JPS6249070B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、主として身頃生地にポケツトを縫
着するに際し、両端に安全縫い等を施すようにし
た自動縫製機における身頃生地押え（以下「クラ
ンプ」という）の移動機構に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

一般に、この種の縫製装置におけるクランプは
所定のストローク内において、縫い始めと縫い終
わりを低速前進して安全縫いを行い、その中間を
中速で本縫いする一方、この縫製工程以外は高速
で前後移動するというモーシヨンが要求されるも
のであつた。

しかしながら、従来の上記クランプの移動機構
は、例えば第４図に見られるように、クランプ移
動用のソレノイド弁Ａの他にオイルに対する熱影
響を抑制し、安全縫い及び本縫いに対応したオイ
ルの流速をコントロールする精密なバイパス回路
用ソレノイド弁Ｂ，Ｃを別途必要とする関係上、
個々の機器並びに機構全体が高級化し、勢いコス
ト高となつて特に普及型の自動縫製機への汎用を
困難にするという問題点が見られたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本発明は、ピストン等を介してクランプ
と連結し、ソレノイド弁によつて作動するシリン
ダーとオイルタンク間を油圧ラインで接続し、そ
の後退ラインにチエツク弁を取付け、又スロツト
ル弁を備えた中低速ライン側と高速ライン側にそ
れぞれリミツトスイツチ等によつて開閉する電磁
弁を設置する一方、上記スロツトル弁の開度をク
ランプの駆動ベースの突起と当接するレバーによ
つて調整し、上記クランプの移動速度をコントロ
ール可能とした油圧回路を構成することにより、
叙上の問題点を解決したものである。

〔作 用〕

上記移動機構のクランプは、チエツク弁、電磁
弁の開閉及びスロツトル弁の作動により高速送
り、安全縫い及び本縫い等に対応したクランプ速
度が得られるものである。

〔実施例〕

以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基づ
いて更に具体的に述べると、１はテーブル〔Ｔ〕
上で身頃生地を押えるクランプ２の駆動ベース、
３は該駆動ベースのガイド杆、又４はピストン４
ａの先端が上記駆動ベース１と連結するシリンダ
ーであつて、その空圧室４ｂとは直接的に、又油
圧室４ｃとはオイルタンク５及び油圧回路を介し
てそれぞれ接続するソレノイド弁６によつて前後
に往復移動し得るようにしたものである。又７は
上記シリンダーの油圧室４ｃとオイルタンク５間
に配管される油圧ラインであつて、上記シリンダ
ー４及びタンク５から延長された両ラインｌ₁.₂
間に、後退ラインl₃と中低速ラインl₄及び高速ラ
インl₅からなる前進ラインをそれぞれを併設した
ものである。

又８は上記後退ラインl₃に設置され、シリンダ
ー４側にのみ流通するチエツク弁、更に９，１０
は上記後退ラインl₃と中低速ラインl₄間、及び該
中低速ラインと高速ラインl₅間にそれぞれ取付け
られ、例えばリミツトスイツチ（図示せず）によ
つて開閉する電磁弁、更に１１は上記中低速ライ
ンl₄に設置され、レバー１１′によつてその流量
を調整するようにしたスロツトル弁である。

次に、上記クランプ２の動作を例えば第３図に
示すようにストロークのスタート位置から縫製
始点まで高速H₁及び低速L₁で前進した後、縫
い始めと終わりの一定距離を一時停止S₁及び低速
（Ｌ₂.₃）走行し、更にその中間を中速〔Ｍ〕前進
した上、縫製終点から高速H₂でストロークの
終点に到達するというモーシヨンに従つて述べ
る。

先ず、上記クランプ２はソレノイド弁６によつ
てシリンダー４が空圧室４ｂにエアーを圧送する
ことにより矢印方向に前進するものであるが、上
記モーシヨンの当初には双方の電磁弁９，１０が
開放されているため、中低速ラインl₄及び高速ラ
インl₅を速やかに通過するオイルの流速に従つて
高速H₁で前進し、その後、下流側電磁弁１０が
リミツトスイツチの作用により閉止して中低速ラ
インl₄のみが開放すると同時に、該ラインに位置
するスロツトル弁のレバー１１′が駆動ベース１
の突起１２に押下げられるため、オイルの流出量
が最小限となつて上記クランプ２は低速L₁で縫
製始点に到達する。

