JPS6243213Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、水熱交換器を有する空気調和機の改
良に関する。

従来の空気調和機は、第１図及び第２図に示す
ように底板１に仕切板２を設け、図示する右側に
冷媒を凝縮又は蒸発させる空気熱交換器３該空気
熱交換器３に送風する送風機４、送風機駆動用モ
ータ５及びベルマウス９を設けている。又底板１
の図示する左側には、冷媒を吸入、圧縮、吐出す
る圧縮機６及び冷媒を水と熱交換させて蒸発させ
る二重管蒸発器７を並べて設けている。圧縮機
６、空気熱交換器３、二重管蒸発器７は冷媒配管
（図示せず）で接続され、二重管蒸発器７には外
部熱源と水配管（図示せず）で接続して水が供給
される。

しかしこの構造のものは、二重管蒸発器７を圧
縮機６と並設して設けているので、底面積が大き
くなり、空気調和機の設置スペースが広くなる。
このため、スペースの利用効率が悪く、据付場所
も限定されてしまい又床板は二重管蒸発器を有し
ない空気熱交換器用のものと別個に製造しなけれ
ばならないなどの欠点がある。また二重管蒸発器
７は、底板１に取付けた固定具８…により４個所
で固定され、水配管との接続ジヨイント部には簡
単なうけしかない。従つて配管工事に際しジヨイ
ント部を１つのモンキー等で確実に固定し、別の
モンキー等で締付接続を行なういわゆるダブルス
パナの必要があつた。

更にまた空気調和機を室外部分に配置する場合
水配管は室外に配設されるため、凍結防止のため
の処理が必要となる。しかし空気調和機内部は、
スペースの関係で断熱処理は難かしく、このため
二重管蒸発器７の外管温度等をサーモスタツトな
どで検知しこの検知信号にもとづいて温水を循環
し、暖めているが、水の循環回数が多く、熱ロ
ス、ポンプ運転エネルギーロスが多い問題があ
る。

またこの空気調和機とは別に、第３図及び第４
図に示す空気調和機がある。この空気調和機は空
気熱交換器３、送風機４の構造は、第１図のもの
と同様であるが、圧縮機６の周囲に二重管蒸発器
７′を配置し、これらを床板１に固定している。
この構造のものは、第１図のものに比べて据付ス
ペースが少なくなるが、まだ無駄なスペースがあ
るとともに製造上の問題がある。

すなわち、第３図の構造では、二重管蒸発器
７′の曲げ曲率を圧縮機６の外径に近似させてほ
ぼ同心円に加工しなければならないが、この場合
特殊な曲げ加工用治具が必要で、又圧縮機６の種
類（外形）が異なる都度治具が必要となるなどの
不都合があり、このため、コストが高く、生産性
が悪くなる。更に圧縮機６には図示しないが、配
管配線接続口や電装品の接続部分が部分的に突出
しており、又配管配線接続のためのスペースを確
保することが必要である。このことから、二重管
蒸発器７′は圧縮機６の外形からある空間をあけ
たところにしか設置することができず、いわゆる
デツドスペースが生じ、設置スペースが広くなる
欠点がある。さらにまた第３図に示す空気調和機
は、第１図のものと同様に締め付け工事、接続工
事及び凍結防止対策に問題がある。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、底面積を小さくして他
機種との部品共通化を図ることができ、又水熱交
換器の締め付け工事、接続工事が容易で、かつ凍
結防止効果を高めることができる空気調和機を提
供するものである。

すなわち本考案は、底板に仕切板を立設し、そ
の一方に圧縮機、及び水と冷媒を熱交換して冷媒
を蒸発させる二重管蒸発器を、他方に空気と冷媒
を熱交換する空気熱交換器、及び送風機をそれぞ
れ具備した空気調和機において、上記二重管蒸発
器を前記圧縮機からの放熱を受けるように該圧縮
機の上方に配置し、かつ前記二重管蒸発器の水配
管接続ジヨイント部を前記底板に取付けた支持板
に固定するとともに、該二重管蒸発器の本体部側
面を底板又は仕切板に取付けた固定板に固定する
ことを特徴とする空気調和機である。

以下本考案の実施例を図面にもとづいて説明す
る。

第５図ないし第７図は空気調和機を示し、この
空気調和機は底板１１に仕切板１２を設け、図示
する右側に空気熱交換器１３、送風機１４、送風
機駆動用モータ１５、及びベルマウス１６を設け
ている。また図示する左側に圧縮機１７及び水と
冷媒を熱交換させて冷媒を蒸発させる二重管蒸発
器１８を配設している。上記圧縮機１７は、底板
１１上に取付けられ、周面にクランクケースヒー
ター１９が設けられている。このクランクケース
ヒーター１９は、圧縮機１７の運転停止時に圧縮
機１７に冷媒がたまり込むのを防止するものであ
る。一方二重管蒸発器１８は、第８図、第９図に
拡大して示すように本体部２０を接手２１を介し
て冷媒配管２２及び水配管２３に接続している。
上記床板１１には、支持板２４が取付けられ、こ
の支持板２４には外部の水配管２３を接続するジ
ヨイント２５が設けられている。水配管２３には
ナツト２６が設けられ、ナツト２６を締めること
により支持板２４をはさみ込み、二重管蒸発器１
８の前部を固定するようになつている。更に床板
１１及び仕切板１２にはそれぞれ固定板２７，２
８が取付けられ、これら固定板２７，２８で二重
管蒸発器１８の本体部２０のうち後部両側を支持
固定している。上記ジヨイント２５及び固定板２
７，２８の固定により上記二重管蒸発器１８は第
６図及び第７図に示すように底板１１から離れて
圧縮機１７の上方に配設され圧縮機１７から放熱
を受けるようになつている。

