JPS6242804B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は果実運搬装置に関し、特に果実を横方
向に離隔した複数個の単一列にして送る果実送り
装置に関する。

ダブリユー・シー・ベルクの米国特許第
3040864号明細書はかんきつ類果汁絞り機に用い
る高速送り機を開示している。同特許の果汁絞り
機は直線状に堅固に配列された数個の下部カツ
プ、同下部カツプの直上に往復しうるように取付
けられる数個の上部カツプ、及び同上部カツプに
連結される駆動機構を有する。上部カツプと下部
カツプは円周方向に相互に離隔する指部を有し、
指部は上部カツプが下降すると相互に組み合つて
果実から果汁を抽出する。ベルクの特許に詳細に
記載されているこの高速送り機は、集団供給コン
ベヤの果実の単一列から果実を受承するように設
けられるホツパ、及び上部カツプが上昇位置に置
かれている時にホツパから果実を受承し、受承し
た果実を絞り器に送る回転送り機を有する。

上述のベルクの特許に開示されているホツパは
複数個のトラフを含む金属枠構造体を有し、トラ
フはホツパを横断するように均一に横方向に離隔
して果実送り通路を形成する。果実送り通路は直
立壁部材によつて相互に仕切られる。偏心軸駆動
機構を用いて枠構造体全体を振動し、そうするこ
とによつて果実を転動又は滑動させながら各通路
から支持ブリツジに向けて下降させる。回転送り
機構はブリツジ上に支持されている果実に係合し
て果実を下部カツプの上方に移動し、続いて果実
を下部カツプ内に推進する。

上記ベルクの特許に開示されるホツパの問題点
は、不規則な形状をした果実、例えばタンジール
みかんやレモン等の場合にはこれらの果実は直立
壁間でつまつてしまう点にある。例えば、タンジ
ールみかんを取扱う場合、それらの平坦な部分が
相互に接触しようとするので、果実を振動したと
してもその振動に応じて個々の果実が急速にトラ
フに向けて下降しにくくなる。このように果実が
ホツパ内でつまるという深刻な問題が生じるの
で、時折操作者を配置してホツパの運転を監視し
なければならず、ホツパの通路内に果実がひつか
かつた場合には全てこれを除去しなければならな
い。

上述のベルクの特許に示されるホツパの今一つ
の問題はホツパ全体の容量に関する。最近では、
上述のかんきつ類果汁絞り機による果汁絞り速度
は１分につき１個のコツプが150個の果実を絞る
程に努力が払われている。このように高速に果実
を送る場合、従来のホツバは絞り機の速度に対応
して果実を送るようには作動しえないことが予測
される。かかる果実送り上の問題は従来のホツパ
を単に水平線に対して急な角度で傾斜させて取付
けるだけでは解決することはできない。なぜな
ら、そのようにホツパを傾斜すると、各通路内の
果実は相互に転倒し合つてトラフの下端部で蓄積
されてしまい、よつて回転送り機に一時に１個以
上の果実が送られることになるからである。

本発明のホツパは先行技術によるホツパの上述
の問題点を解決しようとするものである。本発明
によれば、実質的に球形で無秩序に供給される物
品が傾斜した供給路に沿つて進行するために分離
され、前記供給路の下流位置で前記物品の単一列
の先頭が処理装置に移される果実送り装置におい
て： 傾斜して横方向に相互に離間した物品支持部材
であつて、これらの間に下流方向に伸びる供給路
を形成する物品支持部材； 振動運動のために前記支持部材を取り付けるた
めの取付装置； 前記支持部材を同時に時計方向に、続いて反時
計方向に振動させ、その結果支持された物品は反
対方向に部分的に回転して左右への揺動運動が付
与され、これによつて前記供給路を重力で下降す
る前記物品の動きが増大する振動装置； 前記各支持部材の上に設けられた細長い静止装
置であつて、前記物品を前記供給路内に保持し
て、前記左右への揺動運動の間に前記物品が前記
支持部材を横断して移動することを防止する細長
い静止装置；を具備し、 前記支持部材は複数の長方形パネルの各交点で
縦方向に伸びる複数の細長い隆起によつて形成さ
れる表面を有し、これによつて前記物品が前記供
給路に沿つて進行している間にその左右の揺動運
動に加えて前記物品に制限された上方向への運動
を付与し、これにより前記物品は多方向に運動し
て、前記供給路に沿う物品の流れが静止摩擦で停
止することを防止し； 前記振動装置は前記支持部材に加えられる振動
運動によつて形成される円弧の長さを調節するた
めの連結部材を有する； ことを特徴とする果実送り装置が与えられる。

