JPS6241647Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は携帯に便利な扁平折畳み椅子に関す
るもので、その目的は扁平板状に折畳んで嵩ばら
ない状態で手軽に運搬することができ、また椅子
使用時には第１脚板と第２脚板を平面十字形に回
動開脚させ、その上に２枚の座板を倒して開板支
持させるだけの簡単な操作でもつて着座状態に組
立てることができる従来には全くなかつた新規な
構造の扁平折畳み椅子を提供しようとするもので
ある。

即ち、この考案に係る扁平折畳み椅子は中央部
に表裏面に貫通した開口穴を有し且つ表面右側と
裏面左側の脚折り領域部に段落面を形成した第１
の脚板と、この第１脚板の開口穴に表裏略面一に
嵌められる板厚の中央板部を有し且つこの中央板
部から垂直中心線に対して左右対称に延出させた
座板支持脚対と接床脚対を有する第２の脚板と、
この第２脚板を第１脚板に対して直交する方向に
水平回動できるように垂直中心線上の位置で第１
脚板に枢着した垂直ピンと、上記第１脚板の上に
該脚板延長方向の垂直重合折畳み状態から第２脚
板で支持する水平開板状態まで回動できるように
ヒンジされた２枚の座板とを具備し、上記第２脚
板の座板支持脚対と接床脚対は第２脚板を第１脚
板の面内に回動して折畳んだ時に、第１脚板の表
裏段落面と当接す内面と、第１脚板の表裏面と略
面一になる外面をもつた肉厚寸法に設計され、椅
子全体が扁平板状に折畳まれるように構成されて
いることを特徴とするものである。

以下、この考案の一実施例を図面に従い詳述す
ると、この扁平折畳み椅子は第１の脚板Ａと、第
２の脚板Ｂと、２枚の座板Ｃ，Ｄから構成され
る。

第１の脚板Ａは中央部に表裏面に貫通した大き
な円形状の開口穴１を有し、且つ表面右側と裏面
左側の脚折り領域部（第２脚板Ｂの脚折り当接部
分）に段落面２ａ，２ｂが形成されていると共
に、開口穴１の上下部には該穴中心を通る垂直中
心線ｌ上に位置して２つの軸孔３，４が第１図の
如く穿設されている。なお、本実施例の場合、前
記第１脚板Ａは右側から切込んだＵ形状の切欠部
５ａを有する正面略形状の前面板５と、左側か
ら切込んだＵ形状の切欠部６ａを有する正面略
形状の後面板６を接合部面で接着して、両切欠部
５ａ，６ａの合致孔によつて円形状の開口穴１を
形成し且つ前面板５と後面板６の左右方向に対す
る段違いによつて表面右側の段落面２ａと裏面左
側の段落面２ｂを形成した２枚合板の重合接着構
成とされているが、全体を合成樹脂の一体成形品
として同様な構成につくることもできる。図中
７，８は第１脚板Ａを構成する前面板５と後面板
６の上端両側部に切込み７ａ，８ａを設けて形成
したヒンジ取付部で、丈夫な帯布で形成したヒン
ジ部材９，１０が当て板１１，１２と、締付固定
具１３，１４による締着で第２図、第６図の如く
取付けられる。上記第２脚板Ｂは上記第１脚板Ａ
の開口穴１に表裏略面一に遊合される板厚をもつ
た円形状の中央板部１５と、この中央板部１５か
ら垂直中心線ｌに対して左右対称に延出させた座
板支持脚対１６，１７と、接床脚対１８，１９を
有し、円形状の中央板部１５には垂直中心線ｌ上
に位置した上下部に第１脚板Ａの軸孔３，４と合
致する軸孔２３，２４が設けられていると共に座
板支持脚１６，１７の上には係合突片部１６ａ，
１７ａが設けられている。

