JPS6254720B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特にプリセツト給油や丁度停止給油に
有効な給油装置に関するものである。

給油装置は地上設置式のものと高所設置式のも
のとに大別されるが、後者の形式においては例え
ば給油所天井に取付けたホース繰出収納装置から
垂下するホースの先端（下端）に給油ノズルが連
設されている。

これらの給油装置であつて、所望の給油量また
は金額を予め設定（プリセツト）し、プリセツト
値の給油が完了したとき給油を自動的に停止させ
る装置（プリセツト装置）を備えたもの（プリセ
ツト給油装置）や給油量または給油金額に端数の
ない値（丁度値）で給油を自動的に停止させる装
置（丁度停止装置）を備えたもの（丁度停止給油
装置）が普及してきているが、プリセツト値また
は丁度値で給油を停止させるには通常ポンプモー
タを停止させるか、あるいはホース繰出収納（巻
上）装置よりも上流側の送油管に挿入した電磁弁
を閉止することが行なわれている。

このような給油装置、特に高所設置式のものに
は、ガソリンのように蒸気圧の高い油の場合、特
に夏期においては次のような不都合を生じる。す
なわち、プリセツト装置または丁度停止装置が動
作して自動的にポンプモータが停止したり、送油
管の電磁弁が閉止されたりした場合、手動操作さ
れる給油ノズルの内蔵弁は開かれたままであり、
給油ノズルとポンプの高所（天井裏や屋根上）に
ある配管が暖められているので、この配管内の油
の一部が気化して蒸気となりその蒸気圧と油の落
差によつてホースや配管内の油がノズル筒先から
流れ出し、給油が完了したにもかかわらず、ホー
ス内の油がノズルから排出されることになり甚だ
不都合であり危険である。

このような不都合ないし危険はプリセツト値ま
たは丁度値においてノズルの内蔵弁を閉止するこ
とによつて給油を停止させることによつて除去す
ることができる。

ところでこの種の給油装置において使用される
給油ノズルには、ノズルの筒先を被給油タンク内
に挿入して給油を行ないタンクが一杯（いわゆる
満タン）になつたときノズルの貫流路を開閉する
内蔵弁を自動的に閉止する自動閉弁機構が付設さ
れているのが普通である。

この自動閉弁機構の最も一般的なものは、ノズ
ルの内蔵弁の開閉操作レバーに適当な機素を介し
て連結されたダイヤフラムを収容した室内に被給
油タンクが満タンになることによつて負圧を発生
させ、この負圧によるダイヤフラムの変位によつ
て上記操作レバーの支点を変位させてノズルの内
蔵弁を閉じるように構成されている。

更にプリセツト給油装置や丁度停止給油装置で
はプリセツト値または丁度値（以下これらを停止
値と総称する）において正確に給油を停止（丁度
停止）させるために、停止値の少し手前まで給油
が行なわれたときそれまでの流速ないし流量（大
流量）を小さくし（小流量となし）停止値までの
給油をこの小流量で行なう構成も採用されてい
る。

本発明は、前述のような自動閉弁機構付給油ノ
ズルを使用し、大流量・小流量切換弁をノズル内
に付設し、停止前の手前で比較的低圧の空気によ
つてこの切換弁を動作させて大流量から小流量に
切換えて給油を行ない、停止値において自動閉弁
機構のダイヤフラムに比較的高圧の空気を加えて
閉弁動作させ給油ノズルの内蔵弁を閉止すること
によつて給油を停止するようにしたものである。

以下図面を参照して実施例を詳細に説明する。

第１図において、１は給油所建物の壁、１′は
その天井、２は地下貯油タンク（図示省略）から
の油汲上管、３はポンプ、４はポンプ用モータ、
５はポンプ３の２次側に接続された送油管で壁１
および天井１′内に配管されている。

６は送油管５に設けられた流量計、７は流量計
６の計測油量に応じたパルス（流量パルス）を発
信する流量パルス発信器、８は制御部、９は給油
量等の給油情報表示部、１０は天井１′に吊下設
置された給油ホース昇降装置、１１は給油ホー
ス、１２は給油ノズル、１３は制御用圧縮空気供
給管、１４はエアコンプレツサ、１５は圧縮空気
供給管である。