この時点で上記上流側の電磁弁９も亦リミツト
スイツチの作用により閉止して上記クランプ２が
一時停止S₁すると同時に、縫針が始動して先ず停
止縫いを行い、その直後、上流側電磁弁９が開放
するが、猶上記スロツトル弁のレバー１１′が押
下げられているため、上記クランプ２は低速L₂
で前進し、所定距離安全縫いが行われるのであ
る。

次に上記レバー１１′が突起１２を通過し、そ
の押下げが解除されるとスロツトル弁１１が開放
して予め設定された中速〔Ｍ〕で上記クランプ２
が走行し、一定距離本縫いが継続されるものであ
るが、その後、後方の突起１２′により再度上記
スロツトル弁のレバー１１′が押下げられ、再び
安全縫いが行われた後、上流側の電磁弁９も亦閉
止されるから、上記クランプ２は一時停止S₂し、
ここで他端の停止縫いが施され、続いて縫針が上
昇して縫製工程が終了するのである。

しかる後、上記両電磁弁９，１０がリミツトス
イツチを介して開弁されるため、クランプ２は高
速H₂で前進しストロークの終点に到るのであ
る。

引き続き適宜な手段で上記クランプ２を上昇さ
せて身頃生地の押付けを解除した後、ソレノイド
弁６によつてオイルタンク５にエアーが圧送さ
れ、該タンク側のオイルは後退ラインl₃のチエツ
ク弁８を通過してシリンダー４のオイル４ｃ室へ
と圧入されるため、上記クランプ２は高速で一気
にストロークのスタート位置へと後退し、次の
身頃生地を縫製する態勢に移行するものである。

尚、上記実施例に示した停止縫いは予め安全縫
い目巾を小さくしておくことにより省略可能なも
のである。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明の自動縫製機における
クランプの移動機構は、高速、中速並びに低速等
からなる上記クランプ２のモーシヨンをいずれも
適宜設置されるリミツトスイツチ等を介してチエ
ツク弁８、開閉型電磁弁９，１０等を作動させる
他、特に中低速等はクランプ２の移動に連動する
スロツトル弁１１によりコントロールするように
したものであるから、精密かつ高級な装置を必要
とした在来品に比べて故障が少ない上、クランプ
の移動機構全体が簡略化並びに小型化されて安価
に提供でき、従来高級機にのみ装備されていたこ
の種の移動機構が普及型の自動縫製機にも採用可
能となる等、優れた実用的効果を発揮するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のクランプの移動機構の要部を
示す一部切欠側面図、第２図は移動機構の油圧回
路、又第３図はクランプの前進工程を示すモーシ
ヨングラフ、更に第４図は従来の移動機構の回路
図である。 尚、図中１……駆動ベース、２……クランプ、
４……シリンダー、５……オイルタンク、６……
ソレノイド弁、７……油圧ライン、８……チエツ
ク弁、９，１０……電磁弁、１１……スロツトル
弁、１１′……レバー、１２，１２′……突起。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ピストン４ａ等を介してクランプ２と連結
   し、ソレノイド弁６によつて作動するシリンダー
   ４とオイルタンク５間を油圧ライン７で接続し、
   その後退ラインl₃にチエツク弁８を取付け、又ス
   ロツトル弁１１を備えた中低速ラインl₄側と高速
   ラインl₅側にそれぞれリミツトスイツチ等によつ
   て開閉する電磁弁９，１０を設置する一方、上記
   スロツトル弁１１の開度をクランプ２の駆動ベー
   ス１の突起１２，１２′と当接するレバー１１′に
   よつて調整し、上記クランプ２の移動速度をコン
   トロール可能としたことを特徴とする自動縫製機
   におけるクランプの移動機構。