JPS6242621B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は乳房補綴材に係り、より詳しくは、乳
房補綴材内の自動シール性のバルブに係る。

流動体充填可能物品と共に使用される各種型式
の自動シール性バルブが知られている。しかしな
がら、周知のバルブは比較的かさばり又製作上複
雑である。

かさの張るバルブは特定の使用分野では望まし
からざるものである。例えば、乳房補綴材内に触
知できるようなバルブを設けることは好ましいこ
とではない。

製作上こみ入つたバルブは通常費用がかかり好
ましくはない。かかるバルブは得てして多くの部
品を有し、そのため高価になるのみならずかさ張
ることになる。

先行技術によるバルブの一例がクルーガーの米
国特許第2697229号に記載されている。この特許
には物品に差込まれ物品の壁に接着された平らな
チユーブが示されている。このチユーブにより、
物品の内部から直接外部に通ずる通路が形成され
る。バルブは空気でふくらむ玩具及び外部胸当て
のような物品に有用である。物品中の空気の圧力
によりチユーブ部は閉塞され気抜けによる収縮が
防止される。

この特許のバルブはチユーブに孔を形成し次い
で物品の壁にチユーブを接着することにより製作
される。接着時チユーブは治具により壁に平らに
押しつけられ、ニードルにより孔にセメントを注
入する。セメントはチユーブの内面壁を物品の壁
に接続しチユーブを平らな位置に保持する。孔は
チユーブの中心をくだる通路が形成されるような
位置に配置されている。

ミランドの米国特許第3523563号には玩具など
のような物品の空気膨張のための自動シール性の
バルブが示されている。多層の粘着材料が引き離
され物品内に通ずる路が作られる。膨張のため通
路にチユーブがおかれる。チユーブを取り除くと
バルブが閉塞し粘着性材料とふくらんだ物品内か
らの圧力とにより各層は互にくつつき合う。

他の自動シール性バルブは市販されている膠化
体充填可能の乳房補綴材と共に供給される。バル
ブには可撓性材料で形成したチヤネルが設けられ
る。このチヤネルは補綴材中の膠化体の圧力によ
り閉じられる。

上記バルブは広く市場で認められているが、こ
れも改良の余地がある。主として、このバルブの
複雑な製作に対する改善が望まれる。バルブに設
けたデイスクはバルブチヤネルの両端における末
端開口及び基部開口の周りにおけるカラーの働き
をする。デイスク及びバルブチヤネルは装着フラ
ンヂ上に支持されている。組立部品点数の少いバ
ルブが望ましい。

ブーネの米国特許第3600718号には簡単なバル
ブが示されている。この特許に記載されたバルブ
は粘性の大きな膠化体よりなり、充填チユーブを
乳房補綴材から取外した際残る開口を流動充填す
る。

本発明の目的はかさばることがないとともに構
成が比較的簡単でありかつ製作上安価な自動シー
ル性バルブを有する乳房補綴材を提供することで
ある。

本発明によれば、開口部を有する袋状体から成
る流動体充填可能部材と、前記開口部を閉じるよ
うに該流動体充填可能部材に一体に備えられてい
て前記開口部から外部に突出しないように平坦な
形状に作られたバルブとを有する乳房補綴材にし
て、前記バルブは、細長い形状の非接着部分を残
して互に接着された対向表面を有する第１及び第
２の平面状可撓性部材と、前記第１の平面状可撓
性部材に形成されて前記非接着部分と前記流動体
充填可能部材の外部とを連通させる第１の開口
と、該第１の開口から離れた位置に設けられて前
記非接着部分と前記流動体充填可能部材の内部と
を連通させる第２の開口とを有し、前記第１及び
第２の開口並びに前記非接着部分は細長い充填装
置を円滑に案内して受け入れる通路を形成してお
り、少なくとも前記第２の平面状可撓性部材は、
前記流動体充填可能部材内の圧力に応答して前記
通路を閉じるに十分な可撓性を有している、こと
を特徴とする乳房補綴材が提供される。

添付図面参照の下に本発明の詳細を下通の如く
説明する。

第１図において、バルブ１０には第１平面状可
撓性部材１１と第２平面状可撓性部材１２が含ま
れる。

部材１１，１２は、非接着部分１３と接着部分
１４が形成されるように接着接合される。

第１平面状可撓性部材１１を貫通する第１開口
１５と第２平面状可撓性部材１２を貫通する第２
開口１６は互に食違つている。この両方の開口は
非接着部分１３に連通している。