第２図は給油ノズル１２の構成の一例を示す。
１６はノズルを貫通している流路、１７は流路１
６を開閉する弁、１８は弁開閉操作レバーで、弁
１２を開放位置に保持する位置（鎖線で示す）と
閉止状態を許容する位置（実線で示す）を選択的
にとらしめることができる。

１９はダイヤフラム室で、ダイヤフラム２０に
よつて上方の第１区分室（負圧室）１９Ａと下方
の第２区分室（加圧室）１９Ｂに区画されてい
る。

２１は弁１７の自動閉弁機構で、被給油タンク
の満タンによつて負圧室１９Ａ内に負圧が発生さ
れると、ダイヤフラム２０が室１９内で上方へ変
位されることによつて閉弁動作を行なう。この自
動閉弁機構２１は公知であるので詳細な説明は省
略するが、本発明では給油量または金額が停止値
に達したとき第２区分室（加圧室）１９Ｂ内を加
圧することによつてダイヤフラム２０を押し上
げ、上記負圧発生の場合と同様にして閉弁機構２
１に閉弁動作を行なわせるように構成される。

２２は加圧室１９Ｂへの高圧空気供給口、２３
は高圧空気供給口２２に接続された高圧空気供給
管、２４は圧力逃がし孔で加圧室１９Ｂ内の圧力
が一定値を越えないようにしてダイヤフラム２０
の破損を防止するためのものである。

２５はノズルの把手部１２′内の貫流路１６に
嵌設した流路開閉手段を構成する弾力性のある膜
からなる円筒体、２６はこの円筒体２５を流路１
６の内面に装着する固定リング、２７は円筒体２
５が閉止状態（第３図）にあつても、小流量の通
過を許容する小流許容管、２８は円筒体２５と貫
流路１６の内周面との間に比較的低圧の圧縮空気
を導入して円筒体２５を閉止動作させる低圧空気
導入路である。

２９は分岐管で、高圧作動弁３０を内蔵し、、
制御用圧縮空気導入管１３を介して供給される空
気が比較的低圧のときはこれを導入路２８へ供給
し、供給管１３を介して供給される空気が比較的
高圧のときはこれを高圧作動弁３０、高圧空気供
給管２３、高圧空気供給口２２を介して加圧室１
９Ｂへ供給する。

供給管１３への高圧または低圧の制御用圧縮空
気の供給は、例えば第５図に示す切換機構によつ
て行なうことができる。この機構は例えばホース
昇降装置１０内に設置することができる。

管１５と１３の間に並列の管１５ａ，１５ｂを
接続し、管１５ａには減圧用の圧力調整弁３１と
電磁弁３２ａを直列に挿入接続し、管１５ｂには
電磁弁３２ｂを挿入接続する。

ノズル１２を操作して給油を行なうと、制御部
８からの信号ｃがコンプレツサ１４を動作させ
る。給油を行なつて停止値の少し手前で（例えば
停止値まで残り１リツトルとなつたとき）制御部
８からの信号ａによつて電磁弁３２ａが開かれ減
圧された比較的低圧の圧縮空気が供給管１３に送
られ、低圧空気導入路２８を介してノズル１２の
把手部１２′の貫流路内周面と円筒体２５の外周
面との間に導入され、油の圧力に打勝つて円筒体
２５を流路内方へ押圧接合させ流路を閉止する。
それでも油は小流許容管２７内を流れるから、大
流量から小流量への切換えが行なわれる。なお、
比較的低圧の圧縮空気は高圧作動弁３０を開くこ
とはできず、従つてダイヤフラム室の加圧室１９
Ｂへの送気は行なわれない。