本発明の送り機の重要な利点は、回転する支持
壁によつて惹起される回転作用によつて、不規則
な形態をした果実が支持壁間で自ら即座に一列に
整列し、よつて先行技術による果実ホツパに見ら
れる果実のつまり問題を解消しうる。加えて、壁
の回転作用が壁と果実間の摩擦を減少するので、
果実は一層急速に送られる。

以下に本発明の実施例を添付図面を参照しなが
ら説明する。

第１図、第２図、及び第４図を参照する。本発
明の果実送りホツパ１０は傾斜したコンベヤベル
ト１１（第２図、及び第４図）上に堆積された果
実の山から果実を個別に受承して単一列の通路Ｌ
１―Ｌ６（第１図）内に送つて果実処理装置にも
たらすように設けられる。第１図、及び第２図に
示される構造によれば、上述の果実処理装置はか
んきつ類果汁絞り機１２を含み、絞り機１２は６
個の下部コツプ１３、これらに対向する６個の上
部カツプ、及び果実送り機１４を有し、果実送り
機１４は上部カツプの運動と時間的に同調して連
続的に果実を個別に送るように設けられる。第１
図に示す果汁絞り機１２は特開昭56―134978号公
報に、果実送り機１４は特開昭56―132224号公報
にそれぞれ詳述されている。従つて本願明細書で
は必要に応じて上記二つの明細書の記載事項を援
用する。本発明によるホツパ１０は上述の二つの
明細書に記載の果汁絞り機や送り機に限定して使
用すべきものではなく、上述の果汁絞り機や送り
機は本発明を理解する上で重要ではない。本発明
を理解し易くするために送り機１４について触れ
ておく。送り機１４は指部単位体１６を各有する
相互に離隔するいくつかのチエーンコンベヤ１５
を具える。指部単位体１６は傾斜した支持ブリツ
ジ１７上で支持される果実に捕捉位置で個別に係
合する（第２図）。捕捉位置にある果実は弧状の
ブリツジ１８の下端にも当接する。ブリツジ１８
は傾斜した支持ブリツジ１７に連結されている。
弧状のブリツジ１８は、果実が指部単位体によつ
て上昇するように推進される時、チエーンコンベ
ヤ１５と協働して果実を案内する。ホツパ１０は
多数のチエーンコンベヤ１５と整合して横方向に
相互に離隔して配列される通路Ｌ１―Ｌ６（第１
図）に果実を送り、各ブリツジ１８に果実の単一
列が連続して迅速に送られるように形成される。

ホツパ１０はレール１９（第２図、及び第４
図）、及び平行レール２２を具えた枠を含む。レ
ール１９は絞り機１２の側板２０，２１間で横方
向に延長し、平行レール２２も絞り機の側板２
０，２１間に取付けられるが、その位置はレール
１９よりも高い。第１図乃至第４図を参照する
と、ホツパは７個の半円形の支持部材、すなわち
ドラム２３ａ―２３ｇを含み、これらの部材は横
方向に等間隔を保つてレール１９，２２に回転し
うるように取付けられる。各ドラムは前壁２４、
これに類似した形態を具える後壁２５（第２
図）、及び前壁と後壁間で延長する凸状の細長い
果実支持壁２６を有する。各支持壁２６は中心軸
線Ａ―Ａを中心に対称をなす半円形、即ち約180
度の円弧の形態を具える（第２図、及び第３
図）。支持壁２６は長方形の面、即ち長方形パネ
ル２７を含み、面２７は支持壁の縦方向に延在
し、いくつかの角２８で相互に接続される。角２
８は中心軸線Ａ―Ａを中心に等角をなして相互に
離隔する。詳述すると、支持壁２６は断面におい
て正確に12面を有する多角体であり、下側部分は
切除されて７面のみが残されている（第６図）。
第４図を参照すると明らかなように、果実支持壁
２６は取扱われる果実の直径よりも数倍長いの
で、隣接する支持壁間の空間内にいくつかの果実
を支持することができる。

