JPS6242020B2 - - Google Patents

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JPS6242020B2
JPS6242020B2 JP58020897A JP2089783A JPS6242020B2 JP S6242020 B2 JPS6242020 B2 JP S6242020B2 JP 58020897 A JP58020897 A JP 58020897A JP 2089783 A JP2089783 A JP 2089783A JP S6242020 B2 JPS6242020 B2 JP S6242020B2
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JP
Japan
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chromium
reduction
smelting
pellets
furnace
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JP58020897A
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Hiroyuki Katayama
Masatoshi Kuwabara
Hideki Ishikawa
Tsutomu Saito
Noryuki Inoe
Masaki Fujita
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電力に依存しないで、クロム鉱石から
高クロム合金を安価かつクロム歩留高く製造する
方法に関する。
従来、高クロム合金、例えばCrを50%以上含
有するフエロクロムは、電気炉においてクロム鉱
石あるいはその半還元物を加熱、溶融、還元して
製造されてきた。もし、このエネルギー源を電力
より安価な一次エネルギー(とくに、石炭、コー
クスなどの石炭系固体炭素質の燃焼エネルギー)
に置換できれば、その経済的な有利性は非常に大
きい。
しかしながら、クロム鉱石の加熱、溶融、還元
反応と、それに必要なエネルギーを炭素質固体の
燃焼により付与することを、同一の炉内で行うに
は次のような問題がある。
(1) 炭素質固体を気体酸素または空気で燃焼させ
て多量の熱を発生させるためには、多量の酸化
性ガスを強制的に炭素質固体を含むメタル浴あ
るいはスラグ浴に供給して燃焼速度を大にする
ことが必要である。しかしながら、このこと
は、スラグ中のクロム酸化物が、スラグ中に懸
濁する炭素質固体またはメタル浴中の溶解炭素
によつて十分に還元されることを阻害する。す
なわち、炉外に排出されるスラグ中のクロム濃
度は、クロム歩留を高めるという観点からは、
少なくとも現行電炉法なみの3%以下、出来れ
ば1〜2%以下にすることが望まれるが、強力
に炭素質固体の燃焼を行つている部位で、十分
にスラグ中のクロム濃度を低下することは難か
しい。
(2) クロム鉱石は一般にその中に含まれるクロム
スピネルが難溶解性であるためスラグ中のクロ
ム濃度の低下速度がおそい。しかしながらこれ
を促進するために、撹拌強度を大にするとか、
あるいはスラグの温度を高めるかあるいは溶融
点を低下せしめるなどの対策は、いずれも反応
容器の耐火物原単位を低下せしめるおそれがあ
る。
本発明は以上のような問題を解決して、電気に
依存することなく排出するスラグ中のCr%を現
行電炉法と同等あるいはそれ以下にまで低下する
とともに、生産性を高め、かつ耐火物の原単位も
許容できる範囲内にとどめることを目的に、種々
検討を行つた結果得られたものであり、その要旨
とするところは、予備還元炉としてのロータリキ
ルンと、予熱、予備還元されたクロム原料(半還
元クロムペレツト)と炭材を供給しつつ上・底吹
酸を行ない、溶融と、クロム、鉄酸化物の還元の
一部を進行させる溶融還元第1期および、クロム
原料(半還元クロムペレツト)の供給を行なわな
いで、吹酸、撹拌を行なう溶融還元第2期からな
る製錬を行なう、上・底吹転炉型の溶融還元炉の
組合せからなる設備を用いてクロム鉱石を原料と
して高クロム合金を製造する方法において、前記
上・底吹転炉型溶融還元炉の操業パターンに対応
してロータリキルンの操業を非定常サイクル型と
