JPS6241124Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は瞬間湯沸器等の通水路、又温水暖房装
置の温水循環水路に設けて、これら水路の膨張圧
力を吸収する膨張タンクに係わり、目的とする点
は従来品に較べて高圧力下でも膨張余裕の大きな
膨張タンクを提供することにある。

従来の膨張タンクは第１図に示したように外筒
１内に周囲に間隔を置き圧力により外周方向に膨
張変位する例えばゴム製の弾性管２を収納し、当
該弾性管２内を水路に連結管３を介して連通せし
めている。かような構成の従来例では弾性管２の
外周囲に形成した膨張室の膨張容量を確保する為
には外筒１を長く延ばすか、或るいは外筒１の径
を大きくして外筒１の容積を大きくする必要があ
る。しかるに後者の場合は弾性管２の伸び限界の
関係で制約があり、従つて従来品では外筒１を長
くし、それに応じて弾性管２の長さも長くしてい
た。ところがかかる従来品では弾性管２が膨張す
る際の支点間の間隔が長く、比較的低い圧力でも
伸びが大きく、高圧になると弾性管２は外筒１内
壁に沿つてしまい一定の高圧下では殆んど膨張余
裕がないものであつた。

本考案はこのような従来品の問題を弾性管の伸
びに対する耐圧を大きくすることで解決したもの
で、以下図示の一実施例に基づき具体的に説明す
る。

１１は膨張タンクの外筒で、該外筒１１は一端
を開口し、その開口１２周囲に取付けフランジ１
３を設けてある。１４は外筒１内に周囲に間隔を
置いて収納しその外周囲に膨張室１０を形成した
例えばゴム製の弾性管で、該弾性管１４は同じく
一端を開口し、その開口１５周囲に鍔１６を一体
的に形成してある。１７は一端を例えば瞬間湯沸
器の通水路と連通せしめた連結管１８を取付けた
蓋で、該蓋１７を弾性管１４の鍔１６を介して外
筒１１の取付けフランジ１３に固定し、外筒１１
の開口１２並びに弾性管１４の開口１５を水密保
持せしめ弾性管１４を水路に連通せしめてある。
又外筒１１には環状の凹部１９を設けて該凹部１
９の先端を弾性管１４に近接せしめてある。尚第
３図に示した他の実施例では弾性管１４の外周部
に環状の突起２０を一体的に設けて、当該突起２
０の先端部を外筒１１に近接せしめて、共に外筒
１１内の上記膨張室１０内に狭小部２１を設けて
ある。

本考案は以上の構成よりなり、膨張圧力が連結
管１８を介して弾性管１４内に加わると弾性管１
４は外周方向に膨張を始めるが、該弾性管１４は
膨張初期に狭小部２１において外筒１１に当接
し、その後の圧力上昇においては破線（第２図、
第３図）に示したように弾性管１４の膨張は狭小
部２１が膨張に際しての支点となり、この部分を
境に分割して行われるのである。

従つて本考案によれば従来品のものに比較して
弾性管１４はその膨張に際して支点間の間隔が短
かくなつて伸びに対する耐圧が大きくなるのであ
り、それ故圧力上昇に対する膨張量が従来例に較
べて少なく、高圧下に於いても適当な膨張余裕を
有することになるのである。

このように本考案によれば同容積の従来品に比
較して弾性管の伸びに対する耐圧が著しく高くな
るので高圧下に於いても適当な膨張余裕が確保で
きるのであり、小型にして圧力上昇に対して極め
て安全な膨張タンクを提供することができるので
ある。

尚本実施例では狭小部を１ケ所に設けたが、複
数ケ所に設けてもよく、その場合は上記効果は一
層顕著なものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図は本考案
の一実施例を示す断面図、第３図は他の実施例を
示す断面図である。 １０……膨張室、１１……外筒、１４……弾性
管、２１……狭小部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒内に周囲に間隔を置き圧力により外周方向
   に膨張変位する弾性管を収納して、該弾性管外周
   部に膨張室を形成すると共に当該膨張室に、弾性
   管が膨張時当接する狭小部を設けたことを特徴と
   する膨張タンク。