第１図乃至第４図に示されているように、ドラ
ム２３ａ―２３ｇは対応軸線Ａ―Ａを中心にして
回転し振動しうるようにレール１９，２２に取付
けられるので、ドラム２３ａ―２３ｇは相互に平
行して水平線よりも約15゜下方に傾斜し、よつて
横方向に同間隔で離隔してドラム間に６本の果実
送り道路Ｌ１―Ｌ６を形成する。ドラムを上述の
ように回転しうるように取付けるために、軸２９
（第２図、第３図、第４図、及び第６図）が中心
軸線Ａ―Ａを中心にして各ドラムの前壁２４と後
壁２５間に堅固に取付けられる。各ドラムの軸２
９はレール１９，２２に各取付けられた軸受３
０，３１内に回転しうるように取付けられる（第
２図）。各ドラムの軸２９は前述のように水平線
よりも15゜下方に傾斜するようにレール１９，２
２が絞り機の側板２０，２１に取付けられている
ことが分る。第２図、及び第４図に示すように、
傾斜するコンベヤベルト１１は、その下縁部１１
ａ（第２図）がドラムの上端部に隣接しかつ軸２
９よりも十分上方に離隔するようにホツパ１０に
関して取付けられる。このようにすれば果実はコ
ンベヤベルトの縁部上を、コンベヤベルトの進行
方向に関して横方向に容易に転動してドラムとド
ラムの間の空間内に落下する。ドラムが下方に十
分傾斜しているので、果実がドラムによつて回転
させられると、後に詳述するように果実はその重
力によつてドラムの上端部から支持ブリツジ１７
に向けて急速に移行する。

全てのドラム２３ａ―２３ｇは対応する軸線Ａ
―Ａを中心に限定された弧に沿つてドラムを前後
に回動するプツシユ・プル機構に連結されてい
る。各ドラムの前壁２４は該壁から下方に延出す
るアーム３５（第２図、及び第３図）を含み、全
てのドラムのアーム３５はボルト３６によつてプ
ツシユ・プル棒３７に連結される（第３図）。第
４図に示すように、リンク３８ａがプツシユ・プ
ル棒３７の端部、及び連結部材、即ちベルクラン
ク３８のアームの一に連結される。第４図に見ら
れるように、リンク３８ａに結合されるベルクラ
ンクのアームには複数個の孔が設けられ、これに
よつてクランクアームの行程を変化することがで
きる。ドラム２３ａ―２３ｇに加えるべき振動を
調節することは、丸味の異る果実を収容する場合
に必要となる。ベルクランク３８はブラケツト３
９上に取付けられ、ブラケツト３９は絞り機の側
板２０に固着される。ベルクランク３８の他方の
アームは駆動棒４０の一端に連結され、駆動棒４
０の他端はクランク円板４１の側部から外方に延
出する偏心ピン４１ａに連結される。クランク円
板４１は、送り機１４のチエーンコンベヤ１５を
駆動する駆動軸４２の端部に取付けられる。第１
図及び第５図に図示されているように、送り機の
駆動軸４２はベルト４２ａによつて駆動され、ベ
ルト４２ａは遊転子４３によつて駆動される。更
に遊転子４３は絞り機１２のカム軸４５に取付け
られるベルト４４によつて駆動される。カム軸４
５は絞り機内の上部カツプを下部カツプ１３に果
汁を抽出するように係合する。更に絞り機のカム
軸はベルト４６によつて駆動され、ベルト４６は
今一つの遊転子４７上に張架される。遊転子４７
は絞り機の駆動電動機４９に連結されるベルト４
８によつて駆動される。以上の説明から、駆動軸
４２（第４図）が駆動されるとクランク円板４１
が駆動棒４０を往復動し、駆動棒４０のそのよう
な運動はベルクランク３８を経てプツシユ・プル
棒３７を交互に押して引くことにより、ドラム２
３ａ―２３ｇがプツシユ・プル棒３７の行程に応
じた角度で前後に振動することが理解しえるであ
ろう。

