JPS6254706B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は少量の流体、特に粘稠なペースト状液
体等の流動体を封入し、適宜放出可能に設けられ
た容器に係り、容器は相互に接合される二枚のシ
ートを具備しており、流動体を保持する圧搾可能
な容器部と前記容器に併設された空所部とを有
し、前記空所部は破断部を介して容器から分離さ
れかつ流動体の流出口と連通するよう構成される
容器に関する。

従来のこの種の容器に於ては圧搾可能容器に強
圧力を加えて破断部を破砕させると直ちに流動体
が流出口に達し放出されてしまう、即ち放出度を
調整できない欠点があつた。このため流動体が過
度に放出され使用者の衣服を汚す危惧もあつた。
即ち容器から流動体を押出す際に流出速度及び流
出量は使用者が容器に加える指の力に依存し定常
な流動体の放出を実現できなかつた。これは例え
ばペースト状の流動体を秤量のため秤の上に放出
する場合、流動体としての液体を連続的に他の成
分と混合する場合あるいは流動体としての接着剤
または層形成剤を均一な膜強度で支持体上に塗付
する場合にこれらの動作を円滑に行ない得なかつ
た。

また流動体としての靴クリームを封入した容器
において破断部に対しスポンジ体を併設し、圧搾
可能容器に加えられる圧力に応じて靴クリームを
スポンジ体の小孔から押出す構成も提案されてい
る。しかしながらこの構成ではスポンジ体の小孔
を通じて靴クリームを押出すために相当の押圧力
を要し、またスポンジ体内に常に残渣が残留する
ため靴クリームを再度放出することが困難となり
流動体を完全に使用することが不可能となる欠点
を有していた。

しかして本発明の目的は破断部を破砕するよう
に高圧力を加えた際に流動体が過度に且急速に放
出されることを防ぎかつ流動体の放出時に流出口
から流動体を一定かつ圧力に無関係に放出させる
ことを可能とする少量の流動体を封入し、放出可
能な容器を提供することにある。

本発明によれば上記の目的は上述の如き容器に
於て空所部に狭隘な流路を設けることにより達成
される。

このため容器はハサミの如き補助手段を用いず
に流動体を円滑に放出しうる利点を有する。

流動体は容器内に好適に且少量でも洩出しない
ように保持される。この場合流動体を封入する容
器部から破断部を介して分離された空所部は常開
の流出口に連通され、且好適な大きさに設けられ
ている。また流出口は流動体を、薄く巾広にする
ため扁平に、あるいは棒状にするため矩形に、若
しくは楕円状または円状にするため、楕円又は円
形に形成できる。例えば流動体を棒状にした場合
混合物または組成物の多数の成分の一を秤量する
に適している。更に圧搾可能な容器に強圧力を加
えることにより、流動体で破断部が破砕される
が、加圧頭初流動体が容器部から高速度で放出さ
れるにも拘らず狭隘な流路を区画するから、流動
体はまず空所部内に保持される。従つて強圧力を
加えても流動体は直ちに流出口から放出されな
い。一方容器に押圧力を加え続けたとき初めて流
動体が緩徐に且均一に流出口から流出されること
になる。これにより仮に容器に対し不均一な圧力
が加わつても流動体の放出は円滑に行なわれ得
る。

狭隘な流路は好ましくは空所部内に配設した阻
止壁により区画される。前記阻止壁はいずれかの
シート材に固定でき、またいずれかのシートと一
体的に成形してもよい。

狭隘な流路が空所部と流出口を連通させる平担
な流路により構成される場合破断部を有する空所
部は阻止壁を配設することなく中空でもよい。流
路は好ましくは流動体の粘度に応じてその長さが
選定され、従つて頭初容器に強圧力を加えて破断
部を破砕したとき流動体が流路内でその流動が阻
止されさらに加圧したとき狭隘な流路を越えて流
動体が放出されるように設けられる。一方狭隘な
流路は蛇行させて形成してもよい。

