JPS6237570Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は一般家庭において使用する洗濯用洗剤
等の洗剤溶解装置に関するもので、特に粉石けん
の溶解に適した構造に係るものである。

従来例の構成とその問題点 従来、洗濯用洗剤には、合成洗剤系と粉石けん
系があり、特に今までは一般に合成洗剤の方が多
く利用されていた。その理由としては、合成洗剤
の方が溶解しやすく、洗浄力も高いということが
あげられる。

しかし、近年河川等の富栄養化が問題となり、
その一原因として有リン洗剤があげられ、一部地
域では有リン洗剤の使用を禁じるという現実があ
り、粉石けんの使用を奨励している。ところが、
粉石けんを使用する場合、洗濯機等においては、
ぬるま湯（約30℃）を使用しないと溶解しにく
く、洗剤の効果が十分発揮できない場合がある。
特に、10℃以下の水を使用した場合には、粉石け
んは非常に溶けにくく、洗濯が終つても、未だ石
けんの粒が残つている場合があり、着用時の衣類
に石けん粒がついていたり、泡立ちが悪く、なん
となく洗えていない感じを与えたりするものであ
り、この点に粉石けんの利用が伸び悩んでいる原
因がある。

考案の目的 本考案は上記従来の問題を解決し、冷水におけ
る粉石けんの溶解をす早く行わせ、優れた洗浄力
を発揮させることに加えて、取付体、例えば洗濯
機の本体側壁等への取付けを簡易に行えるように
することを目的とする。

考案の構成 そして、上記目的を達成するために本考案は、
周壁を多孔体で構成し本体内に略水平方向に回転
中心軸が存するように配した洗剤収容用のかご
と、前記かごを回転させるとともにかご内の洗剤
を溶解するシヤワー状の水を発生する給水手段
と、前記本体に設け取付体に対し係止するフツク
と、前記本体に設け取付体に吸着する吸盤とを備
えた構成により、取付体、例えば洗濯機本体の側
壁等に対する着脱を容易にし、取扱い易くしたも
のである。

実施例の説明 以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説
明する。図において、１は給水口で、洗剤溶解装
置の本体２の上部に本体２内のかご３を覆うよう
に設けた蓋４に着脱自在に取取付けられている。
５は蓋４を本体２に止めるための締付けネジであ
る。

本体２は、前方開口状の筒形をなしており、こ
の本体２の外方には、蓋４との協同による水室６
が形成されており、更に、この水室６は、水道か
らホース７、給水口１を介して流れてきた水が、
本体２上部の水室８および後方のノズル口９へ流
れていく構造となつている。このノズル口９に
は、周壁が網、ラス板、パンチングメタル等の多
孔体よりなる筒形状をしたかご３が、ノズル１０
を介して着脱可能である。

かご３は、多孔体よりなる胴部の両端を底板１
１とかご枠１２にてはさみ、更に底板１１の中心
部には中空ノズル１０が貫通している。さらに、
ノズル１０に設けたフランジ１３とノズル軸受１
４とで底板１１をはさんでおり、この状態で底板
１１はノズル１０を回転軸として略水平方向に回
転中心軸をもつて、フリーに回転できる様になつ
ている。さらにのかご３のかご枠１２には、キヤ
ツプ１５が嵌合され、かご３内に投入した洗剤が
かご３外へこぼれない様になつている。

ノズル１０のかご３内に突出している部分の底
板１１近傍と先端部には、小孔１６，１７をそれ
ぞれ有し、小孔１７はキヤツプ１５の外周方向に
向けて開口し、小孔１６は底板１１の底面に向け
て開口している。又、ノズル１０のかご３より外
方に突出した部分は、先端が弾性変形する突起１
８を有し、この突起１８は、本体２中央に設けら
れ、水室６へ連通する軸受け部１９に着脱自在に
嵌着しているものである。

水室８は、かご３に面する上面壁に多数の小孔
２０を形成しており、この小孔２０より流出する
シヤワー状の水が、かご３外周面に当り、かご３
を回す働きを生みだすものである。更に、前記シ
ヤワー状の水は、かご３周壁の細かい網目を通
り、かご３内の洗剤に当つて、これを溶かすとと
もに、前記多孔体が目づまりを起すのを、前記シ
ヤワー状の水流で流し取り、防ぐ役目を果すので
ある。

又、ノズル１０の小孔１６，１７より流れ出る
水は、小孔２０から出るシヤワー状の水が当りに
くいかご３の底面と上面に当り、その部分にある
洗剤を溶かす役目をなす。

水に溶け、かご３の多孔体におおける孔径より
小さくなつた洗剤の粒子は、水と一緒にかご３周
壁の孔より流れ出て、本体２下方の開口部２１よ
り流れ出ていく。第３図はその状態を正面より見
た場合を示し、この図では本体２の左側上方にシ
ヤワー状の水が出る小孔があり、かご３には左回
りの力が与えられ回転する。かご３内の洗剤はか
ご３と一緒に左方向に回るが、水の勢いが強くな
ればかご３の回転も速くなる。これに伴ない洗剤
は遠心力にてかご３内壁に密着するが、それを本
体２上部の小孔２０より流出する水の勢いでかご
３内壁より落としていく。この繰り返しにより、
洗剤が溶けていく。

