
いては、省エネルギー、省資源の観点から液化ガ
スの冷熱利用による動力発生装置が液化ガス気化
装置に併設されている。

従来の前記動力発生装置は、第１図に示すよう
に液化ガス供給管路ａから供給される液化ガスを
液化ガス加圧ポンプ１によつて昇圧、タービン入
口加熱器２によつて加熱したのち、タービン３に
供給して該タービンを駆動し、例えば発電機４を
回して発電（動力）し、タービン３からのガスを
タービン出口加熱器５によつて所定温度以上に加
熱し、気化ガス送出管路ｂに送出するようになつ
ており、さらに、前記の動力発生装置には、液化
ガス供給管路ａと気化ガス送出管路ｂの間に液化
ガスの予備気化器６を併設して、動力発生装置が
停止した場合に、予備気化器６を運転して気化ガ
ス送出管路ｂに所望量の気化ガスを供給するよう
にしている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、前記の従来装置によれば、予備機とし
て設置されている液化ガスの予備気化器６は、冷
却保持して運転に備えていても、その負荷の許容
変動率が10〜30％／分程度であり、液化ガス加圧
ポンプ停止等により動力発生装置が停止した場合
に直ぐ予備気化器６を駆動しても、所望量の気化
ガスを発生するまでに３〜５分を要し、気化ガス
の供給量が不安定になる。

そこで、従来装置においては、動力発生装置の
容量を下げて液化ガスの予備気化器６を同時に運
転し、気化ガス供給量を安定させているのが原状
であり、動力回収上好ましくない。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、前記のような難点がある動力発生装
置を有する液化ガス気化装置の改良に係り、液化
ガス昇圧ポンプと逆止装置とを並列に介装した液
化ガス供給管路と、同液化ガス供給管路に連設さ
れた液化ガス気化器と、同液化ガス気化器に連設
されたガス駆動のタービン等よりなり気化ガス送
出管路に連通した動力発生装置と、前記液化ガス
気化器と前記気化ガス送出管路間に連設された気
化ガスを直送する開閉器介装の動力発生装置バイ
パス管路と、前記タービンをバイパスして気化ガ
スを前記動力発生装置の出口加熱器に直送する開
閉器介装のタービンバイパス管路とにより構成し
たことによつて、動力発生装置へのガス供給量を
増加して動力回収効率を向上せしめるとともに気
化ガスを安定供給できる動力発生装置を有する液
化ガス気化装置を供する点にある。

（作用） 液化ガス供給管路側の昇圧ポンプと液化ガス気
化器により液化ガスが昇圧、気化され、該液化気
化器は常時稼動されて気化ガスの全量が、動力発
生装置に供給される動力回収の運転モードとし、
動力発生装置の停止時は、開閉器を開き前記気化
ガスをタービンバイパス管路により動力発生装置
の出口加熱器に直送してバイパスする運転モード
に切り換え、液化ガス供給管路側の昇圧ポンプの
停止時は、液化ガスが逆止装置により液化ガス気
化器に供給され、開閉器を開き前記気化ガスを動
力発生装置バイパス管路により気化ガス送出管路
に直送してバイパスする運転モードに切り換え
て、前記各運転モードいずれにおいてもかつモー
ド切換時においても、液化ガス気化装置の気化ガ
スの発生、供給量が格別に変動されず、通常運
転、異常運転のいずれの場合も液化ガス気化装置
の気化ガス供給量が安定される。

（発明の効果） 本発明は、前記したような構成になつており、
液化ガス気化器を液化ガス供給管路側に連設し常
時稼動して、同液化ガス気化器によつて気化され
た気化ガスの全量を、動力発生装置側、タービン
バイパス管路あるいは動力発生装置バイパス管路
を介して気化ガス送出管路側へ切り換えて供給す
る各運転モードにでき、前記切換えによる運転モ
ードの変化によつても、液化ガス気化器の入口温
度およびその負荷に変動がなく略一定の気化ガス
を供給できるため、気化ガス供給量が安定し、し
かも、気化ガスの全量が動力発生装置に供給され
るため、動力発生装置の負荷を大きくして動力回
収効率を著しく向上させることができる。

また、本発明においては、従来２基設置してい
たガス気化器を１基にすることができて、設備費
が低減されるとともに、気化器に使用される海水
等も少なくてすみ所要動力を節減することができ
る。