ホツパ１０は更に静止装置、即ち、仕切板５０
を有し、仕切板５０は仕切板５０の下方でドラム
２３ａ―２３ｇが回転しうるようにドラムから上
方に十分間隔をとつて縦方向に取付けられる。仕
切板５０は果実をコンベヤベルト１１から１列状
に果実送り通路Ｌ１―Ｌ６に案内するために設け
られる。両端のドラム２３ａ，２３ｇ上の仕切板
を除いては仕切板は同一の形態を有する。各仕切
板は前部端壁５１を有し、端壁５１は軸受３１の
上方の上部レール２２にボルトで固定される（第
３図）。各仕切板は更に頂壁５４、及び頂壁５４
の側縁から下方に延出する平坦な側壁５５，５６
を有する。隣接する仕切板の対向する側壁５５，
５６の下縁部は横方向に離隔しているので、各通
路Ｌ１―Ｌ６内に正しく整列した果実Ｆ（第６
図）は仕切板の対向側壁５５，５６に接触するこ
となく、対応する隣接ドラムの突出支持面２６上
に通常は直接配置される。側壁５５，５６の下流
端に延長部５５ａ，５６ａ（第３図で点線で示
す）が各設けられ、延長部５５ａ，５６ａは支持
ブリツジ１７上に位置する果実の両側を支持す
る。延長部５５ａ，５６ａは果実が大型の場合に
は果実を直接支持する。仕切板の側壁のこのよう
な延長部はブリツジ１７から十分に離隔してお
り、送り機の指部単位体１６がブリツジ１７間を
通過しうるようになつている。第３図に点線で示
すように、延長部の下端部にブラケツトが形成し
てあり、同ブラケツトは支持ブリシジ１７に固定
される帯片５３にボルトで固定される。両端のド
ラム２３ａ，２３ｇに関してはドラム２３ａの側
壁５５、及びドラム２３ｇの側壁５６に延長部５
５ａ，５６ａが設けられない点を除いてはこれら
ドラム２３ａ，２３ｇ上の仕切板は既に説明した
他の仕切板と同一の形状のものである。

第３図、及び第６図に示すように、全てのドラ
ム２３ａ―２３ｇの支持壁２６の突出角部、即ち
隆起２８が水平線に関して同様な位置をとりうる
ように、ドラム２３ａ―２３ｇはプツシユ・プル
棒３７に連結される点に注目されたい。すなわ
ち、ドラムのアームは、各対のドラムの果実支持
壁の角部２８が互いに直径方向に対向して位置し
うるように、プツシユ・プル棒に枢着される（第
６図）。