開口１５，１６及び非接着部分１３によりチユ
ーブなどのような細長い充填装置を円滑に案内し
て受け入れる通路が形成される。

第１及び第２平面状可撓性部材１１，１２は有
用ないかなる材料からも製作できる。有用な材料
とは、第４図に示すように充填装置を差込んだ時
に拡がり、第１開口１５と第２開口１６との間に
通路を形成するよう充分な可撓性をもたねばなら
ぬ。少くとも部材１２のための材料は乳房補綴材
内部からの圧力などのような圧力に応答して非接
着部分１３を閉塞するのに充分な可撓性をもたね
ばならぬ。

バルブ１０を乳房補綴材に使用した場合、外科
的移植の後で簡単に触知できないような柔かい材
料から第１及び第２平面状可撓性部材１１，１２
を形成することが望ましい。

部材１１，１２は容易に接着接合できる材料で
形成せねばならぬ。

かかる材料はどんなものでも本発明に適当に使
用できる。特に満足すべき結果がシリコンゴムを
使用した場合得られた。シリコンゴムは移植後容
易に触知できるものではなく、部材１２に対する
圧力に応答して非接着部分１３を閉塞すべく充分
な可撓性をもつている。

シリコンゴムはまた容易に接着できると云う利
点をもつ。バルブは未加硫材料片で組立てられ
る。組立後、バルブは加熱加硫されゴムを硬化さ
せ、同時に接着剤を使用せずに所要部分における
接着を達成する。非接着部分１３などのような特
定領域に対しては熱硬化工程の前に離型剤を使用
して接着接合を避ける。乾燥粉末離型剤が最も一
般に使用される。

シリコンゴムがもつ追加の利点は、乳房補綴材
にかかるバルブを容易に取付けることができる点
にある。バルブを医療等級の接着剤を使用して直
接乳房補綴材に接着することができる（第５図参
照）。これとは別に、バルブを熱加硫によりバル
ブ支持部材（第６図参照）に接着することもで
き、この支持部材は普通同時に乳房補綴材に接着
されている（第７図参照）。

第２図は第１図のバルブ１０を線２−２にそつ
てとつた図である。

第１平面状可撓性部材１１の第１開口１５によ
り非接着部分１３とバルブを含有する乳房補綴材
の外部とが連通できる。

非接着部分１３が非直線状である点は注目され
る。

更に第３図には本発明の他の実施例によるバル
ブ３０が示される。

第１平面状可撓性部材３１は背面におかれた第
２平面状可撓性部材に非接着部分３２を除いて接
着される。

更に第４図において、充填チユーブにより通路
が開かれた所の第３図のバルブ３０が示される。
第１平面状可撓性部材３１並びに第２平面状可撓
性部材３５は非接着部分３２を除いて相互に接着
される。

第１平面状可撓性部材３１の第１開口３３によ
り非接着部分３２とバルブを含む乳房補綴材の外
部が連通する。第２開口３４は両部材３１，３５
間のバルブの縁部にある。この開口３４は非接着
部分３２をバルブの縁部まで延長することにより
形成される。

開口３３，３４及び非接着部分３２は充填チユ
ーブ４６を円滑に案内して受入れるのに適した通
路を形成する。このチユーブ４６は、乳房補綴材
などのような物品に流動体を充填するのに使用さ
れる多種多様な細長い充填装置のうちの一般に良
く用いられるものである。チユーブ４６には開口
３３と非接着部分３２を容易に通過できるよう角
度をなして切つた先導端４７がある。雌ねじを切
つた端部４８を介し流動体供給源にチユーブ４６
を容易に取付けることができる。

更に第５図には、本発明の乳房補綴材５１の一
部としてのバルブ５０が示される。バルブ５０は
乳房補綴材の本体をなす袋状部５３に接着されこ
の袋状部の開口部５４を閉じる。

バルブ５０は非接着部分５７を除いて互に接着
された第１及び第２平面状可撓性部材５５，５６
を含む。第１平面状可撓性部材５５の開口５８と
第２平面状可撓性部材５６の開口５９は互に食違
つている。この両方の開口は非接着部分５７に通
じ充填チユーブ５１０を円滑に案内して受け入れ
る通路を形成する。

乳房補綴材５１を充填するための流動体５１１
はチユーブ５１０を通り供給される。チユーブ５
１０を取除くと第２平面状可撓性部材５６に働く
流動体５１１からの圧力により流動体５１１が通
れなくなる程非接着部分５７がつぶされる。

