JPS6240694B2

JPS6240694B2 -

Info

Publication number: JPS6240694B2
Application number: JP53158227A
Authority: JP
Inventors: Takeo Sugiura; Keiji Myajima; Hideo Nagatomo; Kyoshi Masui
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1978-12-18
Filing date: 1978-12-18
Publication date: 1987-08-29
Also published as: JPS54118822A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は偽造防止策を施した画像形成体に係
り、特に人間の視感度と忠実な色再現を目的とす
る感光材料の分光感度とのちがいを利用して、も
との印刷物等の画像形成体から前記感光材料を利
用して得られる複製物の特定部分が人間の目には
著しく異なつて感じられるようにした偽造防止策
を施した画像形成体に関する。

近年、写真乳剤、カラー複写機等の発達により
本物とほとんど変わらない偽造物が簡単に得られ
るようになり、画像形成体の偽造防止手段を求め
る声が非常に高くなつている。画像形成体を偽造
する場合、感光材料を利用して写真に撮つてから
印刷版を作成し、印刷することにより偽造物を作
成したり、カラー複写機での複写により偽造物を
作成したりする等の手段が考えられる。特に最近
のカラー複写機は、その性能が著しく向上し、だ
れにでも簡単に印刷物等の複製物が得られるよう
になり、カラー複写機を利用した偽造の防止方法
が切に望まれている。従来、印刷物の偽造を防止
する方法として、例えば数色の異なつたインキを
おのおのの分色版にインキングし、弾性体の集合
胴（ザンメル胴）に一旦転写し、刷版がこれより
インキを受けて紙面に一度で多色印刷するザンメ
ル印刷法により、模様の画線の色が途中から変化
し、しかも刷り合わせの狂いが全くない偽造され
にくい印刷をする方法がある。また特殊な機械彫
刻等により他に真似のできない複雑な模様を製版
し、印刷を行なつて偽造を防止しようとする方法
等がある。しかし、上記方法は製版コスト、印刷
コスト等が非常に高くなるという欠点が有るばか
りか、近年の感光材料の進歩により本物とかなり
似たものが得られるようになつている。勿論、専
門家が見れば一目で偽造と判断がつき一般の人で
も本物と比べれば偽造の判断は可能であるが、通
常の使用状態においては本物と比べてチエツクは
しないし、しかも取扱う人は専門家ではなく一般
の人なので、偽造物でも本物として通用してしま
うことがままある。

本発明は上記の事情に鑑みなされたものであり
特殊な製版法や印刷法を用いることなく、一般の
人にも簡単に偽造の判定が下せる偽造防止策を施
した画像形成体を提供するものである。

次に本発明の詳細を説明する。ここでは感光材
料の一例として忠実な色再現を目的とするカラー
写真用ハロゲン化銀感光材料を取り上げる。

一般にカラー写真用ハロゲン化銀感光材料のイ
エローＹ、マゼンタＭおよびシアンＣ色素の分光
反射率曲線は第１図に示す様なものであり、これ
らＹ，Ｍ，Ｃに発色するハロゲン化銀感光材の色
素の緑Ｇ、赤Ｒ、青Ｂの光に感じる度合は、第２
図の分光感度曲線で一般的に示される。一方被写
体を実際に見る人間の視感度曲線は第３図である
ことは周知のことである。

第３図は同じ濃度でも500〜650nm位の範囲の
波長は、450nmより短い波長および650nmより長
い波長より人間の目には強く感じることを示して
おり、第２図は、複写体中の600〜700nmの色は
ポジ複製物の場合どの部分も濃度は別として同一
色相の赤Ｒとして再現されることを示している。
例えば600〜650nmも650〜700nmも別の波長領域
だが、ポジ複製物では同一色相の赤Ｒとして表現
されるようになる。さらに具体的な例を上げて第
４図により説明する。

