JPS6243773Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は射出成形機のノズルの改良に関するも
ので、スライドノズルの摺動部からの材料洩れの
無い射出成形機のノズルを提供することを目的と
する。

従来から射出成形機において第１図および第２
図に示すようなスライドノズルが知られており、
加熱筒１に螺設したネジに螺合締結するノズル本
体２に対して、該本体２内を軸方向に摺動可能な
ノズルチツプ３が内蔵されており、該ノズルチツ
プ３の先端が金型４と当接するように構成されて
いる。

上記構成のノズルチツプ３は、第１図のものに
おいてはテーパ内壁面５が直接ノズル本体２の内
壁面７まで延びており、射出成形時にノズルチツ
プ３の円筒端部６の内壁に材料の圧力が加わり、
該円筒端部６を径方向に拡張して材料洩れを阻止
するように働くため、円筒端部６の肉厚は薄い方
が好ましいが、こうした構造にすると、該ノズル
チツプ３の機械加工時に円筒端部６を箔状に形成
しなければならず、正規の形状を得ることが困難
であつた。このため、第２図に示すように円筒端
部６を軸方向に軸芯と直角になる面８を有するよ
うにして機械加工を容易にしたものが使われてい
るが、この構造のものは円筒端部６に形成した軸
芯と直角になる面８に材料が滞留する不具合を有
するものであつた。

本考案は上記問題に鑑みてなされたもので、ノ
ズルチツプの材料流入側円筒端部を尖端状にする
とともに、該ノズルチツプの前記尖端からノズル
孔へ向けての内周面形状を２段に屈折したテーパ
面から形成し、ノズルチツプの機械加工を容易に
するとともに材料の滞留や洩れの防止を図るもの
である。

以下、本考案射出成形機用ノズルの一実施例を
第３図にしたがつて説明する。２は加熱筒（図示
せず）に螺合締結したノズル本体であり、該ノズ
ル本体２の内壁面７にはノズルチツプ３が軸方向
に摺動自在に内蔵されるとともに、ノズルチツプ
３のノズル孔９外周部に構成した周段部３ａをノ
ズル本体２の端部内周に形成した周縁２ａに係合
して抜落を阻止してなる。当該ノズルチツプ３の
材料流入側円筒端部６は尖端状になるとともに、
材料流入側円筒端部６からノズル孔９へ向かうテ
ーパ内壁面８ａを軸芯に対して鋭角αになるよう
に構成し、該テーパ内壁面８ａと交差するノズル
孔９から材料流入側へ向かうテーパ内壁面５のな
す角度βを鈍角になるように構成したものであ
る。

上記構成のノズルによれば、ノズルチツプ３の
端面が金型４に密接して材料を射出するに際し
て、該ノズルチツプ３の円筒端部６が尖端状に形
成されているため、材料の滞留または洩れが生じ
ないものである。また当該円筒端部６は、ノズル
孔９側から延びるテーパ内壁面５と連続しない他
のテーパ内壁面８ａによつて構成され、比較的円
筒端部６の尖端状角度が大きく形成されるため、
該部の機械加工に際して箔状に形成する必要がな
く、加工が容易になる。

本考案は以上説明したように、材料の滞留や洩
れを防止するとともに、ノズルチツプの機械加工
を容易にするものであり、さらに該ノズルチツプ
の円筒端部に破損、まくれ等の不具合を生じるお
それがなく、本考案の実用的効果はきわめて大き
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案射出成形機用ノズルの一実施例を
示すもので、第１図および第２図はそれぞれ金型
に当接した状態の従来のノズルを示す正断面図、
第３図は同状態の本考案ノズルの正断面図であ
る。 １……加熱筒、２……ノズル本体、３……ノズ
ルチツプ、４……金型、５，８ａ……テーパ内壁
面、６……円筒端部、９……ノズル孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ノズル本体の内周に軸方向に摺動可能なノズル
   チツプを内蔵し、該ノズルチツプの流入側円筒端
   部を尖端状にするとともに、該ノズルチツプの内
   周面形状を流入側円筒端部からノズル孔へ向かう
   テーパ内壁面を軸芯に対して鋭角とし、該テーパ
   内壁面とノズル孔から材料流入側へ向かうテーパ
   内壁面の交差角を鈍角になるように構成したこと
   を特徴とする射出成形機用ノズル。