JPS6242962Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、道路側端部に堆積された土砂を移
送装置によつて道路中央側へ搬出する土砂掘削車
において、土砂掘削作用をより完全にさせる回転
ブラシに関するものである。

雪国地方の道路等では、除雪車で雪を道路側端
部へ除雪して行くが、この雪が溶けた際、雪とと
もに道路側端部まで押しやられた土砂がそのまま
堆積しており、しかもこれらの土砂は大部分がガ
ードレールを超えた位置まで押しやられているか
ら、その始末に困つていたのが実情であつた。

そこで、この考案の考案者等は、土砂の移送装
置をガードレールを超えて道路側端部まで張出さ
せ、道路中央側へ搬出しながら前進する土砂掘削
車を提案しているが、この考案は、土砂の掘削作
用をより完全に果たし得る土砂掘削車の回転ブラ
シを提供したものである。

以下、この考案の具体的な実施例を図面を参照
して説明する。

第１図、第２図は土砂掘削車の側面図、平面図
であるが、この土砂掘削車は前部から土砂を掘削
して移送する移送装置１、およびこの移送装置１
を左右へ揺動させる揺動装置２等からなる前処理
部３、クローラ４，４等を有する機体本体部５、
そして前処理部３によつて道路中央側へ搬出され
た土砂をさらに道路中央側へ導くドーザ６等を有
する後処理部７から構成される。

第３図、第４図は前処理部３の詳細を示す側面
図、平面図であるが、移送装置１は前方が開口し
ている略横円筒型のカバー８の内部に回転軸９が
横架され、この回転軸９に爪１０・・が装着され
ているものである。揺動装置２は移送装置１と機
体とを２本のリンク１１，１１で連結し、このう
ちのリンク１１と機体間に油圧シリンダー１２を
介装する。したがつて油圧シリンダー１２を伸縮
させると、移送装置１全体が左右へ揺動する。な
お揺動装置２の下部に２枚の導土板１３，１３を
逆ハ字状に並設した導土装置１４を設け、移送装
置１によつて移送されて来た土砂をクローラ４，
４間に導く。また回転軸９を回転させるための動
力伝達は、PTO軸１５からユニバーサルジヨイ
ント１６等により、一たんカバー８上に回転軸９
と平行に設置された駆動筒１７に導き、これを右
側部に設けられたギアボツクス１８から回転軸９
へ伝達する。さらに移送装置１の後方には、移送
装置１を安全に支持させるための支持輪１９，１
９を設けておく。

ところで、この考案は、移送装置１と導土装置
１４の中間で、かつ左側方部分に回転ブラシ２０
を装設するものである。具体的にはカバー８にブ
ラケツト２１を取付け、この中に回転ブラシ２０
を縦挿する。なお回転ブラシ２０の動力源として
はオイルモータ２２等が適し、これをブラケツト
２１に直接すれば取付構造が簡単である。

次に、この土砂掘削車で土砂を掘削する場合に
ついて説明すると、移送装置１を揺動装置２によ
つてガードレール２３を超えて（下からもぐらせ
て）左側方に張出させ、回転軸９を回転させて土
砂を右側方へ搬出させながら車体を前進させる。
なお爪１０およびカバー８の内周は土砂をこのよ
うに順次右側方へ移送するよう形成されている。

車体の前進に伴い、ポール２４等の障害物があ
れば、移送装置１の前方に設けられたフロントセ
ンサー２５がこれを検知し、油圧シリンダー１２
を作用させて移送装置１を右側方へ揺動させる。
移送装置１が右側方へ移動すると、障害物を回避
し、車体はそのまま前進するが、このときサイド
センサー２６が障害物に作用しており、障害物が
通過してしまうと、サイドセンサー２６がこれを
検知して再び移送装置１が作業位置に復帰し、掘
削作業を続行する。

この場合、カバー８の後下端にはスクレーパ２
７が装着され、移送装置１からこぼれ落ちた土砂
を拾いながら進行するが、車体は前進する関係
上、スクレーパ２７と路面との間には若干の隙間
Ｓを確保しておかなければならない。したがつて
土砂はこの隙間Ｓから漏出るが、その直接に回転
ブラシ２０が回転しているから、これらの土砂を
車体中央側、すなわち導土装置１４方向へ飛散さ
せる。なおこの作用をより完全になすため、回転
ブラシ２０の回転半径を導土装置１４の進行軌跡
Ｗ内に突入せしめておくよう、その半径および取
付位置を工夫しておく。

この考案は、前記のような構成からなり、また
作用をするので、以下のような効果が期待でき
る。

すなわち、移送装置１のスクレーパ２７からこ
ぼれ落ちた土砂のようなものまで回転ブラシ２０
で導土装置１４側へ掃出してしまうので、土砂の
掘削作業が完全である上、作業跡がきれいにな
る。特に回転ブラシ２０と導土装置の作業軌跡を
オーバーラツプさせておけば、この効果はより確
実になる。

また、後処理部７から排出した土砂は所定のス
イーパーで拾集して行くのであるが、この考案に
よれば、排出集土された土砂の巾を狭くでき、こ
の拾集作業がやり易い等の優れた利点があるので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は土砂掘削車の側面図、平面
図、第３図、第４図はこの考案に係る回転ブラシ
を装備した同じく前処理部の側面図、平面図であ
る。 符号、１……移送装置、１４……導土装置、２
０……回転ブラシ、２３……ガードレール、Ｗ…
…進行軌跡。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガードレール２３を超えて道路左側方へ移送
   装置１を張出させ、この部分に堆積している土
   砂を前記移送装置１によつて道路中央側へ移送
   するとともに、この移送装置１後方に導土装置
   １４を設け、前記移送装置１から移送されて来
   た土砂を所望の巾および位置に導くようにして
   なる土砂掘削車において、前記移送装置１と導
   土装置１４の中間位置、かつ左側部分に回転ブ
   ラシ２０を設けたことを特徴とする土砂掘削車
   の回転ブラシ。 回転ブラシ２０回転半径を導土装置１４の進
   行軌跡Ｗ内に入らしめて構成したことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第項記載の土砂
   掘削車の回転ブラシ。