特に破断部に併設された空所部が中空に構成さ
れ狭隘な流路が最適に形成された場合、小容積の
秤量を行なうように流動体を正確に放出すること
が可能である。

さらに本発明によれば圧搾可能な容器部及び前
記容器に併設された空所部を有する容器の内圧を
高めて少量の流動体を放出する方法を提供し得、
従つて前記空所部は破断部を介して容器部から分
離されており、容器部の内圧の上昇により破断部
が破砕されて流動体が空所部内に入り空所部内に
於いて区画された狭隘な流路により前記空所部内
に頭初保留され、且前記流動体は圧搾可能な容器
に更に押圧力を加え続けたとき、狭隘な流路を越
えて連続的に容器から放される。

以下本発明を実施例に沿つて説明する。

本発明による容器は第１図乃至第６図に示す全
実施例においては二枚のシート材１１，１２によ
り構成されており、前記シート材１１，１２はそ
の周辺部１０において接着、溶着、ヒートシー
ル、プレス等の方法により相互に密着されてい
る。前記の一方のシート材１１は平担な板状材か
ら截断可能であり、且金属層を付設することもで
きる。前記シート材１１は好ましくは熱可塑性層
と金属層とを積層せしめて形成される。前記の他
方のシート材１２は好ましくは透明ポリエチレン
材を深絞り成形して形成される。

第１，２図に示す本発明の一実施例においては
シート材１１，１２により外容器部１が形成さ
れ、且前記外容器部１に更に流動体３を封入する
小容積の内容器部２が内設される。前記内容器部
２は四角形に設けられており、好ましくは前記シ
ート材１１に接着される。また前記内容器部２の
一端壁は破断部４として容易に破砕可能に薄手に
設けられる。更に前記外容器部１と内容器部２と
に好適な体積差を持たせる、即ち外容器部１に比
し内容器部２を小形にすることにより破断部４に
近傍に流出口５を有した空所部７が形成されてい
る。前記空所部７内には阻止壁８が付設されてお
り、前記阻止壁８は本実施例においてはシート材
１１並びに外容器部１の側壁に固着されている。
また前記阻止壁８は狭隘な通路を区画する部材を
構成して、空所部７の高さより低く設けられ、シ
ート材１２との間に狭隘な流路を区画するように
形成される。

しかしていま例えば矢印１５で示す如く外容器
１側から内容器部２側に力を加えると内容器部２
内に封入された流動体３により破断部４が破壊さ
れ、流動体３はまず空所部７内に流入し、この段
階では阻止壁８により流出口５から流出が阻止さ
れて前記空所部７に保持される。更に矢印１５で
示す方法に力を加えたとき流動体３は阻止壁８を
越えて流出口５から矢印６で示す方向に実質的に
一定の速度で流出することになる。

第３，４図に示す本発明の他の実施例において
はシート材１１は平担に設けられ、一方シート材
１２が深絞りされて容器部９及び空所部１９が形
成される。即ち前記容器部９と空所部１９とはシ
ート材１１，１２のその周辺部１０を接合すると
共に、シート材１２の一部をシート材１１に破砕
可能に接合せしめることにより相互に分離され、
前記の接合個所は破断部１４とされる。前記空所
部１９は扁平で四角形状の流出口１３を有する。
また空所部１９内には阻止壁１８が設けられてい
る。前記阻止壁１８はシート材１１からシート材
１２に接合される反面、空所部１９の巾より小さ
く設けられ、シート材１２の側壁との間に狭隘な
流路を形成するように設けられている。従つて前
記阻止壁１８の巾に応じて流路が形成され、容器
部９を矢印１５で示す如く圧力が加えられ破断部
１４が破断されるとシート材１１，１２は矢印１
６，１７で示す如く分流されつゝ流出する。頭初
圧力を加えた段階では阻止壁１８により流動体３
は空所部１９内に保持されるが、さらに圧力が加
えられたとき流動体３は矢印２２の如く開口１３
から流出する。

