JPS6255582B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はヒートポンプサイクル加熱装置と貯湯
槽とを備えたヒートポンプ給湯装置に関するもの
で、ヒートポンプサイクルの運転開始時における
信頼性の向上を図ることを目的とする。

従来における貯湯槽内の水を循環させてヒート
ポンプの凝縮熱を貯湯槽内に貯湯するヒートポン
プ給湯装置においては、ヒートポンプの凝縮器
（以下加熱熱交換器という）の温度が高い状態の
ままでヒートポンプの運転を開始すると、ヒート
ポンプサイクルの高圧圧力が異常に上昇し、その
結果、これが圧縮機を故障させる原因となつてい
た。

本発明は上記従来の問題点を解決するためにな
されたもので、以下、本発明をその一実施例を示
す図面にもとづいて説明する。

第１図は本発明の一実施例におけるヒートポン
プ給湯装置のシステム構成図を示したもので、ヒ
ートポンプ給湯装置は、断熱材で覆われた貯湯槽
１と、ヒートポンプサイクル加熱装置２とにより
構成され、かつヒートポンプサイクル加熱装置２
は、圧縮機３、加熱熱交換器４、絞り機構５、蒸
発器６を環状に冷媒配管管路で結合するととも
に、蒸発器６の送風機７を有している。また貯湯
槽１内の水は貯湯槽１の下部に設けられた配管８
より循環ポンプ９を介して加熱熱交換器４の入口
１０へ送られ、かつ加熱熱交換器４で加熱され
て、加熱熱交換器４の出口１１より湯温調整機構
１２を経て貯湯槽１の上部の出湯管１３より貯湯
槽１へ戻され、貯湯槽１の上部より順次貯湯され
る。そしてまた出湯管１３には給湯管１４と給湯
栓１５が設けられ、かつ前記配管系の最上部に位
置する場所には安全弁１６が設けられている。１
７は給水管で、この給水管１７には減圧逆止弁１
８が設けられている。また前記貯湯槽１の下部に
は、電気ヒータ１９が設けられており、この電気
ヒータ１９はヒートポンプサイクル加熱装置２に
より加熱された湯温以上の湯温を得る場合に使用
される。

上記構成において、加熱運転を行なう場合は、
まずヒートポンプサイクル加熱装置２により、貯
湯槽１内の水全部を約55℃に昇温し、さらに高温
の湯を必要とする時には、ヒートポンプサイクル
加熱装置２による加熱運転終了後、電気ヒータ１
９に通電して、設定温度まで昇温させる。

一般にヒートポンプサイクル加熱装置２の運転
開始時における貯湯槽１内の状態は、通常、湯が
使用されて貯湯槽１の上部に残りの高温度の湯
が、下部に給水管１７より新しく供給された水
が、若干の境界層を形成した状態で上下に分離さ
れている。そのため、第１図に示すように、貯湯
槽１の上部にヒートポンプサイクル加熱装置２の
加熱熱交換器４を配設した構成においては、加熱
熱交換器４内の水温も貯湯槽１上部の高温度の湯
の影響を受けて、かなりの高温度の状態となつて
いる。このような状態で、ヒートポンプサイクル
加熱装置の運転を開始すると、すなわち圧縮機
３、送風機７、循環ポンプ９の運転を同時に開始
すると、加熱熱交換器４がかなりの高温となつて
いるため、ヒートポンプサイクルの高圧圧力が急
激に上昇し、その結果、循環ポンプ９により送ら
れる貯湯槽１内の水で加熱熱交換器４が十分に冷
却されないうちに、ヒートポンプサイクルの高圧
圧力が通常の安全運転圧力以上に上昇し、これに
より、圧縮機３の故障を引き起こす危険性があ
る。

上記の問題を解決するためには、ヒートポンプ
サイクル加熱装置２の圧縮機３の運転を開始する
前に、循環ポンプ９を運転して加熱熱交換器４を
十分に冷却する必要がある。このように加熱熱交
換器４が十分に冷却された状態で圧縮機３の運転
を開始すると、加熱熱交換器４内の湯温上昇がゆ
るやかとなるため、ヒートポンプサイクルの高圧
圧力の上昇がゆるやかとなり、急激な異常圧力上
昇が防止できる。

第２図は上記運転を可能にするための本発明の
電気回路の一実施例を示したもので、この第２図
において、３は圧縮機、７は送風機、９は循環ポ
ンプ、１９は電気ヒータ、２０は深夜電力電源に
接続される漏電ブレーカ、２１は連動する３つの
開閉接点を有するパワーリレー、２２は必要に応
じて温度設定を可変としたサーモスタツトで、こ
のサーモスタツト２２は電気ヒータ１９の近傍で
湯温を検知する。２３はヒートポンプ加熱運転を
制御する第１のサーモスタツトで、この第１のサ
ーモスタツト２３は例えば外気温度を検知する。
２４はヒートポンプ加熱の終了を検知してその接
点を開成する第２のサーモスタツト、２５，２６
は漏電ブレーカー２０の保安回路にそれぞれ並列
接続された圧力検知接点および過焼防止用接点、
２７はタイマーリレーコイルで、このタイマーリ
レーコイル２７は循環ポンプ９と並列に接続され
ている。２８はタイマーリレーコイル２７接点で
ある。

