JPS6244646Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、オートバイに乗車する時に着用す
る靴に関するものである。

〔従来の技術〕

オートバイを運転する際には、フツトレストに
載せた両足でブレーキや変速機のペダルを上下さ
せたり、カーブの走行時に車体及び運転者の体を
内側に傾斜させるとともに膝を開いてバランスを
取る必要がある。そして、その度に足はフツトレ
スト上で上下あるいは左右に回動する。

従来のオートバイ用靴は、日常使用する靴と同
様に、底板より突設されたかかと部の前部側面が
底板に対してほぼ直角でかつ平坦なものであつ
た。このため、かかと部の前部側面がほぼその全
幅にわたつてフツトレストと接触することにな
り、フツトレスト上で回動する際に回動がスムー
ズに行われず、また左右に回動した状態では、靴
はかかと部の前部側面の左右いずれか一方の側端
縁で支えられるため、靴の支持が不安定であつ
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そこで、この考案の目的は、フツトレストに載
せた時にかかと部をフツトレストに係止したまま
で上下及び左右方向にスムーズかつ容易に回動す
ることができると共に、回動した状態でも安定し
て支持されることができるオートバイ用靴を提供
することにある。

この考案の他の目的は、かかと部で係止した状
態よりフツトレスト上で前後にスムーズに摺動す
ることのできるオートバイ用靴を提供することで
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案が上記問題点を解決するために講じた
技術的手段は、次の通りである。

すなわち、本体部１とその底に取り付けられた
底板２から成り、底板２をフツトレスト６に載せ
たときに底板２に突設されたかかと部３の前部側
面５によつてフツトレスト６に係止可能なオート
バイ用靴において、前部側面５がその幅方向の中
央付近を最も前方に湾出した湾曲面としてある。
そして、この湾曲面は、その高さ方向において底
板２の靴底部４の土踏まずに対応する部分４ａに
対して後方に傾斜しており、さらに前部側面５の
下端縁が丸められてかかと部３の底面に接続され
ている。

〔作 用〕

フツトレスト６上に載せられた靴は、靴底部４
の土踏まずに対応する部分４ａとかかと部３の前
部側面５とがフツトレスト６に接触する。かかと
部３の前部側面５は、その幅方向の中央付近が最
も前方に湾出した湾曲面とされているので、靴を
左右に揺動させると前部側面５は常にフツトレス
ト６に接触しながら転動することが可能である。

また、靴をフツトレスト６上で上下に揺動する
場合、靴は前部側面５の一部と土踏まずに対応す
る部分４ａとをフツトレスト６に接触しながら摺
動する。

靴をフツトレスト６上で前方に並進移動させる
場合は、フツトレスト６は前部側面５と摺動した
後、その下端にある丸められた端縁を経てかかと
部３の底面に達する。

〔実施例〕

以下、添付図面に基いてこの考案の実施例につ
いて説明する。

この考案に係るオートバイ用靴は、本体部１の
底に底板２が取り付けられている。この底板２
は、通常の靴と同様にかかと部３が下方に突出し
て厚く、そして靴底部４が薄く形成されている。

かかと部３の前部側面５は、通常の靴のように
平面ではなく、その幅方向の中央付近を最も前方
に湾出した湾曲面とされている。しかも、この湾
曲面は、第３図に最も明瞭に示されているよう
に、底板２の靴底部４の土踏まずに対応する部分
４ａに対して後方に傾斜していると共に、前部側
面５の下端縁すなわちかかと部３の底面に接続す
る端縁が丸められている。

このオートバイ用靴を着用してオートバイのフ
ツトレスト６上に足を載せると、第３図に見るよ
うに、フツトレスト６には靴底部４の土踏まずに
対応する部分４ａとかかと部３の前部側面５の中
央付近とが接触する。この状態で靴を左右すなわ
ちフツトレスト６に沿う方向に回動させると、前
部側面５はその幅方向に中央付近を最も前方に湾
出しているので、靴はフツトレスト６に沿つて転
動することができ、容易かつスムーズにたとえば
第４図に示す状態となるのみならず、左右いずれ
の方向にも同様に回動することができる。また、
左右いずれかに回動して首を振つた状態でも、前
部側面５は首を振つていない状態と同様にフツト
レスト６に接触するので、靴は安定して支持され
ることができる。

また、この考案では、前部側面５が湾曲面であ
るため、従来の靴のように前部側面５がほぼ全幅
にわたつてフツトレスト６に接触することはな
く、従つてフツトレスト６との接触面積は少ない
ものである。しかも、前部側面５が後方に傾斜し
ており、靴底部４の土踏まずに対応する部分４ａ
との間の空間が広くなつているため、靴の上下方
向すなわちフツトレスト６の軸心周り方向の回動
をスムーズかつ容易に行うことができると共に、
靴の支持も安定するという利点がある。

さらに、この考案では、前部側面５の下端縁が
丸められているので、靴を少しフツトレスト６か
ら浮かすようにして前方に並進移動させ、かかと
部３の底面でフツトレスト６と接触させることも
容易である。これは、フツトレスト６と変速機等
のペダルとの距離が乗つている人の靴からすれば
大である場合にも、上述のように前進させればペ
ダル操作が可能となる点で便利である。靴底４に
沿つた靴の後方への並進移動は、通常の靴と同様
にスムーズに行えることは明らかであろう。

尚、図示した実施例ではブーツ状の靴とした
が、その他短靴として実施することも可能である
ことは勿論である。

〔考案の効果〕

この考案は上述の構成を有するものであり、フ
ツトレスト６に載せた時に靴の上下及び左右方向
の回動をスムーズかつ容易に行うことができると
ともに、左右方向に回動した時にも靴は安定して
支持され、しかも、かかと部３でフツトレスト６
に係止した状態からフツトレスト６上で靴を前後
にスムーズに摺動することも可能である等、実用
的効果に優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係るオートバイ用靴の一
実施例を示す斜視図。第２図は、同底面図。第３
図は、フツトレスト上に載せた状態を示す側面
図。第４図は、同底面図。 １…本体部、２…底板、３…かかと部、４…靴
底部、４ａ…土踏まずに対応する部分、５…前部
側面、６…フツトレスト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体部１とその底に取り付けられた底板２から
   成り、底板２をフツトレスト６に載せたときに底
   板２に突設されたかかと部３の前部側面５によつ
   てフツトレスト６に係止可能なオートバイ用靴に
   おいて、前部側面５がその幅方向の中央付近を最
   も前方に湾出した湾曲面であり、この湾曲面はそ
   の高さ方向において底板２の靴底部４の土踏まず
   に対応する部分４ａに対して後方に傾斜してお
   り、さらに前部側面５の下端縁が丸められてかか
   と部３の底面に接続されていることを特徴とする
   靴。