JPS6249085B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、各板宛にそれぞれ独立した布
を設け、ケーキを排出するに当つては、これらの
布を引き下げて、板の下部に設けたロールの
回わりをＵターンさせるように構成した形式のフ
イルタプレスの布の駆動方法およびその装置の
改良に関する。従来、この種形式のフイルタプレ
スでは、ケーキを排出するために、布を下降さ
せると、下降する布とＵターンして上昇する
布が必然的に狭い板間で交叉することになる。
そして、これらの布は狭い板間であるが故に
互いに接触したり揺動したりする。特に、布上
部に布吊り用のバーや原液供給用の口金を設
け、布の下端部に布吊り用の支持バーを設け
たものでは、これら布吊り用のバーや支持バー
が走行中に交錯するときに干渉接触し、これらバ
ーが曲つたり、折損したりして大事故となること
がある。

この発明は、上述のこの種フイルタプレスの難
点を解消したものであつて、以下、図面に基づい
てこの発明を詳述すれば、その構成は、図に示す
ように各板１間に、各板１の過床を覆うよ
うに布２を設け、ケーキ（滓）を排出するに
当り、これを引下げて、板１の下部に設けた案
内ロール３の回わりをＵターンさせ、下降中の
布２とＵターンして上昇中の布２が交錯するよ
うにしたフイルタプレスにおいて、上記布２を
駆動するための原動機として直流モーター４を使
用すると共に、上記布２を駆動するための伝動
経路中には、前記布２の上、下端部のバー６と
吊バー１２が交錯する位置を検出することができ
る検知装置５を設け、この検知装置５と前述直流
モーター４を連動連結して前記布２の上、下端
が交錯する位置の近傍において、その走行速度を
著しく減速するようにしたものである。この発明
に用いる布２の構成について詳述すれば、第１
図は布のみを取出して示す概要図であり、布
２は２つ折状に構成されていて、その上端には吊
り用のバー６が取付けてあり、また、２つ折りに
した布２のそれぞれの下端にも布吊り用の吊
バー１２が取付けてある。そして、上部のバー６
にはチエーン８が取付けてあり、このチエーン８
は駆動軸９に取付けたスプロケツト１０を巻回わ
した上で、下部の吊バー１２に連結されている。
第２図は、上述の布を各板１間に吊設した状
態を示すもので、２つ折状の布２のそれぞれの
下端部は、板１の下部に設けた案内ロール３，
３をそれぞれ巻回わした上で隣接する板１間に
同じく設けた布２の下端部の吊バー１２に連結
されている。また、前述の駆動軸９は板列に沿
つて設けた断面六角形状のスライド軸１３にベベ
ルギヤ１４，１５を介して連動連結されており、
駆動軸９を正逆転させることによつて上述布２
が昇降し、布２の上下の端部に設けたバー６お
よび吊バー１２がシーソー状に上下するようにし
てある。尚、第１図および第２図において符号１
６は、布間に原液を供給するための口金を示す
ものである。次に、前述の検知装置５について詳
述すれば、第３図は検知装置５を含む布２の駆
動装置の概要図であり、４は直流モーター、１７
は左右のスライド軸１３への伝動軸、１８はカツ
プリングを示す。５は布の走行位置の検知装置
である。第４図は、この検知装置の詳細を示すも
のであり、図中符号１９は、伝動軸１７からの動
力で駆動されるねじ軸であり、このねじ軸１９に
は、ナツト２０が螺合されてあり、そして、この
ナツト２０に設けた溝２１には、左右のフレーム
２２，２２にその両端を固定した案内板２３が係
合させてあつて、回転が阻止されており、このナ
ツト２０はねじ軸１９を正逆回転させることによ
つて、ねじ軸１９の軸方向にのみ進退できるよう
にしてある。次に、符号２４は、上記ナツト２０
の移動圏に臨ませて設けたリミツトスイツチで、
ナツトの外周面に摺接できるようしてあり、その
頂部に摺動しているときには、前述直流モーター
１５を低速に切り換えることができるようにして
ある。