又、洗剤が泡状に溶けながら、開口部２１より
流れ出る時、本体２の前面開口部より流れ出ない
ように、カバー２２を嵌着して設けており、この
カバー２２は本体２の開口部の口径より小さくし
ている。２３はキヤツプ１５の把手で、かご３を
本体より着脱する際に手でもつ。

上記構成によれば、周壁を多孔体とした筒形の
かご３を洗剤カツプとし、更に上記かご３そのも
のにシヤワー状の水を当て、かご３を回す力と洗
剤を溶かす力を生み出すものであつて、合理的な
構成により、きめ細かく洗剤の溶解を行うことが
できる。又、かご内部のノズル１０から出るシヤ
ワー状の水にて、かご３内の隅に残つた洗剤を溶
かすもので、水にて容易に溶けにくい粉石けんを
無駄なく、しかも確実に溶かすことができる。

なお、かご３の多孔体における孔の大きさは、
投入した洗剤がこぼれず、又、水に溶けた際には
容易に孔から流れ出て、洗濯機内で溶ける粒子の
大きさからして、約0.18〜0.22程度の線径で50メ
ツシユ程度が望ましい。２４は水といつしよに流
れ出る洗剤である。

次に上記した洗剤溶解装置を、一例として、洗
濯機に取り付けるための具体構造について説明す
る。第２図に示すように、洗濯機本体２５に内装
された洗濯槽２６のフランジ２６ａに本体２の一
端に一体に設けたフツク２７をかけ、更に、本体
２の下方部に取り付けられた略円錐形状の吸盤２
８を洗濯槽２６の内壁に吸着している。ここで、
本体２のフツク２７までの巾ｈを大きめにしてお
けば、多機種に亘る洗濯機のフランジ巾に対応し
て引つ掛けることができる。しかも、吸盤２８に
て固定するものであり、その着脱がきわめて容易
である。

次に洗剤収容用のかご３の具体構成について説
明する。特に第４図に示すように、筒状をなす多
孔体２９の一端部にリング状のかご枠１２を、他
端部に底板１１をそれぞれ配し、かご枠１２およ
び底板１１にそれぞれ設けた溝３０，３１をかご
３にはめ込み、接着等により固定する。なお、か
ご３は、かご枠１２、底板１１を多孔体とともに
一体成形にて形成しても良い。

底板１１の中央に設けた穴３２には、ノズル１
０をそのフランジ１３まで貫通させ、ノズル１０
周面の軸３３にはめ込む。次に底板１１の他端よ
り底板１１をノズル１０とノズル軸受１４ではさ
む様にし、ノズル軸受１４の穴３７をノズル１０
の軸部３４に圧入していく。この時底板１１の穴
３２の長さ３６よりも、ノズル１０の軸３３の長
さ３５をわずかに長くし、更に軸３３の径よりも
底板１１の穴３２の径をわずかに大きくし底板１
１が回動する構造としている。ノズル軸受１４
は、ノズル１０の軸３４に嵌め込み固着してい
る。

ノズル１０は、一端開口の中空円筒となし、か
ご３内に面する方の端部を閉端として、前述の通
り小孔１６，１７を設けている。又、他端開口部
は外周に突起１８等を設け、本体１に嵌着してい
るものである。上記した構成によれば、かご３の
回転軸を、かご３内へ水をシヤワー状に出すノズ
ル１０が兼用しており、簡単な構造で、かご１０
の軸支構造および給水構造を提供できる。

考案の効果 上記実施例から明らかなように本考案によれ
ば、回転自在なかごを洗剤カツプとし、給水手段
からの給水により、かごの回転と洗剤の溶解を行
う力を得るものであつて、簡素化された構造によ
つて、すばやく洗剤を溶解できるという作用に加
えて、取付体、例えば洗濯機本体の側壁に対し、
容易に着脱でき、しかも、取付体に対し、常設さ
れるものではなく、必要に応じ適宜セツトし得る
ために、取扱い上きわめて便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における洗剤溶解装置
の分解斜視図、第２図は同縦断側面図、第３図は
同縦断正面図、第４図はそのかごの分解断面図で
ある。 ２……本体、３……かご、１０……ノズル、２
６ａ……（洗濯槽の）フランジ、２７……フツ
ク、２８……吸盤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周壁を多孔体で構成し、下方に開口部を有する
   本体内に略水平方向に回転中心軸が存するように
   配した洗剤収容用のかごと、前記本体内上部に位
   置し、シヤワー状の水を下方に流出して前記かご
   を回転させるとともにかご内の洗剤を溶解する給
   水手段と、前記本体側面に設け洗濯槽のフランジ
   に対し係止するフツクと、前記本体下方側面に設
   け洗濯槽の内壁に吸着する吸盤とを備えた洗剤溶
   解装置。