JPS6235756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は地中もしくは擁壁等に掘削孔を設ける
のに用いる簡易掘削機のスイベル機構に関する。

［従来技術］ 上記を目的として従来にあつても各種形態のス
イベル機構が開発、使用されているが、小型化、
水密性、操作性等の面でいまだ十全なものは開発
されていない。例えば、従来の機構の一つとし
て、中空ロツド回転用モータ自体を加工するもの
があるが、構造が複雑となり、かつ大型化してい
た。また、実公昭36−13701号公報に記載のごと
く、スイベル軸の一端をオーガの出力軸に連結す
るとともに、他端を中空ロツドに連結し、同スイ
ベル軸にスイベル外套を設けるとともに、同外套
及びスイベル軸に気体または液体流入孔を設けた
ものがある。しかし、かかるスイベル機構も、
）スイベル軸と出力軸は直列に同軸上に連結さ
れているので、中空ロツドに半径方向力がかかつ
た場合、出力軸が破損する虞がある、）流入孔
は中空ロツドの軸線と直交するように設けられて
いるので、流体が円滑に流入しない、等の問題を
有していた。

［考案の目的］ 本考案の目的は、中空ボーリングロツド回転用
流体圧モータの出力軸を何ら加工することなく、
かつ出力軸の破損を効果的に防止でき、さらに円
滑に給水することができる簡易掘削機のスイベル
機構を提供することにある。

［考案の構成及び作用］ 上記目的を達成するため、本考案では、スイベ
ル機構を、回転中心上に貫通孔を有し、同貫通孔
の基端をなす出力軸取付孔３ｄに流体圧モータ２
の出力軸２ａを同心円的に固着するとともに、そ
の先端に中空ボーリングロツド５と連通する連通
孔３ｃを有する内筒体３ｂと、基端を流体圧モー
タ２の前面フランジに固着し、内筒体３ｂを同心
円的に回転自在にかつ水密状態に支持する外筒体
３ａと、内筒体３ａの基端に設けられる外筒体３
ａに設けた水流入孔３ｇと連絡する環状連通空間
３ｆと、内筒体３ａに設けられ、環状連通空間３
ｆと連通孔３ｃとを連絡する傾斜連通孔３ｅとか
ら構成している。

かかる構成により、出力軸への半径方向力によ
る曲げモーメントを最小とすることができ、かつ
給水を円滑に行うことができる。

［実施例］ 上記構成を有するスイベル機構３を具備する簡
易掘削機の一実施例が第１図から第５図に詳細に
示されており、以下同図面を参照して具体的に説
明する。

長尺機枠１は長尺矩形箱体として示されてい
る。流体圧モータ２は本実施例にあつては油圧モ
ータが用いられており、同油圧モータの操作及び
作動は油タンク６、油圧ポンプ７、エンジン８、
切換バルブ９及び所要の油圧配管１０よりなる油
圧ユニツトにて行なわれる。またスイベル機構３
は本実施例ではウオータスイベル機構（エアスイ
ベル機構でもよい）としており、同機構３は実質
的に外筒体３ａ及び同外筒体内に同心円的に回動
自在に囲にようされる内筒体３ｂとから構成され
る。

同構成において内筒体３ｂは一側に中空ボーリ
ングロツド５と連通する連通孔３ｂ、油圧モータ
２の出力軸２ａを取付ける出力軸取付孔３ｄ及び
上記連通孔３ｃに１端を連通してなる傾斜連通孔
３ｅを有しており、さらに同傾斜連通孔は外筒体
３ａの端壁間に形成される環状連通空間３ｆを介
して外筒体３ａに穿設された水流入孔３ｇと連通
される。

上記構成によつて、たとい油圧モータ２の駆動
によつて出力軸２ａ、内筒体３ｂを介して中空ボ
ーリングロツド５が回転している場合であつて
も、所要量の水を水流入孔３ｇ、環状連通空間３
ｆ、傾斜連通孔３ｆ及び連通孔３ｃを介して中空
ボーリングロツド５内に流入することができる。
また掘削部４はその先端にメタルクラウン１１を
有している。

油圧モータ２及びスイベル機構３を一体的に長
尺機枠１内を摺動させる機構としては各種形態が
考えられるが、本実施例にあつては、長尺機枠の
両側板の両端にスプロケツトホイール１２，１２
を取付け、各対のスプロケツト間に無端チエーン
１３，１３を巻回し、さらに両側板に油圧モータ
２及びスイベル機構３の側部に取付けた転動輪１
５，１５を案内支持する案内孔１４，１４を設け
た構成としている。

これによつて無端チエーン１３，１３をいずれ
かの方向に引くと、油圧モータ２、スイベル機構
３及びボーリングロツド５はいずれかの方向に進
退することになる。なお本実施例は無端チエーン
１３，１３は手動にて操作されるが、所要の駆動
源、例えば油圧モータを使用することもできる。

ついで上記構成を有する掘削機の作動について
述べれば、まず第１図に示す如き地面に対して掘
削機の長尺機枠体１を定置し、その後油圧モータ
２を駆動してボーリングロツド５を回転させると
ともに、水流入孔３ｇより水を注入し、さらに無
端チエーン１３，１３を作動して地面に向けてボ
ーリングロツド５を進行させ、これによつてボー
リングを行うものである。上記ボーリング作業に
おいて油圧モータ２とスイベル機構３はコンパク
トに一体化されているので、掘削機を容易かつ確
実に配置でき、その後円滑なボーリングを行うこ
とができる。

［考案の効果］ 以上述べてきた如く、本考案に係るスイベル機
構は流体圧モータの出力軸に同心円的に内筒体及
び外筒体を取付けることができるので、曲げモー
メントによる出力軸の破損を効果的に防止でき、
さらに、傾斜連通孔によつて円滑に中空ボーリン
グロツドへの注水作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスイベル機構を具備する
簡易掘削機の側面図、第２図は同平面図、第３図
は同正面図、第４図及び第５図は要部拡大説明図
である。 １……長尺機枠、２……流体圧モータ、３……
スイベル機構、３ａ……外筒体、３ｂ……内筒
体、３ｃ……連通孔、３ｄ……出力軸取付孔、３
ｅ……傾斜連通孔、３ｆ……環状連通空間、３ｇ
……水流入孔、４……掘削部、５……中空ボーリ
ツグロツド、６……油タンク、７……油圧ポン
プ、８……エンジン、９……切換バルブ、１０…
…油圧配管、１１……メタルクラウン、１２……
スプロケツトホイール、１３……無端チエーン、
１４……案内孔、１５……転動輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転中心上に貫通孔を有し、同貫通孔の基端を
   なす出力軸取付孔３ｄに流体圧モータ２の出力軸
   ２ａを同心円的に固着するとともに、その先端に
   中空ボーリングロツド５と連通する連通孔３ｃを
   有する内筒体３ｂと、基端を流体圧モータ２の前
   面フランジに固着し、内筒体３ｂを同心円的に回
   転自在にかつ水密状態に支持する外筒体３ａと、
   内筒体３ａの基端に設けられる外筒体３ａに設け
   た水流入孔３ｇと連絡する環状連通空間３ｆと、
   内筒体３ａに設けられ、環状連通空間３ｆと連通
   孔３ｃとを連絡する傾斜連通孔３ｅとから構成し
   たことを特徴とする簡易掘削機のスイベル機構。