この発明に係る装置は上述のように構成してあ
り、今、リミツトスイツチ２４をねじ軸１９の中
央部に置いて、ねじ軸２３を正逆転させることに
よつて、ナツト２０は左右に移動し、その中間部
分においてリミツトスイツチ２４に接触する。従
つて、今、ナツト２０の左右への移動ストローク
と布２の昇降ストロークとを対応させておけ
ば、第２図の状態から布２を下降させて、ケー
キを排出する場合、上部のバー６が板１の上、
下方向の略中間位置に下降し、一方、下部の吊バ
ー１２とが交錯する位置まで布が走行すれば、
これに同調して前述検知装置におけるナツト２０
がリミツトスイツチ２４に接触することとなる。
そして、そのリミツトスイツチ２４が、ナツト２
０の斜面に乗り上げることによつて、モーター４
にブレーキをかけ、頂部の平行部に摺動している
ときには、モーター４を低速に切換えることがで
きる。すなわち、各板間において、走行中の
布の上端部と下端部が交錯する間のみ、その走行
速度を落すことができるもので、この部分を走行
するときに布２が揺動するのを防止することが
できると共に、仮に、布にケーキ（滓）が厚
く付いて下降中の布と上昇中の布の上端部と
下端部が接触したとしても、これらが互いに引掛
つて大事故の因となることをも未然に防止するこ
とができるものである。以上は、ケーキ（滓）
を排出するために布を引下げる場合における
布の走行速度の減速についての説明であるが、こ
のようにしてケーキの排出が終つた布を引上げ
る場合にも、布の上端と下端が交錯する部位で
は前述と同様にしてその走行速度を減速すること
ができるものである。すなわち、布を引上げる
ために、第３図における伝動軸を前述と逆に回転
させると、第４図におけるねじ軸１９が前述とは
逆に回転し、ナツト２０が前回とは逆方向に送ら
れ、その略中間位置において、リミツトスイツチ
２４に接触し、布２の走行速度を減速すること
ができるものである。これら布２が走行する様
子を第５図に示す。縦軸は布の走行速度、横軸
は時間であり、二つの大きな山は布が引下げら
れる様子と引上げられる様子を示している。

以上説明したように、この発明は各板間に設
けられて、その上端部と下端部とがシーソー状に
昇降して交錯するフイルタプレスにおける布の
走行装置において、布の上端部と下端部とが交
錯して走行する部位において、その走行速度を減
速できるようにしたので、該交錯して走行する部
分で、布が揺動等して、互いに干渉するのを防
止することができ、従来、この部分で布支持バ
ーが引掛る等してしばしば発生した、布走行上
のトラブルを解消し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る布の支架状態を解説
的に示す斜面図、第２図は同じくその布を板
間に支架した状態の側面図、第３図は同じくその
布への伝動機構を示す平面図、第４図は同じく
布の走行位置を検知するための装置の平面図、
第５図は同じく布の走行状態を示すグラフであ
る。 符号説明、１……板、２……布、３……案
内ロール、４……直流モータ、５……検知装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 各板間に各板の過床を覆うように布
   を設け、ケーキを排出するに当り、これを引下げ
   て板の下部に設けた案内ロールの回わりをＵタ
   ーンさせ、下降中の布とＵターンして上昇中の
   布が交錯するようにしたフイルタプレスにおい
   て、上記下降中の布の上端部分と上記Ｕターン
   して上昇中の布の下端部分とが交錯する部位に
   おいて、該布の走行速度を著しく減速するよう
   にしたことを特徴とするフイルタプレスにおける
   布の駆動方法。 ２ 各板間に各板１の過床を覆うように
   布２を設け、ケーキを排出するに当り、これを引
   下げて板１の下部に設けた案内ロール３の回わ
   りをＵターンさせ、下降中の布２とＵターンし
   て上昇中の布２が交錯するようにしたフイルタ
   プレスにおいて、上記布２を駆動するための原
   動機として直流モーター４を使用すると共に、上
   記布２を駆動するための伝動経路中には、前記
   布２の上端部と下端部が交錯する位置を検出す
   ることができる検知装置５を設け、この検知装置
   ５と前述直流モーター４を連動連結して、前記
   布の上端部と下端部が交錯する位置の近傍におい
   て、その走行速度を著しく減速するようにしたこ
   とを特徴とするフイルタプレスにおける布の駆
   動装置。