装置を作動するに際して、果実は傾斜コンベヤ
ベルト１１からホツパ１０に送られる（第４
図）。コンベヤベルトが横方向に傾斜しているの
で、果実はコンベヤの下縁１１ａに隣接して蓄積
され、同下縁１１ａからホツパの隣接ドラム２３
ａ―２３ｇ間の通路Ｌ１―Ｌ６内に転げ込む。先
に触れたように、ドラムの直上に配置された仕切
板５０は各通路Ｌ１―Ｌ６内に一時に単一列の果
実しか送られないようにする。果実が縁部１１ａ
を越えてドラム上に落下するや否や、ドラムが周
期的に回転することにより、果実はドラムの回転
方向とは反対方向に回転する。このような回転運
動を第６図に示す。第６図では果実Ｆは一つの送
り通路内の隣接するドラムの両方のドラムによつ
て回転していることが分る。ドラムが上述の方向
とは反対方向に回転する場合には、果実は更にそ
の方向とは反対の方向に回転する。このように果
実に回転振動運動が印加されると、果実は単一列
内で相互に分離されるようになり、その重力によ
つて単一列内でドラム上を急速に下降してホツパ
の底部に位置する支持ブリツジ１７に達し、ここ
で送り機１４によつて捕捉される。要約すれば、
回転運動によつて一時に１個の果実が連続的に送
り機１４の各チエーンコンベヤ１５に確実に送ら
れることになり、送り機とこれに対応する果汁絞
り機１２の正常な運転を実現しうることになる。

以上の通り本発明を実施するに当り最良の態様
を図示し説明したが、本発明の主題から逸脱する
ことなく改良や変更を加えうることは明白であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の果実ホツパから送られる果実
を受承するに適したかんきつ類果汁絞り器の概略
正面立面図、第２図は下部コツプ、果実送り機、
及び果実ホツパの一部分を拡大した側部立面図、
第３図は本発明による果実ホツパの一部分を拡大
した正面立面図、第４図はホツパを一部展開して
示す部分拡大平面図、第５図はホツパを駆動する
駆動機構を縮少して示す側部立面図、及び第６図
はホツパの作動時の状態を示す部分拡大横方向断
面図である。 １０…ホツパ、１２…果汁絞り機、１４…果実
送り機、１６…指部、２３ａ―２３３ｇ…ドラ
ム、３５…アーム、３７…棒、４０…駆動体、５
０…仕切り部材、Ｆ…果実、Ｌ１―Ｌ６…通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 実質的に球形で無秩序に供給される物品Ｆが
   傾斜した供給路に沿つて進行するために分離さ
   れ、前記供給路の下流位置で前記物品の単一列の
   先頭が処理装置１２に移される果実送り装置１０
   において： 傾斜して横方向に相互に離間した物品支持部材
   ２３ａ〜２３ｇであつて、これらの間に下流方向
   に伸びる供給路を形成する物品支持部材； 振動運動のために前記支持部材を取り付けるた
   めの取付装置１９，２２，２９，３０，３１； 前記支持部材を同時に時計方向に、続いて反時
   計方向に振動させ、その結果支持された物品は反
   対方向に部分的に回転して左右への揺動運動が付
   与され、これによつて前記供給路を重力で下降す
   る前記物品の動きが増大する振動装置３５，３
   ７，３８，４０，４１，４２； 前記各支持部材の上に設けられた細長い静止装
   置５０であつて、前記物品を前記供給路内に保持
   して、前記左右への揺動運動の間に前記物品が前
   記支持部材を横断して移動することを防止する細
   長い静止装置；を具備し、 前記支持部材は複数の長方形パネル２７の各交
   点で縦方向に伸びる複数の細長い隆起２８によつ
   て形成される表面を有し、これによつて前記物品
   が前記供給路に沿つて進行している間にその左右
   の揺動運動に加えて前記物品に制限された上方向
   への運動を付与し、これにより前記物品は多方向
   に運動して、前記供給路に沿う物品の流れが静止
   摩擦で停止することを防止し； 前記振動装置は前記支持部材に加えられる振動
   運動によつて形成される円弧の長さを調節するた
   めの連結部材３８を有する； ことを特徴とする果実送り装置。 ２ 前記支持部材の表面は実質的に多角形断面を
   有しており、各振動運動の中心軸の回りに約180
   度の円弧に沿つて伸びる特許請求の範囲第１項記
   載の果実送り装置。 ３ 前記供給路内で前記処理装置への移送を待つ
   ている停止状態の先頭物品を保持する保持装置１
   ７を具備し、この保持装置１７は前記供給路から
   前記処理装置への連絡路を形成する特許請求の範
   囲第１項または第２項記載の果実送り装置。