JPS6248126B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は給湯機や暖房機などの家庭用燃焼機の
うち、フアンを用いて強制的に火炎に空気を供給
して短炎化を図り、燃焼機の小型化を実現すると
ともに燃焼量を大幅に絞つても安定燃焼可能なバ
ーナに関する。

従来例の構成とその問題点 燃焼機の小型化のためにはバーナを高負荷にす
る必要がある。高負荷の指標としては燃焼室負荷
qkcal／m³ｈを用いるのが一般的であり、 ｑ＝Ｑ／Ｖ Ｑ：燃焼量kcal／ｈ Ｖ：燃焼室容積m³ で示される。従来から燃焼機に用いられている一
次空気比PA＝0.5〜0.9であるブンゼンバーナに
フアンを装着したものはｑ＝８×10⁶kcal／m³ｈ
が極限であり、PA1.0である全一次燃焼バーナ
はｑ＝２×10⁷kcal／m³ｈまで可能であるが、振
動燃焼し異常音が発生するため機器としての実現
性がない。

従つて、PA＝0.2〜0.5の低一次空気比の領域
で二次空気を火炎に適切に供給して高負荷を実現
するのが一般的であり、そのような従来例を第４
図に示すとともに、構成を説明する。１は燃料
室、２は三次空気室であり、前記両室は一次空気
孔３により連絡されている。４は二次空気室であ
り燃料室の両側に配設されている。燃料室１、二
次空気室４、三次空気室２にはそれぞれ、燃料噴
出孔５、二次空気噴出孔６、三次空気噴出孔７が
多数開口している。この構成では、燃焼噴出方向
と空気噴出方向が０〜90゜であるため、火炎長が
長くなること、三次空気噴出孔７が火炎の中にあ
るため温度上昇が激しいこと、三次空気噴出孔７
が燃焼下流側にあるため、燃焼量を絞つた時燃焼
に寄与する空気量が少なくなりイエローが非常に
多くなること等の問題を有していた。

発明の目的 本発明はかかる従来の問題を解消するもので、
強制的に火炎に空気を供給して短炎化を図り、バ
ーナを高負荷にするとともに、燃焼量を大幅に絞
つた時でもイエローをなくすることを目的とす
る。

発明の構成 この目的を達成するために、本発明は燃焼上流
側に配設された燃焼フアンと、多数の二次空気噴
出孔を持つた空気室と、前記空気室の内部にあり
二次空気噴出孔と同平面に設けられた多数の燃料
噴出孔を持つた燃料室と、空気室と燃料室とを連
絡する一次空気孔とを持つた一組の炎孔群とから
なり、前記炎孔群を燃焼室流れ方向軸を中心とし
て互に噴出方向が対向するように設けたものであ
る。

この構成によつて以下のような作用を有する。
フアンから送られた空気は一次空気孔を通つて一
部燃料室に入り、燃料噴出孔より噴出し、残りの
空気は空気室に入り、二次空気噴出孔より噴出す
る。噴出孔は燃焼室流れ方向軸を中心として互に
噴出方向が対向しているから、最大燃焼量の時に
は、対向する炎孔群の二次空気噴出孔より、180
゜の方向から空気を供給する。また、燃焼量を絞
つた時には、同一平面上に設けられた同じ炎孔群
から燃料噴出孔基部へ二次空気を供給する。燃料
噴出孔と二次空気噴出孔は同一平面上および対向
した平面上にそれぞれ交互に多数設けられている
ため混合は非常によく、三次空気孔を火炎の中に
設ける必要はない。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第１図〜第３図を用
いて説明する。第１図において、１は空気室であ
り片面に多数の二次空気噴出孔２が設けられてい
る。３は燃料室であり、空気孔１の内部にあり、
二次空気噴出孔２と同平面に多数の燃料噴出孔４
が設けられている。空気室１と燃料室３は一次空
気孔５により連絡している。空気室１と燃料室３
等からなる一組の炎孔群は、燃焼室６の燃焼ガス
流れ方向軸を中心として互に噴出方向が対向する
ように設けられている。また空気供給用のフアン
７とそれぞれの空気室を連絡する空気分配室８、
それぞれの燃料室に燃料を供給する燃料供給管９
が設けられている。