第４図は、色素４ａおよび４ｂの分光反射率曲
線を示すものである。図中ａで示す色素４ａの分
光反射率曲線では、視感度の低い650nmより長波
長側で少なくとも可視光域を含む部分、すなわち
650〜700nmにおいて高い反射率を示している
が、この領域は視感度が小さいため人間の目には
ほとんど感じられず、512nmにピークだけを持つ
色素４ｂ（図中では分光反射率曲線ｂで示す。）
の緑とほぼ同一の緑と感じる。ところが忠実な色
再現を目的とする感光材料を使つて色素４ａと４
ｂを撮影、現像した場合、分光反射率曲線ａにお
ける650〜700nmの領域が赤Ｒとして再現され、
かつ、この領域における光量が512nmにおける緑
Ｇより大いため赤Ｒが緑Ｇより勝つて結果として
黄褐色〜暗赤色となる。当然色素４ｂは緑Ｇとし
て感光材料上で再現される。

このことは最近容易にカラー複写が可能となつ
たカラーコピー機の場合も同様である。例えばフ
ジCBカラーコピー機CB４３０で第４図において
分光反射率曲線を示す色素４ａおよび４ｂをコピ
ーして作成した反射複写物の分光反射率を測定す
ると、それぞれ第５図に示すようになる。第５図
においてａは色素４ａに、ｂは色素５ｂに対応す
る。色素４ａは第４図にも示すように512nmにシ
ヤープな反射ピークを有し、かつ、このピークが
人間の視感度の高い領域にあるため、複写物上で
の変色効果は非常に大きい。しかし、450〜
650nmのピークがシヤープでなくとも反射率が高
ければ効果は大きい。例えばコバルトブルーは第
６図ａで示されるように反射率曲線におけるこの
ピークがブロードであるが、650〜700nmに高い
反射率を有するため、前記コピー機でコピーした
とき第６図ｂで示すような分光反射率を有する赤
青色となり、変色効果は、偽造防止に使うには充
分である。

このことは、例えば色素が、650nmより長波長
側で少なくとも可視光域、すなわち、650〜
700nm好ましくは650〜680nmに大きな反射率を
示す領域を有する場合、ほとんど人間の目に色と
して感じないがコピーしたとき赤として出現する
ことを示し、これとは別に、450〜650nmに高い
または／およびシヤープなピークを有する場合
は、コピーしたものの変色効果（例えば青→赤
青、緑→黄褐色など）が、人間の目には大きく影
るため、より効果的である。さらにこの場合ピー
クがシヤープの時、その効果は大きい。この場合
650〜700nmの領域における反射率は高い方がよ
いが、立ち上がりが大きいことも重要である。そ
の場合の立ち上がりについては650nmと680nmの
反射率の差が30％以上、好ましくは40％以上ある
と前述の変色効果が大きい。また、650nmにおけ
る反射率は出来るだけ低い方がよく、40％以下望
ましくは30％以下であると効果が大きい。このよ
うな条件を満たす色相としては青、緑、紫、灰色
など各色が挙げられる。また、上記の条件は650
〜700nmに限らず、視感度の低い450nｍより短波
長側で少なくとも可視光域を含む部分、すなわち
400〜450nm、好ましくは420〜450nmに高い反射
率を有する場合も同様である。

以上本発明の原理をハロゲン化銀感光材料を例
にして説明したが、本明細書でいう、可視光領域
に感度を有し、忠実な色再現を目的とする感光材
料はこれに限定されるものではなく、一般に使用
されている酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの感光
材料を利用したものも同様のことがいえる。従つ
て、本発明に係る偽造防止策を施した画像形成体
は、これら酸化亜鉛、硫化カドミウム等を感光材
料とするカラー複写機を利用した画像形成体の偽
造をも効果的に防止し得るものである。本発明に
おいて変色効果を有する色素としては、一部の無
機顔料、木綿用染料、ポリエステル用染料などあ
るが、具体的には、例えばコバルトブルーライ
ト、コバルトブルーデイープ、コバルトブルー＋
黄色（例えばジスアゾ系イエロー）の緑、濃口コ
バルト紫、ピーコツクブルーＡ、カルバゾール、
バイオレツト、クロモフタールバイオレツトＢ
（チバガイギー社製）などがある。当然のことな
がら、本発明に使用可能な色素としては、特許請
求範囲記載の条件を満たしたものなら含まれ、前
記の色素に限定されるものではない。