することにより、溶融還元炉に供給する半還元ク
ロムペレツトの予備還元率と量を調節することを
特徴とする高クロム合金の溶融還元製錬法にあ
る。
以下、具体的な実施例によつて詳細に説明す
る。
本発明に用いる装置は、予備還元炉であるロー
タリーキルンと、溶融還元炉である上底吹転炉型
反応容器からなる。予備還元炉を組合せる理由
は、溶融還元炉から出る高温排ガスを利用して装
入原料を予熱、予備還元することにより、溶融還
元炉に要求される熱負荷を軽減するためである。
例えば、クロム鉱石中のクロム及び鉄分の65%が
予備還元され、かつ1000℃に予熱された状態で溶
融還元炉に装入できれば、クロム鉱石を予備還元
しないで装入した場合に比して、溶融還元炉での
必要発熱量は約30%でよいことになる。電気炉製
錬では、エネルギーは高価であるが、任意の零囲
気条件で加熱できること、かつ発熱場所を局限で
きることなどの長所があり、製錬炉への装入原料
の条件の如何に左右される還元を進めることがで
きる(耐火物についても、強撹拌が必要でないこ
とから温度勾配を利用したセルフライニングによ
りほとんど負荷をかけないようにできる)。これ
に対して、本発明が目的とするような溶融還元法
では良好な還元進行を可能にするためには、溶融
還元炉への装入原料の質及び装入時期については
種々の要求が加わる。そして、特殊な予備還元炉
の操業との組合せによつてはじめて還元反応を進
めるという点からは不利なエネルギー(すなわ
ち、炭素質固体を酸素で燃焼した時の発生エネル
ギー)を用いて高クロム溶湯を溶融還元するとい
う困難な目的を達成することが可能になる。本発
明のポイントは溶融還元炉側から要求される条件
でクロムペレツトを供給するための、ロータリー
キルン(予備還元炉)の特殊操業法にあるが、ま
ず、溶融還元炉側から要求される条件について述
べる。
第1図は溶融還元炉の設備の1例を示す。溶融
還元炉2は、予備還元されたクロムペレツトの供
給を受けて、それを溶融するとともに残留してい
るクロム、鉄の還元を進め、最終的にクロム・鉄
合金溶湯と、脈石物を主体とする溶融スラグを得
るための装置である。転炉状にしたのは、この場
合の反応の進行のために必須の条件であるスラグ
―メタルの強撹拌を実現するためである。底部か
ら酸素を含むガスの吹込みを行うための羽口3
(複数個のこともある)と、上方から酸素を炉内
に吹込むためのランス4が付属している。なお、
図において1はロータリーキルン、5はフード、
6は炭材、石灰用ホツパー、7は溶融メタル、8
は溶融スラグ、9はクロムペレツト、10は炭
材、11は気泡、12はペレツト供給量調整槽で
ある。
操業方法は次の通りである。操業をはじめるに
あたつては、別の溶解炉で得た炭素を含有する溶
湯を、溶融還元炉の定格量の50%以下(例えば30
%)装入する。このような溶湯としては、溶銑あ
るいは溶融還元炉から得られたフエロクロム溶湯
を誘導溶解炉で保温、あるいは再溶解したものが
適している。なお、一但操業が開始されると、以
後は生成した溶湯を炉外に出湯するに際し、その
一部を残留させることによつて操業が繰返されて
ゆく。
溶湯中に底吹羽口3から酸素を含むガス(例え
ば羽口を二重管とし、外側の管からプロパンガ
ス、Arなどの羽口保護ガス、内側の管から酸素
ガスを供給する)を吹込む。この底吹ガスの効果
は、 (i) メタル及び生成するスラグ層を強撹拌してク
ロム酸化物の還元反応速度を大にすること、 (ii) メタル中の炭素を燃焼してメタル浴を加熱
し、メタルを適度の温度(凝固点より20℃以
上、100℃以下の温度)に維持すること、 の2つである。後者については、もし、酸素を含
むガスの吹込みがなければ、フエロクロム精錬の
ようにスラグが多い場合には、溶融還元炉内での
発熱は上吹ランス4から供給される酸素によるス
ラグ中の炭材、あるいは生成したCOガスのCO2
への燃焼反応に依存することになり、メタルへの
熱供給はスラグを通して行われることになり、ス
ラグ温度をメタル温度より高くすることが必要に
なる。このことはスラグ温度が高いことにより耐
火物負荷が大になるので好ましくない。
上吹ランス4からの酸素供給は、コークスなど
の炭材を燃焼して発熱するためのものであり、こ
の製錬法での主な熱発生源である。製錬反応速度
を大にするためには、特に上吹酸素による炭材の
