JPS6244159Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、高温ガス等を取扱う遠心送風機の
ケーシングに関するものである。

従来のこの種のケーシングとして第１図及び第
２図に示すものがあつた。図において、１はうず
巻状に形成された囲い板、２は囲い板１の両端
に、この囲い板に垂直に置かれて固着された一対
の平板状の側板である。

従来、ケーシングにおいては、囲い板１と側板
２とは直接、連続すみ肉溶接で結合されている。
連続溶接が必要なのは、ケーシング内部に導入さ
れる高温ガスの漏れを防止するためである。

従来のケーシングは、以上の様に囲い板と側板
が直接溶接されていたので、この接合部分の剛性
が大きく、この為高温ガスがケーシング内部に導
入された場合、溶接部に熱膨張による応力集中が
発生しクラツクが生じるという欠点があつた。

この考案は、上記のような従来のものの欠点を
除去するためになされたものであり、囲い板と側
板とを可撓性の封止部材を介して結合する事によ
り、結合部の応力集中を避け、クラツク発生等の
ないケーシングを提供することを目的としてい
る。

この考案に係るケーシングは、うず巻状に形成
され端部が相対向する囲い板の側端に該囲い板に
垂直に平板状の側板を配置し、囲い板と側板との
間で変形しうるように全周にわたつて封止する可
撓性を有したばね材もしくは布状材からなる封止
部材を、囲い板と側板とにそれぞれ結合したもの
である。

この考案においては、ケーシングが熱膨張して
も可撓性を有した封止部材で熱変形を吸収するこ
とができる。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第３図において、３は囲い板１と側板２とを
接合して封止する可撓性を有する封止部材であ
り、ここでは板状ばねが適用されており、囲い板
１全周にわたつて設けられている。板状ばね３と
囲い板１の接合部及び板状ばね３と側板２との接
合部はいずれも溶接によつて接合されて封止され
ている。

この実施例では、従来のものと異なり、囲い板
１と側板２とを全周にわたつて、薄い板状のばね
３を介して接合した為、ケーシング本体が熱膨張
した場合もこのばね３の部分で、大部分の熱変形
を吸収してしまう。これにより溶接部でのクラツ
ク発生が防止でき、かつ、内部に高温ガスも封入
しておく事ができる。

上記実施例では囲い板１の内側にばね３を設け
たが、第４図に示すように囲い板１の外側に板状
ばね３を設けてもよい。

第５図に更に他の実施例を示す。図において、
４は囲い板１と側板２とを接続して封止する封止
部材であり、ここではじやばら状に形成された耐
熱布が適用される。５は側板２に溶接で固着され
た補強材、６は囲い板１に固着された補強材、７
は囲い板１と側板２とを弾性的に結合保持する板
状ばねであり、補強材５、補強材６及び囲い板１
にそれぞれ固着されている。

この実施例では囲い板１と側板２とは伸縮性を
もつじやばら状の耐熱布４で封止されているので
高温ガスの洩れは防止される一方、囲い板１と側
板２とは板状ばね７で保持されるので運搬等にも
支障を来たすことはない。

以上のようにこの考案によれば、囲い板と側板
とを板状ばねあるいは耐熱布のような封止部材を
介して接合したので、高温ガス等の洩れをなくし
て、熱膨張を逃がす事が出来、結合部の破損が防
止できるケーシングが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のケーシングを示す斜視図、第２
図は第１図の−線断面を示す断面図、第３図
はこの考案の一実施例のケーシングを示す断面
図、第４図は他の実施例のケーシングの断面図、
第５図は更に他の実施例のケーシングを示す斜視
図である。 １……囲い板、２……側板、３……板状ばね
（封止部材）、４……耐熱布（封止部材）、７……
板状ばね。 なお、図中、同一符号は同一又は相
当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. うず巻状に形成され端部が相対向する囲い板
   と、この囲い板の両端に該囲い板に垂直にそれぞ
   れ配置された一対の平板状の側板と、上記囲い板
   と側板とにそれぞれ結合され、該囲い板と側板と
   の間で変形しうるように全周にわたつて封止する
   可撓性を有したばね材もしくは布状材からなる封
   止部材とを備えた遠心送風機のうず巻状ケーシン
   グ。