第５，６図に示す実施例においては破断部１４
が第３，４図の実施例と同様の形態で構成され
る。一方空所部１９がほぼ平担に形成されると共
に、空所部１９には狭隘で且蛇行せしめられた流
路２０が設けられている。前記流路２０の長さは
流動体３の粘度に応じて適宜選定される。また前
記流路２０の端部には流出口２１が設けられる。
従つて本実施例においても破断部１４の破断並び
に流動体３の放出は上述の実施例と同様に行なわ
れ得る。

尚上記内容器部２の種々の液体または物質を封
入し得る二個の容器部として設けてもよい。また
容器部９内の縦横に延びる分離壁（図示せず）を
設けて多種の液体並びにその他の物質を封入する
こともできる。

また特に第３，第４図に示す実施例においては
破断部１４に平担な流路部を設けて容器部９と空
所部１９を連通せしめ、空所部１９内に流動体を
押出し得るように構成してもよい。この構成によ
れば空所部１９の容積に応じて極めて少量の流動
体を常時正確に流出せしめることができる。

以下本発明の実施態様を要約すると次の通りで
ある。

流動体を収容する圧搾可能な容器部に隣接し
て、流出部と連通する空所部が併設され、前記容
器部と空所部とを分離する破断部が設けられ、前
記破断部が圧搾可能な容器部の内圧の上昇により
開放され、流動体は前記空所内の狭隘な流路を区
画する装置に阻止され且前記空所部内に非圧搾状
態で保持され、容器部に強圧力が継続して加えら
れたとき流動体が狭隘な流路を流動せしめられ
る、容器部の内圧を上昇させることにより容器か
ら小量の流動体を放出する方法。

上述のように構成された本発明によれば、格別
の利器等を必要とすることなく、容器を使用可能
状態になし得、使い勝手が極めて良好である反
面、特に使用前は破断部によつて、且使用中は阻
止壁等により区画される空所部内の狭隘な通路に
よつて不用意に封入した流動体が流出飛散するこ
とを確実に抑止し、衣類等を汚す危惧を有効に抑
止できる等々の独特の効果を達成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の容器の一実施例の正面図、第
２図は同断面図、第３図は本発明の容器の他の実
施例の正面図、第４図は同断面図、第５図は本発
明の更に他の実施例の正面図、第６図は同断面
図、第７図は本発明の更に別の実施例の正面図。 １……外容器部、２……内容器部、３……流動
体、４……破断部、５……流出口、７……空所
部、８……阻止壁、１０……周辺部、１１，１２
……シート材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 相互に密着された二枚のシート材で形成さ
   れ、流動体を収容する圧搾可能な容器部と、前記
   の圧搾可能な容器部に隣接して併設され、前記流
   動体の流出口と連通される空所部と、前記容器部
   と空所部との間に位置し容器部から空所部への流
   動体の流動が可能となるように破砕可能な破断部
   とを備え、且つ前記空所部内に容器部と流出口と
   を連通可能な狭隘な流路を区画する部材が配設さ
   れてなることを特徴とする容器。 ２ 狭隘な流路を区画する部材が空所部内に配設
   された阻止壁でなる特許請求の範囲第１項記載の
   容器。 ３ 阻止壁がシート材の一に固着されてなる特許
   請求の範囲第２項記載の容器。 ４ 阻止壁がシート材の一に一体に形成されてな
   る特許請求の範囲第３項記載の容器。 ５ 狭隘な流路を区画する部材が空所部を流出口
   に連通せしめる扁平な流路でなる特許請求の範囲
   第１項記載の容器。 ６ 流動体の粘度に応じて流路の長さが設定され
   てなる特許請求の範囲第５項記載の容器。 ７ 流路が蛇行せしめて形成されてなる特許請求
   の範囲第５項記載の容器。 ８ 容器部に対し流動体が収容された圧搾可能な
   別の容器部が併設されてなる特許請求の範囲第１
   項乃至第７項のいずれか一項記載の容器。 ９ 二容器部が互いに異なつた流動体を収容可能
   に設けられてなる特許請求の範囲第８項記載の容
   器。