燃焼速度を大にして熱発生速度を大にすることが
重要である。そのためには炉内に存在するコーク
スなどの炭材に吹込んだ酸素ジエツトがあたりや
すくすることが望ましい。これには、ランスノズ
ルを広角・多孔(例えば7孔)として酸素ジエツ
トを広げるなどの対策をとる。
溶融還元の第1期においては、残留したメタル
の上に、ロータリーキルン1から、予熱、予備還
元されたクロム原料(半還元クロムペレツト)を
供給しつつ、上、底吹酸を行い溶融とクロム、鉄
酸化物の還元の一部を進行させる。還元剤および
発熱剤として、石炭やコークスなどの炭材が添加
される。また、クロムペレツト中の脈石分および
炭材中の脈石分を滓化するために、石灰を主とす
るフラツクスが添加される。
ペレツト及びフラツクスの装入を続けてゆくと
炉内の溶融スラグ量がふえてゆく。スラグがあま
り多くなり過ぎると、スラグの還元反応サイト
(炭材と溶融スラグ界面、及び溶融合金浴と溶融
スラグ界面)が減少するため、反応速度が小さく
なる。その限界はスラグ厚み(ガスが存在しない
と仮定して計算される値)が約250cm以下であ
る。
所定量の半還元クロムペレツトを装入し終る
と、溶融還元は第2期に移行する。第2期におい
ては、半還元クロムペレツトの供給を行わない
で、吹酸、撹拌(必要に応じて炭材は補給する)
を続ける。第2期においては第1期とは異なり溶
融還元炉内へのクロム酸化物の供給はないので、
処理時間とともにスラグ中の酸化物として存在す
るクロム量は減少する。到達クロム%はスラグの
還元速度と、吹酸による再酸化速度のバランスに
よつてきまる。したがつて、吹酸速度が小さくな
るほど、スラグの到達クロム%(酸化物として存
在するもの)は低くなる。この値は0.7〜0.05%
の範囲に低下することが可能であるが、実用的に
はクロム歩留、経済性及び生成スラグの利用方式
などの諸点から第2期終りの目標クロム%が設定
され、それを達成するために吹酸パターン(原則
として、吹酸量は連続的あるいは段階的に減少さ
せてゆく)及び処理時間などの操業条件が決めら
れる。なお、必要条件ではないが、溶融還元第2
期の終りに、電気加熱あるいはシリコン系合金の
添加によるスラグ中クロム%減少のための処理を
組合せることも可能である。
スラグ中のクロム濃度を所定の値まで低下する
と、炉を傾動して排滓する。使用する炉の形状及
び使用する鉱石、炭材などの条件により中間排滓
なしでは操業がやりにくい場合には、中間排滓
(すなわち上記サイクル2回以上で1回溶融金属
を出湯するということになる)を行う。つづいて
溶融金属の出湯を行うが、その30〜50%は炉内に
残留させることによつて底吹羽口を保護しつつ操
業を繰返してゆく。
なお、溶融還元第2期で半還元クロムペレツト
の供給を止めなければ、排出するスラグ中のクロ
ムを3%(現在電炉法なみ)あるいはそれ以下に
低下することは困難である。すなわち、スラグ中
のクロムの挙動は、還元反応、再酸化反応、及び
クロム酸化物の供給の動的なバランスによつてき
まる。現行電炉法では、非酸化熱源である電力を
用いているため炉内での再酸化はおこらないが、
シヤフト型炉で上方から、連続的には酸化クロム
を含んだ原料が反応場所に供給されるような条件
で操業が行われるため、スラグ中のクロムを3%
以下に安定して低下させることは容易ではない。
一方、固体炭素質を燃焼発熱させるために酸化
性ガスを供給することが必須条件である溶融還元
炉では局所的には再酸化がおこることを防止でき
ない。しかし、もしある期間、系外から酸化物を
含んだ原料の供給を止めると、スラグ中のクロム
酸化物の含有量は還元反応と再酸化反応のみのバ
ランスによつてきまることになり、適正な条件
(再酸化を抑制し、還元反応を促進するような条
件、例えば適正量の過剰固体炭素質をスラグ中に
共存させる、あるいは吹酸条件を調整するなど)
により、スラグ中のクロム含有量を電炉法と同等
あるいはそれ以下に低下できることになる。
溶融還元炉においてクロムの還元反応を効率的
に進めるためには還元反応速度を大にして、かつ
耐火物に対する負荷を過大にしないという2つの
条件を満足することが重要である。しかし、多く
の操業要因(例えば温度、撹拌強さなど)は、一
方の条件を満足させようとすると他方には著しく
不利になるという傾向がある。両方を満足させる
ための方法としては、炉内に存在する過剰の炭材