更に第６図には可撓性支持部材６１上に取付け
たバルブ６０が示される。支持部材６１には、第
１平面状可撓性部材６４の第１開口６３の位置に
対応する位置におかれた孔６２が含まれる。

第１平面状可撓性部材６４並びに第２平面状可
撓性部材６５は非接着部分６６を除いて互に一体
に接着される。この非接着部分６６はバルブ６０
のへり迄延び第２開口６７を形成する。

第７図には、乳房補綴材７１内に位置したバル
ブ支持部材組立体７０が示される。

バルブ支持部材７２は袋状部７３に接着され開
口部７４を閉塞する。

支持部材７２の開口７５は第１平面状可撓性部
材７７にある第１開口７６と合致する。第１平面
状可撓性部材７７は非接着部分７９を除いて第２
平面状可撓性部材７８に接着される。非接着部分
７９はバルブ７１０のへり迄延び開口７１１を形
成する。

流動体７１２は第２平面状可撓性部材７８に対
して非接着部分７９を閉塞するよう充分な圧力を
作用させ、流動体７１２は流動体充填可能の乳房
補綴材７１内に残る。

更に第８図には第１平面状可撓性部材８１を含
むバルブ８０が示される。部材８１は非接着部分
８２を除いて背面におかれた第２平面状可撓性部
材に接着接合される。非接着部分８２は非直線形
状を有し部材８１の第１開口８３とバルブのへり
の第２開口８４の間に渦巻き形の通路が作られ
る。この非接着部分８２の非直線形状により流動
体通路を外部より遮断するためのより広大な表面
積が得られる。第８図のバルブ形態は圧力の小さ
な流動体を入れる乳房補綴材にしばしば役立つも
のである。

本発明を下記諸例を中心に説明する。

例 １ 本発明によるバルブは第３図の如き設計で形成
され、各種の未加硫シリコンゴムよりなる厚み
0.0254ミリメートル（0.010インチ）の平面状可
撓性部材を使用した。この対構成の部材は機械等
級、清潔等級及び医療等級品質のシリコンゴム材
料より選ばれる。

非接着部分の形状にそい対になつた平面状可撓
性部材のいづれか１つの上に乾燥粉末式離型剤を
おく。ほぼ第３図に示すような非接着部分を形成
するよう離型剤を配置する。対になる他の平面状
可撓性部材を第１平面状可撓性部材に重ねてお
き、両部材を摂氏160度の温度で15分にわたり毎
平方センチ700キログラム（毎平方インチ20000ポ
ンド）の全圧力で一体に圧接する。

加硫硬化されたバルブの通路は充填チユーブを
用いて試験的に開成される。

このような見本の場合、未加硫（粘着性）のシ
リコンゴムの支持部材（第６図の参照番号６１）
がバルブ上におかれバルブは支持部材に粘りつ
く。この支持部材中の孔はバルブの第１面にある
開口に対応する。鉛筆状の工具の端部を使用して
支持部材の粘性によりバルブと支持部材をとり上
げる。バルブ・支持部材組立体の両側を工具上に
支持しながら指で僅かに湾曲させて直径を減ら
す。加硫硬化処理したシリコンゴムの乳房補綴材
の袋状部に空気を吹き込み部分的にふくらまし、
その内側へ上記組立体を開口部より差し込む。バ
ルブ支持部材の直径はこの開口部より大きいが、
へりが僅かに湾曲するので組立体を開口部より挿
入させることが可能となる。挿入後、部材の曲が
りは戻され工具を用いて組立体を位置ぎめし、袋
状部の開口部の周縁に押しつけて粘着させる。次
に、工具を支持部材から取り去る。

バルブと乳房補綴材の袋状部は加熱硬化処理に
より支持部材の夫々の側に接着され第７図に示す
如き構成を形成する。機械的等級品質のシリコン
ゴムバルブ組立体は摂氏160度で40分間にわたり
加硫硬化処理をする。清潔等級品質のバルブ組力
体は摂氏160度で30分間にわたり硬化処理し、医
療等級品質バルブは摂氏300度で15分間硬化処理
をする。

乳房補綴材には約2/3程殺菌水をつめ各構成上
に500グラムの重量をおく。24時間後、500グラム
の力を取り去り袋状部及びバルブの洩れ検査を実
施する。袋状部及び内部のバルブは洩れのない点
が確認される。

機械的等級品質及び清潔等級品質のシリコンゴ
ムは所要の部分で良好な接着性を示し離型剤で処
理した部分は非接着性を示す。この接着部分と非
接着部分との間の線は規則正しい。医療等級品質
のシリコンゴムで作つたバルブの場合、接着は不
均一で接着部分と非接着部分の間の線は不規則で
ある。