なお第６図において二重管蒸発器１７の図示す
る右側に空間があるが、この部分は制御機器の収
納に供せられる。

この構造の空気調和機によれば、二重管蒸発器
１８のジヨイント部を、この固定部材として利用
して、該二重管蒸発器１８が圧縮機１７の上方に
位置するようにしたので、圧縮機１７の形状、大
きさを考慮せずに二重管蒸発器１８を取付けるこ
とができ、この結果空気調和機の底面積を小さく
でき、据付スペースが小さくてすみ、スペースの
有効利用、据付場所の選択の自由度が増える等の
利点がある。また底面積を小さくできるので、底
板、天板等、製作型などが必要で製作コストの高
いものにつき、二重管蒸発器を有しない空気調和
機と共通化でき、もつて製作コストを引下げるこ
とができる。

更に二重管蒸発器１８の水配管接続部ジヨイン
ト２５が強固に固定されているので、従来の如く
固定のためのダブルスパナは不要となり、単に締
め付け時の補助として用いればよく、又、ジヨイ
ント２５が上方にあるので水配管工事をおこなう
うえで施工性がよい。

また、ジヨイント２５を固定部材として利用し
た場合、このジヨイント部が二重管蒸発器１８の
本体部２０に近いため二重管蒸発器１８を支持す
るための十分な強度を有する。又固定個所が支持
板２４であるため、固定位置が限定され、底板１
１に固定するのに比べて位置決めが容易である。

なお、ジヨイント２５を固定部材として利用せ
ず、従来の４個の固定板を用いて、二重管蒸発器
１８を底板１１から離して圧縮機１７の上方に位
置せしめることも考えられるが、この場合固定板
としていずれも剛性が十分のものを用いなければ
運搬時等に破損が生じる。従つて固定板は、支持
枠の如き構造としなければならず、このため構造
が複雑となり不適当である。

更にまた空気調和機を室外部分に設置する場
合、二重管蒸発器１８の凍結を防止する必要があ
る。本考案は、圧縮機１７の上方に二重管蒸発器
１８を配置するとともに、該蒸発器１８の本体部
側面は固定板２７，２８に固定され底部に介在物
がないため、運転停止後でも圧縮機１７からの放
熱が前記二重管蒸発器１８に加わり、又圧縮機１
７の外周面に設けられたクランクケースヒーター
１９による加熱も加わる。しかも、空気調和機の
外箱（図示せず）は通常断熱される。その結果、
上記二重管蒸発器１８は外気温に比較して数度高
い状態となるため、外気温が下がり凍結するよう
な条件下においてもなんら支障がない。又二重管
蒸発器１８の外管に温水を循環して凍結を防ぐ場
合は、外管温度を検知するサーモスタツトの動作
間隔が延び、このため水の循環回数の減少が図
れ、熱ロス、ポンプ運転エネルギーロスを少なく
できる。

なお固定板２８は床板１１に取付ける構造とし
てもよく、又二重管蒸発器１８の本体部２０の後
部湾曲部を底板１１等に取付けた１個の固定板で
固定するようにしてもよい。

以上の如く本考案によれば、二重管蒸発器のジ
ヨイント部を固定部として利用して、該二重管蒸
発器を圧縮機の上方に位置せしめたので、床面積
の減少により据付スペースを少なくでき、底板、
天板等を他機種のものと共通化してコストダウン
を図ることができ、更に二重管蒸発器に水配管す
る場合、締め付け工事、接続工事が容易となり、
しかも空気調和機を室外に設置した場合でも、二
重管蒸発器の凍結防止効果を有するなど種々の顕
著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空気調和機の平面図、第２図は
同空気調和機の正面図、第３図は従来の別の空気
調和機の平面図、第４図は同空気調和機の正面
図、第５図ないし第９図は本考案の一実施例を示
し第５図は空気調和機の平面図、第６図は正面
図、第７図は左側面図、第８図は同空気調和機の
水熱交換器及びそのジヨイント個所の拡大平面
図、第９図は第８図の正面図である。 １１……底板、１２……仕切板、１３……空気
熱交換器、１４……送風機、１５……送風機駆動
用モータ、１６……ベルマウス、１７……圧縮
機、１８……水熱交換器、１９……クランクケー
スヒーター、２０……水熱交換器の本体部、２１
……接手、２２……冷媒配管、２３……水配管、
２４……支持板、２５……ジヨイント、２６……
ナツト、２７，２８……固定板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板に仕切板を立設し、その一方に圧縮機、及
   び水と冷媒を熱交換して冷媒を蒸発させる二重管
   蒸発器を、他方に空気と冷媒を熱交換する空気熱
   交換器、及び送風機をそれぞれ具備した空気調和
   機において、上記二重管蒸発器を前記圧縮機から
   の放熱を受けるように該圧縮機の上方に配置し、
   かつ前記二重管蒸発器の水配管接続ジヨイント部
   を前記底板に取付けた支持板に固定するととも
   に、該二重管蒸発器の本体部側面を底板又は仕切
   板に取付けた固定板に固定することを特徴とする
   空気調和機。