JPS6244317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は瓦焼成用保持具に関し、さらに詳しく
は一側に饅頭が形成された巴瓦を上下方向に複数
個積重ねて焼成できるようにした新規な瓦焼成用
保持具に関するものである。

従来、この種の巴瓦を焼成するには台車上に煉
瓦を置き、その上に耐熱性鋼棒を差渡し、その鋼
棒の上に一枚ずつ接触しないように並べていた。
このように巴瓦を平面状に並置するために場所を
多く取り、従つて、一度に焼成可能な瓦量が少な
く生産性が極めて低い。また、台車上に瓦を並べ
るとき焼成むらを生じないように瓦相互間に適切
な間隔を保持させる必要があり、熟練を要するば
かりか非常に面倒で手間が掛かり作業性が低いも
のとなる。さらに、流れた釉薬が鋼棒に付着して
焼成中に融着し、これによつて瓦の膨脹収縮が制
約され、瓦の変形、割れ等を生じるおそれがある
ばかりか、釉薬面を汚して著るしく品質を低下さ
せるといつたような欠点があつた。

本考案はこのような従来欠点を解消した瓦焼成
用保持具を提供するべくなされたものであり、適
当間隔を置いて直立した複数の枠杆を平行にかつ
対向して配設し、これらの対向する枠杆間には瓦
の背面を受ける水平部を有しかつ瓦の両下端が接
触しない形状に屈曲形成した前後一対の支持杆を
相互の瓦が接触しない複数の高さ位置に差渡し状
に設け、前後一対の支持杆に巴瓦の背面を支持さ
せ、しかも瓦は上下方向で交互に饅頭の位置を違
えた状態で積重ねて焼成むらを生じることなく焼
成し得る如くなしたものである。

以下に本考案の一実施例を図面と共に説明す
る。図において１，１は瓦の横幅より大きい適当
間隔を置いて平行に並べられた二本の台枠部材、
２ａ〜２ｄはこれら台枠部材１，１間に差渡して
両端を台枠部材１，１に固着した連結部材であ
る。各台枠部材１，１には夫々所定間隔置きに直
立する複数の枠杆３ａ〜３ｄを平行にかつ対向し
て配設し、さらに各枠杆３ａ〜３ｄの頂部に横杆
４を架設して固定させている。

５，５は前後方向で一対をなして瓦背面を支承
させる支持杆であり、各支持杆５，５は中央部に
瓦背面を二点で支えるべく所要幅の水平部５ａを
設け、該水平部５ａの両端を瓦下端が接触しない
ような形状に下方へ屈曲して形成され、前記枠杆
３ａと３ｃの間隔若しくは３ｂと３ｄの間隔に合
わせて離し、連結杆６，６で一体的に連結させて
いる。

このように連結杆６，６を介して一体的に連結
された支持杆５，５を先ず連結部材２ｂと２ｄに
台枠部材１，１間の中央で固着させ、別の一組の
支持杆５，５を両下端を枠杆３ａ，３ａと３ｃ，
３ｃの略1/3の高さ位置に固着させて取付け、次
に別の一組の支持杆５，５の両下端を枠杆３ｂ，
３ｂと３ｄ，３ｄの略2/3の高さ位置に固着させ
て取付け、さらに別の一組の支持杆５，５の両下
端を枠杆３ａ，３ａと３ｃ，３ｃの上端に固着さ
せ、計四組の支持杆５，５を装着させる。

このように形成された本考案の瓦焼成用保持具
には、各支持杆５，５に巴瓦Ａを跨乗させて、そ
の背面を前後位置で各水平部５ａ，５ａに支承さ
せることで巴瓦Ａを四段積みに重ねて保持させる
ことができる。また、各巴瓦Ａは一段ごとに饅頭
Ｂ側を反対方向に位置を違えて積み重ねるように
することで全高を低くでき、安定した状態で複数
段に積み重ねて保持できる。

以上に述べたように本考案の瓦焼成用保持具は
上下方向に複数枚の瓦を所定間隔を保つて積重ね
状に保持することができるから、従来のように一
枚ずつ平面に位置するのに比べて何倍もの多くの
瓦を保持させることができる。さらに瓦は釉薬面
に接触することなく支持されるから、傷をつけた
り又は焼成に際して垂れた釉薬で瓦と保持具とを
固着させるようなことはなく、従つて、瓦を保持
具から取外すのに破損させたりすることなく、品
質の良い瓦を生産することができるといつたよう
に多くの利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例に係わるもので、第１図
は斜視図、第２図は瓦を保持させた状態の断面
図、第３図は同上の側面図である。 ３ａ〜３ｄ……枠杆、５，５……支持杆、５
ａ，５ａ……水平部、Ａ……巴瓦。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適当間隔を置いて直立した複数の枠杆を平行に
   かつ対向して配設し、これらの対向する枠杆間に
   は瓦の背面を受ける水平部を有しかつ瓦の両下端
   が接触しない形状に屈曲形成した前後一対の支持
   杆を相互の瓦が接触しない複数の高さ位置に差渡
   し状に設けて成る瓦焼成用保持具。