なお、本実施例の場合、上記第２脚板Ｂは第１
脚板Ａの前面板５及び後面板６の切欠部５ａ，６
ａに沿うようにカツトされた縁部２０ａ，２１ａ
と、座板支持脚１６，１７及び接床脚１８，１９
の造形線に沿つてカツトされた縁部２０ｂ，２１
ｂを有する前後２枚の脚素板２０，２１を、各脚
１６〜１９が×形に延出するように位置合せして
接合面を接着した構成とされ、これによつて座板
支持脚対１６，１７と接床脚対１８，１９が第２
脚板Ｂを第１脚板Ａの面内に折畳んだ時に、第１
脚板Ａの表裏段落面２ａ，２ｂと当接する内面１
６ｂ，１７ｂ，１８ｂ，１９ｂと、第１脚板Ａの
表裏面と面一になる外面１６ｃ，１７ｃ，１８
ｃ，１９ｃをもつた肉厚寸法ｔ（第１脚板Ａを構
成する前後面板５，６の各板厚寸法と同じになつ
ている）に設定されているが、全体を合成樹脂の
一体成形品として同様な構成に製作することもで
きる。

２２は上記第２脚板Ｂを第１脚板Ａに対して直
交する方向に水平回動できるように枢着した２本
の垂直ピンで、垂直中心線ｌ上に位置する第１脚
板Ａの軸孔３，４に回転可能に嵌挿され且つこの
軸孔と合致する第２脚板Ｂの軸孔２３，２４に圧
入嵌合して固定される。

上記２枚の座板Ｃ，Ｄは両端にヒンジ止め突片
ｃ１，ｃ２，ｄ１，ｄ２を有し且つ頂部をアール
状に形成した直角二等辺三角形状の木質合板で構
成され、その両端ヒンジ止め突片ｃ１，ｃ２，ｄ
１，ｄ２を第１脚板Ａのヒンジ取付部７，８にヒ
ンジ部材９，１０を介して取付けることにより、
第１脚板Ａの上に延長した第２図、第４図の垂直
重合折畳み状態から第２脚板Ｂで支持される第５
図、第６図の水平開板状態まで起倒回動できるよ
うになつている。なお、上記両座板Ｃ，Ｄのアー
ル頂部に近い板面部には該座板の水平開板時にお
いて第２脚板Ｂの座板支持脚対１６，１７の係合
突片部１６ａ，１７ａと第５図、第６図の如く嵌
合する吊下孔２６，２７が設けられていると共
に、第１脚板Ａ上に当接するヒンジ側縁には切欠
溝２８，２９が設けられて、第２脚板Ｂが第１脚
板Ａの面内に折畳まれ且つ両座板Ｃ，Ｄが垂直重
合折畳み状態とされた場合にこの切欠溝２８，２
９と第２脚板Ｂの係合突片部１６ａ，１７ａが第
２図の如く嵌入するようになつている。

第２図〜第４図はこの考案の椅子を扁平板状に
折畳んだ状態を示しており、この状態では座板
Ｃ，Ｄの吊下孔２６，２７に指を入れて手軽に持
歩るくことも、或いは扁平板状に折畳んだ椅子を
車等に積んで運搬することもできる。第５図、第
６図は第１脚板Ａに対して直交する方向に第２脚
板Ｂを回動させ、その両脚板上に２枚の座板Ｃ，
Ｄを開放支持させた椅子使用時の状態を示し、こ
の状態では座板吊下孔２６，２７が第２脚板Ｂの
座板支持脚対１６，１７の係合突片部１６ａ，１
７ｂに係合して、第１脚板Ａと第２脚板Ｂの相対
的な回動を掛止めする作用をなすから、安定した
椅子使用状態を確保することができる。

次に、この考案の他の実施例について説明す
る。

第１脚板Ａの中央開口穴１及び第２脚板Ｂの
中央板部１５の形状は四角形、楕円形、菱形
等、垂直中心線ｌのまわりを第２脚板Ｂが開閉
回動できるものであればいずれの形状であつて
もよく、またその大さも大小適当に変更するこ
とができる。

垂直ピン２２は第２脚板Ｂの中央板部１５を
縦に貫通した１本のピンであつてもよい。

第２脚板Ｂのピン支部に脚板Ａ，Ｂの開閉回
動を円滑に行なわせるための座金を設けてもよ
い。

第１脚板Ａの表裏段落面２ａ，２ｂは第２脚
板Ｂの座板支持脚対１６，１７及び接床脚対１
８，１９が閉板嵌入する形状とした脚嵌合溝の
段落面であつてもよい（合成樹脂で一体成形す
る場合に実施可能である）。