例 ２ バルブに清潔等級品質のシリコンゴムを使用し
た例１の方法により流動体充填可能の乳房補綴材
を製作する。

この補綴材に市販のシリコンゲルを水柱30セン
チメートルの圧力に充填する。第４図及び第５図
に示すような充填チユーブを用いる。充填チユー
ブを引抜くと、バルブは補綴材を洩れのないよう
密封したまま放置される。バルブは補綴材の正面
からは容易に触知できない。

例 ３ 医療等級品質のシリコンゴムで作つた例１のバ
ルブを直接乳房補綴材の袋状部内に配置する（第
５図に示す如く）。バルブは「シラステイツク」
（SILASTIC）医療粘着シリコンＡ型医療粘着剤
を用いて袋状部に直接接着される。組立及び硬化
処理後、補綴材には例２の場合と同様にゲルを充
填し同じような結果を得た。

以上説明したように、本発明の乳房補綴材にお
いては、第１及び第２の平面状可撓性部材の細長
い形状の非接着部分と第１及び第２の開口とによ
り形成される通路は細長い充填装置を円滑に案内
して受け入れる効果がある。しかも、少くとも第
２の平面状可撓性部材は流動体充填可能部材内の
圧力に応答する可撓性を有するので、充填完了後
に細長い充填装置を前記通路から引き抜いてしま
えば、該通路が自動的に閉じるので、前記第１又
は第２の開口に栓のごとき硬い封止部材を差し込
んで置く必要は全くない。

本発明について上記の教示、図面及び実施例に
より当業者が本発明を製作使用し、本発明実施の
ベストモードを理解し他の諸発明並びに先行技術
より明かに区別できるように充分明りようかつ簡
潔に記載した。本発明については多くの変更及び
自明な適応が容易に想起できるものであり、これ
らは特許請求の範囲に包含されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による乳房補綴材用のバルブを
示し、第２図は第１図のバルブの線２−２にそつ
てとつた同バルブを示し、第３図は非接着部分が
バルブのへり迄延びているような第１図及び第２
図のバルブの変更例を示し、第４図は充填チユー
ブが通路を開いた所の第３図のバルブを示し、第
５図は自動シール性乳房補綴材の一部を示し、第
６図はバルブ支持部材に接着したバルブを示し、
第７図は自動シール性乳房補綴材の一部としての
第６図のバルブを示し、第８図は非接着部分が非
直線形であるようなバルブを示す。 １０，３０，５０，６０，８０，７１０……バ
ルブ、１１，３１，５５，６４，７７，８１……
第１平面状可撓性部材、１２，３５，５６，６
５，７８……第２平面状可撓性部材、１３，３
２，５７，６６，７９，８２……非接着部分、１
４……接着部分、１５，３３，５８，６３，７
６，８３……第１開口、１６，３４，５９，６
７，７１１……第２開口、５１，７１……乳房補
綴材、５４，７４……開口部、６１，７２……バ
ルブ支持部材、４６，５１０……充填チユーブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 開口部を有する袋状体から成る流動体充填可
   能部材と、前記開口部を閉じるように該流動体充
   填可能部材に一体に備えられていて前記開口部か
   ら外部に突出しないように平坦な形状に作られた
   バルブとを有する乳房補綴材にして、 前記バルブは、 (イ) 細長い形状の非接着部分を残して互に接着さ
   れた対向表面を有する第１及び第２の平面状可
   撓性部材と、 (ロ) 前記第１の平面状可撓性部材に形成されて前
   記非接着部分と前記流動体充填可能部材の外部
   とを連通させる第１の開口と、 (ハ) 該第１の開口から離れた位置に設けられて前
   記非接着部分と前記流動体充填可能部材の内部
   とを連通させる第２の開口とを有し、 前記第１及び第２の開口並びに前記非接着部分
   は細長い充填装置を円滑に案内して受け入れる通
   路を形成しており、 少なくとも前記第２の平面状可撓性部材は、前
   記流動体充填可能部材内の圧力に応答して前記通
   路を閉じるに十分な可撓性を有している、ことを
   特徴とする乳房補綴材。 ２ 前記第１の平面状可撓性部材は前記バルブを
   前記流動体充填可能部材の内部に位置させた状態
   で該流動体充填可能部材の前記開口部を閉じるよ
   うに該流動体充填可能部材に接着されている、特
   許請求の範囲第１項に記載の乳房補綴材。