上記第２図の回路構成において、動作を説明す
ると、深夜電力１φ200Vが通電された時点で、
外気温度がヒートポンプ運転をするのに十分な程
高ければ、第１のサーモスタツト２３の接点は閉
成するため、第２のサーモスタツト２４の接点の
閉動作に応じてパワーリレー２１を励磁する。こ
れにより、圧縮機３と送風機７への回路接点と
100V回路接点が閉となり、まず循環ポンプ９と
タイマーリレーコイル２７とが通電され、そして
循環ポンプ９の駆動により加熱熱交換器４へ貯湯
槽１の下部より水が供給されて加熱熱交換器４が
冷却される。前記タイマーリレーコイル２７の時
間設定は、加熱熱交換器４が十分に冷却されるの
に必要な適当な時間が設定される。そしてこのタ
イマーリレーコイル２７の設定時間が経過する
と、タイマーリレーコイル２７の接点２８が閉と
なる。この時点で初めて圧縮機３と送風機４がそ
れぞれ通電駆動されてヒートポンプサイクルの加
熱運転が開始される。この時、加熱熱交換器４は
十分に冷却されているため、ヒートポンプサイク
ルの高圧圧力が異常に上昇するということはなく
なる。また第２のサーモスタツト２４の接点がヒ
ートポンプ加熱運転の終了を検知して開成する
と、パワーリレー２１が第２図に示す状態に復帰
して圧縮機３、送風機７、循環ポンプ９への通電
が停止される。それと同時にパワーリレー２１の
バツク接点が閉成することにより電気ヒータ１９
に通電される。そしてこの電気ヒータ１９と直列
に接続された沸き上げ用サーモスタツト２２がヒ
ートポンプ加熱以上の沸き上げ温度に設定されて
いる場合は、電気ヒータ１９が通電加熱されて所
定湯温まで沸き上げる。また前記圧力検知接点２
５はヒートポンプサイクルの高圧圧力が何らかの
原因で異常に上昇した場合、例えば循環ポンプ９
の故障による水の循環不良が生じた場合に、
200V回路を遮断し、かつ過昇防止用接点２６は
電気ヒータ１９が異常に温度上昇した場合に
200V回路を遮断してヒートポンプ給湯装置を保
護するものである。

なお、上記一実施例においては、通常のヒート
ポンプ加熱運転開始時の動作について説明した
が、ヒートポンプ加熱運転途中で、停電等により
その運転が一旦停止され、そして短時間のうちに
電源が復帰した場合においては、通常、圧縮機３
が再起動に必要な時間を確保した後に圧縮機３の
運転を再開しないと、ヒートポンプサイクルの高
圧圧力の異常上昇の原因となるもので、このよう
な時にも、前述した本発明の一実施例と同様に、
循環ポンプ９を適当な時間運転させた後に、圧縮
機３の運転が開始されるように、圧縮機３の運転
の遅延を行なうことにより、上記一実施例と同様
の効果を得ることができる。

以上のように本発明によれば、ヒートポンプサ
イクル加熱装置の運転開始時に、循環ポンプを一
定時間運転させた後に圧縮機の運転を開始するよ
うにした圧縮機の遅延回路を備えているため、ヒ
ートポンプ加熱運転を開始する場合は、まず循環
ポンプの運転により、ヒートポンプサイクル加熱
装置の加熱熱交換器を十分冷却し、その後ヒート
ポンプ加熱運転が行なわれることになり、その結
果、ヒートポンプサイクルの高圧圧力の上昇はゆ
るやかなものとなるため、圧縮機が故障するとい
うことはなく、またヒートポンプ加熱運転開始時
において高圧圧力の異常上昇により保護装置が作
動するということもなくなるため、貯湯タンク内
の湯が沸き上がらないといつたトラブルも解消で
き、そのため、ヒートポンプ給湯装置の信頼性は
大巾に向上するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例におけるヒートポン
プ給湯装置のシステム構成図、第２図は同給湯装
置の電気回路図である。 １……貯湯槽、２……ヒートポンプサイクル加
熱装置、３……圧縮機、４……加熱熱交換器、５
……絞り機構、６……蒸発器、９……循環ポン
プ、２７……タイマーリレーコイル、２８……タ
イマーリレーコイルの接点。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧縮機、加熱熱交換器、絞り機構、蒸発器を
   環状の冷媒配管管路で結合してなるヒートポンプ
   サイクル加熱装置と、貯湯槽とを備え、前記貯湯
   槽内の水を循環ポンプにより強制循環させて前記
   加熱熱交換器で加熱するヒートポンプ給湯装置に
   おいて、前記ヒートポンプサイクル加熱装置の運
   転開始時に、循環ポンプを一定時間運転させた後
   に圧縮機の運転を開始するようにした圧縮機の遅
   延回路を備えたことを特徴とするヒートポンプ給
   湯装置。 ２ 前記圧縮機の運転開始遅延時間を、圧縮機の
   再起動に必要な時間としたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載のヒートポンプ給湯装置。