量を著しく増大することが考えられるが、実際に
加えられる炭材量におのずから限度があり、ま
た、それによる効果にも限界がある。これについ
て種種の実験的検討を行つた結果、溶融還元炉に
装入するクロムペレツトの還元率を高めることが
本質的な方策であることを見出した。すなわち、
クロムペレツトの予備還元率を増加させると、溶
融還元炉で必要とする還元量が減少し、それだけ
還元反応所要時間が減少するという、本来、予想
される効果のほかに、 (i) 一般にクロム鉱石の還元速度が小さい原因と
なつている難溶性のクロムスピネルを予備還元
によつて破壊し、還元反応速度を大にして所要
時間を短かくする、 (ii) クロム鉱石中の酸化鉄濃度を予備還元によつ
て低下し、溶融還元炉内のスラグの酸化鉄濃度
を下げ、耐火物侵食性を低下することの2つの
効果があることが判明した。
実験結果をそれぞれ第2図及び第3図に示す。
すなわち、耐火物への負荷が過大とならない条件
で(特に、温度を比較的低温に保つて)還元反応
を促進して短い時間でスラグ中のクロムを低いレ
ベルまで低下するためには、クロムの予備還元率
をクロム分還元率で60%以上、鉄分還元率で90%
以上にすることが望ましいことがわかる。
すなわち、溶融還元炉で効率的にクロムの還元
を行い、現行電炉法なみあるいはそれ以下にまで
スラグ中のクロム含有量を低下させるためには、
溶融還元炉に供給されるクロムペレツトについて
は次の条件が要求されることになる。
(i) 半還元クロムペレツトは、ロータリーキルン
における通常操業で得られる予備還元率(クロ
ム還元率で約55%)以上に予備還元されること
が望ましくかつ、極力、高温の予熱状態で溶融
還元炉に供給されることが望ましい。
(ii) 半還元クロムペレツトは溶融還元第1期のみ
溶融還元炉に供給される。第1期と第2期の時
間比率は各種操業条件によつて異なるが、1サ
イクル中で第1期が占める時間比率は最大85%
である。すなわち、溶融還元炉にペレツトの供
給を行うことの出来ない時間比率が15%以上も
あることになる。
このような条件を満足する予備還元クロムペレ
ツトの溶融還元炉への供給は、従来のロータリー
キルンは定常操業を行うものであるという考え方
では、十分に対応することができない。すなわ
ち、ロータリーキルンを定常操業しつつ予備還元
率を従来レベルより高めようとすれば、ロータリ
ーキルン内のペレツト加熱温度を高める(1400℃
以上)必要があるが、これはキルン壁への付着物
の増大をひきおこし安定操業を妨げる。また、ペ
レツト供給量を制御しようとすれば、ロータリー
キルンと溶融還元炉の間に大きな容量のバツフア
となる槽を設ける必要があるが、その場合には、
その槽でペレツトの温度降下や再酸化がおこりや
すい。
本発明では前記(i),(ii)の条件を効率的に満足さ
せるために、従来とは考え方を改めて、ロータリ
ーキルンを非定常操業することを特徴としてい
る。具体的には次の方法のいずれか、あるいは2
つ以上の方法の組合せからなる。
(1) 生ペレツト(クロム鉱石粉と炭材粉を混合、
ペレツト化し、乾燥したものを指す)のキルン
への供給速度をサイクル的に変化させる。他の
条件を一定とし、生ペレツトのキルンへの供給
速度だけを変化させた場合、ロータリーキルン
出口のペレツト排出量が、滞留時間だけおくれ
て装入量のパターンに従つて変化するだけでな
く、ペレツトの加熱温度の差により得られる還
元度もサイクル的に変化する。
(2) 生ペレツト量と外装炭としてのロータリーキ
ルンへの炭素質固体(コークス塊など)供給量
の比をサイクル的に変化させる。生ペレツト量/炭材量 の比が小さいほどロータリーキルン内でのペレツ
トの還元が促進され、一方再酸化が抑制されるた
めにロータリーキルン出口の半還元ペレツトの還
元率を高めることができる。
(3) ロータリーキルンの加熱、燃焼条件をサイク
ル的に変化させる。他の条件が一定の場合に
は、発熱量が多い時に最高温度に最も長く保た
れたペレツトの還元率が高くなる。特に、定常
操業でキルン内温度を上昇すれば付着物の成長
が顕著になり安定操業が阻害されるのに対し、
本発明のようにサイクル的(1周期は数時間)
に燃焼条件を変化させる場合には付着をおこさ
ない条件内でペレツトの平均加熱温度を高める
ことが可能になる。
(4) ロータリーキルンの回転速度をサイクル的に