第２脚板Ｂを第１脚板Ａに対して直交する方
向に回動掛止めする手段は吊下孔２６，２７と
係合突片部１６ａ，１７ａの嵌入構造に限定さ
れるものではなく、座板Ｃ，Ｄに脚止め具を設
けたり、或いは第２脚板Ｂの回動範囲を規制す
る係脱自在なストツパをピン回動部に設けたり
する変形例もある。

上記座板Ｃ，Ｄのヒンジ構造は実施例で述べ
た帯布製のヒンジ部材９，１０によるほかに、
蝶番ヒンジ、ピンヒンジ、一体的な薄肉ヒンジ
等各種のヒンジ構造を採用することができる。

その他本考案の要旨を逸脱しない範囲で各部
の構成、形状、寸法等を種々変更し得る。

この考案の折畳み椅子は以上述べたような構造
のものであるから、椅子全体を扁平板状に折畳ん
で嵩ばらない状態で手軽に運搬することができる
と共に、椅子使用時には第１脚板と第２脚板を平
面十字形に回動開脚させ、その上に２枚の座板を
倒して開板支持させるだけの簡単な操作で安定し
た着座状態に組立てることができる効果があり、
従来には全くなかつた新規な構造の扁平折畳み椅
子を比較的安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す椅子構成要
素の分解斜視図、第２図は同要素を組立てた椅子
全体の扁平折畳み状態を示す正面図、第３図は第
２図の−線矢視による横断面図、第４図は第
２図の中央縦断面図、第５図は椅子使用状態を示
した中央縦断面図、第６図は同椅子使用状態の斜
視図である。 Ａ……第１脚板、１……開口穴、２ａ，２ｂ…
…段落面、３，４……軸孔、５……前面板、６…
…後面板、５ａ，６ａ……切欠部、７，８……ヒ
ンジ取付部、７ａ，８ａ……切込み、９，１０…
…ヒンジ部材、１１，１２……当て板、１３，１
４……締付固定具、Ｂ……第２脚板、ｌ……垂直
中心線、１５……中央板部、１６，１７……座板
支持脚対、１６ａ，１７ａ……係合突片部、１
８，１９……接床脚対、１６ｂ，１７ｂ，１８
ｂ，１９ｂ……脚内面、１６ｃ，１７ｃ，１８
ｃ，１９ｃ……脚外面、ｔ……各脚の肉厚寸法、
２０ａ，２０ｂ，２１ａ，２１ｂ……縁部、２
０，２１……脚素板、２３，２４……軸孔、２２
……垂直ピン、Ｃ，Ｄ……座板、Ｃ１，Ｃ２，ｄ
１，ｄ２……ヒンジ止め突片、２６，２７……吊
下孔、２８，２９……切欠溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部に表裏面に貫通した開口穴を有し且つ表
   面右側と裏面左側の脚折り領域部に段落面を形成
   した第１の脚板と、この第１脚板の開口穴に表裏
   略面一に嵌められる板厚の中央板部を有し且つこ
   の中央板部から垂直中心線に対して左右対称に延
   出させた座板支持脚対と接床脚対を有する第２の
   脚板と、この第２脚板を第１脚板に対して直交す
   る方向に水平回動できるように垂直中心線上の位
   置で第１脚板に枢着した垂直ピンと、上記第１脚
   板の上に該脚板延長方向の垂直重合折畳み状態か
   ら第２脚板で支持する水平開板状態まで回動でき
   るようにヒンジされた２枚の座板とを具備し、上
   記第２脚板の座板支持脚対と接床脚対は第２脚板
   を第１脚板の面内に回動して折畳んだ時に、第１
   脚板の表裏段落面と当接する内面と、第１脚板の
   表裏面と略面一になる外面をもつた肉厚寸法に設
   計され、椅子全体が扁平板状に折畳まれるように
   構成されていることを特徴とする扁平折畳み椅
   子。