小流量による（上例で残りの１リツトルの）給
油が行なわれて停止値に達すると（またはその微
小値手前で）、制御部８からの信号ａが消失して
弁３２ａを閉じ、これを代えて信号ｂが出力され
電磁弁３２ｂを開き、比較的高圧の圧縮空気が制
御用圧縮空気供給管１３へ送られるので、分岐管
２９の高圧作動弁３０が開かれ、ノズルの加圧室
１９Ｂ内の圧力が高まりダイヤフラム２０を押し
上げて自動閉弁機構２１を閉弁動作させるので、
弁１７がノズルの貫通流路１６を完全に閉じて停
止値の給油が完了する（第３図）。

ノズルを待機位置（地上1.8ｍ程度）に引き上
げると、制御部８からの信号ｂが消失して弁３２
ｂが閉止され管１３，２８，２３、加圧室１９Ｂ
内の圧力は大気圧に戻るので、円筒体２５はその
弾力性と内部の油の圧力とによつて、またダイヤ
フラム２０はスプリング３３によつてそれぞれ第
１図に示す元の状態に戻る。

ダイヤフラム室の加圧室１９Ｂに設けた小孔２
４に代えてまたはこれに加えて加圧室１９Ｂ内の
圧力が一定値を越えると大気に開く弁機構を設け
てもよい。

また、本発明は高所設置式に限らず地上設置式
の給油装置にも適用することができる。

以上のように本発明によれば、プリセツト給油
または丁度停止給油の停止時におけるホース内お
よび配管内の油の流出の問題を解消することがで
きるとともに、大流量・小流量の切換および給油
停止を１本の圧縮空気供給管によつて効果的に行
なうことができる給油装置を得ることができる。

また、大流量と小流量の切換手段としての弾性
膜からなる円筒体を給油ノズル内に設けたので、
既存の計量機を大流量と小流量の切換え機能を有
するようにグレードアツプする場合でも、本発明
によれば給油ノズルの交換と圧縮空気供給手段を
追加設置すればよく、給油機内の流路に大流小流
切換え手段を付設してグレードアツプする場合の
ように管路部品の交換が不要となり、工数および
費用が少なくてすむ利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例概略構成図、第２
図、第３図は給油ノズルの縦断面図、第４図は分
岐管の拡大縦断面図、第５図は制御用圧縮空気の
切換機構の一例の構成を示す図である。 ３……ポンプ、６……流量計、７……流量パル
ス発信器、８……制御部、９……表示器、１０…
…ホース昇降装置、１３……制御用圧縮空気供給
管、１４……コンプレツサ、３１……減圧弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 貫通流路と、この流路を開閉する弁と、この
   弁を手動開閉する手段と、ダイヤフラムによつて
   区画された負圧室と加圧室とを有し前記負圧室内
   に発生する負圧または前記加圧室内の加圧により
   前記ダイヤフラムを変位させて前記弁を閉止動作
   させる自動閉弁手段とを有する給油ノズルを備え
   た給油装置において、 前記ノズルの貫通流路内において前記弁の上流
   側に弾性膜からなる円筒体を嵌設して前記貫通流
   路の一部を形成せしめるとともに、前記円筒体内
   に小流許容管を貫通配置し、前記円筒体の長さ方
   向の両端部の外周面を前記貫通流路の対応内周面
   に液密に接合固定するとともに、前記円筒体の中
   間部の外周面は前記貫通流路の対応内周面に対し
   て接合離反自在ならしめ、 圧縮空気供給源と、 この圧縮空気供給源の吐出側に連結された制御
   用圧縮空気供給管と、 この制御用圧縮空気供給管を、前記弾性膜から
   なる円筒体の外周面に対応する前記ノズル貫通流
   路の内周面に開口させる低圧空気導入路と、 前記制御用圧縮空気供給管を高圧作動弁を介し
   て前記自動閉弁手段の加圧室へ連絡し、前記加圧
   室へ高圧空気を導入することにより前記ダイヤフ
   ラムを閉弁動作させるための高圧空気供給管と、 前記圧縮空気供給源から供給される制御用圧縮
   空気の圧力を高低に切換制御する機構と、 を併せ備えたことを特徴とする給油装置。