次に本発明に係る画像形成体について更に具体
的に述べる。本明細書にいう画像形成体とは、株
券、社債券、商品券、額面入り小切手、宝くじ、
ギフト券、航空書簡、郵便書簡、額面署名入り証
書、切手、収入印紙、小切手、手形、証書、クレ
ジツトカード、IDカード、保険証券、倉荷証
券、引替券、抽せん券、会員券、保証書、通帳、
配当金額領収証、証券伝票、ラベル、認可規制の
目的を持つシール類、ロータスクーポン製品、伝
票類等を指している。偽造防止策を施した画像形
成体は、第４図のａまたは第６図のａに示すよう
な分光反射率を有する色素、４ａや６ａと、これ
らの色相、明度、彩度が太陽、螢光灯、白熱電球
等からの通常光下では同一で、分光反射率曲線
で、450nmより短波長側と650nmより長波長側に
高い反射率の部分を持たない色素とを用い、それ
ぞれでパターンを設け、両者を目視で対比し易い
ように近接させて、紙、金属、合成樹脂等の基材
上の少なくとも一部に形成することによつて得ら
れる。このパターンは凸版方式、平版方式、凹版
方式等の通常の印刷方式や手書きによつて形成し
てやればよい。このようにして得られた画像形成
体は、忠実な色再現を目的とする感光材料を利用
して複製すると、第４図のａで示す分光反射率を
有する色素４ａを使用して形成したパターンの部
分は、複製物上では第５図のａで示す分光反射率
を示すようになる。同様に第６図のａで示す分光
反射率を有する色素６ａにより画像形成体上の一
方のパターンを形成した場合、この一方のパター
ンの部分は、感光材料を使用して得られる複製物
上においては第６図のｂで示す分光反射率を示す
ようになる。本発明の画像形成体は、叙述の如く
に、以上のような特性の色材（変色効果を有する
色材）と、分光反射率曲線で450nmより短波長側
と650nmより長波長側には高い反射率の部分を持
たず、色相、明度、彩度が太陽、螢光灯、白熱、
電球等からの通常光下では前記色材と同一に設定
してある色材とのそれぞれでパターンを、目視で
対比し易いように近接して配置して設ける。例え
ば第４図のａ，ｂで示す分光反射率を有するよう
な色素４ａおよび４ｂを使用していわゆる隠しパ
ターンを施した本発明に係る画像形成体を作製す
る。この場合、感光材料を利用して得られる複製
物上では変色効果の大きい色素４ａは緑から黄褐
色へと変色し、再現性のよい色素４ｂはほとんど
変色せず、隠しパターンが浮かび上つてくる。こ
の場合、前述したように色素４ａと４ｂの680nm
における反射率の差が30％以上、特に40％以上で
あると変色効果が顕著に現出する。この反射率の
差は他の色素についても本発明の条件を満足すれ
ば同様な結果を得ることができる。

以上のように本発明は、人間の視感度と忠実な
色再現を目的とする感光材料の感度の差を利用し
た新規なものであり、上記感光材料を利用した画
像形成体の偽造を防止することができ、一般の人
にも簡単に偽造の判定が下せ、しかも特殊な製
版、印刷法を必要としないものである。

以下に実施例を記すが、本発明はこの実施例に
限定されるものでないことは前述の説明により明
白である。

＜実施例＞上質紙上に第４図のａに反射率曲線を示すコバ
ルトブルーとジスアゾ系イエローを１：１で混合
の混合物を混練してあるインキ組成物を用いて
「これはコピーです」というパターンを刷り、そ
のまわりを第４図のｂに反射率曲線を示す
Chromium Oxide を混練してあるインキ組成物
を用いて印刷し、画像形成体を得た。人間の目に
はこの２色の差はほとんどつかずパターンは見え
ないが、KODAK
EKTACHROME64Proffessional Film（イース
トマンコダツク社製）を用いて写真撮影したと
ころ、得られた写真は緑色の中に赤つぽい緑色で
「これはコピーです」というパターンが現出し
た。また、フジCBカラーコピー機CB430（富士
写真フイルム社製）でカラーコピーをとつたとこ
ろ、得られたコピーにも同様に「これはコピーで
す」というパターンが現出した。ちなみに第４図
ａにおいて反射率は650nmで30％、680nmで80
％、700nmで90％、第４図ｂにおいて650nmで22
％、680nmで20％、700nmで19％であつた。