上記構成において、フアン７より送られた空気
は空気分配室８で分配され、それぞれの炎孔群の
空気室１に入り、燃料は燃料供給管９よりそれぞ
れの燃料室３に入る。空気室１の空気の一部は一
次空気孔５より燃料室３に入り、一次空気比PA
＝0.2〜0.5の混合気となり、燃料噴出孔４より噴
出し、残りの空気は二次空気噴出孔２より燃焼室
６に噴出する。さて、最大燃焼量の時の燃料およ
び二次空気の噴出パターンは第２図ａに示すよう
に、燃料噴出パターンF₁に対して二次空気噴出
パターンA₁は燃焼ガス流れ方向に少し傾斜して
おり、燃料は対向する炎孔群より180゜の方向か
ら空気を供給されることになる。第３図に二次空
気噴出角度θと火炎長ｈとの関係を示す。第３図
より明らかなように、噴出角度θ＝180゜の時が
最も火炎長が短くなる。本実施例の場合、燃焼室
負荷としてｑ＝４×10⁷kcal／ｈが実現でき、従
来に増して燃焼機の小型化が可能となつた。ま
た、燃焼量を1/6に絞つた場合には、第２図ｂに
示すように、燃料噴出パターンF₂に対して二次
空気噴出パターンA₂は燃焼ガス流れ方向に大き
く傾斜し、燃料は同一の炎孔群よりほぼ90゜の方
向から空気を供給されることになる。また、二次
空気は燃料噴出孔４の基部から噴出されるし、同
一平面上に空気と燃料の噴出孔が交互に在存する
から、混合が非常によくなりイエローがなくな
る。次に、燃料と空気との噴出孔が同一平面上に
あるため、火炎によつて噴出孔の温度が上昇する
こともない。

発明の効果 以上のように本発明の高負荷バーナによれば次
のような効果が得られる。

(1) 最大燃焼量の時には、対向する炎孔群の二次
空気噴出孔より、180゜の方向から空気を供給
することにより、火炎長は非常に短くなり燃焼
室負荷ｑ＝４×10⁷kcal／m³ｈの高負荷を実現
できる。

(2) 燃焼量を絞つた場合には、同一平面上に設け
られた同じ炎孔群から燃料噴出孔基部へ二次空
気を供給することおよび、燃料噴出孔と二次空
気噴出孔は同一平面上にそれぞれ交互に多数設
けられていることにより、混合が非常によくイ
エローがなくなる。

(3) (2)で述べた如く、混合が非常によく、三次空
気孔を火炎中に設ける必要がないこと、燃料噴
出孔は同一平面上に存在する二次空気噴出孔よ
り噴出する二次空気により冷却されることによ
り、噴出孔の異常温度上昇がない。

従つて、高負荷で、燃焼量絞り性がよく、炎孔
の温度上昇のない高負荷バーナが実現可能となつ
たのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の高負荷バーナの一実施例を示
す正面図、第２図ａ，ｂは同実施例における噴出
パターン図、第３図は二次空気噴出角度と大炎長
との関係図、第４図は従来のバーナを示す正面図
である。 １……空気室、２……二次空気噴出孔、３……
燃料室、４……燃料噴出孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼上流側に配設された燃焼フアンと、多数
   の二次空気噴出孔を持つた空気室と、前記空気室
   の内部にあり二次空気噴出孔と同平面に設けられ
   た多数の燃料噴出孔を持つた燃料室と、空気室と
   燃料室とを連絡する一次空気孔とを持つた一組の
   炎孔群とからなり、前記炎孔群を燃焼室流れ方向
   軸を中心として互に噴出方向が対向するように設
   けた高負荷バーナ。