変化させる。回転速度を大にすればペレツトの
排出量をふやすことができる。
本発明を実施するために用いる設備の例を第1
図に示す。通常のロータリーキルン(ただし、回
転速度は二段階以上に変更できる)と、必要によ
り、溶融還元炉にペレツトを装入するための樋の
役割をかねたシユート(その中間にペレツトの流
出量をコントロールするためのシヤツターがつけ
られている)が用いられる。この設備で前記(1)〜
(4)の一つ、あるいは複数以上の方法を組合せた非
定常(いいかえるとサイクル型)操業を行うこと
により、溶融還元炉に供給されるペレツトの質
(還元率)と量を任意に変化させることができ
る。
溶融還元炉から見た望ましい操業条件は次の通
りである。
溶融還元第1期の初期においては、少量の残留
溶湯を種湯としてペレツトの供給を行うが、吸熱
による溶湯温度の低下によるトラブルを防ぐた
め、ペレツト中のクロムの還元率は高くし、かつ
炭材投入量を減らす(炉内での還元の進行を抑制
するため)ことが望ましい。
次に溶融還元第1期の中期においては、ペレツ
ト中のクロム還元率は少々落しても、ペレツト
量、炭材、吹酸量をふやして、ペレツトの溶融と
還元を進める。ついで溶融還元第1期の末期にお
いては、次の溶融還元第2期初めのスラグ中のク
ロム含有量を下げるために、ペレツトは極力クロ
ム還元率を高めるとともに、炭材比率をふやす。
溶融還元第2期ではペレツトの供給をとめてス
ラグ中のクロムの低下をはかる。クロムペレツト
の供給をとめるには、その排出時期に対応するペ
レツトの装入量をへらすこと、ロータリーキルン
回転速度を最小にすること、及びシユート内のシ
ヤツターを作動させて少量ペレツトをシユート内
にとどめるという方法を組合せて対処する。ロー
タリーキルンの加熱は溶融還元炉からの発生ガス
を用いる。溶融還元の最盛期については発生ガス
のエネルギーが余るので、発生ガスの一部はタン
クに貯めてもよい。
クロムペレツトのクロム還元率を高めるには、
ペレツトの供給速度を小さく、炉内滞留時間を長
くすること、あるいは外装炭の配合比率を高める
こと及びロータリーキルン内高温加熱時間を長く
することによつて実現できる。また、溶融還元炉
へのペレツト供給速度の制御は、ロータリーキル
ンへのペレツトの装入速度の変更、及びキルンの
回転速度の変更によつて行なわれる。
実施例 定格溶融金属量(すなわち出湯直前の溶湯量)
が50tの上底吹転炉を反応容器として用い、半還
元クロムペレツトを原料として、中間排滓を1回
行い、生成したフエロクロムの2/3(約33t)は出
湯し、1/3を残して半連続的に操業を行つた。溶
融還元炉の炉底には、底吹羽口(内管径20mmの二
重管)4本が取付けられており、内管は純酸素、
外管はプロパンガスを保護ガスとして流す。上吹
ランスのノズルは全部で7孔(中心に1孔、周囲
に6孔)である。
溶融還元の主原料であるクロム鉱石は、コーク
スとともに混合粉砕後造粒してペレツトにし、乾
燥後ロータリーキルンに装入し溶融還元炉から出
る高温ガスを加熱源として、予備還元、予熱を行
つた。溶融還元炉に供給される炭材の80%は、ロ
ータリーキルンに外装炭として装入し、半還元ペ
レツトの還元率の向上と溶融還元炉に供給する炭
材の予熱を行う。ロータリーキルンと溶融還元炉
の中間には、ペレツト供給調整槽を設け、溶融還
元炉への原料供給速度を制御する。
溶融還元炉へ供給される半還元クロムペレツト
の平均成分、温度は次の通りである。
T.Cr:36%、T.Fe:18%、Cr分還元率:66
%、鉄分還元率:92%、MgO:10%、Al2O3:10
%、SiO2:9%、温度1000℃。
塊状炭材としては、次の3種類を用いた。
炭材A(特殊):石炭粉、クロム鉱石粉及び、
本工程の発生スラグを粉砕後、磁選処理した時の
磁着物(T.Cr:35%、T.Fe:23%、CaO:9
%、MgO:11%、Al2O3:10%)を重量比で、
7:3:1になるように混合し、さらに3重量%
の糖蜜を粘結剤として加えて豆炭状に成型し、
800℃に加熱して焼成する。得られたものは見か
け比重が1.2である。
炭材B(特殊):コークス粉(5mmφ以下、C
分87%)に糖蜜を5%添加したものを豆炭状(最
大長さ50mm、最大厚み25mm)に成型するに際し、
フエロクロム破砕屑(15mm以下)を加えて、みか
け比重を0.9〜1.4に調整する。
