JPS6245745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、上下方向に旋回しつつ水平方向に移
動する回転乗物遊戯具に関する。

一般に遊園地において、搭乗部分が上下に運動
しつつ旋回する遊戯具が知られているがこれらの
従来のものは、等速回転しつつかつ、等速で上下
動するものがほとんどであり、搭乗部分は全体の
旋回を無視した場合に略サインカーブを描いて動
作するに過ぎないものであり、その動作は滑らか
で優雅ではあるが、意外性に乏しく搭乗者に与え
るスリルと興奮が少いものであつた。

本考案は動作に意外性があり、小児のみならず
大人に対しても適度のスリルと興奮を起させる新
規な回転乗物遊戯具の提供を目的としたものであ
る。

かかる目的を達成すべく本考案は縦方向に立設
した支柱に支持され、該支柱を中心にして水平方
向に旋回される複数の水平旋回腕を放射状に設
け、その各水平旋回腕の先端に支持され、該水平
旋回腕の中心軸方向に向けた水平軸を中心にして
旋回する垂直旋回腕を複数備え、該垂直旋回腕の
先端に搭乗容器を常時略水平な姿勢が保たれるよ
うに支持させ、前記水平旋回腕を支柱を中心にし
て水平方向に旋回させると同時に前記垂直旋回腕
を垂直方向に旋回させるようにしたことを要旨と
する。

次に本考案の実施の一例を図面について説明す
る。

図中１は垂直に立てられた支柱である。この支
柱１の上端には固定軸２が立設され、この軸２を
中心にして水平方向に旋回自在にベアリング３，
４を介して旋回台５が支持されている。

旋回台５には水平方向に向けて放射状に四本の
水平旋回腕６，６……が突設されている。この水
平旋回腕６はその中心に水平軸７が挿通され、ベ
アリング８，９を介して支持されている。

この水平軸７の突出端部に垂直旋回腕１０が固
定されている。この垂直旋回腕１０は一例とてそ
の中央部分を水平軸７に固定している。この他、
第３図に示すように水平軸７に対し、多数の垂直
旋回腕１０′，１０′……を放射状に突出させても
よいものである。

そして、この垂直旋回腕１０の先端には搭乗容
器１１が常時水平姿勢が保たれるように支持され
ている。即ち、搭乗容器１１の重心位置の上方位
置を垂直旋回腕１０に枢支させ、自重によつて水
平姿勢が保たれるようにしている。なお搭乗容器
１１支持方法はこの他、第４図に示すように搭乗
容器１１及び垂直旋回腕１０に固定したスプロケ
ツト１２，１３にチエーン１４を掛け回し、腕１
０が旋回中のどの位置にあるときも水平が保たれ
る如き構造としてもよいものである。

一方、支柱１の上端の旋回台５内には、この旋
回台５を支持させた固定軸２に上向きに固定ベベ
ルギヤ１５が固定され、この固定ベベルギヤ１５
に、前述した各水平軸７の基端に固定された遊星
ベベルギヤ１６が噛合されている。更に各遊星ベ
ベルギヤ１６は固定ベベルギヤ１５に対向して配
置された駆動ベベルギヤ１７に噛合され、この駆
動ベベルギヤ１７を旋回台５に支持させたモータ
ー１８をもつて駆動させるようにしている。なお
図中１９ａ，１９ｂは減速ギヤである。

このように構成される回転乗物遊戯具は一例と
して水平旋回腕６を四本とし、各遊星ベベルギヤ
１６の歯数を同数とするとともに、固定ベベルギ
ヤ１５と駆動ベベルギヤ１７の歯数を同数とし、
固定ベベルギヤ１５の歯数をN₁とし、遊星ベベ
ルギヤ１６の歯数をN₂、水平旋回腕６の先端の
回転半径をR₁及び垂直旋回腕１０の回転半径を
R₂としたとき、 N₁：N₂＝n₂：n₁＝２：１ ここにn₁は水平旋回腕６の回転数 n₂は垂直旋回腕１０の回転数を示す n₁・R₁＝n₂・R₂ なる関係が成立するように構成している。

即ち、四本の水平旋回腕６の始動位置における
垂直旋回腕１０が水平旋回腕６の一回転後におい
て全てもとの角度にあるようにするとともに水平
旋回腕６の先端の同速度と垂直旋回腕１０の自転
の周速度とが等しくなるようにしている。

従つて両旋回腕６，１０を旋回させたとき搭乗
容器１１がその最下部位置で水平旋回腕６の旋回
による周速度と垂直旋回腕１０の自転による周速
度が互いに逆向きに作用して打ち消し合い、瞬間
的に停止した状態となり、逆に最上部では水平旋
回腕６と垂直旋回腕１０との周速度が互いに同方
向に働き最も高速度となる。

かくしてこの実施例では搭乗容器１１を靴の形
状にし、その中に座席２０を設けるとともにこれ
を一の水平旋回腕に対し一対設け、あたかも両足
の靴が歩行しているかの如き動作をなさしめてい
る。

なお上述した各ベベルギヤの歯数及び腕の長さ
の関係は、一例を示したものであり、本考案は上
述の他各種の関係となし得るものであることはい
うまでもない。

本考案の回転乗物遊戯具は上述の如く構成さ
れ、水平方向に旋回する水平旋回腕の先端に、そ
の水平旋回腕の中心方向に向けた水平軸を中心と
する垂直旋回腕を備え、その垂直旋回腕の先端に
人が乗り込む搭乗容器を常時水平姿勢を保つよう
に設けたことにより、搭乗容器は水平旋回腕の旋
回によつて旋回されるとともに垂直旋回腕の旋回
によつて上下動され、かつ垂直旋回腕の水平方向
の動きが上下において水平旋回腕の動きに対し互
いに逆向きに作用し、これがために水平方向の旋
回動作中において上下動するのみでなく、その周
速度が変化することとなり、動きに意外性があ
り、適度のスリルと興奮が与えられ、広範囲の年
齢層の搭乗者に対し満足感を与えられることとな
つたものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示すもので、第１
図は全体の斜視図、第２図は要部の縦断面図、第
３図は垂直旋回腕の取り付けの他の例を示す正面
図、第４図は搭乗容器の取り付けの他の例の側面
図である。 １……支柱、５……旋回台、６……水平旋回
腕、７……水平軸、１０……垂直旋回腕、１１…
…搭乗容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦方向に立設した支柱に支持され、該支柱を中
   心にして水平方向に旋回される複数の水平旋回腕
   を放射状に設け、その各水平旋回腕の先端に支持
   され、該水平旋回腕の中心軸方向に向けた水平軸
   を中心にして旋回する垂直旋回腕を複数備え、該
   垂直旋回腕の先端に搭乗容器を常時略水平な姿勢
   が保たれるように支持させ、前記水平旋回腕を支
   柱を中心にして水平方向に旋回させると同時に前
   記垂直旋回腕を垂直方向に旋回させるようにして
   なる回転乗物遊戯具。