JPS6246911B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高周波電力を負荷に伝達する高周波電
力伝達回路に近接配置され、制御信号を伝送する
制御ケーブルの改良に関するものである。

従来の制御ケーブルは、高周波電力発生装置の
高周波出力を高周波負荷に伝達する高周波電力伝
達回路に近接配置されていた。

第１図には、非消耗性電極方式のアーク溶接装
置において従来の制御ケーブルを用いた場合の実
施例の概略図が示されている。高周波電力発生装
置１２の高周波電力は、溶接トーチ１４と溶接母
材１６とを含む非消耗性電極方式のアーク溶接装
置１８へ高周波電力伝達回路を形成する溶接ケー
ブル２０ａ，２０ｂを介して伝達されている。そ
して前記一方の溶接ケーブル２０ａには、制御ケ
ーブルが近接配置され、この制御ケーブル１０は
信号線２２を含む。

そして信号線２２は図示されていない所要の制
御動作を行なう制御装置に接続されている。

高周波電力発生装置１２の高周波出力電圧は、
溶接ケーブル２０ａ・２０ｂを介して溶接トーチ
１４と溶接母材１６との間に印加され、この結果
溶接トーチ１４と溶接母材１６との間の絶縁が破
壊されて、この間隙にアークが生じ、溶接ケーブ
ル２０に高周波放電電流が流れる。

ところが、従来の制御ケーブルによれば、制御
ケーブルと溶接ケーブルとの間の線間分布容量を
介して、制御ケーブルに高周波電流が漏洩してし
まい、この電流が制御装置に流れ込むため制御装
置の誤動作を生じ、あるいは制御装置内の部品の
破壊を引き起こす場合もある。又、制御ケーブル
に漏れ電流が流れることにより制御信号の電圧変
化を生じ、例えば従来の実施例においては溶接電
流値を決定する制御回路の設定電圧が変化するた
め、精密な制御作用を得ることが難しいという欠
点があつた。

本発明は上記従来の課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は高周波電力伝達回路に近接配置
された制御ケーブルの信号線の他にループ線を設
けることにより、信号線への漏れ電流を著しく低
減することにある。

上記従来の目的を達成するために、本発明は、
高周波電力発生装置の高周波出力を高周波負荷に
伝達する高周波電力伝達回路に近接配置され、所
要の制御動作を行なう制御装置に制御信号を供給
する制御ケーブルにおいて、制御ケーブルは制御
信号電流が流れる信号線とループ線とから成り、
ループ線はコンデンサーを介して高周波電力発生
装置の出力に接続され、高周波電流をループ線に
集中的に流すことにより前記洩電流が他の回路に
漏洩することを防止したことを特徴とする。

以下非消耗性電極方式のアーク溶接装置に応用
された本発明の実施例を図面に基づき説明する。

第２図は本発明に係る高周波電力伝達回路の制
御ケーブルの好適な実施例を示す概略図である。

第１図の従来例と異なる点は第一に制御ケーブ
ル１０に設けられた信号線２２の他にループ線２
４が設けられていることであり、第二にループ線
２４がコンデンサ２６を介して接地され、高周波
電力発生装置１２と溶接ケーブル２０ｂとがコン
デンサ２８を介して接地されていることである。

本発明に係る好適な実施例は以上の構成から成
り、以下その動作を第３図に示された第２図の等
価回路図を参照しつつ説明する。

第１図の従来例と同様にして、溶接ケーブル２
０ａと制御ケーブル１０との間の線間分布容量を
介して制御ケーブル１０に高周波電流が流れる
が、従来例と異なり、その電流はループ線２４に
より高周波電力発生装置１２に還流する。すなわ
ち、第３図に示す等価回路図において、ループ線
とアースとの間に接続されたコンデンサ２６のイ
ンピーダンスが、他の回路すなわち他の信号線と
アースとの絶縁抵抗３２に比較して、無視できる
程度の値に選定されており、溶接ケーブル２０ａ
から分布容量３４を介して制御ケーブル１０内の
信号線２２に流れようとする電流は絶縁抵抗３２
の存在により流れず、絶縁抵抗３２に比較してイ
ンピーダンスの非常に小さいループ線２４との間
の分布容量３０を介してコンデンサ２６からアー
スに流れ、更にアースと高周波電力発生装置１２
との間に接続されたコンデンサ２８により高周波
電力発生回路１２に還流する。

従つて、信号線等の回路には漏洩電流がほとん
ど流れず、その大部分はループ線２４を流れて高
周波電力発生装置１２に還流する。

なお、以上説明した本発明に係る実施例におい
ては制御ケーブル内にループ線２４を信号線２２
の他に単独別個に設けているが、既に他の信号線
が設けられている場合で、高周波電流が流れても
何等不都合のない場合においては、ループ線２４
と信号線２２とは共用し得る。又、制御回路のア
ース線あるいはアース回路をループ線として用い
ても良い。

以上のように、本発明によれば制御ケーブルか
ら漏れた高周波電流が集中して流れるループ線を
設けることにより、他の回路、特に他の信号線に
高周波電流が流れ、制御装置内の電気部品等の破
壊、あるいは回路の誤動作を防止することが可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は非消耗性電極方式のアーク溶接装置に
おいて従来の制御ケーブルを用いた実施例を示す
概略図、第２図は本発明に係る制御ケーブルを非
消耗性電極方式のアーク溶接装置において用いた
好適な実施例を示す概略図、第３図は第２図の電
気的等価回路図を示し、各図を通し同一部材には
同一符号を付し、１０は制御ケーブル、１２は高
周波電力発生装置、２０は溶接ケーブル、２２は
信号線、２４はループ線、２６・２８はコンデン
サ、３０・３４は分布容量、３２は絶縁抵抗であ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高周波電力発生装置の高周波出力を高周波負
   荷に伝達する高周波電力伝達回路に近接配置さ
   れ、所要の制御動作を行うための制御信号を供給
   する制御ケーブルにおいて、制御ケーブルは制御
   信号電流が流れる信号線とループ線とから成り、
   ループ線はコンデンサを介して、高周波電力発生
   装置の出力に接続され、高周波電流をループ線に
   集中的に流すことにより前記高周波電流が他の回
   路に漏洩することを防止したことを特徴とする高
   周波電力伝達回路の制御ケーブル。 ２ 特許請求の範囲１記載の装置において、信号
   線とループ線とを共用したことを特徴とする高周
   波電力伝達回路の制御ケーブル。 ３ 特許請求の範囲１又は２記載の装置におい
   て、制御ケーブルは非消耗性電極方式のアーク溶
   接装置用の制御ケーブルとすることを特徴とする
   高周波電力伝達回路の制御ケーブル。