また、パターン部とバツク部との色素をそれぞ
れ交替して印刷しても同様な効果が得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的なカラー写真用ハロゲン化銀感
光材料のイエロー、マゼンタおよびシアン色素の
分光反射率曲線、第２図はイエロー、マゼンタお
よびシアン色素に発色するハロゲン化銀感光材料
の緑、赤および青の光に感じる度合を示す分光感
度曲線、第３図は人間の視感度曲線、第４図は色
素の分光反射率曲線、第５図は反射複写物の分光
反射率曲線、第６図は色素の分光反射率曲線をそ
れぞれ示す。

Claims

【特許請求の範囲】１可視光領域に感度を有し、有色画像の忠実な
色再現を目的とする感光材料を利用した画像形成
体の偽造を防止する為、基材の少なくとも一部
に、分光反射率曲線で、450nmより短波長側で少
なくとも可視光域を含む視感度の低い部分およ
び／または650nmより長波長側で少なくとも可視
光域を含む視感度の低い部分に高い反射率を有す
る色材を用いて設けたパターンと、分光反射率曲
線で、450nmより短波長側と650nmより長波長側
には高い反射率の部分を持たず、色相、彩度、明
度が、太陽、螢光灯、白熱電球等からの通常光下
では前記色材と同一に設定してある色材を用いて
設けたパターンとを目視で対比し易いように近接
して配置してあることを特徴とする偽造防止策を
施した画像形成体。２可視光領域に感度を有し、有色画像の忠実な
色再現を目的とする感光材料を利用した画像形成
体の偽造を防止する為、基材の少なくとも一部
に、分光反射率曲線で、650nm〜700nmの領域に
高い反射率を有し、450〜650nmの領域には高い
反射のピークを有する色材を用いて設けたパター
ンと、分光反射率曲線で、450nmより短波長側と
650nmより長波長側には高い反射率の部分を持た
ず、色相、彩度、明度が、太陽、螢光灯、白熱電
球等からの通常光下では前記色材と同一に設定し
てある色材を用いて設けたパターンとを目視で対
比し易いように近接して配置してあることを特徴
とする偽造防止策を施した画像形成体。３可視光領域に感度を有し、有色画像の忠実な
色再現を目的とする感光材料を利用した画像形成
体の偽造を防止する為、基材の少なくとも一部
に、分光反射率曲線で、400〜450nmの領域に高
い反射率を有し、450〜650nmの領域には高い反
射のピークを有する色材を用いて設けたパターン
と、分光反射率曲線で、450nmより短波長側と
650nmより長波長側には高い反射率の部分を持た
ず、色相、彩度、明度が、太陽、螢光灯、白熱電
球等からの通常光下では前記色材と同一に設定し
てある色材を用いて設けたパターンとを目視で対
比し易いように近接して配置してあることを特徴
とする偽造防止策を施した画像形成体。４可視光領域に感度を有し、有色画像の忠実な
色再現を目的とする感光材料を利用した画像形成
体の偽造を防止する為、基材の少なくとも一部
に、分光反射率曲線で、400〜450nmおよび650〜
700nmの領域に高い反射率を有し、450〜650nm
の領域には高い反射のピークを有する色材を用い
て設けたパターンと、分光反射率曲線で、450nm
より短波長側と650nmより長波長側には高い反射
率の部分を持たず、色相、採度、明度が、太陽、
螢光灯、白熱電球等からの通常光下では前記色材
と同一に設定してある色材を用いて設けたパター
ンとを目視で対比し易いように近接して配置して
あることを特徴とする偽造防止策を施した画像形
成体。