炭材C(普通の塊コークス):C分88%、サイ
ズ10〜70mm ―溶融還元製錬第1期― 残し湯17tに酸素を含むガスを上底吹しなが
ら、予熱された予備還元ペレツトと炭材、石灰を
装入する。
吹酸速度は、上吹7000Nm3/hr、底吹800Nm3
hr×4である。溶融合金相の温度が1580〜1630℃
の間にコントロールされるように、予備還元ペレ
ツトの装入速度を調整する。
45分で半還元ペレツト32t、炭材10t、石灰3.5t
を装入する。この期に装入する炭材のうち、80%
は通常の塊コークス(上記炭材C)を、又10%は
上記炭材Aをロータリーキルンを通して、又残り
10%は上記炭材Bを炭材ホツパーから直接溶融還
元炉へ装入する。
この期におけるロータリーキルンの操業は、乾
燥ペレツト32t/hr、炭材A1t/hr、炭材C4t/
hr、を通常のキルン装入口より装入し、又キルン
管体の途中に設けたスクープフイーダーより、炭
材Cを2〜6t/hrの範囲で装入することにより、
クロム還元率のコントロールを行なつた。
キルン回転数は0.4r.p.m.で定常連続排出さ
せ、ペレツト調整槽を介して、溶融還元炉への装
入を制御する。
―溶融還元製錬第2期― 半還元ペレツトの供給を止め、前述の炭材Bを
炭材供給ホツパーより溶融還元炉に、3分おきに
50Kgづつ投入する。底吹酸素量は一定に保ち、上
吹吹酸量は、5分おきに、8500Nm3/hr、4000N
m3/hr、0Nm3/hrと変化させ、スラグ中のCr分
の還元を進める。
この期のロータリーキルンの操業は、ペレツ
ト、炭材の装入は止め、キルン回転数を0.05〜
0.1r.p.m.に落として、還元ペレツトの排出を極
力止めておく。
溶融還元炉の最終スラグ組成は、CaO:19%、
SiO2:20%、MgO:24%、Al2O3:22%、T.
Cr:0.9%、T.Fe:0.7%であつた。
次いで生成スラグの約90%を中間排滓し、前述
の溶融還元製錬第1期、第2期を繰り返す。ロー
タリーキルンの操業も前述の操業を繰り返す。
その後出滓につづいて生成した溶融金属の2/3
を出湯する。
以後は同一サイクルを繰り返す。
出湯された金属の成分は、次の通りである。
Cr:53%、Fe:37%、C:8.5%、Si:0.5%、
S:0.0015%、P:0.035%。
以上のように本発明は、フエロクロムのような
高クロム溶湯を還元製錬するためのエネルギー
を、従来の高価な電力から、安価な固体炭素質の
燃焼エネルギーに変更し、かつ同時に電気炉法と
同等あるいはそれ以下にまで排出するスラグのク
ロム濃度を下げるという相反する条件を達成する
ために考案された、特殊な予備還元炉と溶融還元
炉の操業の組合せに関するものであり、ステンレ
ス鋼などの高クロム鋼の主要原料であるクロム合
金源を安価に製造するという点から経済効果が大
きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる設備の1例を示す説明
図、第2図は溶融還元炉に装入するクロムペレツ
トの予備還元率とクロム酸化物の還元速度との関
係を示す図、第3図は溶融還元炉に装入するクロ
ムペレツトの予備還元率と溶融還元炉の耐火物原
単位の関係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 予備還元炉としてのロータリキルンと、予
    熱、予備還元されたクロム原料(半還元クロムペ
    レツト)と炭材を供給しつつ上・底吹酸を行な
    い、溶融と、クロム、鉄酸化物の還元の一部を進
    行させる溶融還元第1期および、クロム原料(半
    還元クロムペレツト)の供給を行なわないで、吹
    酸、撹拌を行なう溶融還元第2期からなる製錬を
    行なう、上・底吹転炉型の溶融還元炉の組合せか
    らなる設備を用いてクロム鉱石を原料として高ク
    ロム合金を製造する方法において、前記上・底吹
    転炉型溶融還元炉の操業パターンに対応してロー
    タリキルンの操業を非定常サイクル型とすること
    により、溶融還元炉に供給する半還元クロムペレ
    ツトの予備還元率と量を調節することを特徴とす
    る高クロム合金の溶融還元製錬法。
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