（実施例） 第２図に本発明の一実施例を示し、図中ａは液
化ガス供給管路であつて、同液化ガス供給管路ａ
には液化ガス昇圧ポンプ１１と逆止装置１２がバ
イパス管路によつて並列に介装され、同液化ガス
供給管路ａに液化ガス気化器１３が連設されてお
り、同液化ガス気化器１３には、高圧タービン１
４、再熱器１５、低圧タービン１６、発電機１
７、出口加熱器１８および開閉器１９を介装した
タービンバイパス管路ｃとよりなる動力発生装置
が連設され、出口加熱器１８は気化ガス送出管路
ｂに連通されている。さらに同液化ガス気化器１
３には、前記動力発生装置をバイパスして気化ガ
スを気化ガス送出管路ｂに直送する開閉器２０を
介装した動力発生装置バイパス管路ｄが連設され
た構造になつている。

図示の実施例は前記した構成になつており、液
化ガスは液化ガス加圧ポンプ１１によつて昇圧さ
れ液化ガス供給管路ａから液化ガス気化器１３に
供給されて海水等により気化される。

液化ガス気化器によつて気化された高圧気化ガ
スは高圧タービン１４に供給されて膨脹し、次
に、再加熱器１５によつて再加熱されたのち低圧
タービン１６に入つて再膨脹し、その２度の膨脹
により両タービンが駆動して発電機１７を回して
動力（電気）を発生する。

さらに、低圧タービン１６を出た気化ガスは出
口加熱器１８によつて海水等により所定温度以上
に加熱されたのちに気化ガス送出管路ｂに送出さ
れる。

一方、高圧タービン１４、再熱器１５、低圧タ
ービン１６、発電機１７よりなるタービン発電機
が故障等により停止した場合には、開閉器１９を
開いて、液化ガス気化器１３より供給される気化
ガスをタービンバイパス管路ｃを介して出口加熱
器１８にバイパスして気化ガスの安定供給が確保
される。

また、液化ガス加圧ポンプ１１等が故障等によ
り停止した場合には、液化ガス加圧ポンプ１１を
バイパスする逆止装置１２側から液化ガスが供給
され、液化ガス気化器１３によつて気化された気
化ガスは開閉器２０を開いて動力発生装置バイパ
ス管路ｄを介して気化ガス送出管路ｂに直送する
ことによつて気化ガスが安定供給される。

前記のような運転モードの変化によつても、液
化ガス気化器１３の入口温度およびその負荷は略
一定に保たれ、液化ガス気化器１３の常時稼動に
より気化ガス供給量が略一定となり安定される。

さらに、前記の液化ガス気化器１３によつて気
化された気化ガスの全量が動力発生装置に供給さ
れるため、動力発生装置の負荷を大きくすること
ができ、動力回収効率が著しく向上される。

ガス気化器数の減少、海水等の使用量減、など
により設備費が安価となり、所要動力も少ない。

以上本発明を実施例について説明したが、勿論
本発明はこのような実施例にだけ局限されるもの
ではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内で
種々の設計の改変を施しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の概要図、第２図は本発明の
実施例の概要図である。 ａ：液化ガス供給管路、ｂ：気化ガス送出管
路、ｃ：タービンバイパス管路、ｄ：動力発生装
置バイパス管路、１１：液化ガス加圧ポンプ、１
２：逆止装置、１３：液化ガス気化器、１４：高
圧タービン、１５：再熱器、１６：低圧タービ
ン、１７：発電機、１８：出口加熱器、１９，２
０：開閉器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 液化ガス昇圧ポンプと逆止装置とを並列に介
   装した液化ガス供給管路と、同液化ガス供給管路
   に連設された液化ガス気化器と、同液化ガス気化
   器に連設されたガス駆動のタービン等よりなり気
   化ガス送出管路に連通した動力発生装置と、前記
   液化ガス気化器と前記気化ガス送出管路間に連設
   された気化ガスを直送する開閉器介装の動力発生
   装置バイパス管路と、前記タービンをバイパスし
   て気化ガスを前記動力発生装置の出口加熱器に直
   送する開閉器介装のタービンバイパス管路とによ
   り構成したことを特徴とする動力発生装置を有す
   る液化ガス気化装置。